「ANAマイルを効率よく貯めたいけど、どのカードを選べばいいの?」 「ANA Visa ワイドゴールドカードって、年会費が高いって聞いたけど、本当に元が取れるの?」
ANAの飛行機をよく利用する人や、これからマイルを貯め始めたいと考えている人の間で、常に話題の中心となるクレジットカードがANA Visa ワイドゴールドカードです。
その理由は、マイルの貯まりやすさ、充実した旅行保険、そして空港ラウンジの利用特典など、多くのメリットがあるからに他なりません。しかし、一方で、年会費の高さから「本当に持つ価値があるのか?」と疑問に感じる方も少なくありません。
単なる基本情報だけでなく、マイル獲得の損益分岐点シミュレーションから、Vポイントとの賢い付き合い方、そして他社カードとの比較まで、専門家が詳細に分析。
これを読めば、あなたがANA Visa ワイドゴールドカードを持つべきかどうかの答えが、明確に見えてくるでしょう。
目次
ANA Visa ワイドゴールドカードとは?
まずは、ANA Visa ワイドゴールドカードが、一つ下のランクであるANA Visa 一般カードとどう違うのか、比較表で確認しましょう。
ANA Visa ワイドゴールドカード![]() | ANA Visa 一般カード![]() | |
---|---|---|
年会費 | 15,400円(税込)<br>(条件達成で9,900円) | 2,200円(税込)<br>(マイ・ペイすリボ利用で割引あり) |
通常還元率 | Vポイント0.5%(1,000円=1ポイント) | Vポイント0.5%(1,000円=1ポイント) |
マイル移行レート | 1ポイント=10マイル(移行手数料無料) | 1ポイント=10マイル(手数料6,600円)<br>1ポイント=5マイル(手数料無料) |
入会ボーナスマイル | 2,000マイル | 1,000マイル |
継続ボーナスマイル | 2,000マイル | 1,000マイル |
フライトマイル | 区間基本マイルの25%増 | 区間基本マイルの10%増 |
海外旅行保険 | 最高5,000万円(自動付帯) | 最高1,000万円(利用付帯) |
国内旅行保険 | 最高5,000万円(利用付帯) | 最高1,000万円(利用付帯) |
空港ラウンジ | 国内主要空港 | なし |
家族カード年会費 | 4,400円(税込) | 1,100円(税込) |
ETCカード年会費 | 無料 | 無料 |
ANA Visa ワイドゴールドカードは、三井住友カード株式会社とANAが提携して発行する、ゴールドランクのクレジットカードです。
ANAカードラインナップの中でも、「バランスの取れた、ANAマイラーの定番カード」として多くの人に選ばれています。
その最大の強みは、年会費を抑えつつ、マイルの貯まりやすさとゴールドカードならではの特典を両立している点にあります。
このカードは、単に飛行機に乗るだけでなく、日々の買い物や公共料金の支払いなど、「カード決済をANAマイルに換える」という、新しいマイルの貯め方を実現してくれるのです。
この比較表から、ANA Visa ワイドゴールドカードは、年会費が高くなる代わりに、マイル獲得の面でも、旅行保険や空港ラウンジといったサービス面でも、ANA Visa 一般カードを大きく上回ることがわかります。
徹底解説:ANA Visa ワイドゴールドカードの7つのメリット
なぜANA Visa ワイドゴールドカードが「ANAマイラーの定番」と呼ばれるのか。その理由を7つのメリットに分けて、詳細に解説していきます。
メリット1:マイルの貯まりやすさ
ANA Visa ワイドゴールドカードは、ANAカードの中でもマイルが非常に効率よく貯まる仕組みを持っています。
① 入会・継続ボーナスマイルが2,000マイル
ANA Visa 一般カードが1,000マイルであるのに対し、ANA Visa ワイドゴールドカードは、入会時と毎年のカード継続時に、2,000マイルのボーナスマイルが付与されます。
これは、国内線の特典航空券(ローシーズン)に交換できるほどの価値があり、これだけで年間数千円分のメリットを享受できます。
② フライトマイルが25%増
ANAグループ便を利用して飛行機に乗る際、ANA Visa 一般カードでは区間基本マイルの10%がボーナスマイルとして加算されますが、ANA Visa ワイドゴールドカードは**25%**が加算されます。
年に数回飛行機に乗るだけでも、この差は年間で数千マイル、数十フライトなら数万マイルにもなり、大きな差となります。
③ Vポイントからマイルへの高レート交換(移行手数料無料)
ANA Visa ワイドゴールドカードで日常の買い物などをすると、Vポイントが貯まります。このVポイントをマイルに交換する際、大きなメリットがあります。
- ANA Visa ワイドゴールドカード: 1ポイント=10マイル。移行手数料は無料です。
- ANA Visa 一般カード: 1ポイント=10マイルに交換するには、年間6,600円(税込)の移行手数料がかかります。手数料を払わない場合、1ポイント=5マイルという半分のレートでの交換になってしまいます。
この「移行手数料無料」は、ANA Visa ワイドゴールドカードの最大のメリットと言っても過言ではありません。
メリット2:年会費の安さ(特定の条件で9,900円に)
ANA Visa ワイドゴールドカードの年会費は通常15,400円ですが、実はこれを9,900円(税込)に割引する裏ワザがあります。
- 年会費割引の条件:
- WEB明細書サービス(紙の明細書停止): 1,100円割引
- マイ・ペイすリボの登録と利用: 5,500円割引
これらを組み合わせることで、合計6,600円割引となり、年会費が9,900円になります。 マイ・ペイすリボは、初期設定を「月々の支払い上限額をカード利用限度額とほぼ同額」にすることで、リボ払い手数料を発生させずに利用できます。これにより、年会費を抑えつつ、カードのメリットを最大限に享受することができます。
メリット3:充実した旅行保険
ANA Visa ワイドゴールドカードは、旅行保険が非常に手厚いのも魅力です。
- 海外旅行保険: 最高5,000万円(自動付帯)
- 国内旅行保険: 最高5,000万円(利用付帯)
「自動付帯」の安心感
ANA Visa ワイドゴールドカードの海外旅行保険は「自動付帯」です。これは、旅行代金をこのカードで支払っていなくても、カードを保有しているだけで保険が適用されることを意味します。
- ANA Visa 一般カードは、最高1,000万円で利用付帯です。
万が一の事態に備える上で、この差は非常に大きく、特に海外へ頻繁に渡航する人にとって、年会費を払う価値は十分にあります。
メリット4:空港ラウンジの利用
ANA Visa ワイドゴールドカードを保有していると、国内主要空港にあるカード会社ラウンジを無料で利用できます。
- 利用できる空港: 羽田空港、新千歳空港、伊丹空港、福岡空港など、全国28の空港にあるカードラウンジ
- 利用方法: カードと当日の航空券を提示するだけでOKです。
搭乗までの時間を、無料でドリンクを飲んだり、リラックスできる空間で過ごせるのは大きなメリットです。
メリット5:Vポイントの高還元率と使い道
ANA Visa ワイドゴールドカードの通常利用で貯まるVポイントは、マイルに交換するだけでなく、多様な使い道があります。
- 多様な使い道:
- Vポイントアプリ: 日常の買い物でキャッシュレス決済として利用できます。
- 景品や商品券への交換: 魅力的な景品や商品券に交換できます。
- 他社ポイントへの交換: Tポイントやdポイントなど、様々な他社ポイントに交換できます。
これにより、マイルを貯めるだけでなく、日々の生活でもVポイントを有効活用できます。
メリット6:充実した付帯サービス
ANA Visa ワイドゴールドカードは、ANAカードならではの特典も満載です。
- ANA機内販売割引: ANAグループ便の機内販売が10%割引になります。
- ANA FESTA割引: ANA FESTAでの買い物が5%割引になります。
- ANAカードプレミアムクーポン: 年に1回、機内販売や空港免税店で利用できるクーポンがもらえます。
これらの特典は、ANAを利用する機会が多いほど、その価値を実感できるでしょう。
メリット7:キャンペーンでさらにお得に
三井住友カードとANAは、定期的に入会キャンペーンを開催しています。
- 過去のキャンペーン例:
- 入会後、一定期間内に規定額のカード利用を達成すると、数千ポイントや数万ポイントが付与される。
- Vポイントの増量キャンペーンなど。
これらのキャンペーンをうまく活用すれば、入会ボーナスマイルと合わせて、初年度から年会費をはるかに超えるマイルを獲得することも可能です。
徹底分析:ANA Visa ワイドゴールドカードのデメリット
多くのメリットがある一方で、ANA Visa ワイドゴールドカードにもデメリットは存在します。
デメリット1:マイル還元率の罠
ANA Visa ワイドゴールドカードのメリットは「マイルが貯まりやすい」ことですが、ここには落とし穴があります。
- Vポイントからマイルへの移行:
- ANA Visa ワイドゴールドカードは、Vポイントからマイルへの移行手数料が無料ですが、これは移行するたびに手数料がかからない、というだけです。
- カード利用1,000円につき1ポイント(10マイル)の還元率は、基本還元率0.5%です。
これは、ANAマイルを貯める「ソラチカカード」や、「ANAアメックスゴールド」など、他のANAカードと比較すると、必ずしも最高の還元率ではありません。
デメリット2:年会費のコストパフォーマンス
ANA Visa ワイドゴールドカードは、マイルを貯めない人や、年に1回しか飛行機に乗らない人にとっては、年会費が高いコストになります。
- 年会費9,900円の価値:
- 年間2,000マイルの継続ボーナスだけでは、年会費の元は取れません。
- 空港ラウンジや旅行保険を使わない場合、年会費だけを払い続けることになります。
デメリット3:空港ラウンジは「国内のみ」
ANA Visa ワイドゴールドカードで利用できるのは、国内主要空港のカード会社ラウンジです。
- ANAラウンジは使えない:
- ANAラウンジや、国際線のラウンジは利用できません。
- 海外のラウンジは使えない:
- 海外の空港ラウンジを利用したい場合は、プライオリティ・パスなどの付帯サービスがある他のカードを検討する必要があります。
損益分岐点シミュレーション:年会費をペイするには?
ANA Visa ワイドゴールドカードの年会費は、マイル獲得や特典の利用でペイできるのか、具体的なシミュレーションで検証してみましょう。
- 年会費のコスト: 9,900円(割引適用後)
- 1マイルの価値: 一般的に、1マイルの価値は2円〜3円と言われています。ここでは、保守的に1マイル=1.5円で計算します。
ケース1:マイル獲得を重視する人
- 継続ボーナス: 2,000マイル × 1.5円/マイル = 3,000円
- 飛行機利用: 東京⇔沖縄を年2回往復する場合、フライトボーナスマイルは822マイル増(822マイル × 1.5円/マイル = 1,233円)
- 日常利用: 日常の買い物で年間100万円利用すると、10,000マイル獲得(10,000マイル × 1.5円/マイル = 15,000円)
この場合、年間100万円のカード利用と年2回のフライトで、年会費9,900円を大きく上回る2万円以上のメリットを享受できます。
ケース2:特典利用を重視する人
- 年会費: 9,900円
- 空港ラウンジ利用: 年3回利用(1回1,000円と仮定) = 3,000円
- 旅行保険: 任意の海外旅行保険を契約した場合の費用(1回5,000円と仮定) = 5,000円
この場合、空港ラウンジと旅行保険の利用だけで、年会費の元を取ることができます。
結論:年会費の元は取れる
ANA Visa ワイドゴールドカードは、ANAの飛行機を年1回以上利用し、日常の支払いをこのカードに集約する人であれば、年会費の元を十分に取れるカードです。
「年会費が高い」という声は、マイル獲得の仕組みや特典の価値を理解していない場合に生まれる誤解と言えるでしょう。
ANA Visa ワイドゴールドカードはこんな人におすすめ!
ここまでの解説を踏まえ、ANA Visa ワイドゴールドカードが特に力を発揮するのは、以下のような方々です。
- 年に1回以上飛行機を利用するANAマイラー
- フライトボーナスマイルと継続ボーナスマイルの恩恵を最大限に享受できます。
- ANAのマイルを効率よく貯めたい人
- 日常の買い物でVポイントを貯め、高レートでマイルに交換したい人に最適です。
- 空港ラウンジや旅行保険を重視する人
- 充実した旅行保険(自動付帯)と、国内主要空港のラウンジ利用は大きなメリットです。
- クレジットカードをメインカードとして利用する人
- 日々の支払いをこのカードに集約することで、マイルが着実に貯まり、年会費以上のメリットを享受できます。
Q&A:よくある質問と回答
Q1. 家族カードの年会費は?
A. 家族カードの年会費は4,400円(税込)です。家族会員も本会員と同様の特典を享受できます。
Q2. ETCカードは発行できる?
A. はい、発行できます。ETCカードの年会費は永年無料です。
Q3. 年会費を払う価値はありますか?
A. 上記のシミュレーションの通り、飛行機に年1回以上乗り、日常の支払いを集約すれば、年会費を払う価値は十分にあります。
Q4. 審査は厳しい?
A. ゴールドカードのため、一般カードよりは審査が厳しくなります。安定した収入(目安として年収300万円以上)と、良好な信用情報が求められます。
まとめ:ANA Visa ワイドゴールドカードの総合評価
ANA Visa ワイドゴールドカードは、年会費15,400円(割引適用で9,900円)という価格帯でありながら、ANAマイルの貯まりやすさとゴールドカードの充実した特典を両立させた、非常にバランスの取れたカードです。
- ANAマイラーにとっての「神カード」の真価
- 移行手数料無料の高レートマイル交換は、ANAカードの中でも大きな強みです。
- 充実した旅行保険や空港ラウンジは、旅の安心感と快適さを格段に高めてくれます。
結論として、ANA Visa ワイドゴールドカードは「年会費が高い」のではなく、「年会費以上の価値を簡単に得られるカード」なのです。
ANAの飛行機を定期的に利用し、マイルを賢く貯めたいと考えるあなたにとって、ANA Visa ワイドゴールドカードは、最高の相棒となってくれるでしょう。
この記事を書いた人

kaitooru ライター