
光脱毛(フラッシュ脱毛)は、毛のメラニン色素に反応する特殊な光を照射し、熱を発生させて毛根や発毛組織にダメージを与えることで、ムダ毛を目立たなくする脱毛方法です。エステサロンや家庭用脱毛器でも広く利用されており、痛みが比較的少なく手軽に始められる点が特徴です。しかし、「光脱毛はガンの原因になるのでは?」という噂も耳にします。本当にそのようなリスクがあるのか、仕組みとあわせて詳しく解説します。
目次
光脱毛(フラッシュ脱毛)の原理とは?仕組みを解説
光脱毛(フラッシュ脱毛)はどうやって毛を処理するのでしょうか。ここからは、そのメカニズムを詳しく解説します。
選択的光熱融解という現象の利用
光脱毛は、「選択的光熱融解(Selective Photothermolysis)」という原理を利用しています。
この理論は、特定の波長の光を毛のメラニン色素に照射し、その光エネルギーを熱に変換して毛根や発毛組織にダメージを与えるものです。
重要なのは、熱が周囲の正常組織に広がらないよう、波長・照射時間(パルス幅)・エネルギー量を最適に調整する点です。
これにより、毛だけを効果的に破壊し、肌へのダメージを最小限に抑えられます。
特に、毛根の熱緩和時間に合わせたパルス幅で照射することで、効率的かつ安全に脱毛が可能となっています。
光脱毛(フラッシュ脱毛)の仕組み・流れ
ここからは、光脱毛の仕組みと処理の進み方についてチェックしていきましょう。
①広範囲に届く複数の光を照射
光脱毛は、IPLやSSCなどの特殊な光を肌に広範囲に照射できるのが特徴です。一度に広い面積をカバーできるため、施術時間が短く済み、効率よく全身や広い部位の脱毛が可能です。
②メラニンが光を熱に変換
照射された光は毛に含まれるメラニン色素に吸収され、そのエネルギーが熱に変換されます。この熱が毛根や毛包、バルジ領域に伝わり、発毛組織にダメージを与える仕組みです。
③毛根・バルジ領域が弱る
熱によるダメージで毛根や毛母細胞、バルジ領域の働きが弱まります。バルジ領域は毛の成長を促す幹細胞が集まる場所で、ここにダメージを与えることで新たな毛の生成が抑制されます。
④毛が細くなり生えにくくなる
毛根やバルジ領域の機能が弱まることで、毛は徐々に細くなり、成長しにくくなります。施術を繰り返すことでムダ毛が目立たなくなり、最終的には生えにくい状態へと導びかれます。
光脱毛(フラッシュ脱毛)と毛周期の関係性とは?効率よく脱毛を進める方法
光脱毛(フラッシュ脱毛)の効果を最大化するうえで、毛周期との関係性は非常に重要です。
毛周期は「成長期」「退行期」「休止期」のサイクルで構成されています。光脱毛が最も効果を発揮するのは、毛根がしっかりと発毛組織とつながっている「成長期」の毛です。
しかし、成長期の毛は全体の約5〜15%程度しか存在せず、1回の施術では全ての毛にアプローチできません。
そのため、毛周期に合わせて2週間から2〜3カ月ごとに繰り返し施術を行うことで、成長期の毛を効率よく減らしていく必要があります。
また、部位ごとに毛周期が異なるため、適切な頻度で照射することが大切です。
さらに、施術前後の保湿や紫外線対策、正しいシェービングなどのケアを徹底することで、脱毛効果をより高めることができます。
このように、毛周期を理解し、タイミングを見極めて施術を重ねることが、効率的かつ高い脱毛効果を得るための鍵となります。
光脱毛(フラッシュ脱毛)にも種類がある?主な3つの技術について紹介
比較項目 | IPL式 | SSC式 | SHR式 |
---|---|---|---|
痛みの強さ | 輪ゴムで弾かれたような軽い痛み | 弱い | ほとんどない |
効果の出る速さ | 早い(即効性あり) | ゆっくり(実感まで時間が必要) | 徐々に(実感までやや時間が必要) |
肌への負担 | やや強い | 少ない | 非常に少ない |
適切な回数 | 6~12回 | 12~18回 | 12~18回 |
施術時間 | 比較的短い | 普通 | 短い(広範囲を高速照射) |
価格帯 | 標準 | やや高め | 標準~やや高め |
光脱毛(フラッシュ脱毛)には主に「IPL式」「SSC式」「SHR式」の3つの技術があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
【IPL式(インテンス・パルス・ライト)】
IPL式脱毛は、施術時に輪ゴムで軽く弾かれたような痛みを感じることがありますが、医療レーザー脱毛と比べると痛みはかなり弱めです。そのため、痛みに敏感な方や脱毛が初めての方、肌が弱い方でも比較的安心して受けやすい脱毛方法といえます。
効果の出る速さは、施術後1〜2週間程度でムダ毛が抜け始め、毛周期に合わせて6〜12回ほど通うことでしっかりとした脱毛効果が得られます。
肌への負担は比較的少なく、火傷や強い刺激のリスクは低いですが、濃い毛の部位ではやや痛みや刺激を感じやすい傾向です。
施術時間は全身で約60〜90分が目安とされており、価格帯は6回コースで11〜20万円前後が一般的。ワキやVIOなどの濃い毛に特に効果的で、美肌効果も期待できる点も魅力です。
【SSC式(スムース・スキン・コントロール)】
SSC式脱毛は、専用のジェルとクリプトンライトを組み合わせた脱毛法で、痛みが少ないのが特徴です。
ジェルが光の刺激を和らげるため、脱毛時の痛みはほとんどなく、敏感肌や痛みに弱い方にも適しています。
効果の出る速さはIPL式よりもやや遅く、即効性はありませんが、産毛や細い毛にも高い効果が期待できます。
肌への負担は非常に少なく、火傷や肌荒れのリスクも低いのでデリケートな部位にも安心です。
適切な回数は12〜18回程度で、減毛・抑毛を目的としています。価格帯は6回コースで11〜20万円前後が一般的です。
施術時間は全身で約60〜90分と短めで、忙しい方にも向いています。
【SHR式(スーパー・ヘア・リムーバル)】
SHR式脱毛は、弱い光を連続的に照射し、毛包全体にじわじわと熱を蓄積させることで発毛を抑制する最新の脱毛技術です。
痛みはほとんどなく、温かさを感じる程度で、従来のIPL式やレーザー脱毛よりも肌への負担が軽減されています。
効果の出方は緩やかで、数回の施術を重ねることで徐々に毛が薄くなっていきます。
適切な回数は12回以上が目安で、2週間〜1ヶ月ごとに施術できるため、他の方式より短期間で脱毛を完了しやすいのが特徴です。
施術時間も全身で約50〜60分と短く、広範囲の脱毛に適しています。価格帯は6回コースで11〜20万円前後が一般的。産毛や日焼け肌、敏感肌にも対応できる点も大きなメリットです。
それぞれの方式にはメリット・デメリットがあるため、毛質や肌質、希望する効果に合わせて選ぶことが大切です。
光脱毛(フラッシュ脱毛)は効果実感できるまでどれくらいかかる?効果持続期間についても紹介
ここからは、光脱毛の効果を実感できるまでの期間や、効果がどれくらい持続するのかをご紹介します。
効果が現れるまでの期間はどのくらい?
光脱毛は、効果が現れるまでに一定の期間が必要です。
一般的に、光脱毛の効果を実感し始めるのは6回目くらいからで、自己処理が楽になるまでには約12回(約2年)、自己処理がほとんど不要になるまでには約18回(約3年)が目安とされています。
これは、毛周期という毛の生え変わりサイクルが関係しており、1回の施術で脱毛効果が得られるのは成長期の毛のみで、全体の約20%程度しか照射できないためです。
一方、医療脱毛(医療レーザー脱毛)は、出力が高いため1回あたりの効果が大きく、少ない回数で脱毛が完了しやすいのが特徴です。
医療脱毛の場合、5〜8回(1〜1年半程度)で自己処理がほぼ不要になるケースが多く、光脱毛よりも短期間で効果を実感できる傾向があります。
近年では毛周期に関係なく施術できる新しい光脱毛技術も登場し、従来よりも短い間隔で施術できるサロンも増えていますが、基本的には医療脱毛の方が早く効果を得られます。
そのため、早く確実に脱毛効果を得たい場合は医療脱毛、コストや痛みの少なさ、通いやすさを重視する場合は光脱毛が選ぶのがおすすめです。
光脱毛(フラッシュ脱毛)の効果はどのくらい持続するのか
光脱毛(フラッシュ脱毛)の効果持続期間は、一般的に3〜4年程度とされています。ただし、永久脱毛ではない点に注意が必要です。
光脱毛は毛根や発毛組織にダメージを与えることで一時的に毛の再生を抑えますが、サロンやエステで用いられる機器は出力が抑えられているため、毛を作る組織を完全に破壊することはできません。
そのため、施術後しばらくはムダ毛が目立たなくなり、自己処理がほぼ不要な状態が続きますが、時間の経過とともに再び毛が生えてくるケースも多いです。
特に、毛周期や体質によっては1年以内に再生する場合もあれば、5年以上効果が持続する人もいます。
また、定期的に年1〜2回程度のメンテナンス施術を行うことで、長期間ツルツルな状態を維持することも可能です。
このように、光脱毛は永久脱毛ではなく、あくまで一時的な減毛・抑毛効果を得る方法であるため、効果を長く持続させるには継続的なケアが重要です。
光脱毛(フラッシュ脱毛)は安全?副作用やデメリットについて
光脱毛の安全性は比較的高いとされていますが、完全にリスクがないわけではありません。ここからは、考えられる副作用や注意点について解説します。
炎症の恐れがある
光脱毛の副作用やデメリットとして、炎症の恐れがある点には注意が必要です。
施術時に照射される光や熱によって、毛根周辺の皮膚が一時的にダメージを受け、赤みや腫れ、軽い炎症が起こることがあります。
特に皮膚の薄い部分や、VIO・ワキなどの濃い毛が生えている部位は、炎症のリスクが高いです。
多くの場合、こうした症状は当日中から数日以内に治まりますが、まれに「毛嚢炎(もうのうえん)」と呼ばれるニキビのような発疹が現れることもあります。
これは、脱毛による熱ダメージで毛穴のバリア機能が低下し、そこに細菌が侵入することで炎症が発生するものです。
炎症や赤みを予防するには、施術後の保湿や清潔な状態を保つことが重要です。もし症状が長引いたり悪化した場合は、早めにクリニックやサロンに相談し、適切な処置を受けるようにしましょう。
赤いブツブツができる場合も
光脱毛の施術後に、赤いブツブツができる場合があります。
これは主に照射時の熱による肌への刺激やダメージが原因で、毛穴の周囲が炎症を起こすことで発生する症状です。
特に、脱毛後は毛穴が一時的に開き、そこに常在菌や汗、汚れが入り込みやすくなるため、「毛嚢炎(もうのうえん)」や「毛包炎(もうほうえん)」と呼ばれるニキビのような赤い発疹ができることがあります。
これらは軽度であれば自然に治ることが多いですが、悪化すると化膿やしこりを伴うこともあるため注意が必要です。
また、照射出力が高かったり、肌が乾燥していたり、自己処理による摩擦で肌が弱っている場合もリスクが高まります。
予防のためには、施術後の保湿や清潔な状態の維持が重要です。症状が長引く、悪化する場合は早めにクリニックやサロンに相談しましょう。
シミになる可能性
光脱毛を受けることで、肌にシミができるリスクが副作用の一つとして存在します。
脱毛後の肌は熱によるダメージでバリア機能が一時的に低下し、非常に敏感な状態となります。
この時期に紫外線を浴びたり、強い摩擦や乾燥などの刺激を受けると、炎症が起こりやすくなります。その結果、炎症後色素沈着と呼ばれるシミができるリスクが高まるため、注意が必要です。
また、脱毛後のアフターケアや紫外線対策を怠ると、シミが濃くなったり新たに発生することもあります。
多くの場合は一時的で自然に薄くなりますが、肌質やケアの状況によっては色素沈着が長引くこともあるため、施術後は十分な保湿と紫外線対策が重要です。
光脱毛でがんになるは誤解
「光脱毛でがんになる」というのは誤解です。
光脱毛で使用される光は、がんの主な原因となる紫外線とは異なり、赤外線や可視光線の範囲に属しています。
紫外線は波長が短く、細胞のDNAを傷つけて皮膚がんのリスクを高めますが、脱毛機器の光は紫外線より波長が長く、がんを誘発する性質はありません。
また、科学的な研究でも、光脱毛やレーザー脱毛によって皮膚がんのリスクが高まることはないと結論づけられています。
むしろ、脱毛で使われる光は日常生活の赤外線機器(こたつやストーブなど)と同じような性質を持ち、人体に有害な影響はありません。
したがって、光脱毛によってがんになる心配はなく、安心して施術を受けることができます。
家庭用光脱毛器は効果ある?サロンとの違い
家庭用光脱毛器は、サロンでの脱毛と比べてどの程度の効果が期待できるのでしょうか。ここでは、両者の特徴や違いについて詳しくご紹介します。
効果はあるが時間がかかる
家庭用光脱毛器は、自宅で手軽にムダ毛ケアができる便利なアイテムですが、サロン脱毛と比べると効果の実感までに時間がかかるという特徴があります。これは、家庭用脱毛器が安全性を重視して出力を低く設計されているためです。
一方、サロンの光脱毛器はプロのスタッフが施術を行い、機器の出力も高いため、1回あたりの効果が大きく、短期間でムダ毛が目立たなくなるのを実感しやすいです。
家庭用脱毛器でも継続して使用すれば減毛や抑毛効果は期待できますが、毛周期に合わせて根気よく繰り返す必要があり、サロンよりも長期間かかる傾向があります。また、背中やVIOなど手の届きにくい部位は自分でケアしづらい点もデメリットです。
家庭用光脱毛器にも効果はありますが、サロン脱毛に比べて効果を実感するまでに時間がかかる点や、全身を隅々までケアする難しさがあるため、目的やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
低コストで脱毛が可能
家庭用光脱毛器は、サロン脱毛と比べて圧倒的に低コストで脱毛ができる点が大きなメリットです。
サロンでの全身脱毛は1回あたり約5万円、12回コースなら約60万円かかる場合もあります。
一方、家庭用脱毛器なら本体購入後は追加費用がほとんどかからず、全身1回あたり約100円、12回でも1,200円程度と非常に経済的です。
このため、初期費用さえ用意できれば、長期的にはサロンに通うよりもはるかに安くムダ毛ケアが続けられます。
好きなタイミングで脱毛できる
家庭用光脱毛器の大きなメリットの一つは、自宅で好きなタイミングに脱毛ケアができる点です。
サロン脱毛の場合、予約が必要で自分の都合とサロンの空き状況を調整しなければならず、忙しい方やスケジュールが不規則な方には通い続けるのが難しい場合もあります。
一方、家庭用光脱毛器なら、仕事や家事の合間、休日や夜間など、自分のライフスタイルに合わせて手軽に脱毛できます。
家庭用光脱毛器は「自分のペースで好きなタイミングに脱毛したい」「忙しくてサロンに通う時間が取れない」という方に特におすすめの選択肢です。
まとめ
光脱毛は、毛のメラニン色素に反応する特殊な光を照射し、毛根や発毛組織に熱を加えることでタンパク質を変性させ、毛の成長を抑制する仕組みです。
この熱作用によって毛は自然に抜け落ち、回数を重ねることで徐々にムダ毛が目立たなくなります。光脱毛で使われる光は可視光線や赤外線の範囲であり、がんの原因となる紫外線は含まれていません。
そのため、「光脱毛でがんになる」という噂は医学的根拠がなく誤解です。実際に、光脱毛やレーザー脱毛が皮膚がんのリスクを高めるという科学的な報告はありません。
正しい知識を持ち、適切な施術を受ければ、光脱毛は安全に利用できる脱毛方法といえます。
この記事を書いた人

エレビスタ ライター
エレビスタは「もっと"もっとも"を作る」をミッションに掲げ、太陽光発電投資売買サービス「SOLSEL」の運営をはじめとする「エネルギー×Tech」事業や、アドテクノロジー・メディアなどを駆使したwebマーケティング事業を展開しています。
エレビスタは「もっと"もっとも"を作る」をミッションに掲げ、太陽光発電投資売買サービス「SOLSEL」の運営をはじめとする「エネルギー×Tech」事業や、アドテクノロジー・メディアなどを駆使したwebマーケティング事業を展開しています。