量子コンピュータとは?中学生にもわかりやすく解説!

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量子コンピュータと聞くと「未来の技術」という印象を持つ人も多いでしょう。実は近年、技術革新が急速に進んでいます。

実用化に成功すれば、とてつもない利益をもたらすとも言われる量子コンピュータ。今後に備えて、量子とは何か、量子力学がどう計算に活かされるのか、従来のコンピュータとの違いなど、基本的なことを理解しておきましょう。

量子は不思議な特徴を持つ存在ですが、中学生にもわかりやすく解説していきます。

量子コンピュータとは

世界が抱える複雑な問題を解くには、今のコンピュータでは時間がかかりすぎたり、そもそも計算できなかったりすることが増えてきました。そこで、新しい時代の計算機として期待されているのが「量子コンピュータ」です。

量子コンピュータは、私たちの身の回りにあるコンピュータとは全く違う、「量子」という非常に小さな世界の不思議な性質を利用した、新しい仕組みの計算機と言えます。なぜ量子コンピュータがこれほど注目され、未来を変える可能性を秘めていると言われるのでしょうか。

量子力学と量子コンピュータ

【私たちの体や身の回りのものは全て電子や原子で出来ている】

量子コンピュータの理論的な背景には「量子力学」があります。量子力学とは、原子や電子など極めて小さな世界の不思議なルールを説明する物理学の分野で、「量子」とはこの小さな世界での最小単位のことです。

量子コンピュータは、電子のスピンやエネルギー状態など、量子の性質を制御して計算に利用するという発想から誕生しました。量子コンピュータは、従来のコンピュータの限界を超え、複雑な問題の解決や新たな物質の設計など、飛躍的な計算速度を実現する次世代技術として期待されています。

量子とは何か

【身の回りの物質はとても小さい量子が集まって形作られている】

量子とは、物質やエネルギーの最小単位のことです。例えば、電子や光子など、私たちの身の回りのあらゆるものは「量子」でできています。

上の図の「クォーク」は量子とイコールではありませんが、量子力学の法則に従う素粒子の一種です。

「量子」と言う言葉は、

  • 電子:負の電荷を持つレプトンで、物質の性質や電気の流れを担う基本粒
  • 陽子:正の電荷を持ち、原子核を構成し元素の種類を決定する複合粒子
  • 中性子:電荷を持たず、原子核を構成し物質を透過しやすい性質を持つ複合粒子
    クォーク:陽子や中性子などハドロンを構成する、6種類ある物質の最小の基本粒子で、単独では存在できない
  • 光子:電磁波(光)の粒子としてふるまう質量ゼロ・電荷ゼロの素粒子で、エネルギーの最小単位を担う

など、ミクロな世界で粒子と波の両方の性質を持つもの全般を指します。例えば、電子や光子、クォークなどは、量子力学の法則に従う代表的な粒子です。

陽子や中性子は、さらに小さなクォークから構成される複合粒子ですが、これらも量子力学的なふるまいをします。

【量子特有の「重ね合わせ」のイメージ】

この量子の世界では、物体が同時に複数の状態を取る「重ね合わせ」や、離れた量子同士が強く影響し合う「もつれ」といった現象が観測されます。このような量子の特別な性質を利用することで、量子コンピュータは一度にたくさんの計算を並行して行うことができます。

【量子の性質】

【量子の特徴まとめ】

※筆者作成

量子コンピュータと従来のコンピュータの違い

【従来のコンピュータ】

従来のコンピュータは、ビットの「0」か「1」という二進法で情報を処理します。一方、量子コンピュータは「0」と「1」の両方の状態を同時に持つことができる量子ビットを使います。

この違いにより、量子コンピュータは特定の計算で圧倒的な計算能力を発揮できるのです。

【量子コンピュータの量子ビットとは】

つまり、従来のコンピュータは情報を「0か1」で表しますが、量子ビットは「0でもあり、同時に1でもある」という特別な状態を使えます。このため、一度にたくさんの計算をまとめて行うことができ、従来のコンピュータよりはるかに速い計算が期待できるのです。

現在、世界中の大学や企業、そして日本政府も「量子未来産業創出戦略」や「ムーンショット目標6」などの政策を掲げ、量子コンピュータの研究開発を国家戦略として推進しています。

【日本の目指す量子未来産業のイメージ】

※量子未来産業創出戦略

内閣府が2023年に策定した、日本の量子技術を社会や産業で実用化し、2030年までに国内利用者1,000万人・生産額50兆円・量子系ユニコーン企業創出を目指す国家戦略。産学官やグローバル連携も重視する。

※ムーンショット目標6

「2050年までに誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現し、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる」という日本政府の大型研究開発プロジェクト。文部科学省や科学技術振興機構(JST)が中心となり推進。

この分野は今まさに急速に発展しており、将来的には社会や産業の仕組みを大きく変える「ゲームチェンジャー」となる可能性を秘めています。*1)

量子コンピュータの仕組み

量子コンピュータは、従来のコンピュータとはまったく異なる原理で動作します。一体、どのような仕組みで計算を行うのでしょうか。

ここでは、量子コンピュータの基本的な仕組みから、ハードウェアの方式、そして直面する課題を確認していきましょう。

量子コンピュータの基本的な仕組み

量子コンピュータの計算の根幹は「量子ビット(qubit:キュービット)」と呼ばれる情報単位にあります。量子ビットは、

  • 「0」と「1」の両方の状態を同時に持つ「重ね合わせ」
  • 複数の量子ビットが強く影響し合う「もつれ」

といった量子力学特有の性質を持ちます。

量子ビットが増えると、同時に扱える情報の数が一気に増えます。例えば2つの量子ビットなら、4通りの計算を一度にまとめて進めることができます。

【2量子ビットの場合の計算イメージ】

※筆者作成

この性質により、従来のコンピュータが一つずつしか計算できない問題でも、量子コンピュータは膨大な組み合わせを一度に並列して計算できるのです。

【従来(古典)コンピュータと量子コンピュータの計算方法の比較】

量子コンピュータでの計算には「アルゴリズム」が必要

実際の計算は「量子ゲート」と呼ばれる操作で量子ビットの状態を変化させ、最終的に「測定(観測)」して答えを得る流れで行われます。この一連の操作を「量子回路」と呼びます。

さらに、量子コンピュータ専用の「実用アルゴリズム」※が開発されており、ショアのアルゴリズム(素因数分解)やグローバーのアルゴリズム(高速探索)などが有名です。

※実用アルゴリズム

量子コンピュータ専用に設計された計算手順で、従来の方法より速く答えを出せる可能性を持つ。解きたい問題を量子コンピュータの特性に合わせて分解し、量子ビットの操作手順(量子回路)として設計・最適化することで作られる。基本となる量子ゲートや回路を組み合わせて効率的な計算手順を構築し、計算時間や誤りを減らす工夫を重ねて、現実の量子ハードウェアで動作可能な形に仕上げる。

【量子アルゴリズム】

量子ハードウェアの様々な方式

量子コンピュータのハードウェア※にはいくつかの方式があり、それぞれに特徴と課題があります。代表的なものとして

  • 超伝導方式
  • イオントラップ方式
  • 中性原子方式
  • シリコン量子ドット方式

などが挙げられます。

※ハードウェア

「ハードウェア」は、量子ビットや制御装置など物理的な本体部分を指し、「ソフトウエア」はその上で動くプログラムや制御系を指す。ハードウェアの方式には超伝導やイオントラップなど複数あり、物理的な実装や性能が課題となる。ソフトウエアは計算手順やエラー訂正などを担い、ハードウェアの違いを吸収して利用者が使いやすくする役割を持つ。

超伝導方式

超伝導方式は、-273°C(絶対零度)近くまで冷やした超伝導体を使い、電流の流れで量子ビットを制御します。GoogleやIBM、日本では富士通や理化学研究所がこの方式で開発を進めています。

【超伝導量子コンピュータ】

イオントラップ方式

イオントラップ方式は、電場で浮かせたイオンをレーザーで操作するもので、IonQやHoneywellが先行しています。

【イオントラップ方式】

中性原子方式

中性原子方式は、冷却した中性原子を光で並べて制御する新しい方式で、分子科学研究所や国内外の研究機関が注目しています。

【冷却原子(中性原子)方式量子コンピュータの設備】

シリコン量子ドット方式

シリコン量子ドット方式は、半導体技術を応用し、既存の集積回路技術と親和性が高いのが特徴です。この方式では、たくさんの量子ビットを小さなシリコンチップ上にまとめて作ることができます。

さらに、マトリックス型の制御技術を使えば、少ない配線や制御装置で多くの量子ビットを効率よく動かせるため、大規模化や実用化に向けて有利とされています。

【2次元シリコン量子ビットアレイ構造(左)と試作した量子ビットアレイの断面写真(右)】

【マトリックス型:16×8 量子ドットアレイと周辺回路をワンチップ化した量子チップ】

どの方式も、量子ビットを極低温や真空など特殊な環境で管理し、外部からのノイズを極限まで減らす必要があります。特に超伝導方式では、制御信号も極低温環境で動作させる必要があり、冷却技術が重要な役割を果たしています。

量子コンピュータの課題

量子コンピュータの開発には多くの課題があります。まず最大の壁は「量子ビットの安定性」です。量子ビットは外部のノイズや熱に非常に弱く、情報がすぐに失われてしまうため、絶対零度に近い極低温での管理が不可欠です。

また、量子ビット同士の誤り(エラー)を補正する「誤り訂正技術」※も極めて重要です。量子ビットの数を増やしつつ、すべてを高精度で制御することは技術的に難しく、現在は数十〜数百量子ビット規模が主流です。

※誤り訂正技術

量子ビットの情報を複数の量子ビットに分散して持たせ、エラーが起きても正しい情報を復元できるようにする仕組み。量子状態は壊れやすく、外部ノイズや熱で簡単にエラーが生じるため、計算の信頼性確保に不可欠。古典的な方法と違い、量子ビットの複製や直接観測ができないため、特殊なアルゴリズムや工夫が必要となる。この誤り訂正技術の進歩が、誤り耐性量子コンピュータ(計算の間違いを自分で直せる量子コンピュータ)実現の鍵を握る。

このように、量子コンピュータは、極めて繊細な量子ビットを外部ノイズや熱から守りつつ、正確に制御することが非常に難しく、量子ビットの制御方法と誤り訂正技術の開発が大きな課題です。一方、量子アルゴリズムを効率よく動かすためのソフトウェア開発や、量子コンピュータの性能を最大限に引き出すための新しい計算手法の研究も進められています。*2)

量子コンピュータで何ができるようになるのか

量子コンピュータはまだ開発の途中にありますが、もし実用化されれば、私たちの社会やビジネスの様々な分野で、これまでのコンピュータでは解けなかった難しい問題を解決できるようになると期待されています。それは様々な場面で私たちの生活や未来を大きく変える可能性を秘めています。

新しい「モノ」や「材料」を生み出す

量子コンピュータは、分子や物質が持つ複雑な性質や振る舞いを、非常に高い精度でシミュレーションすることが得意です。例えば、

  • 特定の病気にだけ効く新しい薬
  • 飛行機を軽くするための丈夫な新素材
  • エネルギーのロスが少ない高効率な材料

などを、実験に頼るだけでなく、コンピュータ上で効率良く見つけ出したり設計したりすることが可能になります。これは、新しい技術や製品を生み出すスピードを爆発的に加速させるでしょう。

社会の「最適解」を見つける

私たちの社会には、多くの選択肢の中から最も良い組み合わせや手順を見つけ出す「最適化問題」がたくさんあります。例えば、

  • 交通の流れをスムーズにするための信号のタイミング
  • 物流ネットワークでモノを最も早く、安く運ぶルート
  • 金融投資でリスクを抑えつつ利益を最大化する方法
  • 電力網の安定的な管理

などです。これらの複雑な問題を、量子コンピュータは得意とする並列計算能力を活かして、より速く、最適解を見つけ出す手助けをしてくれます。

未来をより正確に「予測」する

量子コンピュータは、不確かさや確率的な要素が絡む複雑なシステムのシミュレーションにも強みを発揮すると期待されています。例えば、

  • 金融市場の複雑な変動をより高い精度で予測
  • 気候変動が将来どのように進むかを詳細にシミュレーション

などが可能になるかもしれません。より正確な予測ができれば、私たちはリスクを回避したり、将来の計画をより適切に立てたりすることができるようになります。

AIの能力を「飛躍的に高める」

AI(人工知能)は、大量のデータを学習することで賢くなっていきます。量子コンピュータは、この機械学習のプロセスを飛躍的に加速させたり、より複雑なパターンを認識できる新しいタイプのAIを開発したりする可能性を持っています。

これにより、今以上に賢いAIが生まれ、

  • 画像認識
  • 自然言語処理
  • 自動運転
  • 医療
  • 介護
  • 画像・動画・音楽の生成

など、様々な分野で、これまでは不可能だったことができるようになるかもしれません。

量子コンピュータは今後、特定分野で実用化が進み、2030年代には社会や産業の構造を根本から変える中核技術となる可能性が高いと考えられます。さらなる技術革新と課題解決が進めば、日常生活やビジネスの幅広い場面で量子の力が活用される未来がやってくるでしょう。*3)

量子コンピュータの歴史

量子コンピュータの技術が、どのようなアイデアから生まれ、現在に至るまでどのような道のりを歩んできたのか、その興味深い歴史をたどってみましょう。そのルーツは意外にも古く、20世紀初頭の物理学の大きな変革期にまでさかのぼります。

量子力学の誕生と理論的なアイデアの登場

その始まりは20世紀初頭に、

  • マックス・プランク
  • アルベルト・アインシュタイン
  • ニールス・ボーア

といった偉大な物理学者たちによって築かれた量子力学です。この新しい物理学は、電子や光といったミクロの世界の粒子が、私たちの常識では考えられないような「量子の性質」を持つことを明らかにしました。

1980年代

1980年代になると、ノーベル賞物理学者であるリチャード・ファインマンは、こうした量子力学的な現象を従来のコンピュータで正確にシミュレーションするのは非常に難しいことに気づきました。そこで彼は、「自然が量子力学的に振る舞うなら、計算機も量子力学的に振る舞わせれば良いのではないか?」と、量子的なコンピュータのアイデアを提唱しました。

これが、量子コンピュータという概念が具体的に議論され始めた重要な出発点の一つとされています。同時期には、ポール・ベニオフやユーリ・マニンといった研究者たちも、量子的な計算の理論的な可能性を探求し始めていました。

量子アルゴリズムの発見と可能性の広がり

量子コンピュータが単なる理論上の存在から、現実の課題を解く可能性を持つ計算機として一気に注目を集めるきっかけとなったのが、画期的な量子アルゴリズムの発見です。

1990年代

1994年、数学者のピーター・ショアは、量子コンピュータを使えば、現在のインターネットなどで広く使われている暗号(公開鍵暗号RSAなど)の仕組みである素因数分解を、従来のコンピュータでは事実上不可能な速さで解ける「ショアのアルゴリズム」※を発表しました。これは、当時の情報セキュリティの世界に大きな衝撃を与え、世界中の政府や企業が量子コンピュータの研究開発に戦略的に投資を始める決定的な要因となりました。

※ショアのアルゴリズム

量子コンピュータで大きな数を素数に分ける「素因数分解」を高速に行う計算方法。現在のインターネットやオンライン取引の安全を支える「公開鍵暗号」の安全性を脅かす可能性がある。1994年、数学者のピーター・ショアが発表し、量子コンピュータが強力な計算機となりうると世界に知らしめた。

さらに1996年には、ロブ・グローバーが、量子コンピュータを使ってデータベースの中から目的の情報を高速に見つけ出す「グローバーのアルゴリズム」※を発表するなど、特定の種類の計算で量子コンピュータが従来のコンピュータを上回る可能性が次々と示され、この分野の研究が加速しました。

※グローバーのアルゴリズム

量子コンピュータが膨大なデータの中から特定の情報を効率良く探し出すための計算方法。従来のコンピュータより速く検索できる点が特徴。1996年、物理学者のロブ・グローバーが発表し、データベース検索など幅広い応用が期待されている。

ハードウェア開発の本格化と技術的な課題

理論が進む一方で、実際に量子コンピュータを「作る」ための研究も本格化しました。

1990年代後半〜2000年代

1990年代後半から2000年代にかけて、研究者たちは、

  • 超伝導回路
  • イオントラップ
  • 核磁気共鳴(NMR)

など、様々な物理システムを使って実際に「量子ビット」を作り出し、簡単な量子ゲート操作や計算を行う実験を開始しました。この頃は、扱える量子ビット数はごくわずかで、実用にはほど遠いものでした。

2010年代

2010年代に入ると状況は大きく変わります。GoogleやIBMといった巨大企業が超伝導方式を中心に量子ビット数を急速に増やし始め、2018年には量子コンピュータをインターネット経由で利用できるクラウドサービスが登場します。

これにより、世界中の研究者や技術者が実際の量子コンピュータに触れ、開発を進めることができるようになりました。現在の量子コンピュータは、まだ誤り耐性が十分ではなく「ノイズあり中間期量子コンピュータ(NISQ)」と呼ばれる段階ですが、限られた性能でも特定の難しい問題を解く可能性が探られています。

日本国内でも、様々な企業や研究機関が独自の方式でハードウェア開発に積極的に取り組んでいます。*4)

量子コンピュータに取り組む企業

【実際に制作された量子プロセッサ(2017年チャルマース工科大学)】

量子コンピュータの実用化に向けて、現在世界中の様々な企業が研究開発に巨額の投資を行い、激しい競争を繰り広げています。ここでは、開発をリードする代表的な企業の一部と、それぞれの取り組みの特徴を見てみましょう。

世界の主要企業

世界では、情報技術の巨人から革新的なスタートアップまで、多様なプレイヤーが開発を牽引しています。

IBM

【IBMの高性能な量子プロセッサー】

IBM超伝導方式の量子コンピュータ開発を長くリードし、量子ビット数の増加やエラー低減で成果を出しています。クラウドを通じた量子コンピュータの提供や、応用研究を促進するプラットフォーム構築に注力し、実用化に向けた取り組みを進めています。

Google

【低温装置に設置されたSycamoreプロセッサの想像図(左)、 Sycamoreプロセッサ(右)】

Googleは、2019年に「Sycamore」プロセッサ従来のスーパーコンピュータでは1万年かかる計算を200秒で処理し、量子超越性を世界で初めて実証しました。2024年には新型チップ「Willow」を発表し、計算エラーを大幅に低減しつつ、超高速計算を実現する技術を確立しています。

医薬品開発やAI分野への応用も進めており、量子コンピュータの実用化へ大きな前進を遂げています。

IonQ

【IonQ パラダイムシフトを起こす量子コンピュータ】

IonQイオントラップ方式の量子コンピュータ開発を牽引するスタートアップ企業です。量子ビットの性能(エラー率の低さなど)に強みを持ち、クラウドサービスも提供し、業界をリードするベンチマーク結果※を発表しています。

※ベンチマーク結果

コンピュータやソフトウェアの性能を特定の基準やテストで数値的に評価したデータ。異なる機種や技術を客観的に比較するための指標となる。性能評価や技術開発の進捗判断に使われる。

D-Wave Systems

【D-Waveの量子コンピュータ】

D-Wave Systemsは、量子アニーリング方式※に特化し、組合せ最適化問題※を高速に解くことができる量子コンピュータを開発している企業です。物流や交通、金融などの分野で、効率的なルート探索やスケジューリングなどの実用例が増えており、従来のコンピュータでは難しい複雑な問題に対し、新しい解決策を提供しています。

※量子アニーリング方式

量子力学の「重ね合わせ」や「トンネル効果」を利用して、組合せ最適化問題の最適解を効率的に探索する手法。温度の代わりに量子効果を徐々に弱めていき、エネルギーが最も低い状態(基底状態)を見つける。

※組合せ最適化問題

膨大な選択肢の中から最も良い組み合わせや順序を見つける課題。例として、配送ルートの最短経路や工場のスケジューリングがある。従来のコンピュータでは計算量が爆発的に増えるため、量子コンピュータの得意分野とされる。D-Waveやトヨタなどが実用化に取り組む。

NVIDIA

【NVIDIA 量子エコシステム】

NVIDIAは大手半導体メーカーで、GPU(画像処理用プロセッサ)の開発で世界をリードしています。AI分野での高性能計算に強みを持ち、量子コンピュータのシミュレーションやソフトウェアも積極的に開発しています。

AI技術を活用した量子エラー訂正などの分野で存在感を高めると同時に、近年はAIと量子技術の融合にも注力しています。

日本の主要企業

日本国内でも、長年の技術開発の歴史を持つ企業や、新しいアイデアで勝負するスタートアップが研究開発を進めています。

富士通

【超伝導量子コンピュータの内部実装】

富士通は、超伝導方式など複数のハードウェアを研究しつつ、独自のデジタルアニーラ(量子インスパイア技術)※で実績があります。現在、量子コンピュータと組み合わせたハイブリッドプラットフォームの構築を目指しています。

※デジタルアニーラ

富士通が開発した量子技術で、量子アニーリングの原理をデジタル回路で再現し、組み合わせ最適化問題を高速に解く。極低温や高真空を必要とせず、既存のコンピュータ環境で利用可能。物流や製造、金融など多様な分野で実用化が進む。

日立製作所

【日立が開発中の量子コンピュータ】

日立製作所は、従来の半導体技術を活かせるシリコン量子ドット方式を中心に開発しています。量子ビットの長寿命化や大規模集積に向けた新しい制御技術に強みがあります。

NTT

【NTTの研究するロードストア型の量子計算アーキテクチャ】

NTTは、超伝導やシリコンフォトニクス※など幅広い量子技術を研究しています。通信事業者としての強みを活かした量子暗号通信などの応用も視野に入れています。

※シリコンフォトニクス

シリコン基板上に光導波路や光変調器、受光器などの光デバイスを集積する技術。高速・大容量通信や省電力化を実現し、データセンターや5G、AI分野で活用が進む。従来の半導体製造技術を応用でき、コストや生産性にも優れる。

東芝

【東芝が開発した光ファイバー1心による大容量データと暗号鍵の多重伝送技術】

東芝は、量子鍵配送(QKD)による量子暗号通信分野で20年以上の研究実績と世界トップレベルの技術力を持ち、最長500km超の長距離・高速な暗号鍵配送を実現しています。また、データセンター間の大容量通信大規模ネットワーク構築にも対応し、量子コンピュータ関連の研究開発も積極的に進めています。

QunaSys

【NICTの量子セキュアクラウド(左)と理研の量子コンピュータ(右)の統合※】

※国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、国立研究開発法人理化学研究所、大阪大学量子情報・量子生命研究センター、株式会社QunaSysの共同開発

QunaSysは、量子コンピュータ向けのソフトウェア、特に化学分野での応用開発を専門とする日本のスタートアップ企業です。他の企業との連携による実用化を目指しています。

このように、世界中で様々な企業がそれぞれの強みを活かし、量子コンピュータの実用化に向けて活発な研究開発を進めています。今後も国際的な競争と協調の中で、技術革新が加速していくでしょう。*5)

量子コンピュータとSDGs

量子コンピュータ技術とSDGs(持続可能な開発目標)は、一見異なる分野のように思えますが、両者は人類の未来をより良いものにするという共通のビジョンを持っています。

量子コンピュータの飛躍的な計算能力は、地球規模の複雑な課題を解決するための強力なツールとなり得るもので、SDGsが掲げる17の目標達成に向けて革新的なソリューションを提供する可能性を秘めています。

SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を

病気の治療法や予防法の開発は、健康な生活のために不可欠です。量子コンピュータは、新薬開発のプロセスを加速させます。

複雑な分子の振る舞いを正確にシミュレーションし、病気に効果的で副作用の少ない薬の候補を効率的に見つけ出すことで、世界中の人々がより質の高い医療にアクセスできるようになる可能性を拓きます。

SDGs目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

量子コンピュータは、エネルギー効率が非常に高い新しい材料(例:高性能な太陽電池やバッテリー)の開発を助けることで、地球温暖化対策に欠かせない、クリーンで安定したエネルギーの普及を支援します。また、複雑化する電力ネットワークにおいて、再生可能エネルギーを無駄なく使い、安定した供給を実現するための最適な運用計画を立てる計算にも役立ちます。

SDGs目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

量子コンピュータ自体が最先端の技術であり、その開発と普及は新しい「量子産業」という技術革新の核となります。さらに、量子コンピュータを使った新しい材料開発や、物流・製造プロセスの効率化は、既存の産業構造を大きく変革し、より効率的でサステナブルな産業・技術基盤づくりに貢献します。

SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を

  • 気候変動の複雑なメカニズムを高精度でシミュレーション
  • 大気中のCO2を効率的に取り除く新しい技術に必要な材料を開発

などの研究を、量子コンピュータの計算力で加速させ、深刻さを増す気候変動問題への取り組みを後押しします。より正確な未来予測と効果的な対策技術の開発は、気候変動問題の解決に大きく貢献するでしょう。

このように、量子コンピュータは、その計算能力によってSDGsが掲げる様々な課題解決に向けた新しい可能性を切り拓きつつあります。*6)


>>SDGsに関する詳しい記事はこちらから

まとめ

量子コンピュータは、量子力学の原理を活用し、従来型コンピュータでは太刀打ちできない複雑な問題の解決に向けて急速に発展しています。2025年4月には富士通と理化学研究所が世界最大級の256量子ビット超伝導量子コンピュータの開発に成功し、日本の技術力を世界に示しました。

また、大阪・関西万博では「純国産」量子コンピュータが展示され、一般来場者がクラウド経由でアクセスできる企画が実施されるなど、量子技術の社会実装が着実に進んでいます。

世界の量子コンピュータ開発競争は「大混戦」の様相を呈しており、今後5年以内の商用化を見据えた動きが活発化しています。

しかし、量子技術の恩恵を世界中の人々が等しく享受するためには、技術格差の解消が必要不可欠です。先進国と途上国の間で技術アクセスの格差が拡大すれば、既存の社会経済格差をさらに深める恐れがあります。

富士通が2025年3月に量子コンピュータのソフトウェアをオープンソース化したことは、技術民主化への重要な一歩と言えるでしょう。

量子コンピュータは新薬開発、気候変動対策、エネルギー問題など、人類共通の課題解決に貢献する可能性を秘めています。私たちは、

  • 日常生活でどのように量子技術と関わっていくのか
  • 自分の専門分野や仕事にどのような変革をもたらすのか

などを、そろそろ考える必要がある時期です。

量子の世界が示す無限の可能性は、私たち一人ひとりの未来にも光をもたらします。これからも、好奇心を持って量子テクノロジーの発展を見守っていきましょう。*7)

<参考・引用文献>
*1)量子コンピュータとは
文部科学省『1. 量子って何?』
文部科学省『量子ってなあに?』
文部科学省『量子とは』
内閣府『量子未来産業創出戦略 概要』(2023年4月)
Wikipedia『量子コンピュータ』
FUJITSU『量子コンピュータ(入門編)』(2023年12月)
分子科学研究所『大森量子プロジェクト』
分子科学研究所『冷却原子型量子コンピュータの急速な発展とその展望について』(2024年3月)
科学技術振興機構『MOONSHOT 目標6 研究開発プロジェクト(2022年度採択)大規模・高コヒーレンスな動的原子アレー型・誤り耐性量子コンピュータ』
科学技術振興機構『ムーンショット目標6 2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現 実施状況報告書』(2023年)
HITACHI『シリコン量子コンピュータの実用化に向け、大規模集積に適した新たな量子ビット制御方式を提案』(2023年6月)
HITACHI『量子技術』(2022年11月)
HITACHI『量子コンピュータとは? メリット・デメリットを解説』(2019年3月)
日経サイエンス『特集:量子の地平線』(2013年7月)
日本経済新聞『分かる 教えたくなる量子コンピュータ』(2021年7月)
日本経済新聞『量子計算機、クラウド時代が幕開け グーグルなど3社』(2018年2月)
MRI『量子コンピュータの何が「すごい」のか――従来のコンピュータとの違いとは』(2020年2月)
内閣府『統合イノベーション戦略推進会議 量子未来産業創出戦略』(2023年4月)
*2)量子コンピュータの仕組み
HITACHI『未来予測を活用した量子コンピュータ関連ビジネス案の創造』
理化学研究所『世界最大級の256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発』(2025年4月)
量子化学技術研究開発機構『量子デバイスに囲まれる生活 第2回 イオン操り量子コンピュータ』(2023年6月)
分子科学研究所『国産初「冷却原子(中性原子)方式」量子コンピュータ開発へ 産業界の10社と事業化に向けた連携を開始(大森賢治グループ)』(2024年2月)
HITACHI『量子コンピュータ大規模化の壁を破る2次元シリコン量子ビットアレイの基本構造の試作に成功』(2020年4月)
HITACHI『シリコン量子ドットの大規模化と精緻な制御のための強力な布石を開発。量子コンピュータの早期実現への夢を紡ぐ。』(2022年12月)
文部科学省『2. 量子シミュレーション』
分子科学研究所『国産初「冷却原子(中性原子)方式」量子コンピュータ開発へ 産業界の10社と事業化に向けた連携を開始(大森賢治グループ)』(2024年2月)
HITACHI『シリコン量子コンピュータ』
HITACHI『日立、量子コンピュータの実用化に向けて量子ビットの寿命を100倍以上長く安定化させる操作技術を開発』(2024年6月)
内閣府『富士通における量子コンピューティングへの取り組み』(2021年11月)
FUJITSU『コラボレーションによるイノベーションの加速 富士通量子シミュレータチャレンジ2024』(2025年3月)
FUJITSU『数万量子ビットの量子コンピュータでも、現行コンピュータを超える速度で実用アルゴリズムを実行する方法を確立』(2024年8月)
FUJITSU『-ダイヤモンドスピン方式- 量子コンピュータのハードウェア研究の最先端』(2024年9月)
FUJITSU『超伝導量子コンピュータを開発し、量子シミュレータと連携可能なプラットフォームを提供』(2023年10月)
日本総研『量子コンピュータの概説と動向~量子コンピューティング時代を見据えて~』(2020年7月)
東京大学『量子コンピュータの動作原理と研究開発状況』(2022年2月)
東京大学『量子コンピュータのしくみ』(2024年)
*3)量子コンピュータで何ができるようになるのか
内閣府『日立の量子コンピュータ戦略と産業応用』(2022年3月)
内閣府『量子コンピュータの想定応用例について』(2022年3月)
HITACHI『未来予測を活用した量子コンピュータ関連ビジネス案の創造』
FUJITSU『日進月歩の量子コンピュータ。実用化を見据え、企業がいまから取り組むべき「量子アプリケーション開発」とは?』(2025年4月)
FUJITSU『デジタルアニーラとは』
FUJITSU『Is Business Ready to Make the Quantum Leap?~ 企業は量子飛躍を遂げる準備ができているか? ~』(2019年5月)
HENNGE『Quantum Computers – What are they, and what can they do?』(2023年6月)
NTT DATA『量子コンピュータが金融業界にもたらす可能性とリスク』(2023年3月)
中外製薬『量子コンピュータが拓く次世代創薬 〜QunaSys × 中外製薬の化学反応〜』(2024年12月)
NEDO『量子コンピュータユースケース事例集』
NRI『量子コンピューティング技術の産業活用に向けて』(2023年5月)
KYOCERA『「ぶっちゃけ教えて!量子コンピュータが普及したら生活はどう変わる?」』(2023年8月)
*4)量子コンピュータの歴史
Wikipedia『量子コンピュータ』
NRI『量子コンピュータの歴史』(2022年3月)
日本総研『量子コンピュータの概説と動向~量子コンピューティング時代を見据えて~』(2020年7月)
量子科学技術研究開発機構『量子・スパコンハイブリッドコンピューティングにより窒化アルミニウム結晶中に発現する量子ビットを予測〜量子コンピュータ実機上でのFTQCアルゴリズムによる材料探索〜』(2025年3月)
日経サイエンス『量子の過去と未来』
日経サイエンス『量子コンピュータ 日本の初号機が稼働』(2023年6月)
日経XTECH『量子コンピュータの開発はいつ始まった?』(2022年3月)
*5)量子コンピュータに取り組む企業
WIKIMEDIA COMMONS『Quantum-computer-Chalmers 2017』
IBM『理研、IBMの次世代量子システムをスーパーコンピュータ「富岳」に連携』(2024年4月)
Google『Quantum Supremacy Using a Programmable Superconducting Processor』(2019年10月)
量子ハードウェア担当ディレクターのジュリアン・ケリー氏が、ウィローとその画期的な成果を紹介する動画
IONQ『A Paradigm Shifting Quantum Computer』
IONQ『Atoms make better quantum computers.』
D-Wave Systems『D-Wave製品 Advantageシステム』
NVIDIA『アクセラレーテッド量子スーパーコンピューティングとは何か?』
FUJITSU『世界最大級の256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発 ハイブリッド量子コンピューティングプラットフォームの量子ビット数を4倍に増強し、計算能力を拡大』(2025年4月)
HITACHI『期待高まる量子コンピュータとは? どのような未来が実現するのか』(2022年12月)
NTT『メモリとプロセッサを分離した新たな量子コンピュータのアーキテクチャを提案――移植性の優れた高メモリ効率な設計で実用的な量子計算への道を切り拓く――』(2025年3月)
TOSHIBA『世界初、30Tbps超の大容量データと暗号鍵を多重伝送する
量子鍵配送技術の実証に成功』(2025年3月)
NICT『量子セキュアクラウドと量子コンピュータの統合実証に成功』(2025年3月)
HITACHI『ブレイクスルーの種は「できないこと」にある量子コンピュータを哲学する』(2024年9月)
日経XTECH『日立が量子ビットを移動させる新方式、シリコン量子コンピュータの大規模集積化へ』(2023年7月)
日経XTECH『新興勢が優位の量子コンピュータ、大手は新方式で反撃へ』(2025年4月)
日経XTECH『キュナシスが量子計算支援するソフト開発、材料解析や構造CAEで成果』(2023年10月)
日経XTECH『NVIDIAは量子でも王者目指す、初の量子イベントで新技術披露』(2025年3月)
日経XTECH『NVIDIAがAIで量子エラー訂正を効率化、FTQC実現へ一歩』(2025年4月)
日経XTECH『ソフトバンクVFが出資する量子コンピュータ企業、IonQは何がすごい?』(2021年6月)
FUJITSU『量子コンピュータ最新情報』
FUJITSU『世界最大級の256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発 ハイブリッド量子コンピューティングプラットフォームの量子ビット数を4倍に増強し、計算能力を拡大』(2025年4月)
FUJITSU『富士通デジタルアニーラ・スペシャル対談 デジタルアニーラは、素粒子新発見の夢を導くか』
IBM『IBM量子コンピューティング』
IBM『IBMが最先端の量子コンピュータを提供開始し、新たな科学的価値と量子優位性への前進を加速』(2024年11月)
QunaSys『量子コンピュータが産業に貢献する未来へ。』
NVIDIA『アクセラレーテッド量子スーパーコンピューティングとは何か?』
NVIDIA『NVIDIA GTC 2025: 量子コンピューティングの未来を照らす Quantum Dayを開催』(2025年2月)
D-Wave Systems『量子コンピュータが今や現実に』
D-Wave Systems『D-Wave製品』
Microsoft『IonQ プロバイダー』(2024年10月)
NEDO『国内公的機関として初めて、量子コンピュータの利活用事例集を公開しました
―国内企業を中心とした56事例を掲載、独自の分析結果提供―』(2025年2月)
Securities『5 年の量子コンピューティング企業ベスト 2023』(2025年5月)
BBC『米グーグルが量子チップ「ウィロー」を発表、10の25乗年かかる計算が5分で可能と』(2024年12月)
IONQ『Quantum is Now.』
Quantinuum『クオンティニュアムが業界初のイオントラップ型56量子ビット量子コンピュータを発表、主要ベンチマークの記録を更新』(2024年6月)
NIKKEI COMPASS『量子コンピュータ(ソフトウェア)の会社』
MRI『国内量子コンピュータ研究開発の主戦場はどこか?』(2020年5月)
Bloomberg『量子コンピュータの実用化「5-10年先」-グーグルCEOが見通し』(2025年2月)
Reuters『量子コンピューティング、5年以内の商用化目指す=グーグル研究者』(2025年2月)
Forbes『グーグルの量子コンピュータ用チップ「Willow」がゲームチェンジャーである理由』(2024年12月)
Global Brain Corporation『量子技術集団「QunaSys」が取り組んだ、ビジネスで勝つための知財戦略』(2024年2月)
MUFG『国産量子コンピュータ稼働開始!関連株6銘柄を紹介』(2023年4月)
NIKKEI COMPASS『量子コンピュータ(ソフトウェア)の会社』
日経XTECH『新興勢が優位の量子コンピュータ、大手は新方式で反撃へ』(2025年4月)
日経XTECH『量子コンピュータの論文数はIBMが断トツ、日本勢では2社がトップ10入り』(2025年1月)
*6)量子コンピュータとSDGs
Pathstone『Quantum Boosts for Sustainable Development』(2021年12月)
国際連合広報センター『持続可能な開発目標(SDGs)報告2023:特別版 概要』(2023年)
NTT DATA『量子コンピュータ×サステナビリティレポート』(2025年)
外務省『国連持続可能な開発目標(SDGs)達成のための科学技術イノベーションとその手段としてのSTIロードマップに関する提言』
*7)まとめ
分子科学研究所『大森グループの量子コンピュータ開発・実用化を加速「事業化検討プラットフォーム」に産総研G-QuATが入会(大森賢治グループ)』(2024年12月)
日本経済新聞『分子研・京都大学、量子計算機で新会社 27年にも1号機』(2025年4月)
Yahoo!ニュース『“1000量子ビット”機も間もなく 富士通・理研の256量子ビット量子コンピュータが稼働』(2025年4月)
WIRED『量子コンピュータにとって2025年は、「次の産業革命」に向けたステップの年:北川拓也インタビュー──特集「THE WORLD IN 2025」』(2024年12月)
FUJITSU『量子コンピュータ・クラウドサービス向けの世界最大規模の基本ソフトウェア群をオープンソースとして公開・運用開始』(2025年3月)
理化学研究所『世界最大級の256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発
-ハイブリッド量子コンピューティングプラットフォームの量子ビット数を4倍に増強し、計算能力を拡大-』(2025年4月)
日経XTECH『量子コンピュータ大混戦』(2024年9月)
大阪大学『万博で量子を“体感”する!「純国産」量子コンピュータに 来場者がクラウドアクセス可能に!【企画展:8/14~8/20 @万博会場】』(2025年4月)

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この記事を書いた人

松本 淳和 ライター

生物多様性、生物の循環、人々の暮らしを守りたい生物学研究室所属の博物館職員。正しい選択のための確実な情報を提供します。趣味は植物の栽培と生き物の飼育。無駄のない快適な生活を追求。

生物多様性、生物の循環、人々の暮らしを守りたい生物学研究室所属の博物館職員。正しい選択のための確実な情報を提供します。趣味は植物の栽培と生き物の飼育。無駄のない快適な生活を追求。

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