ドイツはなぜ連立政権となった?日本に与える影響も

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ドイツでは今年(2025年)5月、新たな連立政権が発足しました。現代世界が直面する複雑で解決困難な課題の中で、ヨーロッパ屈指の大国であるドイツが果たす役割も非常に重要となってきます。一方でドイツは、連立政権であるがゆえに制約や限界も多く、どれだけ大きな影響力を発揮できるかは不透明です。

本記事では、ドイツが連立政権となった背景や歴史を紐解き、その政治的特徴がもたらす影響について詳しく考察していきたいと思います。

ドイツの政権について

​​ドイツの連立政権と言っても、そもそも私たち日本人はドイツの政治体制について詳しく知らない人がほとんどではないでしょうか。ですので、まずはドイツの政治体制から見ていきましょう。

ドイツの政治体制は

  • 16の州からなる連邦共和制
  • 国家元首は大統領だが政治のトップは首相
  • 中央政府は連邦議会と連邦参議院からなる二院制
  • 選挙制度:小選挙区制を加味した比例代表制

となっており、国会にあたる連邦議会は調整議席を含めて定数が現在736議席です。

議員の任期は4年で、連邦議会選挙で議員と政党が選ばれます。

ドイツの政党

2025年現在、ドイツの連邦議会で議席を持っている政党は以下の通りです。

なおここでは統一前の旧東ドイツの政党は割愛します。

キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)

キリスト教民主同盟/社会同盟(以下CDU/CSU)は、現代ドイツ政治で長く中心的役割を担ってきた政党です。CDUは戦前のカトリック中央党を起源に持ち、CSUはCDUのバイエルン州支部という姉妹政党として発展してきました。

基本的にはキリスト教的価値観に基づく中道保守ですが、その党運営、政策・路線、支持層は時代とともに変化して現在に至っています。CDU/CSUは戦後3分の2の期間、与党の地位を守っており、保守政党としては日本の自民党に並ぶほどの成功例と言われています。

社会民主党(SPD)

19世紀から続く社会民主主義政党に起源をもつ社会民主党(以下SPD)は、組織労働者を支持基盤とする左派の大政党です。SPDは1950年代末にマルクス主義から脱却し、労働者だけでなく中間層からも広い支持を集めており、これまで4人の首相を輩出しています。

緑の党

緑の党(Bündnis 90/Die Grünen=90年同盟/緑の人々)は、1968年の世界的な政治運動の高まりを受け、環境問題対策を打ち出す党として誕生しました。

1983年に初めて連邦議会で議席を獲得し、1998年には初めて連立与党にも加わります。

現在は環境政策だけではなく、人権政策やインフラ・教育への投資など、全方位の包括的な国家観や政権担当能力を打ち出すことで存在感を示しています。

2024年の世論調査でも14%の支持率を得ており、政権与党もその意向は無視できません。

自由民主党(FDP)

自由民主党(以下FDP)も早くからドイツで政治活動を行ってきた政党です。

CDU/CSUが社会民主主義の立場に立った中道保守政党なのに対し、FDPは企業振興や自由主義経済を強く進める立場をとっています。

主にCDU/CSUやSPDとの連立で何度か政権を担ってきましたが、近年は支持率が低迷し、2024年12月の世論調査ではわずか4%にとどまっています。

左翼党

左翼党は、旧東ドイツの民主社会党と旧西ドイツの「選挙オルタナティブ・雇用と社会的公正」が合流して2007年に発足した政党です。SPDよりもラディカルな反資本主義/社会主義的左翼思想に基づき、民主主義、自由、平等、公正、国際主義、連帯を基本的価値として重視する政策を掲げています。

ドイツのための選択肢(AfD)

ドイツのための選択肢(以下AfD)は2013年に発足した新しい党です。

AfDはEUとメルケル首相によるギリシャ債務支援への反対世論を契機に結成され、移民や難民の受け入れ、ウクライナ支援などに否定的で、排外主義的と指摘されることが多い右派政党です。

主に旧東ドイツの州で支持が強く、2025年の連邦議会選挙では第二党と躍進しましたが、今年になって公安組織によって過激派と認定されました。ただAfDはここ数年で支持を伸ばしていることもあり、強い反発が予想されます。

この他近年のドイツでは、左派系でありながら移民・難民やウクライナ支援など国際協調には消極的な新興政党、ザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟も台頭しています。

政治制度の特徴

現在のドイツの政治制度は、基本的に前述の6党が連邦議会の議席を占めて構成されていますが、同時に他の国には見られない以下のようなユニークな特徴を有しています。

  1. 建設的不信任:次の首相が選出されるまで首相の解任はできない
  2. 阻止条項:全国合計5%以上の得票を得ない党は比例代表の議席を与えられない
  3. 大統領の権限の縮小:権限は大幅に縮小され、国家元首という名の名誉職
  4. 戦闘的民主主義自由で民主的な秩序を破壊する政党には政治的自由を認めない

ドイツが連立政権となった背景

戦後ドイツの政権与党は、4年に一度行われる連邦選挙の結果を受けて、一定数の議席を確保した複数の政党が連立政権を組むことが一般的です。こうした状況になる背景には、連立政権になりやすい制度設計や国の方針、考え方があります。

背景①選挙制度

連立政権になりやすい背景には、小選挙区比例代表併用制という選挙制度があります。

この制度は日本の小選挙区比例代表制と違い、比例代表選挙の得票率で各政党に議席数を配分し、小選挙区選挙の得票数で党内の当選者を決めるという、比例代表制の性格が強くなる制度です。

そして比例代表制は一党で過半数を取りにくく、いくつもの党が拮抗して票を分け合う状態になりやすいという特徴があります。このため第一党となった政党も単独では内閣を組閣できず、政策協議で合意に達した党と連立を組むという状況になるわけです。

背景②ナチス独裁とワイマール体制への反省

ドイツが連立政権になりやすい政治制度をとる大きな理由は、ナチス独裁とその発端となったワイマール体制を絶対に繰り返さないという強い反省によるものです。

戦前にナチスが台頭し、合法的な独裁を許した理由としては

  • 小政党の乱立による政治の機能不全
  • 議会を迂回した大統領緊急権の乱発

などによる政治的空白と混乱が原因とされています。

そのため戦後のドイツは、一党による単独過半数獲得と小党乱立の両方を防ぎ、多くの党による協議と熟慮を図ることを目的にしました。一党で過半数を取りにくい選挙制度もその一つであり、先ほど挙げた4つの特徴も

  • 政治的空白を作らない
  • 小党を乱立させない
  • 大統領に権限を持たせない
  • 自由と民主主義を破壊する勢力を封じ込む

という方針を徹底させるためのものです。

ドイツの連立政権に関する歴史

ドイツ政治史は政党の連立の歴史であり、ドイツの指導者層はさまざまな苦難や社会のうねりに立ち向かいながら政権を運営してきました。ここからは、旧西ドイツからドイツに至る経緯を中心に、ドイツの連立政権についての歴史を見ていきましょう。

西ドイツ建国〜大連立政権(1949~1969年)

第二次世界大戦後、アメリカ、イギリス、フランス、ソ連の連合国に分割占領されたドイツは、1949年にドイツ連邦共和国(西ドイツ)と、ソ連占領地区からなるドイツ民主共和国(東ドイツ)に分裂して建国します。

西ドイツ発足後第一党になったのは、アデナウアー率いるCDU/CSUです。選挙後FDPと保守中道連立を組み、初代首相に就任したアデナウアーは強力なリーダーシップで政権を運営し、

  • 西側統合路線:西ドイツの再軍備推進とNATO加盟
  • マーシャル・プランと社会的市場経済原理による経済復興
  • ソ連との国交樹立とソ連抑留ドイツ人の釈放を実現

などの政策で高い支持率を得て、1957年には単独過半数を獲得します。

1966年からのキージンガー政権では、SPDが初めて政権に参加します。二大政党が連立を組む大連立も国政レベルでは初めてとなります。この政権では

  • 経済安定成長促進法(1967)
  • 非常事態法成立(1968)
  • 東欧諸国との国交樹立政策推進

などの政策を推進していきました。

中道左派連立政権(1969~1982年)

1969年には、SPDとFDPという中道左派を中心とする連立政権が誕生します。選挙ではCDU/CSUが第一党でしたが、SPDとFDPが連立を組んだことで多数派となりました。

ブラント首相は東方外交が国民の信任を得たものの、秘書に東ドイツのスパイがいたことが発覚し辞任。後を継いだシュミット政権では現実路線をとり、テロとの対決姿勢や原発推進、社会保障費の抑制などの政策を進めました。

コール政権と東西ドイツ統一(1982~1998年)

1983年の選挙では再びCDU/CSUが返り咲きます。シュミットを見限ったFDPはCDU/CSUとの連立に鞍替えし、CDUのコール首相による保守中道政権が始まりました。

この間の最大のトピックは1989年のドイツ統一です。

この年、東ドイツでは大規模な反体制運動が起こり、そこから東ドイツでは西との統一を目指す機運が高まっていきます。一方の西ドイツでは国内の支持を失いかけていたコールがこの機に乗じて東西ドイツの統合を提案し、10月3日に東西ドイツ統一が果たされました。

ドイツ統一は最初こそ国民に強く支持されていました。しかし、企業閉鎖や失業者の増加、環境汚染やインフラ整備の遅れ、移民・難民の流入など、旧東ドイツの負の遺産が旧西ドイツへも重い経済負担をかけるようになるにつれ、国民の不満が募っていきます。

赤緑連立政権(1998~2005年)

1998年からはSPDと緑の党が連立政権を組み、SPD党首のシュレーダーが首相の座に就きます。両党のシンボルカラーによって赤緑連立と呼ばれた初の左派政権の誕生は、連立の組み替えではなく初めての投票による政権交代という、画期的な出来事でした。

赤緑連立政権では、

  • 国籍法の改正:血統主義の転換と移民の社会統合
  • 脱原発への転換
  • イラクへの軍事行使でアメリカの単独主義を批判

など、左派色を打ち出した政策を展開します。しかし一方で、アジェンダ2010と呼ばれる経済・社会・労働市場改革では、労働市場の流動化や社会保障給付削減・条件の厳格化、

失業給付と社会保障給付の一元化など「弱者に冷たい」という反発を受けます。

結果、SPDは支持基盤である労働者からの支持を失って分裂、地方選挙で連敗し連邦議会選挙の前倒しを余儀なくされました。

大連立から保守中道政権へ

2005年の連邦議会選挙ではどの党も多数派になることはできませんでした。そのためCDU/CSUとSPDによる大連立が選択され、CDUのメルケル党首が首相となります。

以降、メルケル首相とCDU/CSUは4期16年にわたってドイツの政権を担い、この間にSPD(2005〜2009年)、FDP(2009〜2013年)、SPD(2013〜2021年)と、連邦議会選挙のたびに連立を組む政党を変えています。

メルケル政権の政策

メルケル政権ではおおむね好調な経済のもと、連邦制度改革や失業率改善、財政健全化などが進められました。その他の政策としては

  • 福祉:両親手当/児童助成法(2007年〜)/教育・職業訓練への支出増額/年金の支給開始年齢引き上げ/全国に適用する最低賃金導入など
  • 外交:欧州経済危機への対処/難民の受け入れ表明など
  • 脱原発政策の継続:一度は原発回帰も福島第一原発事故で脱原発に転換
  • エネルギー政策:脱石炭法と改正連邦気候保護法
  • 国防費増額と軍備増強、徴兵制の廃止と志願兵制導入
  • 同性婚の法制化

があります。特に外交面では欧州のリーダーとしての立ち居振る舞いが目立ち、ギリシャなど南欧へ厳しい緊縮策を要求したことで「鉄の女」とも呼ばれました。

反面、2015年の難民危機では上限のない受け入れを独断で表明したため、内外から批判と反発を招き、転換を余儀なくされます。

また、子育てに関連する支援策や同性婚の法制化といった政策は、伝統的家庭観や性別役割分業を重んじるCDU/CSUの党内、特に保守派からの反発を受けることになりました。これは当時の連立相手である左派のSPDの意向に沿った形で、連立政権内でのバランスに苦慮していた様子がわかります。

初の三党大連立政権(2021~2025年)

メルケル退任後の2021年9月の連邦議会選挙では、CDU/CSUは大幅に得票率を落として第二党となります。代わって第一党となったSPDと第三党に躍進した緑の党が得票率を伸ばし、FDPと共にシュルツ首相による連立政権を形成します。戦後初期を除くと初の三党連立政権の誕生です。

しかし、自由主義的な主張のFDPに対し、公助の充実を主張するSPDと緑の党との間では方針の違いは明らかでした。信号機連立と呼ばれた3党の体制は、予算編成に関してFDPと他の2党との間に対立が生じて政権が不安定化し、1期4年で崩壊します。

メルツ政権の開始(2025~)

シュルツ政権の崩壊後、2025年2月23日に行われた連邦議会選挙では、CDU/CSUが再び第一党に返り咲き、メルツ氏が首相に就任しました。メルツ首相はSPDと連立を形成し、犬猿の仲だったメルケル氏の路線を転換する保守路線へと舵を切ることが見込まれています。

一方で、一回目の首相指名選挙ではメルツ氏が過半数を取れないという異例の事態となり、SPDのみならず身内のCDUからも造反者が出たことがわかりました。極右政党ながら第二党に躍進したAfDへの対応も含め、政権基盤の脆弱さが発足早々不安視される状況になっています。

連立政権になるとどうなる?

日本も現在、政権与党は自由民主党と公明党による連立政権です。

では、複数政党が連立を組むとどうなるのでしょうか。連立政権のメリットとデメリットを挙げながら見ていきましょう。

メリット①単独政権の独善・独裁が防げる

連立政権は突出した力を持たない党同士の寄り合いとなるため、得票率の多い党でも他の党の意向を無視した独善的な政策をとりにくくなります。そのため「数の暴力」に頼らず、熟議と調整に基づいて、さまざまな有権者の利害に配慮した慎重な議会運営になります。

ドイツの場合は、ナチスのような極端な勢力に全権を独占させないという目的で制度設計がなされました。その最たるものが、連立政権による権力の分散です。

メリット②社会が安定化する

与党間の慎重な話し合いと調整によって政策が決められる連立政権では、極端な政策の変更が起こることが少ないため、社会的には安定します。

二大政党制の元で政策や方向性が全く違う二党が頻繁に政権交代を行うと、その度に政策が大幅に変更されてしまいます。分断された社会では、二大政党制が結果的に不安定化を招きやすくなるというのは、現在のアメリカを見ればお分かりでしょう。

メリット③選択肢が増え、少数派の意思が届きやすくなる

連立政権は2つ、あるいは3つ以上の政党が同時に政権与党になるため有権者の選択肢が増え、それぞれの支持層の意見が政策に反映されやすくなります。これが二大政党制で政党の数が少数である場合、有権者にはわずかな選択肢しかなく、与党ではない党、あるいはそれ以下の少数派の意思が切り捨てられることになります。

もちろん、与党間で完全に意見が一致しないことが多く、妥協したり折り合いをつけたりする必要があるものの、基本的にはより広い支持層の声が届きやすくなると言えるでしょう。

デメリット①思い切った改革がしにくくなる

連立政権は、参加する政党同士の政策のすり合わせに時間がかかるため、思い切った政策がとりにくくなります。特に保守的な党と左派の党の連立など、もともとの基本理念に違いが大きい場合には、なおさら合意できる範囲でしか政策決定ができません。

そのため、投票者らが望んだような政策が実行できなくなるケースが増え、政治への信頼感が落ちる原因ともなります。

デメリット②民意が反映されにくくなることも

一方、連立政権は過半数を取れない政党同士が連立を組むこともあるため、選挙が民意を代表していると言えなくなるケースも出てきます。

ある党が最も高い得票率を取って第一党になっても、もし第二党と第三党が連立して多数派を形成してしまえば、低い得票率の政党でも政権を取れてしまう半面、多数の有権者が票を投じたはずの政党が野党となり、有権者の意思が反映されなくなってしまいます。

また、選挙後にどの党とどの党が連立を組むのかは、一般の有権者には決めることができません。選挙前に政権の枠組みや、公約の内容を有権者に提示することでおおよその予測はできるものの、それがなければしばしば密室での協議に委ねられ、有権者が不満を抱くことにもなります。

ドイツの連立政権が日本に与える影響

ドイツの連立政権のあり方や政策は、日本にとってどのような影響を及ぼすのでしょうか。この記事を執筆している2025年5月の時点ではメルツ政権が発足して間もないため、具体的な政策の成果や外国への影響についてはまだわかりません。

ただし、さまざまな報道や国際機関によると、

  • 経済:工業国の強みを維持しつつ人工知能(AI)やスタートアップ企業の振興/2028年から段階的な法人税の引き下げ開始/低中所得者層に所得税減税を実施
  • 外交:移民・難民流入の規制・周辺国との協定の締結、強制送還措置の拡充
  • 防衛:防衛費の大規模増額/ウクライナに長射程巡航ミサイル「タウルス」供与を表明/イスラエル寄りとされていたがガザでの攻撃を非難

などの政策を打ち出すとされ、シュレーダー〜メルケル〜シュルツと続く中道左派的な政策から、より保守本流に近い政策へと向かうとされています。

ドイツと日本の関係で言うと、両国は共に、

  • 中小企業が多くものづくりが支えてきた
  • 経済成長で伸び悩んでいる
  • 第二次大戦の敗戦国であり、周辺国や近隣の大国との間に依存と緊張関係がある

などのいくつかの点で共通点があります。ドイツの新しい政策決定は、今後の日本の進路を模索するうえでの参考となるだけでなく、政府や日本企業がヨーロッパでとるべき方針に大きな影響を与えることは間違いありません。

環境政策

ドイツの政策で日本にも少なからぬ影響を与えるのは、脱原発方針の転換脱石炭の緩和でしょう。メルツ政権でも2045年までの気候中立達成という従来の目標は維持するものの、そのための手段として原子力エネルギーや石炭・褐炭などの役割を見直す方向へと向かっています。

こうしたドイツの政策転換は、当然ながら日本の脱原発・脱化石燃料に向けた動きを後退させてしまうことにもなりかねません。

ドイツの連立政権とSDGs

欧州経済で中心的な役割を担うドイツが今後、どのような政策をとるかは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも大きく関係してきます。

前述のとおり、新たに発足したメルツ連立政権は

  • 原子力と化石燃料からの脱却を宣言していたエネルギー政策の転換
  • 移民や難民に対して寛容な政策から不法移民の制限へ
  • 防衛費の大規模増額

などの政策を推進すると見られており、

  • 目標13「気候変動に具体的な対策を」
  • 目標11「住み続けられるまちづくりを」
  • 目標16「平和と公正をすべての人に」

といった目標の実現に対して、どのような影響を及ぼすかが今後注目されます。



>>SDGsに関する詳しい記事はこちらから

まとめ

ドイツは長きにわたって連立政権下で政治が行われ、ポピュリズムや極端な政策に偏ることを慎重に避けながら着実に国力を蓄え、欧州と国際社会での存在感を強くしてきました。第二期トランプ政権によって世界の情勢や民主主義、国際秩序が不安定化していく中、新しくドイツを率いるメルツ連立政権がどのような政策を実行していくかは、今後の世界の動きを占ううえでも注目です。

ドイツは日本同様、戦後敵国として扱われながらも、デモクラシーの落第生から優等生へと変貌を遂げました。今後の日本の民主主義や政権運営、経済や環境政策など、多くの課題を抱えるなか、ドイツの政治体制とその背景について学ぶことは有権者としての私たちにとっても非常に意義のあることと言えます。

参考文献・資料
現代ドイツ政治 : 統一後の20年;西田慎、近藤正基編著/ミネルヴァ書房,2014.
現代ドイツ政治外交史 : 占領期からメルケル政権まで;板橋拓己、妹尾哲志編集/ミネルヴァ書房, 2023.
ドイツ基礎データ|外務省
信号のない道をどうやって進むか ―ドイツ政治から日本が学べる骨太視座|独立行政法人経済産業研究所
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この記事を書いた人

shishido ライター

自転車、特にロードバイクを愛する図書館司書です。現在は大学図書館に勤務。農業系の学校ということで自然や環境に関心を持つようになりました。誰もが身近にSDGsについて考えたくなるような記事を書いていきたいと思います。

自転車、特にロードバイクを愛する図書館司書です。現在は大学図書館に勤務。農業系の学校ということで自然や環境に関心を持つようになりました。誰もが身近にSDGsについて考えたくなるような記事を書いていきたいと思います。

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