#インタビュー

KULASIFUL | 「上質なキッチン用品で暮らしを豊かに。」をビジョンに、身体・環境にやさしいキッチン用品を

KULASIFUL / Shellcy 小澤 智之さんインタビュー

小澤 智之 

1992年生まれ、神奈川県横浜市出身。2014年3月横浜国立大学卒業。2015年4月よりハウスメーカーに3年間勤務後、起業のため退職。2018年4月に起業し、約3年間HP制作・集客代行等の事業を行う。2021年にキッチン用品メーカーKULASIFULを創業。「身体にやさしく、地球にやさしい」キッチン用品の開発・普及に努める。現在は製品開発を行うと同時に、環境啓蒙活動の実施や環境イベントへの協賛など、ユーザーが環境問題について身近に感じられるような活動・支援にも力を入れている。

ホタテのパワーで身体・環境にやさしいキッチン用品を開発

–まずは事業内容とShellcy(シェルシー)の特徴を教えてください。

小澤さん:KULASIFULは、キッチン用品に特化したメーカーです。「上質なキッチン用品で暮らしを豊かに。」をビジョンに、身体にやさしく、地球にやさしいキッチン用品を開発していきます。

製品の一つであるホタテパウダー洗浄剤のShellcy(シェルシー)は、産業廃棄物として処理されるはずのホタテの貝殻を再利用することでゴミを減らす、人・地球にやさしい製品です。

ホタテパウダーは、水に溶かすと強アルカリ性となり洗浄・除菌・消臭などの効果を持つ万能洗浄剤として使用できます。

100%天然成分で、原料である水酸化カルシウムは食品に直接添加することが認められており、身近な所だとうどんやこんにゃくなどに練り込まれているものです。そのため、もし口に入っても安全で身体にも優しく、野菜・果物、まな板や哺乳瓶の洗浄に適しています。

特に野菜洗浄では、表面に付着している菌やウイルスを取り除く効果があるのはもちろんですが、表面の不純物がなくなることにより、酸化が抑えられ、鮮度が維持されるという効果があります。また、表面に付着している不純物が野菜本来の味を害していますので、野菜本来の食味・食感を感じることができます。

–ホタテパウダーShellcyを商品化したきっかけを教えてください。

小澤さん:スタッフの青森旅行の話を聞いたことがきっかけでした。まずは、大量に積み上がったホタテの貝殻があることに驚きました。そしてその貝殻は、大量のごみとして焼却破棄されるというので、さらに驚きました。この話をきっかけに、ホタテについて詳しく調べてみたところ、いろいろと面白いことがわかったのです。

一つは、ホタテが「日本が世界に誇るべき食材」であることです。2021年の農林水産省の発表で、日本の水産物の輸出額の1位はホタテ貝と発表されています。しかし、海外の方にも人気であることが喜ばしい一方で、廃棄するホタテ貝殻が毎年約20万トンあることが問題になっています。

二つ目は、ホタテの貝殻には様々な効果があるということです。洗浄・除菌・消臭・掃除など、一つで何役にもなるホタテパウダーは、キッチンだけでなく、いろいろな場面で活用できるのです。洗浄効果はとても高く、かつ天然素材で身体や環境に優しいこともわかりました。

このような貝殻廃棄の問題や、ホタテパウダーのさまざまな効果を知り、商品化することとなりました。

廃棄されるホタテの貝殻を再利用することは、SDGsの17の目標のうち「飢餓をゼロに」「安全な水とトイレを世界中に」「つくる責任、 つかう責任」「陸の豊かさも守ろう」「海の豊かさを守ろう」に貢献することができます。

ホタテの貝殻という廃棄物をホタテパウダーに変えて活用することで、産業廃棄物を減らし、陸の豊かさを守ることにつながります。また、普段使用している洗浄剤には界面活性剤が入っており、河川・海を汚染しています。普段の洗浄剤をホタテ貝由来に代えれば水質が改善し、川や海の豊かさを取り戻すことができます。そして、陸・海の豊かさを取り戻せば、栄養のある食料のさらなる供給が可能となると考えています。

製品を通して、SDGsや今地球で起きていることを知るきっかけになって欲しい

–他にもKULASIFULでは、SDGsの取り組みを進めていますよね。

小澤さん:KULASIFULでは、ホタテパウダーの他にも、身体にやさしく、地球にやさしいキッチン用品を開発しています。

例えば、直近で販売中、販売予定のものでは、食品ロスを減らす「解凍プレート」、フッ素や鉛・カドミウムを使用しない「フライパン」、天然素材のオリーブのまな板、などがございます。

SDGsに取り組む中で見えてきた課題は、一般消費者の多くの方が、SDGsを身近に感じられないということです。

身近な人にSDGsについて話を聞くと、「SDGsは聞いたことがあるけど、何をするべきか、個人でどのようにSDGsに取り組めるかが分からない…」というような回答が多くありました。

企業としてSDGsに取り組むことはもちろん大事です。それと同時に、消費者の方にSDGsの意識を広めていくことも、今後企業として取り組んでいくべきだと感じています。

その点でKULASIFULでは、SDGsに繋がる製品を開発するだけでなく、ご購入いただいたお客様への製品のお届け時に、それを使うことで、SDGsにどのように関われるのかをお伝えする資料や、普段から取り組めるSDGsについての情報もお届けしています。

製品の購入で終わりではなく、製品の購入をきっかけに少しでも多くの方に環境について考えていただければと思っています。

他にも、7月30日〜7月31日に開催する「環境広場さっぽろ2022」に協賛させていただいております。「環境広場さっぽろ2022」は、子供たちが年に1回、楽しく環境を学ぶことができるイベントです。環境についてさまざまな活動事例を学ぶことができます。KULASIFULは、本イベントに廃棄ホタテからできた洗浄剤を提供し、子供たちに環境改善に興味を持ってもらえるよう支援を行います。

気軽にアクションを起こせる環境づくりを目指して

–今後のビジョンについて教えてください。

小澤さん:KULASIFULは、多くの方にSDGsを身近に感じていただけるように、気軽に環境改善に参加できるような商品開発を行っていきます。

身近に感じていただけることとして、普段何気なく使っている洗浄剤を、天然のものホタテパウダーに変えていけば、気軽にSDGsに参加でき、日常生活を通して環境改善に取り組むことができます。

私たちは、まずは日本でのホタテパウダーの認知度を向上し、そして海外にも日本発のエコ商品として広めたいと考えています。

関連リンク

KULASIFUL公式サイト https://kulasiful.com/