SDGs目標1「貧困をなくそう」に取り組む企業5選

SDGs目標1「貧困をなくそう」の取り組みに、寄付やボランティアを真っ先にイメージする人も多いと思います。

「企業はどんな取り組みをしているの?」

「自分にできることはある?」

と気になりますよね。

そこでこの記事では目標1「貧困をなくそう」に取り組んでいる企業をまとめました。会社独自の取り組みや、個人で参加できる事例もあります。

では、早速見ていきましょう!

日清食品グループの取り組み

カップヌードル、チキンラーメンでおなじみの日清食品グループ。

日清食品グループは、1958年に安藤百福が世界初のインスタントヌードル「チキンラーメン」を発明。その後「カップヌードル」を発明し、インスタントラーメンを世界食にした会社です。

”人類を「食」の楽しみや喜びで満たすことを通じて社会や地球に貢献する「EARTH FOOD CREATOR」をグループ理念に掲げています”

NISSIN サスティナビリティマネジメント

※日清食品グループでは、製品を通じた貢献としてSDGsのさまざまな課題に取り組んでいます。さらに、百福士プロジェクトを通して、その他の目標達成に向けたアプローチを行っています。

社会貢献を推進する「百福士プロジェクト」

「百福士プロジェクト」は、日清食品グループの創業者、安藤百福の社会貢献への取り組みを引継ぎ、社会貢献を推進する活動です。

”2058年までの50年間に、100の「未来のためにできること」を実行していく社会貢献活動です。取り組むテーマは「創造」「食」「地球」「健康」「子どもたち」の5つ。日清食品グループは「百福士プロジェクト」を通じて、より豊かな未来のために貢献していきます。”

百福士プロジェクト

すでにプロジェクトは26弾まで開催(2021年7月時点)されていて、楽しみながら取り組んでいる様子が個性的なネーミングから垣間見えます。

貧困撲滅に向けた活動事例「NISSIN BAZAAR」

第22弾に開催された「はたら着かた改革 NISSIN BAZAAR」は、従業員の働き方改革と貧困に苦しんでいる子どもたちへの支援をマッチングさせたものです。

2018年1月より週2日、カジュアルな服装での勤務を推奨する「カジュアルデイズ」を導入。そのため着る機会の少なくなったスーツや衣類、不要になった家具や食器を社員向けに「NISSIN BAZAAR」として販売しました。

売り上げは65万となり、百福士プロジェクトの拠出金35万を合わせた100万円を「未来の子ども応援基金」に寄付しています。

また第21弾「六十年寝太郎(ねたろう)プロジェクト」、第17弾「快★段★セブンサミット踏破プロジェクト」でも「未来の子ども応援基金」に寄付。

さらに、子どもたちの成長を支援するために、「国連WFPレッドカップキャンペーン」に参加し、対象商品の売り上げの一部を寄付しています。また、チャリティーイベントなどを通して社員や一般の人に飢餓や貧困問題の啓発を取り組むなど、社会への取り組みに力を入れています。

寄付先の「未来の子ども応援基金」は子育てや貧困は家庭だけの問題ととらえず、社会全体で解決することが重要と考えている団体です。

個人でも支援することができるのでこちらも合わせてご覧になってみてください。

日本航空株式会社(JAL)の取り組み

JALは、

”全社員の物心両面の幸福を追求し、一、お客さまに最高のサービスを提供します。一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します”

JAL サスティナビリティ・マネジメント

という企業理念にかかげ、生き生きと人々が活躍する社会が実現することが持続可能な社会へつながると考え、各関係団体と協同し活動しています。

JALだからできる、インターナショナルな取り組みをしています。

「TABLE FOR TWO 社員食堂プログラム」

JALでは、食事の機会を提供する活動「TABLE FOR TWO 社員食堂プログラム」と「おにぎりアクション」に協賛しています。

NPO法人 TABLE FOR TWO International(TFT)は2007年に設立された、開発途上国の飢餓や栄養失調、先進国の肥満や生活習慣病など食に関する問題の解決を目指している団体です。

引用元:TABLE FOR TWO International(TFT)

“TABLE FOR TWO”を直訳すると「二人のための食卓」。

先進国の私たちと開発途上国の子どもたちが食事を分かち合うというコンセプトです。

TABLE FOR TWO International(TFT)

「TABLE FOR TWO 社員食堂プログラム」では、対象になっている栄養バランスが計算されたメニュー1食につき20円が、TFTを通して寄付されます。開発途上国では1食分の給食が20円です。購入者が食べた1食分が、開発途上国に住む子どもの学校給食1食分となります。

購入者はバランス良い食事をすることで生活習慣病を予防でき、さらに飢えに苦しむ途上国の子どもに食事を提供することができる、どちらにもメリットのあるプログラムです。

「おにぎりアクション」

引用元:おにぎりアクション

また、「おにぎりアクション」にも協賛しています。日本の代表的な食べ物である「おにぎり」をシンボルに、おにぎりの写真をSNS(Instagram、Twitter、Facebook)に投稿、または特設サイトに投稿することで、アフリカやアジアの子どもたちに給食をプレゼントできる取り組みです。

写真を1枚投稿すると給食5食分に相当する寄付金100円を協賛企業が提供し、主催するNPO法人 TABLE FOR TWO International(TFT)を通してプレゼントされます。

今年も開催されるので、興味を持たれた方は参加してみてはいかがでしょうか。

航空会社の特性を活かしたユニセフ募金

2019年からはじめた機内募金「Change for Good®」。

「Change for Good®」とは

海外旅行で使いきれなかった外国の通貨をユニセフ募金として集める募金。

利用方法はとても簡単で機内に募金用の封筒が付けてあります。その封筒に外貨を入れ客室乗務員に渡すだけです。

特にコインは手元のに残っても、なかなか使い道がなく困ることがあります。機内で気軽に募金できるので、海外に行く機会が多い方に、ぜひ知ってもらいたい募金方法です。

株式会社ジモティの取り組み

引用元:ジモティ

「地元の掲示板 ジモティ」として有名な、ジモティ。

ジモティの経営理念は、

”地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ”

株式会社ジモティ 経営理念

同じ地域に住む人が支えあう社会の実現のためにうまれた、不用品の譲り合いができるサービスです。また、人に譲ることで、廃棄物を減らすことにつながり、さらに次の人が使用することでサスティナブルな活動の貢献になります。

ひとり親世帯のために「ひとり親家族応援キャンペーン」

厚生労働省は、平成28年時点でひとり親世帯は日本に約142万世帯と発表しています。(※1)

ジモティのユーザー調査によると、その中の約約半分にあたる65万世帯(約46%)がジモティを利用しているという結果がでています。

特にシングルマザーはシングルファザーと比べて年収が低く、相対的貧困率が高い傾向にあります。内閣府のデータによれば、年収の低い理由として雇用形態が非正規雇用であることが関連しているとしています。(※2)

そこでジモティでは支援を必要としているひとり親世帯のために、2018年、企業から協賛してもらった支援物資をジモティ上に掲載し、ひとり親家庭を優先的に物資を渡せる「ひとり親家庭応援キャンペーン」を開催。1600件の支援物資の提供があり、1200件もの応募がありました。

定期的にひとり親家庭応援キャンペーンが開催されていますので、「まだ使える不用品がある」という方は、ぜひチェックしてみてください。

COOP(日本生活協同組合連合会)の取組事例

COOP(日本生活協同組合連合会)は、生協として親しまれ、組合員総数が約2,996万人の日本最大の消費者組織です。

「子どもの未来アクション」

COOPでは、貧困問題の理解を深めるための学習会、「子どもの未来アクション」を開催しています。貧困問題を他人ごととらえず、地域の問題と考える人、応援する人、支援する人を増やすことを目的としています。

また、生協は地域ごとに設立されていることも特徴です。地域に根差した活動をそれぞれ独立した法人として、独自のテーマや事業をもって活動しています。その中の生活協同組合コープさっぽろでは、「トドックフードバンク」という取り組みをしています。

生活協同組合コープさっぽろ「トドックフードバンク」

生活協同組合コープさっぽろでは2016年5月より、北海道内の児童養護施設を対象としたフードバンク事業「トドックフードバンク」をスタートしています。

”フードバンクとは、安全に食べられるのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で流通に出すことができない食品を企業から寄贈していただき、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動です。”

一般社団法人全国フードバンク推進協議会

宅配トドックの受注ミスや宅配センターでのピッキングトラブル(商品を倉庫から取り出す際のミス)などで返品された商品は廃棄処分されていました。しかし、問題なく食べられるものも廃棄処分されていたため、これらの「もったいない食品」を児童養護施設に無償提供することで、食品ロスの問題解決と子どもたちに役立てる支援をしています。

また、全国各地のCOOPでは「フードドライブ」への取り組みが行われています。

「フードドライブ」とは

食品ロスをなくことを目的とした取り組みです。家庭や事業所などで余っている未開封の食品が、食品を必要としている団体や施設に寄されます。

COOPは各地域で独立した法人として運営されているので、各地域で方針が違います。

フードドライブは常時実施ししている店舗、期間を設けて実施している店舗とさまざまです。「フードバンクに食品を提供したい!」と思った方は、お近くのCOOPを一度検索してみてください。

いえとしごと

2019年に設立されたRelight株式会社は、家がなくても無料で仕事を紹介してくれるサービスです。

寮付の仕事を紹介

コロナ禍の影響もあり、2020年の平均完全失業率は211万人、前年同月に比べて13万人の増加、16か月連続で完全失業率者が増加しています。(※3)

失業後、仕事に就けず、収入もないことで家を引き払い、ネットカフェで夜を過ごす人も少なくありません。家がなかったり、身分証がなかったりすると仕事に就くのも難しく、誰に相談すればわからないという人もいます。

また、日雇いの仕事をしている人もいますが、収入が安定しないと家を借りるのは難しいのが現状です。(※4)

そんな、家もなく、身分証もなくて困っている…という人に、寮付の仕事を紹介してくれるのが「いえとしごと」です。身分証の取り方から、日払い・週払い対応可能な仕事を探してくれたりと、今の自分に必要な形で仕事探しをサポートしてくれます。

コースは、

  • バイトから正社員コース
  • すぐに正社員コース

の2つがあり、どちらも見学や体験ができるので、やりたい仕事、やりがいのある仕事を見つけることができます。

また、体調的に働けない場合は、行政やNPO法人と協働して必要な支援に繋げてくれます。

オフィスが東京にあるため、対応エリアは基本的に関東圏です。県外の方でもオフィスまで来られる方は幅広い地域でも仕事を探してもらうことは可能です。また、今後は面接エリアの拡大を広げる予定となっています。

「収入があり、住む家がある」ことで生活が安定すると、夢や希望が持てるようになります。「いえとしごと」は、明日が待ち遠しくなるような社会を目指しています。

自分に合った仕事を見つけることで、貧困状態から抜け出すことが期待できるでしょう。また、困っている時に話を聞いて、相談に乗ってくれる人がいるということは精神的にも安心できるものですよね。

もし周りになかなか仕事が決まらずに困っている人がいたら、ぜひ紹介してあげてみてください。

まとめ

世界には約10人1人が極度の貧困状態の人がいます。そして日本には、7人に1人の子どもが貧困状態にあり、ご飯を食べたり、服を買ったり…という当たり前の生活を送ることが出来ていません。

しかし、現実を知っても、個人ではなかなか支援するのが難しいですよね。

そこで今回は、自分たちも参加できる取り組み事例も含めてご紹介しました。ここで紹介した以外の企業でも、取り組みを行っている企業はたくさんあり、個人が参加できるイベントを開催していることもあります。

自分自身が参加することで「貧困をなくそう」やSDGsに対して取り組みへの意識がさらに高くなるのではないでしょうか。

また、「おにぎりアクション」は楽しみながら子どもたちに給食を寄付することができます。子どもたちと何のために写真を投稿するのか話すことで世界の現状を伝えることができ、そして、その問題解決の為に何ができるのか考えるきっかけになります。

私たちの少しの勇気と行動で、子どもたちに1食分の給食をプレゼントすることが出来ます。不要だと思った家具や服でほんの少し、豊かな生活を提供することが出来るかもしれません。

賞味期限が切れていない、でも食べきれない量のストックを持っていることに気づいたとき、「どこかに寄付できないかな?」と思い出すことが、「貧困をなくそう」への第一歩になります。

参考文献
※1 厚生労働省 平成28年度全国ひとり親世帯等調査の結果
※2 厚生労働省 ひとり親家庭の支援について
※3 総務省統計局 労働力調査(基本集計)
※4 国立研究開発法人 科学技術開発振興機構

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)