独裁政治とは?メリット・デメリット、行なっている国も

2020年代に入り、世界中で強権的な行動をとる国が続出しています。

国内外の批判を顧みず、人権も、民主主義も、さらには国際協調すらも無視するその様は、もはや独裁政治と呼ぶ以外にありません。彼らの心を捕えて離さない独裁政治とはどういうもので、その背景には何があるのでしょうか。

独裁政治とは

独裁政治とは、国家において一人または少数の集団が絶対的な権力を振るう政治体制のことです。独裁政治では、政策の策定や決定に国民の意思や同意はほとんど反映されず、政治権力に異を唱えることすら許されないことがしばしばです。

もともと本来の独裁政治は単に「少数者による統治」を意味するものでした。しかし、市民の平等や自由意思を尊重される現在の世界では、国家が国民を抑圧的に統制する独裁政治は受け入れられなくなっています。

現在の世界では完全な民主主義の国は半分にも満たず、むしろ民主主義に近い制度をとりながら独裁的権力を振るう、権威主義という手法をとる国が多数派です。さらに、2020年時点で権威主義国家の約40%が個人独裁の性質を備えているとされます。

独裁政治の特徴

独裁政治には次に紹介するようないくつかの種類がありますが、いずれにも共通するのが以下のような特徴です。

  • 行政府の権限を掌握する:政府の長と国家元首を兼任する
  • 法を監視:立法府を監視し、司法府を厳格に管理する
  • 反対意見を抑圧:デモや抗議行動を弾圧するなどで反対意見を封じ込める
  • メディアを規制批判的なメディアに圧力をかけたり、政府に忠実なプロパガンダを広める
  • 公共機関を統制:警察や軍の他、大学や地方政府なども統制下に置く
  • 正式な手続きを省く:議会での討論や議決、行政上の手続きを軽視・無視する

専制政治との違い

独裁政治と似た言葉に、専制政治があります。専制政治も特定の個人やグループが強大な権力をもつという意味で独裁政治の一種であると言えます。

しかし、独裁政治では一応対抗する政党があって国民が選べる仕組みがあるのに対し、専制政治では

  • 政党や選挙が存在しない
  • 国民の政治参加が認められない

など、国の上から下まで権力者への対抗勢力が全くないのが特徴です。

専制政治は選挙や国民の権利などを想定していない近代以前の社会によく見られ、中世の王・皇帝や啓蒙国家の専制君主などによる政治がそれに当たります。

独裁政治の種類

独裁政治には体制の形態にいくつかの種類があり、それぞれ少しずつ異なる形をとっています。

支配政党独裁(一党独裁)

支配政党独裁とは一党独裁とも呼ばれ、政府内で一つの政党が権力を独占する体制です。

この体制では表向きは複数政党の存在も、選挙での政権交代も認められていますが、

  • 野党・対抗勢力の規模が極めて小さく、選挙で勝つ見込みがほぼない
  • 仮に野党が勝っても理由をつけて投票結果を無効にされる

など、権力を握る党と党のエリート集団が圧倒的な力を持ち、あらゆる手段で敵対勢力を抑え込むことが常態化しています。制度上は民主主義国家を模倣していますが、実質的に独裁に近い権威主義体制です。そのため「グレーゾーン国家」とか「名ばかり民主主義国」とも呼ばれます。

軍部独裁

軍部独裁体制は、文民による政治家ではなく、軍のトップまたは複数の軍将校など軍部が独占的に政権を担う体制です。軍部独裁体制では政党は基本的に存在しません。

この体制では軍部組織がそのまま政府に持ち込まれるため、エリートがリーダー個人の行動を抑える力を持ちます。

個人独裁

個人独裁体制は、文字通り一人の個人が圧倒的な権力を振るい国の頂点に君臨します。

かつては王や皇帝などの君主が世襲で権力を移譲していましたが、現代では民主的な選挙で選ばれた政党のリーダーが勝手に憲法や法令を変え、自分の権力基盤を絶対的なものにする例も少なくありません。

個人独裁者はエリートの忠誠心で権力が維持されるため、

  • 意を唱える者を粛清する
  • 能力より忠誠心のある者を重用する
  • アメ(ポストや役得)とムチ(処罰)でエリート層を分断する

などの手法によって、自らの権力基盤死守を図ります。逆に言うと、それだけ極端に彼らの離反を恐れているということです。

君主独裁

君主独裁は国のリーダーが支配者一族の世襲で決まり、絶対的な権力を持つ政治制度です。昔は国王や皇帝を冠する国でよく見られましたが、現在では主に中東諸国を中心とする7カ国しかありません。

独裁政治の歴史

太古の時代から、人が集まるとそこにはほぼ必ず支配-被支配の構図が生まれ、権力を握った者が人々を従わせて社会を動かしてきました。現在の民主主義という政治制度はほぼ近代の産物であり、世界の歴史はその多くが独裁の歴史と言えます。

古代ギリシア

民主主義が生まれた時代というイメージが強い古代ギリシアですが、実際には民主制はアテネなどごく一部の都市で100年足らずの間行われたに過ぎません。

紀元前1200年頃までのギリシアでは王による独裁政治が続き、暗黒時代を経て各地にポリスと呼ばれる都市国家が誕生します。しかしその後も有力者による貴族制が敷かれ、貴族間の派閥争いが起きて独裁的僭主が出現します。

ペイシストラトスの登場によって僭主独裁に終止符が打たれ、アテネで民主主義が形作られていくのは紀元前5世紀になってからです。

古代ローマ

紀元前753年にイタリア半島で誕生した都市国家ローマでも、建国後約250年間は王による独裁が続きました。そして紀元前509年には、暴政に耐えかねた民衆が反旗を翻して王を追放します。

独裁を徹底的に嫌ったローマ人は、民会・元老院・執政官(政務官の最高位)からなる共和制を打ち立てました。その後元老院内部で起きた派閥争いに乗じ、優秀な軍人であるユリウス・カエサルが民主の支持を集め権力を手に入れます。

カエサル暗殺後、後継者オクタウィアヌスはアウグストゥスと名乗り、初代皇帝となります。元老院を尊重し彼らとの関係に配慮はしていたものの、事実上の独裁政治です。

帝政となったローマはその後、

  • カリギュラ、ネロなど暴政を振るう皇帝が続く
  • 五賢帝による安定した時代
  • 軍人皇帝が乱立する時代

を経て衰退していき、帝国が東西に分割される頃には皇帝は専制君主として神格化されるようになっていきました。

近世ヨーロッパ

中世の封建制の時代を経て、議会や民主主義が芽生え始めた近世でも、独裁政治は根強く続きました。その典型的な例が

  • フランス:ルイ14世による絶対王政
  • ドイツ:プロイセン宰相ビスマルクによる独裁政治

などの君主・政治家です。

フランス

フランス革命では、王を倒し共和制が実現したと思いきや、革命勢力の内部分裂によって急進的な勢力が権力を手中にします。急進派の代表・ロベスピエールによる独裁では多くの反対勢力が処刑されました。

こうした革命後の混乱の後に国民の支持を受けてナポレオンが登場し、独裁政治と帝政への道を開いていきます。

ドイツ

国内を統一したドイツでは、プロイセン王国の宰相ビスマルクが主導的な役割を果たします。政府には議会こそあったものの、皇帝ヴィルヘルム1世と彼を補佐する宰相の権限が圧倒的に強く、実際はビスマルクの独裁政治でした。

ビスマルクは外交でフランスを徹底的に封じ込めながらも領土拡大を控え、国内では社会主義を弾圧する一方で福祉や保険政策に力を入れるなど、強硬な反面、中庸で良識をわきまえた政治家と言われます。

しかし、次の皇帝ヴィルヘルム2世は好戦的で独断的な人物でした。彼はビスマルクを辞めさせて覇権拡大を図り、イギリスやロシアとの対立を招きます。こうしたヴィルヘルム2世の暴走が、第一次世界大戦勃発の一因となったのです。

近現代世界

2つの世界大戦を経験した近代以降は、独裁政治が世界に大きな影響を及ぼした時代です。その主な舞台となったのはここでもドイツであり、ロシア(ソ連)や中国です。

また、第二次世界大戦後はアジア、アフリカ、中南米などの第三世界の国々が続々と独立を果たします。しかし、その多くの国では権威主義的な体制が目立ちました。

ナチス・ドイツ

第一次世界大戦後のドイツで独裁者となったのがナチ党の党首、ヒトラーです。

当初は泡沫政党に過ぎなかったナチ党はヒトラーの加入によって党員を増やし、経済不況や社会不安を既成政党やユダヤ人への不満にすり替えることで国民の支持を集めていきます。

民主的な選挙によって勢力を拡大したナチ党は1933年に政権を獲得すると、対抗勢力を弾圧してヒトラーによる独裁政権を樹立しました。ヒトラーはすぐさま周辺諸国への侵略を進め、世界を再び戦争へと引きずり込んでいきます。

ソ連・スターリン政権

ヒトラーと同時代にソ連の指導者となったスターリンも、ヒトラー同様に暴虐な独裁者として権力を振るいました。

絶対的権力を手にしたスターリンは工業化と集団農営を行いますが、工業化の資金のために国内で必要な穀物や農作物まで輸出に回したため、国内では多くの国民が餓死に追い込まれました。さらにスターリンは反対派や批判的な勢力を次々と粛清し、数百万から1000万人もの人が殺されたとも言われています。

中国共産党政権

第二次世界大戦後の中国は、毛沢東率いる共産党政権下で人民民主主義国家の建設を目指しますが、次第に共産党による独裁が強まっていきます。

戦後の中国では

  • 毛沢東による大躍進政策の失敗
  • 1966年からの文化大革命と毛沢東個人崇拝の強化
  • 林彪のクーデター失敗後の造反派と実務派の主導権争い

などの政争が続きました。1980年代以降、改革開放路線や民主化の動きも目立ちましたが、現在の習近平政権では国内の統制が進み、強力な独裁政治が続いています。

第三世界

第二次世界大戦後独立した第三世界では、一党独裁や軍事独裁などの独裁政治や権威主義を行う国が少なくありません。これは国内の民主主義の浸透が不十分だったことの他、対立するアメリカとソ連それぞれに支援された国が、戦略上の利害によって両国からの介入を受けていたことなども関係しています。

東西冷戦の終結と共にこれらの国では民主化運動が活発化し、独裁的な政治を行う国は減少していきました。しかし、近年では再び民主主義から権威主義への揺り戻しが起こりつつあります。

独裁政治を行なっている国

民主主義が望ましい政治体制とされている現在でも、世界の約3分の1の国が独裁政治か、それに近い権威主義体制をとっているとされています。

選挙をしていない独裁制

2019年の時点で、選挙を行っていない独裁体制の国としては、

  • ソマリア、エリトリア、リビア、スーダン、南スーダン、サウジアラビア、イエメン、カタール、アラブ首長国連邦、中国、ブルネイ

があげられます。

支配的政党独裁政治の国

これらの国では、表向き民主的な選挙は実施されていますが、一つの政党や候補者のみ立候補する一党独裁、あるいは複数政党が出ても圧倒的に力が弱い、あるいは不公正な選挙などが行われている選挙独裁の状態です。同じく2019年時点でそれぞれの例をあげると

  • 一党独裁:キューバ、ベネズエラ、スワジランド、シリア、オマーン、トルクメニスタン、北朝鮮、カンボジア、ラオス、べトナム
  • 選挙独裁:ボリビア、ニカラグア、ロシアベラルーシ、ニジェール、トーゴ、カメルーン、タンザニア、エチオピア、ジンバブエ、モロッコ、イラン、トルコ、エジプト、 クウェート、アフガニスタン、カザフスタン、パキスタン、ミャンマーシンガポールなど

となっており、その数は決して少なくありません。

現在の個人独裁者とは?

これらの国々の中でも、特定の個人が長く政権トップの座に在り続けている国は、実質上の個人独裁と言っていいでしょう。2024年時点での人口500万人以上、名目GDP2000億ドル以上の55の主権国家の中で、スウェーデンのV-Dem研究所が「専制」とみなす国は全部で19か国あり、そのうち一人が10年以上国の最高権力者である国は次の6カ国です。

  • ロシア・プーチン大統領:2000年5月~(2008年5月~12年5月は首相)
  • トルコ・エルドアン大統領:2003年3月~(2014年8月までは首相)
  • 中国・習近平国家主席:2013年3月~
  • インド・モディ首相:2014年5月~
  • ハンガリー・オルバン首相:2010年5月~
  • エジプト・シーシー大統領:2014年6月~

ただし、任期が短くとも国の絶対的な権力を握っている個人は他にもいます。

私たちが良く知るところでは北朝鮮の金正恩主席ですが、現在ではアメリカのトランプ大統領も昨年来の強権的な手法によって独裁者の一覧に名を連ねようとしています。

独裁政治のメリット

日本の政治では諸悪の根源のように見られてきた独裁政治ですが、実際にはいくつかのメリットも存在します。

メリット①意思決定が早く非常時に強い

独裁政治の大きなメリットは意思決定の早さです。民主主義のように、賛成派と反対派の意見を取り入れ、議論して決をとるやり方は公平である反面、非常に時間がかかります。

これでは、大きな災害や疫病の蔓延、他国からの侵略など、超法規的措置が求められる非常時に対応できません。

その点、独裁政治では議論も手続きも必要とせず、最高権力者の意向で素早く決定がなされるため、有事への対応には適しています。

共和制をとっていた古代ローマでも、有事の際には半年間の任期で国を一人で率いることができる、独裁官という役職がありました。独裁を極度に嫌いながらも、そのメリットを熟知していたローマ人の知恵と言えるでしょう。

メリット②国民が政治を考えなくて良い

もう一つのメリットは、国民が政治について考える必要がなく、仕事や趣味、文化的な活動など生活面に力を入れられるようになることです。

実際、政治には財政の他、福祉や教育、産業、防衛、外交など多様で複雑な問題が関わってきます。私たち国民がそれらの問題について専門的に学び、自分の意見を持とうとするのはとても大変です。

そのため、政治は少数のエリートに任せたほうがうまくいくし、国民は決まったことに従っていれば問題なく生活を送れるという考え方もあります。

これはできるだけ複雑な思考を避け、よりわかりやすく間違いのない答えを望む私たち人間の本性にも由来します。そういう意味では、最近囁かれている「AI独裁」はその究極の形なのかもしれません。

独裁政治のデメリット

とはいえ、独裁政治は基本的に悪しきものであり、大勢の人々に多大な害をもたらすさまざまなデメリットを抱えるものであるという認識は変わりません。

デメリット①国民の自由や人権の抑圧

独裁政治の最大のデメリットは自由や人権の抑圧です。

独裁者は、基本的に自分(たち)に不利なことや反対意見を認めません。認めてしまえば、自らの権力維持に脅威となるからです。そのため独裁者は軍や警察など、あらゆる防衛や治安を司る暴力機関を支配下に置きます。

独裁者が抑圧するのは政敵や対抗者だけではありません。権力を持つ者は自分たちに批判的なメディアや反抗的な市民に対しても、あらゆる手段を用いて抑圧を図ります。

こうして国民は、一人ひとりが持つ人権や、言論・集会・報道の自由を奪われ、暴力と抑圧に怯えながら暮らすことを余儀なくされるのです。

デメリット②他国との戦争を起こしやすい

独裁政治は他国との戦争を起こしやすいというデメリットもあります。

特に個人独裁の場合、

  • 自分に忠実なイエスマンに囲まれ外交の過ちを犯しやすい
  • 国家間の協定や枠組みを拒否しがち
  • 失脚後の不安からリスクの高い行動をとりがち

という傾向が強いため、他国との摩擦や紛争、さらには戦争を厭いません。

ヨーロッパ各地へ侵攻したヒトラーの例を見るまでもなく、クウェートに侵攻したイラク、ウクライナに侵攻したロシア、そして最近ではベネズエラやグリーンランドへの野望を隠さないアメリカの行動が、これらを裏付けています。

デメリット③経済・金融の劣化を招く

独裁政治のもう一つのデメリットが、経済や金融の劣化を招くことです。

その理由は前に述べた他国との戦争へのリスクと同様で、独裁が進むにつれ独裁者の周りはイエスマンだけになります。すると、

  • 取り巻きが都合の悪い政策を提言せず、経済政策の立案・遂行能力が低下
  • 権力者を中心に縁故主義が蔓延する
  • 官民が癒着を招き、腐敗・汚職が蔓延する
  • 金融がエリート集団の利益誘導装置となる
  • 権力の死守が至上命題となり経済合理性を軽視・無視する

といったことが起こり、経済の活力や効率性が失われ、経済成長が止まります。

やがて国際的な信用が失われると、通貨価値の下落は免れません。こうして最悪の場合には経済金融危機へとつながっていきます。

デメリット④失脚後のリスクが大きい

独裁者本人にとっては、失脚した場合のリスクが大きくなります。

過去の統計によると、権力を失った独裁者は、41%が亡命や追放、投獄、さらには暗殺などに追いやられています。

一方の民衆にとっても、独裁者が失脚したからといって喜ぶことはできません。

国民の反乱や民衆の蜂起ではなく、解任やクーデター、独裁者の死亡(暗殺含む)など体制内部での権力移動が起きた場合、それまでの体制は崩壊しにくいばかりか、さらに強権的な体制がもたらされる危険性が少なくないのです。

日本が独裁政治になる可能性は?

現在の日本は完全な民主主義国家の一員と見なされており、一見独裁政治とは無縁なように思われます。

しかし、近年の国内政治の情勢を見ていると、

  • 公文書の破棄・黒塗り公開
  • 検察幹部の定年延長や恣意的な最高裁裁判官の任命
  • ニュース番組の内容への政権幹部の抗議
  • 総務大臣によるテレビ局への停波発言

など、情報の隠蔽司法の統制メディアへの抑圧などが問題視されてきました。

さらにここにきて、

  • 国会答弁の拒否やはぐらかし
  • 対外的緊張の助長排外主義の煽動
  • 憲法改正や抑圧的な法案の制定を志向
  • 右派ポピュリズムへの傾倒
  • 解散権の濫用

など、民主主義の基盤を突き崩し、権威主義に傾くような流れが目立ち始めています。

もっともこうした一つひとつの動きは、今すぐに日本が独裁政治に陥ることを意味するものではありません。しかし、権威主義的な体制が容易に独裁政治につながることは、近現代の歴史を見ても明らかです。日本が同じ道をたどるか否かは、今後数年の動きにかかっていると言えるでしょう。

独裁政治とSDGs

独裁政治がもたらす分断や排除、一部の権力者による資源の独占は「誰ひとり取り残さず」持続可能で包括的な社会を目指すSDGs(持続可能な開発目標)の理念に真っ向から対立するものと言えます。

もちろん意思決定の早さという独裁のメリットにより、早期に解決できる課題もあるでしょう。しかし、その恩恵が独裁国家に住むすべての人々にもたらされるかは疑問です。

そして、質の高い教育(目標4)」「ジェンダー平等(目標5)」「不平等の是正(目標10)」「平和と公正(目標16)」などの目標は、独裁政治での実現は困難です。

独裁政治の克服は、SDGsの実現には欠かせない重大な問題と言えるでしょう。

>>SDGsに関する詳しい記事はこちらから

まとめ

世界が大きく揺れ動く現在、民主主義から権威主義、独裁政治へと傾く国が増えています。

民主主義の制度である選挙や民意の動員が、独裁政治をもたらした歴史を見てもわかるように、独裁政治と民主主義は決して相反するものではなく、むしろグラデーションのように地続きになっているものです。

世界中が独裁政治の害悪や危険性に直面しているこの時代だからこそ、政治と歴史が生み出した知恵と教訓を学ぶことが、今の私たちに必要ではないでしょうか。

参考文献・資料
権威主義-独裁政治の歴史と変貌 / エリカ・フランツ 著 ; 上谷直克, 今井宏平, 中井遼 訳:白水社,2021年2月
独裁の世界史 / 本村凌二 著:NHK出版,2020年11月
ひと目でわかる政治のしくみとはたらき図鑑〈イラスト授業シリーズ〉 / 吉田徹 日本語版監修,豊島実和 訳:創元社,2023年10月
Q2 「専制政治」と「独裁政治」について – 教育出版
民主主義を装う権威主義: 世界化する選挙独裁とその論理 東島雅昌 東京大学社会科学研究所
ヒトラーとは?生い立ちや行ったこと、与えた影響も – Spaceship Earth(スペースシップ・アース)|SDGs・ESGの取り組み事例から私たちにできる情報をすべての人に提供するメディア
毛沢東|世界史の窓
強権的指導者たちの経済成績簿 三井住友信託銀行 調査月報 2025年5月号
林 載桓 比較政治学は習近平一強体制の登場を説明できるか : 権威主義体制における権力の個人化の条件とメカニズム 『アジア経済』LⅩⅤⅠ-1(2025.3)
最高裁裁判官の指名・任命手続について─第二次安倍政権による異例の人事から考える─:日本民主法律家協会,2025年2月

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この記事を書いた人

shishido ライター

自転車、特にロードバイクを愛する図書館司書です。現在は大学図書館に勤務。農業系の学校ということで自然や環境に関心を持つようになりました。誰もが身近にSDGsについて考えたくなるような記事を書いていきたいと思います。

自転車、特にロードバイクを愛する図書館司書です。現在は大学図書館に勤務。農業系の学校ということで自然や環境に関心を持つようになりました。誰もが身近にSDGsについて考えたくなるような記事を書いていきたいと思います。

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