ビジネスの成長を目指す経営者や個人事業主にとって、法人カードは単なる決済ツールではありません。
経費管理の効率化はもちろん、ビジネスを次のステージへ引き上げるための強力なパートナーとなり得ます。
中でもダイナース法人カードは、創業から60年以上の歴史を持つダイナースクラブが提供する、ステータス性の高い法人カードです。「利用限度額に一律の制限がない」「充実した優待サービス」といった独自の魅力から、多くのエグゼクティブに選ばれ続けています。
しかし、「年会費が高いのでは?」「審査は厳しい?」といった疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
この記事では、ダイナース法人カードの基本的な特徴から、2種類のカードの違い、具体的なメリット、審査のポイント、他社カードとの比較まで、「ダイナース法人カードを検討する方が知りたいこと」を網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたのビジネスに最適なカード選びができるはずです。単なる経費決済だけでなく、ビジネスの成功をサポートしてくれる強力なパートナーとして、ダイナース法人カードを検討してみてはいかがでしょうか。
目次
ダイナース法人カードとは? 2つのカードを比較
ダイナース法人カードは、主に中小企業経営者や個人事業主向けに提供される、ビジネスに特化したクレジットカードです。
その歴史は古く、日本初のクレジットカードであるダイナースクラブのブランド力を継承しています。このカードを持つことは、ただ支払いをスムーズにするだけでなく、ビジネスにおける信頼性やステータスを示すことにもつながります。一般的な個人カードとは一線を画し、ビジネスシーンをより豊かに、そしてスマートに演出するための様々なサービスが付帯しているのが大きな特徴です。
ダイナースの法人カードは、主に「ダイナースクラブ ビジネスカード」と「ダイナースクラブ ビジネスプレミアムカード」の2種類があり、それぞれ異なるニーズを持つ経営者向けに設計されています。ビジネスカードは、コストパフォーマンスを重視しつつも、ダイナースならではの充実したサービスを享受したい方に最適です。一方、ビジネスプレミアムカードは、さらなる上質なサービスや特別な体験を求める富裕層の経営者向けに、招待制で提供される特別なカードです。
基本情報(カード別比較表)
ダイナースクラブ ビジネスカード![]() | ダイナースクラブ ビジネスプレミアムカード![]() | |
---|---|---|
年会費 | 29,700円(税込) | 143,000円(税込) |
利用可能枠 | 一律の制限なし | 一律の制限なし |
追加カード年会費 | 無料(4枚まで) | 無料(上限枚数相談) |
ポイント還元率 | 1.0% | 1.0%〜 |
空港ラウンジ | 国内・海外900ヶ所以上 | 国内・海外1,300ヶ所以上 |
ETCカード | 発行可(無料) | 発行可(無料) |
付帯保険 | 海外・国内旅行傷害保険(充実した補償内容) | 最大1億円の補償など、さらに手厚い |
ダイナースの法人カードは、一般的な個人カードとは異なり、個人の信用情報だけでなく法人や事業主の信用・実績を重視して審査される傾向があります。設立したばかりの企業でも、将来性や事業計画が評価されれば取得できる可能性があり、これは他の法人カードにはないダイナース独自の審査基準といえます。
ダイナース法人カードの4つの魅力とメリット
実際にダイナース法人カードを使っている方々からは、そのサービス品質の高さについて多くの声が寄せられています。特に、「柔軟な利用限度額」は、ビジネスのチャンスを逃さないための大きな武器となります。また、「経費管理の効率化」は、日々の業務負担を大幅に軽減し、コア業務への集中を可能にします。
さらに、「ラグジュアリーな優待サービス」は、ビジネスシーンを円滑に進めるための強力なツールであり、接待や出張を格上げしてくれます。
最後に、「追加カード」は、組織全体の経費管理をシンプルにし、透明性を高める上で欠かせない機能です。これらのメリットを深掘りすることで、ダイナース法人カードがあなたのビジネスにどのような価値をもたらすかが明確になります。
利用限度額に一律の制限がない
ダイナース法人カードの最大の魅力は、利用限度額に「一律の制限がない」ことです。多くのクレジットカードでは、発行時に固定の利用限度額が設定されますが、ダイナースは違います。高額な仕入れや広告費の支払い、あるいは急な設備投資など、事業を拡大していく上で多額の資金が必要になる場面は多々あります。
このようなとき、限度額に縛られることなく、柔軟な決済が可能な点は、ビジネスのチャンスを逃さないための大きな武器となります。利用限度額は、事前の相談とこれまでの実績に基づいて個別に設定されるため、安心して高額な決済を行うことができます。
特に、毎月変動する仕入れ費用や、季節性の高いビジネスを営む経営者にとって、この柔軟性は計り知れないメリットとなるでしょう。
経費管理を効率化できる
カードをビジネス専用として利用することで、日々の経費を一本化できます。これにより、プライベートな支出と事業経費を明確に区別できるため、経費の把握が格段に楽になります。
Web明細は、月々の利用状況を一目で確認でき、部門ごとや社員ごとの利用額を簡単に集計できます。また、多くの会計ソフトと連携できるため、カード利用データを自動で取り込み、仕訳作業を大幅に自動化することが可能です。これにより、経理担当者の負担を軽減し、経費精算にかかる手間と時間を削減。
本来注力すべきコア業務に集中できる環境を整えられます。経営者自身が経理業務を行っている場合でも、この効率化は大きなメリットとなるでしょう。
ラグジュアリーな優待サービスが充実
ダイナースの大きな強みである、手厚い優待サービスも法人カードに付帯しています。これらのサービスは、ビジネスシーンを円滑に進めるための強力なツールです。
- 空港ラウンジ無料利用: 国内外900ヶ所以上(ビジネスプレミアムカードは1,300ヶ所以上)の空港ラウンジを無料で利用できます。フライト前の時間を快適に過ごすことで、出張の疲れを軽減し、商談に備えることができます。
- コンシェルジュサービス: 24時間365日、専任のコンシェルジュが旅の手配やレストランの予約、ギフト選びなど、様々な要望に対応します。まるで秘書を雇っているかのように、多忙なビジネスパーソンをサポートしてくれます。
- ホテルやレストランの優待: 厳選されたレストランでの優待プランや、ホテルの上級会員資格などが付帯します。接待や会食の際に利用することで、より質の高いサービスを提供でき、ビジネスパートナーとの関係構築にも役立ちます。
特に「ダイナースクラブ 銀座プレミアムラウンジ」など、限られた会員しか利用できない特別な空間は、ビジネスの商談や会食をさらに特別なものにしてくれます。
追加カードで会社全体の経費管理が可能
社員や役員向けに追加カードを発行できるため、会社全体での経費管理が可能です。ビジネスカードでは、最大4枚まで無料で発行できます。これにより、社員の出張費や接待費、備品購入費などをすべてカードで決済させることができます。
利用状況はすべてメインカードの明細に集約されるため、経費の承認や管理が一括で把握できるようになります。これにより、経費精算業務を大幅に削減し、不正利用の防止や経費削減にもつながります。
2種類の法人カードはどう違う?
ダイナースの法人カードは、一般カードの「ビジネスカード」と、ブラックカードの「ビジネスプレミアムカード」の2種類です。どちらも法人・個人事業主向けのプロダクトですが、提供されるサービスや特典に明確な違いがあります。
ビジネスカード(一般)
年会費は29,700円(税込)と、ステータスカードとしては比較的リーズナブルな設定です。付帯するサービスも充実しており、空港ラウンジ、ポイント還元、経費管理サポート、出張サポートなど、ビジネスに必要な機能は網羅されています。
このカードは、起業したばかりの企業や、コスト意識が高い中小企業の方におすすめです。「将来を見据えてステータス性の高いカードを持ちたい」「経費管理を効率化しつつ、コストは抑えたい」といった、コストパフォーマンスを重視する方にとって、非常にバランスの取れた選択肢といえるでしょう。
審査は、法人実績や代表者の安定した収入などが考慮されます。
ビジネスプレミアムカード(ブラック)
年会費は143,000円(税込)と高額ですが、その分、提供されるサービスは圧倒的なレベルです。ビジネスカードのサービスに加え、専任のコンシェルジュが24時間365日、あらゆる要望に対応してくれます。
また、国内外のホテル上級会員資格や、ゴルフ場での優待、空港送迎サービスなど、多岐にわたる特別なサービスが付帯します。このカードは、事業規模が大きく、よりハイクラスなサービスを求める経営者や、富裕層の方に最適です。
ビジネスプレミアムカードはインビテーション(招待)による発行が基本となっており、ダイナースクラブの利用実績や年収、資産状況などが総合的に評価されて招待が届きます。まさに、選ばれた者だけが手にできる、究極のビジネスカードといえるでしょう。
マイル・ポイント制度と交換レート
ダイナース法人カードは、日々のカード利用によってポイントが貯まります。このポイント制度は、ビジネスの経費を支払うだけで効率的にマイルや商品に交換できるため、非常に魅力的です。
特に、出張が多い経営者にとっては、ポイントをマイルに移行することで、出張費を実質的に削減できる大きなメリットがあります。
ダイナースリワードポイント
カード利用額100円につき1ポイントが貯まります。
貯まったポイントは、1ポイント=1円相当として多様な商品やギフト券に交換できるほか、提携航空会社のマイルに移行することも可能です。
ポイントの有効期限は無期限なので、失効を気にすることなく、じっくりと貯めることができます。高額なビジネス経費を支払うことで、あっという間に多くのポイントが貯まり、それを活用してビジネスやプライベートの満足度を高めることができるでしょう。
マイルへの交換レート
特にANAマイルを貯めている方にとって、ダイナース法人カードは非常に魅力的です。
- 移行可能航空会社:ANAのみ
- 移行レート:1,000ポイント=1,000マイル
- 移行手数料:年間6,600円(税込)
マイルへの交換レートが1:1と高いため、効率的にANAマイルを貯めることができます。
出張が多い経営者であれば、ビジネスの経費を支払うだけで、次回の海外出張やプライベート旅行の航空券をマイルで手に入れることも夢ではありません。ただし、JALマイルには対応していないため、JAL派の方は注意が必要です。
マイル派とポイント派の使い分け
- マイル派: 航空会社の利用頻度が高く、出張や旅行でマイルを使いたい経営者。
- ポイント派: マイルよりも、家電やギフト券、ホテル宿泊券など、さまざまな商品に交換して実用的に活用したい経営者。
ダイナースのポイント制度は、個々のライフスタイルやビジネススタイルに合わせて柔軟に活用できるのが強みです。
審査基準と通過のコツ
「ダイナースの審査は厳しい」というイメージがあるかもしれません。しかし、ダイナース法人カードの審査は、個人の年収よりも、法人または個人事業主の「信用力」が重視されます。
これは、ダイナースがビジネスの成長をサポートするという姿勢の現れでもあります。もちろん、ある程度の安定した収益は必要ですが、設立間もない企業でも、事業計画や将来性が評価されれば審査に通る可能性があります。
審査で見られるポイント
- 法人または個人事業主の売上実績: 過去の売上高や利益の推移は、事業の安定性を示す重要な指標となります。
- 代表者の信用情報: 過去のクレジットカードやローンの支払い履歴に問題がないかを確認します。
- 設立年数: 目安として1年以上が推奨されますが、設立直後でも審査を受けることは可能です。
- 税務申告状況: 納税を適切に行っているかどうかも重要な判断材料です。
審査に通るためのコツ
- 決算書や確定申告書をしっかり整備する: 審査では、事業の実績を証明する書類が重要になります。書類を正確に、分かりやすくまとめておくことが第一歩です。
- 赤字決算でも安定した入金があればチャンスあり: 一時的な赤字決算であっても、売上が安定して入金されている実績があれば、将来性を評価される可能性があります。
- 他の法人カードの利用実績があると有利: 既に他社の法人カードを良好な利用実績で使っている場合、信用力があると判断され、審査に通りやすくなることがあります。
6. 他社法人カードとの比較
ダイナース法人カードは、他社と比べてどのような違いがあるのでしょうか。代表的な法人カードであるアメックス、三井住友と比較してみましょう。各社の特徴を理解することで、ご自身のビジネスに最適なカードを選ぶことができます。
年会費 | ポイント還元率 | 空港ラウンジ | マイル移行 | 特徴 | |
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ダイナース法人![]() | 29,700円〜 | 1.0% | ◎ 国内外900ヶ所〜 | ANAのみ | ラグジュアリーな接待・出張特化 |
アメックス ビジネス ![]() | 13,200円〜 | 1.0% | ◯ 国内主要空港 | ANA/JALなど多数 | ポイントの使い道が豊富、提携も多い |
三井住友 ビジネス ゴールド ![]() | 11,000円〜 | 0.5% | △ 国内主要空港 | × | 国内利用中心、中小企業向け |
ダイナース法人カードは、利用限度額に一律の制限がなく、充実した優待サービスが付帯しているため、特にラグジュアリーな接待や出張が多いビジネスパーソンに最適です。ブランド力も高く、ステータスを重視する方におすすめです。
アメックスビジネスは、年会費が比較的安く、ポイントの使い道や提携航空会社が豊富な点が魅力です。ビジネスツールとしての利便性が高く、ポイントを多様な形で活用したい方におすすめです。
三井住友ビジネスゴールドは、年会費が抑えられており、国内での利用が中心の中小企業や個人事業主向けのカードです。コストを最優先に考え、基本的な経費管理機能を求める方に適しています。
7. まとめ|ダイナース法人カードはこんな人におすすめ
ダイナース法人カードは、経費の多さやステータス性を求めるビジネスパーソンに最適な選択肢です。
特に以下のような方におすすめです。
- 柔軟な決済枠が必要な経営者: 高額な仕入れや広告費など、一時的に多額の資金が必要になることが多い方。
- 出張や接待が多く、マイルや優待を活用したい人: 空港ラウンジやレストラン優待を積極的に利用し、ビジネスの質を高めたい方。
- ステータスカードとしてブランディングを強化したい人: 名刺交換の際に、信頼性やブランド力をアピールしたい方。
単なる経費決済だけでなく、ビジネスの成功をサポートしてくれる強力なパートナーとして、ダイナース法人カードを検討してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人

kaitooru ライター