世界には、満足にご飯が食べられずに困っている人が9人に1人いると言われています。その一方で日本では食品ロスが問題となっています。
持続可能な未来を築くためには、これらの食品問題を解決していく必要があります。そのために、食品の新しいサイクルを作ろうと様々な団体や会社がアプリやサイトを展開しています。
食品ロスアプリやサイトは、廃棄される予定となっている商品を購入したり、シェアしたりするサービスです。
そこで今回は、食品ロスの削減効果が期待できるアプリやサービスをご紹介します。自分自身の家計の助けにもなりますし、身近な問題からSDGsに取り組んでみたい方にもおすすめです!

目次
食品ロスアプリ10選
まずは、手軽に使えるアプリについてご紹介します。スマホにダウンロードすれば、いつでも見ることができますね。
【まだ食べられる!お店と食べ手をつなぐ】TABETE

TABETEは、まだ食べることができるのに、廃棄となってしまう商品を消費者へとつなぐサービスです。
例えば、パン屋さんなどで営業時間終了が近づき、売り切れずに商品が余ってしまうことってありますよね。これらの商品を通常より安価で提供し、食品ロスを無くして行こうという取り組みです。
2021年5月には1,500軒もの店舗が登録。ユーザー数も40万人を超えています。首都圏や金沢、大阪、福岡、名古屋などを中心に全国のお店が掲載。
利用方法は簡単で、商品購入を決めたらクレジットカードで決済し、あとは受け取り時間にお店に伺うだけです。
ぜひ、あなたの住んでいる・働いている地域にあるお店をチェックしてみてくださいね。
【食品ロスを子供たちの食糧支援につなげよう!】No Food Loss

No Food Lossでは、賞味期限が間近になったコンビニやドラッグストアなどの商品を安く買うことができます。コンビニなどの食品ロス問題は、たびたび大きく取り上げられますが、完全に解決には至っていません。
身近にある食品販売だからこそ、私たちでも取り組みやすいのではないでしょうか。ポプラや生活彩家など近くにある方はぜひチェックしてみてください。
アプリをダウンロードしてお知らせをオンにしておけば、お得情報を逃さずに済みますね。
【SNSにあげれば寄付金がUP!】Tabekifu(タベキフ)

Tabekifuは食品ロス削減に加えて、社会貢献団体へ寄付も同時に行えるアプリです。さらにはどこの団体に寄付をするかも選ぶことが出来ます。
加えて提携している飲食店の店内で食事をするか、テイクアウトするかを選ぶことも可能です。利用した分だけ社会貢献還元ポイントがついたり、利用度が可視化されているなど楽しみながら利用したい人におすすめのアプリです。
いつも利用しているお店が掲載されているか、ぜひチェックしてみて下さい。アプリはiPhoneのみ対応。Androidは現在準備中です。
【1.5次流通を活性化して、ロスを無くそう】Let(レット)
Letは誰でも利用ができるマーケットプラットフォームです。訳あり品や型落ち品、B級品、新古品など普通の流通には流せない商品を1.5次流通として捉え、売りたい人と買いたい人をマッチングします。
登録者数も400万人以上。初めて利用する際にはポイントが還元される特典も。食品ロスに貢献するだけでなく、家電・日用品からアウトドア商品なども扱っているので、いろんな商品を見ることができますよ。
【サステナビリティな店舗を見つける】Milife(ミライフ)
廃棄食材の有効活用を行える「ミライフ」。
各店舗の料理人が自信を持って発信しているサステナビリティなレシピを知ることができたり、ロスとなる前の料理を安く提供したりなど、飲食店と消費者をつなげるアプリです。
厳選されたレストランが登録しているので、贅沢なひとときを過ごせます。また、レシピを知ることで廃棄される食材の新しい価値を見出すこともできるでしょう。
ミライフの詳しい情報は公式Instagramでも確認が出来ます。素敵な写真とレシピアイデアの投稿もされていますよ。
【循環型経済でみんなのために】bananaq(バナナキュー)

食品を扱う事業や家での食品ロスを失くそうと作られたモバイルアプリです。
バナナキューでは、さまざまな理由で行き場を無くした食品を安く購入できます。また、家庭に余っている食材を無料で引き取り、フードバンクや業者へ寄付してくれます。
しばらくは使うことがなさそうな食材を整理し、受け取りに来た人に渡すだけで、誰かが喜んでくれるサービス。フードバンクなどに自分で届けに行くには勇気がいるという方におすすめのアプリです。
【収穫体験も?!誰でも参加できる食品ロスの輪】CYCLE EAT(サイクルイーツ)
個人でも業者でも誰でも出品可能なサイクルイーツ。食品ロス削減以外にも、新しい取り組みも展開しています。
例えば、出荷できずに困っていた大根を飲食店スタッフに収穫してもらい、そのお店で無料で大根メニューを提供する。そんな面白い取り組みも進められています。
また、農家さんが収穫体験を募集することもできます。人手に困り、収穫しきれない野菜を利用した新たな取り組みですね。一般の方でももらいすぎた野菜や家庭菜園で取れたものを出品することが可能。
廃棄するのではなくシェアする。そんな輪が広がっていくと良いですね。
【レストラン予約で食品ロスに貢献!】Tabetta(タベッタ)
タベッタはこれまでのアプリとは違い、商品を購入予約するのではなく、レストランを予約してくれるシステムです。突然のキャンセルなどにより食品が余り、困っている飲食店が登録。
利用者は、自分が食事をしたい地域・予算・人数を選び、予約ボタンを押すだけです。
しばらくするとタベッタから予約に関する案内が届きます。どんなお店が紹介されるかは、そのときの状況次第。値段も通常の30%以下とお得なので、何を食べたいか思い浮かばないときに友達やカップルで試してみては?
【旬の食材を産地直送!訳あり食材も販売】ポケットマルシェ
ポケットマルシェ は、農家さんや漁師さんから直接買うことができるショッピングアプリです。
旬の食材だけでなく、コロナの影響で余ってしまった食材なども販売しています。農家さんたちの悩みも解決しながら、食品ロスの削減にも貢献。
訳あり商品には、無農薬のバナナや希少な自然栽培されたもち麦、トマトや帆立など生産者こだわりの品が出品されています。
美味しいものを取り寄せながらも食品ロスに貢献ができるアプリ。スマホをポケットから出して買い物してみませんか?
【消費者の意識を変えよう!エコな未来を実現】ecobuy(エコバイ)
エコバイでは、スーパーや小売店で賞味期限や消費期限が近くなった食品を購入するとポイントがつくサービスです。
ポイントはエコバッグやゴミ袋に変えられます。しかも購入した食材の期限管理をしてくれるだけでなく、おすすめのレシピも見ることができるようになっているのもうれしいところ。
どうやって食べ切ろうか迷ったときにもサクッと作りたいものが見つかる、家事の味方でありながら、社会貢献ができるアプリです。
食品ロス専門サイト18選
食品ロスを削減するための方法はアプリだけでなく、様々なサイトを利用するのも1つの手です。たくさんあるなかから18個を厳選したので、気になるサイトをチェックしてみてくださいね。
【食品メーカーのロスを減らして社会貢献】Otameshi(オタメシ)
食品メーカーが販売を終了する理由は様々です。例えば、
- デザインの変更や季節商品など、時期がきたら廃棄せざるを得なかった商品
- 賞味期限が間近になり、一般流通にはのせられずに捨てるしかなくなってしまうもの
などがあります。
Otameshiでは、そのような販売終了品を購入することができ、コカ・コーラやカゴメなど大手メーカーのモノも取り扱っているのがうれしいところ。さらには、ジャンルも豊富で、食品からコスメ、文房具、ペット用品まで実に様々なものが販売されています。
また、Otameshiでは売り上げの一部を寄付しており、しっかりとレポートも発表されています。自分の行動がどんな支援に繋がっているのかわかりやすくて良いですね。
【食品ロスで飢餓撲滅に貢献しよう!】tabeloop(タベループ)
野菜や果物、魚、加工食品など、ちょっと訳ありな食材を販売しているtabeloop。数量は限定ですが、1円で表示されることもあるんだとか。
購入方法は通常の通販サイトと変わりません。欲しい商品をクリックして決済するだけ。
tabeloopは販売者の情報が記事になっているので、どんな人がどんな想いで育てているのかも一目瞭然。気になる農園をチェックしてみるのもおすすめです。
また、売り上げの一部を飢餓を撲滅するために活動している団体に寄付しています。
【企業にも消費者にもお得なフードシェアリング】KURADASHI(クラダシ)
食品ロス削減に賛同している企業から、協賛価格で提供してもらった商品を販売しています。最大で97%オフになる商品もあったりと、消費者にもお得な社会貢献型のフードシェアリングサービスです。
サイトにはワインやお米などの食品から、コスメ、栄養剤、ドリンク、日用品・雑貨など様々な商品が販売されています。
会員限定商品もあるので、気になる人は登録してみましょう。お得なサービスを受けられるだけでなく、売り上げの一部を社会貢献団体に寄付しているため、消費が社会貢献にもつながると話題。パソコン・スマホ両方で利用ができるのも便利ですね。
【第1次産業で発生する食品ロスをなくしたい!】フリフル
野菜って出来がよくて流通しすぎると、価格崩壊が起きてしまうことがあるって知っていましたか?
そのため流通させることができる商品なのに、出荷せずに処分することがあるのです。そんな現実を目の前にした代表の坂口氏が立ち上げたのがフリフルです。
フリフルでは、事業を助けるサポーター登録を行って、気になる商品の抽選に応募をします。当選すると無料でフルーツや野菜が届きます。そして商品到着後にできる範囲で、SNSで紹介するだけ。登録者数は増えているので、当選したときは喜びもひとしおですね。
【兵庫県姫路市の地域に根ざした食品ロス削減】Utteco Katteco タベスケ
兵庫県姫路市が始めた新サービス「タベスケ」は他のサイトとは違い、決済システムを導入していません。
購入を予約するという立ち位置で、決済はお店で行うシステムとなっているため、サイト利用はユーザーも掲載店も完全無料。そのためお店側も手軽に利用できると地元でも人気なんです。
兵庫県姫路市の地域で取り組む食品ロス削減。自分たちの地域で食品が捨てられることなく使われるようにと関心を寄せるユーザーも多いそうです。
自分の地域のお店ならどこに何があるかわかっているので、利用もしやすいですね。
【札幌初の地域に特化したフードシェアリング】+Plus Food(プラスフード)
2020年1月からサービスを開始しているプラスフード。月額利用料を支払うだけで、出品されている商品を受け取ることができます。利用料は一番安いプランで980円(税抜)・10回まで利用可能。
使い方も
- まずは食べたいお店や食品を検索して気になったものを選択
- 指定された時間にお店に受け取り
と簡単です。10回利用すれば、なんと1回あたり98円で購入できてしまうのでお得ですよね。
プラスフードは札幌に根ざしたサービスを目指していて、最近では地域のお店も登録が進み、ベーカリーや洋菓子店、焼肉屋、うどん屋など約160店舗で利用できるようになりました。
札幌在住で食品ロスに関心があるなら、ぜひ登録してみて下さいね。
【美味しいパンを捨てるなんて出来ない!】rebake(リベイク)
リベイクは、パン屋さんに特化した食品ロス削減プラットフォームです。
全国のパン屋さんから取り寄せることができると人気です。お任せお楽しみセットなどは、どんなパンが届くのかワクワクすること間違いなし。
人気のパン屋さんが登録していることもあり、パン好きにはうれしいこのサイト。登録店舗数も多く、どのパン屋さんを選ぼうか迷ってしまいそう。ぜひ好みのパンを見つけて購入してみて下さいね。
さらには収益の一部を自然を守る知床財団に寄付しているため、消費活動が社会貢献にもつながります。
【東京ガスが食品ロスをサポート】junijuni(ジュニジュニ)
メーカーの訳ありや期限間近の商品を購入することができるジュニジュニ。見たことのある商品がお手頃価格で購入できるお得なサイトです。通常の半額程度で購入することができるので、気になる商品を試し買いしてみるのにもおすすめ。3,980円以上で送料無料となるのも嬉しいポイントです。
また、ジュニジュニでは、貧困に苦しむ地域への支援を行っている団体や自然保護をしている団体、国境なき医師団、動物愛護団体などに寄付を行っています。
【B to B専門のシェアリングサービス】シェアシマ
今ある食品ロス関連のサービスは、基本的に消費者へと向けたものですが、シェアシマは、「B to B」のシェアリングができる専門サイトです。
過剰在庫になってしまった商品を出品したり、これまでとは違うルートでの販路をみつけられたりと、さまざまなシーンで利用できます。
また、掲載することで自社の商品カタログとしても利用できるので、新規顧客の開拓にも繋がったり、営業先にもおすすめしやすいという利点も。
使い方も難しくなく、デジタルやインターネットに頼ったことがなかった事業者も取り入れやすいサービスです。製造業者同士や飲食店などをつなげ、食品ロスを少なくする取り組みに参加してみませんか?
【食品ロス予備軍を救おう!】ロスゼロ
ロスゼロでは、規格外や販売予測からのズレなど、様々な理由で余る食材たちを救おうと、商品を販売するだけでなく、ロス予備軍となる食材のブランディングや販売のサポートも行っています。
これまでも、大丸松坂屋百貨店の大丸心斎橋店と手を組み、コロナで行き場を失った食材やバレンタインの余剰スイーツ、未使用品の製菓材料を使ったチョコレートブランド「Re:You(りゆう)」を立ち上げるなどの活動が行われています。
環境に良いことに加えて、お手頃価格のものが多くお財布にも優しい取り組みです。ぜひ参加してみてくださいね。
【コロナ禍の窮地を救う取り組みからSDGsへ】WakeAi(ワケアイ)
コロナの影響で滞った野菜や果物。この流通の停止をなんとかしようと立ち上がったのがワケアイです。サイトには様々なジャンルの商品がお手頃価格で並んでいます。これにより多くの食品がロスにならずに、消費者の手へと渡ってきました。
全国各地の食材が手に入るので、新たな発見や美味しさに出会えるチャンス。おうち時間を楽しくするためにもお気に入りの商品を探してみましょう。
また、「WakeAiフードバンク」といった貧困解決にも取り組んでいるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
【様々なフードロスTipsを紹介!】GURU+(ぐるたす)

グルたすは、飲食店などで廃棄される予定の商品を消費者へと届けるマッチングサイトです。大阪の店舗を中心に登録店を増やしています。
ぐるたすの特徴は、フードロスを削減するアイデアの豊富さ。野菜を捨てずに、長く保存できる方法や傷みやすい豆腐などの料理活用方法など公式Twitterで様々なアイデアが公開されています。
食品ロスについて詳しく知りたい方にもおすすめです。また、食品ロスに取り組む事業者やお店の紹介なども行っています。
【ユニークな野菜と果物のファーマーズマーケット】únic(ウニカ)
世の中に出回る野菜とちょっと形が違うだけ。
únic(ウニカ)では、規格外となって廃棄するしかない野菜や果物を販売しています。形が違うだけで、品質には問題ない物ばかりです。
種子島のナスやパッションフルーツ、神奈川県の三浦育ったみやこ南瓜など季節によって様々な商品が並びます。
生産者さんが、どんな気持ちで作られているのかを知って、おうちで楽しんでみませんか?
【廃棄コストを削減して地域貢献をしよう】Refooodmuseum
仙台で始まったBtoB向けのフードシェアプラットフォームです。
仕入れを安くしたい飲食店と卸売業の八百屋や魚屋さんを繋ぎ、廃棄するしかなかった商品のフードサイクルを構築。これにより事業者は廃棄コストを減らすことも期待でいます。
また、Refooodmuseumは仙台のフードバンクやフードドライブなどと繋がり、貧困や飢餓に関わる支援も進めています。地元地域に貢献しながら、コストを削減できる「Refooodmuseum」に参加して仙台を応援しましょう。
【もったいない=ataraを見つけよう】atara(アタラ)
アタラは、もったいないの古語。
まだ食べられる、まだ使えるものを捨ててしまう世の中の仕組みを変えるために、社会貢献したいと考えるサイトです。
関西電力の協力の元、立ち上がった「atara(アタラ)」では、AGFやUCCなどの大手メーカーの商品を安く購入することができます。さらには様々な団体への支援も行っています。
【日本の台所豊洲市場の食品ロス対策】TOYOSU ICHIBA
豊洲市場の公式オンラインショップからも食品ロスを見直そうと働きかけています。
日本全国の最高級の食品が集まる豊洲市場でも廃棄は出てしまうもの。そこで「TOYOSU ICHIBA」では、なかなか買い手がつかない訳あり商品などが出品されています。
廃棄されるはずだった食材を通常より安く仕入れて、家庭で活用しましょう。水産品も新鮮なものが多く販売されているので、楽しめるはず。
【全国のうまいもの!フードロスにするにはもったいない】うまいもんドットコム
各地の魅力ある食材や加工品を掘り出し、買い手へと届けるショッピングサイト「うまいもんドットコム」。
一般流通しづらく、捨てられてしまうことが多かった食材に目をつけ、豊洲市場からいち早く購入し、販売しています。
全国とのネットワークを駆使したフードロスへの取り組みにあなたも参加してみませんか?
【無料で野菜をゲット!訳あり商品も販売】タダ野菜
農産物に的を絞って販売している「タダ野菜」。その名の通り、抽選でタダで野菜をもらうことができます。
野菜の美味しさを実感したら、同じ農家さんから購入することも可能。廃棄されてしまう野菜を減らしたい気持ちで運営が行われているのです。
タダ野菜に当たらなくても、規格外やサイズが不揃いの野菜たちがお手頃価格で購入できます。無農薬や減農薬の野菜が多く、健康を気をつけたい方にもおすすめです。
【補足】食品ロスとは?
最後に食品ロスについておさらいしておきましょう。
食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品や食材のことです。廃棄にはコストがかかるだけでなく、
- ゴミとして燃やすときにはCO2が排出されるため温暖化につながる
- 焼却時に出た灰の処理でも環境を汚染することもある。
など、様々な問題が発生します。
食品ロスの種類
食品ロスには、
- 事業系食品ロス→食品製造業や外食産業から出る食品ロス
- 家庭系食品ロス→家庭からの食品ロス
の2種類があります。
事業系の廃棄物には、サイズや色合いが違う野菜や果物、加工中に出た規格外の食品、仕入れ調整や期限などで捨てざるを得なかったものなどがあります。
また、家庭からは食べ残しや使いきれなかった食材が廃棄されており、その量は事業系に匹敵するほどです。
年間どれくらいの食品ロスが出ているのか?
農林水産省の調べでは、日本で廃棄されている食品は年間600万tにも上ります。(平成30年度推計値)
その内訳は、
- 事業系食品ロス:324万t
- 家庭系食品ロス:276万t
外食やコンビニなどの事業系食品ロスに目を向けがちですが、実は私たちの生活からもたくさん食品ロスは生まれています。
家庭系の食品ロスを単純に人口で割ると1人あたり年間47キロ。約10キロの米袋5個分が本来であれば食べられるのに、捨てられてしまっているのです。
家庭から発生する食品ロスってどんなもの?
では、家庭から出る食品ロスとは一体どのようなものを指すのでしょうか。農林水産省では、以下のように分類しています。
- 食べ残し
食べきれずに残してしまったもの。平成30年度の数値で年間123万トンが捨てられている。 - 直接廃棄
賞味期限が過ぎてしまったことで使わずに捨ててしまうこと。平成30年度の数値で年間96万トンが捨てられている。 - 過剰除去
皮を剥く際に、食べられる部分も捨ててしまうこと。平成30年度の数値で年間57万トンが捨てられている。
これらの食品ロスを削減するためにも、今まで当たり前に過ごしてきた買い物や、料理の習慣を一度立ち止まって考えてみる必要がありそうです。
では、どのように食品ロスの削減に取り組めば良いのでしょうか。
家庭でできる食品ロス削減とは?
家庭からの生ゴミを極力減らすことが食品ロス削減につながります。
- 食べ残さない
- 買いすぎない
- 買い物時には手前から商品を取る
- 使い切る
- 賞味期限を確認する
- 食材の保存方法を考える
など、家庭でできることはたくさんあります。
また、今まで切って捨てていた部分を使って、もう一品料理を作ってみることも効果的です。ネットやSNSには、食品ロスレシピなども多く公開されているので参考にしてみてはいかがでしょうか。
食品ロスで私たちができること
先述した家庭でできること以外にも、私たちにできることがあるので紹介します。
フードロスゼロ料理アドバイザーの資格をとって、食品ロスを呼びかけよう!
フードロスゼロ料理アドバイザーは、オーガニックの料理教室を主催している「G-veggie」が主宰する資格です。「G-veggie」は、2019年にクックパッドが主催した、クリエイティブクッキングバトル(食品ロスゼロを目指した大会)に出場し、優勝を果たしています。
大会を通して、食品ロスへの取り組みをもっと広めていきたいと考えたとのこと。料理教室に活かすだけでなく、もっと多くの人に知ってもらいたいと資格講座を開設したのです。
フードロスゼロ料理アドバイザーは、オンラインでも受講が可能です。自分の地域の人に伝えるきっかけに資格を取得してみませんか?
使い切り・食べきりコンテストなどに挑戦しよう!
食品ロスの削減は全国各地の自治体でも取り組まれています。
香川県や京都市では、削減するためのアイデアを出してもらおうと、食べきりや使い切りのレシピコンテストを開催しています。いろんなアイデアを参考に、自分でも新しいレシピを作ってみるのも面白そうです。
一つの野菜を使い切り、美味しいものを作る。皮や捨てていた部分を見直すきっかけにもなるでしょう。お子さんや家族と一緒に考えてみてはいかがでしょうか?
家庭用コンポストに挑戦してみよう
コンポストとは、野菜のクズなどを利用して、堆肥を作る容器のことを言います。生ゴミを「燃やすゴミ」に出すのではなく、自然界の微生物に有機物を分解してもらいます。
とはいえ、広い庭のある家ばかりではありません。「うまくいかず悪臭が発生してしまったらどうしよう」と不安に思うこともあるでしょう。そこでおすすめなのが自宅用コンポストです。
ローカルフードサイクリング株式会社から、ベランダなどでも利用しやすい「LFCコンポストセット」が販売されています。
これは初回に専用バッグが送られ、それ以降は、定期的にコンポスト基材とお知らせが届くシステムです。作った堆肥で、鉢植えのトマトなどを育ててみることで、自然の循環の流れを学ぶこともできますね。
冷蔵庫管理アプリを使って、食材を活用しよう!
食品ロスでできることは、食材を余らせないこと。でも、冷蔵庫の中身を全て覚えているのは、意外と難しいですよね。忘れて奥から出てきたなんてことも多いのではないでしょうか?
そんなときは、冷蔵庫の管理アプリをダウンロードしてみるのがおすすめです。
いろんな冷蔵庫管理のアプリがあるので、自分に使いやすいものを選んで活用しましょう。レシピも載っているので、献立に迷ったときにも便利です。
まとめ
SDGs目標12のつくる責任つかう責任で大きく取り上げている食品ロス。食品ロスを減らすことは、環境を守ったり、飢餓の人たちを救ったりすることにもつながります。
視点を変えると、働いている人たちのモチベーションにも関わります。頑張って作った食材や食品が使われることなく捨てられているのは悲しいですよね。
食品ロスアプリやサイトを利用することは将来に向けて、住み続けられる世の中をつくるために私たちができることの一歩です。
まずは、週末にアプリやサイトをチェックしてみませんか?