SDGs目標2「飢餓をゼロに」達成に向けた取り組み・できること

「飢餓」は、世界で最も深刻な問題のひとつです。

日本にいるとほとんど目にすることはないかもしれませんが、途上国を中心に今も多くの人々が飢餓に苦しんでいます。

遠く離れた地で起きている出来事に対して、私たちが個人として・企業の一員として、何をすればよいのでしょうか?

今回は、SDGs目標2「飢餓をゼロに」を達成するために、私たちが知るべきこと・できることを詳しくお伝えします!

SDGs目標2「飢餓をゼロに」ってどんな目標?

SDGs目標2「飢餓をゼロに」は、毎日の生活で充分な食事・栄養を得られない人々を保護し、日々の食に困らないよう農業のやり方を確立することが求められています。

まずはここで、SDGs目標2「飢餓をゼロに」のターゲットについて確認しておきましょう。

ターゲットとは、どの課題に対してどういう解決をしていったらいいのか、より具体的な達成目標(2.●の●部分に数字)と実現方法(2.●の●部分にアルファベット)を示したもので、それぞれの目標に設定されています。

2.1 2030 年までに、飢餓をなくし、すべての人々、特に貧困層や乳幼児を含む状況の変化の影響を受けやすい人々が、安全で栄養のある十分な食料を一年を通して得られるようにする。

2.2 2030 年までに、あらゆる形態の栄養不良を解消し、成長期の女子、妊婦・授乳婦、高齢者の栄養ニーズに対処する。2025 年までに 5 歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意した目標を達成する。

2.3 2030 年までに、土地、その他の生産資源や投入財、知識、金融サービス、市場、高付加価値化や農業以外の就業の機会に確実・平等にアクセスできるようにすることなどにより、小規模食料生産者、特に女性や先住民、家族経営の農家・牧畜家・漁家の生産性と所得を倍増させる。

2.4 2030 年までに、 持続可能な食料生産システムを確立し、レジリエントな農業を実践する。そのような農業は、生産性の向上や生産量の増大、生態系の維持につながり、気候変動や異常気象、干ばつ、洪水やその他の災害への適応能力を向上させ、着実に土地と土壌の質を改善する。

2.5 2020 年までに、国、地域、国際レベルで適正に管理・多様化された種子・植物バンクなどを通じて、種子、栽培植物、家畜やその近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意にもとづき、遺伝資源やそれに関連する伝統的な知識の利用と、利用から生じる利益の公正・公平な配分を促進する。

2.a 開発途上国、特に後発開発途上国の農業生産能力を高めるため、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発、植物・家畜の遺伝子バンクへの投資を拡大する。

2.b ドーハ開発ラウンドの決議に従い、あらゆる形態の農産物輸出補助金と、同等の効果がある輸出措置を並行して撤廃することなどを通じて、世界の農産物市場における貿易制限やひずみを是正・防止する。

2.c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食品市場やデリバティブ市場が適正に機能するように対策を取り、食料備蓄などの市場情報がタイムリーに入手できるようにする。

一通り目を通しても、難しい内容が書かれているのでよく分かりませんよね。

そこで次からは理解を深めるために、目標2が掲げられた背景を世界や日本の現状から探っていきましょう。

世界には飢餓で苦しんでいる人がたくさんいる

私たちは普段、スーパーやコンビニに行けば食べたいものをすぐに購入できます。

しかし世界に目を向けると、アジアやアフリカの途上国を中心に、今も慢性的な栄養不足に苦しんでいます。

これはデータからも読み取れ、ユニセフの報告によると、

  • 6億9,000万人が慢性的な栄養不足
  • 最も深刻なのはアジアの3億8,100万人、次いでアフリカが2億5,000万人、ラテンアメリカ・カリブ諸国で8,000万人
  • 世界の約1/4の子どもたちが、栄養不足による何らかの疾患を抱えている

という現状があるのです。

なぜこのような事態が起きているのでしょうか?

その理由を知るために、次からは重要キーワードを交えながら詳しく見ていきましょう。

キーワードと世界・日本の現状を知ろう

SDGs目標2「飢餓をゼロに」をもっと深く知るために、重要なキーワードが2つあります。

それは「飢餓」と「農業」です。

今回は、それぞれのキーワードと共に、世界・日本の現状について紹介します。

飢餓

飢餓とは「生命の維持に必要な栄養・カロリーが不足した状態」のこと。

コトバンクで「飢餓」を調べてみると、人間は、生活に必要なカロリーが不足すると、自分の身体から主に脂質を分解しはじめます。

しかし、本来は脂質以外にも、ビタミンやアミノ酸といったさまざまな栄養分が必要です。

仮にカロリーだけを補えても、脳や内臓を正常に機能させるために必要な栄養が足りていなければ、病気・疾患のリスクが増加すると書かれています。

そして飢餓にも種類があり、「突発的な飢餓」と「慢性的な飢餓」の2つに分けられます。

突発的な飢饉

その国や地域で一時的に食料が不足し、たくさんの人々が栄養不足に陥る状態を「突発的な気が」といいます。

ひとつの地域で一気に発生する現象のため、緊急支援が必要です。

慢性的な飢餓

継続的に食料を手に入れられず、常に栄養不足な状態を指します。

この場合、時間をかけて自立できるような支援が必要です。

飢餓に陥ると免疫力も落ち、多くの人々の健康が損なわれます。

WFPによれば、特に子どもにとって、母親のお腹の中にいる間はもちろん、生まれてから2歳にまるまでは、身体の基礎を形作るのに最も重要な時期。

この期間で充分な栄養を得られない場合、5歳未満に死亡する確率が通常に比べて約2倍になり、さまざまな疾患や障害のリスクも抱えることになってしまいます。

また、子どもの栄養源となる母乳を与えるために、妊婦・母親の健康を保つことも大切です。

世界の現状

ここで、世界で起きている飢餓の状況を見ていきましょう。

以下の図は、国連やユニセフらが共同で発表した「飢餓に苦しむ人口の推移と、2019~2030年までの予測」を表したグラフです。

青線は全世界での割合を、赤線は推定人口(億人)の数を示しています。

2005年に比べると、2018年にはやや減少している一方、今のままでは2030年までに8億4000万人に達する、との予測も。

これは近年頻発している世界各地の紛争が関係していて、罪のない人々が生きるための環境を奪われている背景があるのです。

加えて、「2020年版「世界の食料安全保障と栄養の現状」報告書」によれば、この図が作成された時点で発生していなかった、新型コロナウイルスによるパンデミックの状況の影響で、飢餓に苦しむ人の数が予測よりもさらに増える、と指摘されています。

今起きている状況を鑑みると、このままではSDGs目標2「飢餓をゼロに」の目標達成が困難の危機を迎えているのです。

持続可能な農業

SDGs目標2「飢餓をゼロに」では、飢餓の解決につながる重要なキーワードのひとつとして「持続可能な農業」を掲げています。

食料を支援することも大切ですが、貧困で苦しむ人たちが安定した量の作物が収穫できる農業の手法を確立することで、自立を促すことができるためです。さらには、その農業の手法を環境に配慮した形のものにすることを求めています。

そこで次では農業の面から、世界と日本で起きている現状を見てみましょう。

世界の現状

下の図は、世界食糧計画(WFP)が発表した、2020年版のハンガーマップです。

国ごとに推定される飢餓人口の割合を、色別に示しています。

(青=5%以下、黄=5~14.9%、オレンジ=15~24.9%、赤=25~34.9%、紫=35%以上)

引用元:世界食糧計画

特に西南アジアとアフリカ・中南米エリアで、飢餓人口が顕著なことが分かります。

飢餓の深刻化が進んでいる国や地域の多くは、実は農村地域です。

途上国の農村部では次のような悩みを抱えています。

  • 教育・技術継承の機会がなく、土地を活用できないため農産物を作れない
  • 持続可能な農業に必要な機械や設備がなく、自然災害に対応できない
  • 雨季と乾季が激しく、栽培できる作物が限定される
  • 不作の年があっても、国の経済力がなく他国から購入できない
  • 食糧貯蔵や運搬の技術未発達が原因で、生産段階で多くの食糧がむだになっている

さらには、近年の温暖化が原因で引き起こされる気候変動によって、異常気象も増加しています。

干ばつや大雨などの異常気象の頻度が上がることで、作物の生育だけでなく農地として使えなくなってしまった土地も出てきたほどです。

世界食糧計画(WFP)によると、世界では農業に適した土地の1/4が劣化し、およそ15億人がその影響を受けています。

このような状況から、飢餓に苦しむ多くの人々は、農村地域に暮らしていながら、食べものもお金も得られず、十分な栄養を賄えないのです。

日本の現状

気候変動は日本の農業にも影響をもたらしています。

たとえば、以下のような事例が起きています。

  • 温暖化→ 今まで育てられていた作物が地域に適応しなくなる
  • 降水量の変化・台風→ 作物の収穫量減少、病気の蔓延
  • 二酸化炭素の増加→ 米の品質低下

これらの原因により急激な収穫量の変化が起きると、市場に出回る作物の価格が高騰し、消費者の暮らしにも影響を及ぼします。

そして収穫量を確保しようと環境によくない農薬・化学肥料を使い続けてしまえば、とても持続可能な状態とはいえません。

この100年で、すでに1.24度の気温上昇が報告されている日本。

気温の変化は大したことないように思われるかもしれませんが、ほんの少し上がるだけで、私たちの暮らしには大きなインパクトがあるのです。

飢餓をゼロにするための取り組み

これまで、飢餓や農業について、世界と日本の現状を見てきました。

では、解決のために何をすべきなのでしょうか。

ここからはそのヒントとなるよう、企業や支援団体が実際に行っている取り組みを紹介します。

【組織の仕組みから、飢餓の現状を変えたい!】特別非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールド

ハンガー・フリー・ワールドは、すべての人々が健康な暮らしを送れる世界を目指している国際協力NGOです。

アフリカ諸国とバングラデシュを中心に活動を展開し、現地の住民と協力しあいながら、さまざまなプロジェクトを展開しています。

特に注目すべきは「しくみを変える」運動でしょう。

各国の政府や地方自治体に食料の権利を訴えたり、メディアを通じて飢餓の現状を世界に広く知らせたり。

たとえば、2019年のバングラデッシュで成立する見込みの「食料を保証する法案」に、誰もが栄養のある食事を得られる「食料の権利」を明記するように訴えました。

ハンガー・フリー・ワールドは、2018年から国内をまわり、市民に呼びかけを開始。

その結果、1年以内に10万人を超える署名を集めることができ、首相に市民の声を届けることに成功しています。

個人だけの力では難しい「システムチェンジ」に注目し、大きな組織が変わることでより多くの人がいち早く飢餓から抜け出せるように呼び掛けています。

【フィリピンの子どもたちに栄養ある食事を】特別非営利活動法人LOOB JAPAN

NGO団体ロオブでは、フィリピンを拠点にコミュニティ開発や教育・医療支援といった活動を展開しています。

なかでも教育サポートの一環として行ってきた学校給食への取り組みは、子どもたちの栄養不良を防ぎ、学びの機会を得るきっかけになりました。

パナイ島・ギマラス島にある5つの村で、経済的な理由で学業を続けられない子どもたちをサポートするため、栄養バランスを考えた給食の提供を開始。

普段の生活でなかなか補えない栄養を摂れるよう配慮しているため、子どもたちは質の高い食事を取れるようになりました。

大人向けセミナーも開催

子どもだけに限らず、大人に向けた栄養セミナーを開催するといったプロジェクトも進行しています。

別のプロジェクトでは、栄養不良と診断された子ども300人に向けて、約400回分の無料栄養給食を配布

保護者やPTAは、給食前のミニレクチャーを通じて、栄養分類や咀嚼・消化について学習し、日々の生活で食事の質を改善できるように知識を身に着ける機会を設けました。

レクチャーはロオプのスタッフが実行。事前に有識者から講師レベルの養成セミナーを受講しています。

その結果、栄養不良児の数が減少し、栄養セミナーを受講した家庭での意識改善が見られました。

こうした取り組みは、飢餓をなくすだけでなく、SDGs目標1「貧困をなくそう」や、目標4「質の高い教育をみんなに」にも繋がります。

【自然と共生できる農業を伝える】株式会社坂ノ途中

京都に拠点を置き「100年先も続く農業を」をモットーにしているのが、株式会社坂ノ途中です。

日本国内外で、農薬や化学肥料に頼らず、生物の多様性を重視した農業を行なっています。

畑だけでなく、ほかの生き物たちが住まう周辺の環境まで見つめ、生態系バランスを破壊しないやり方で、小さく農業を続けているのがポイント。

特に、経済的に弱い立場の人が暮らすアフリカ・アジアの国々では、その地に適した作物を育て、養蜂で森林の生態系を守る動機付けをつくるなど、自然と共生しながら長く続けられるような取り組みに力を入れています。

たとえば、2012年からはじまった「ウガンダオーガニックプロジェクト」では、会社スタッフが現地に赴いて地域の人々と協力しあいながら、オーガニック農法の普及活動につとめています。

地域で採れた作物は、会社が日本に輸入して加工・販売を行なうほか、現地でレストランや商業施設を立ち上げて販売することで、生産者が安定して暮らせる経済状況をサポートしているのです。

こうした活動は、飢餓から人々を救うだけでなく、SDGs目標8「働きがいも、経済成長も」、や目標15「陸の豊かさも守ろう」に通じています。

わたしたちにできること

ここまで企業や団体の取り組みを見てきましたが、私たち個人にもできることはあるのでしょうか?

ここでは7つのアイディアを紹介します。

  • 書籍などで現状を調べる
  • 気になる団体へ寄付する
  • ボランティアに参加する
  • SNSのキャンペーンに賛同する
  • 投資でサポートする
  • フェアトレードの商品を購入する
  • 動物性食品を控え、菜食中心にする

ひとつずつチェックしてみましょう。

飢餓の現状を知る

まずは、飢餓の現状を自分で調べ、「他人事」から「自分事」へと意識を切り替えることが重要です。

SDGsのあらゆる問題は、環境・社会・経済の3つを軸に構成されています。

飢餓の問題もまた、遠い国で起きている話ではなく、私たちが毎日の生活で何気なく利用している商品やサービスと深く繋がっているのです。

例えば、飢餓の問題について考えるとき、

  • どの国、地域で特に問題が深刻なのか
  • そこでは、どんな農業、取り組みが行われているのか
  • 経済、政治状況はどうか
  • なぜ飢餓で苦しむ人々に食料が行き届かないのか

といったように、いろいろな視点をもって考え、調べることがから始めてみましょう。

まずは大きな組織や機関のホームページを利用すると便利です。

UNICEF

国連公国センター

自分が興味を持てる視点から入れば、より「自分ごと」として捉えやすくなります。

気になる団体を寄付して支援!

自分ごとに捉えることができたら、次は行動に移してみましょう。

飢餓に関する活動を行っている支援団体に寄付をすることは、大きな力になります。

書籍やインターネットの情報を通じて「気になる」と感じたキーワードを入れて、該当する活動を行なっている団体を見つけてみましょう。

たとえば、先ほどの例に出てきた特別非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールドでは、月1,000円の「ひとつぶ募金」を行なっています。

ウガンダやブルキナファソといった途上国で暮らす貧しい人々が自立できるよう、支援活動を通して応援できる仕組みです。

定期募金だけでなく1度だけの寄付や、書き損じはがきを送るタイプなど、さまざまな支援方法があります。

<寄付・書き損じはがきを受け付けている団体例>

公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

日本国際飢餓対策機構(JIFH)

ボランティアに参加する

寄付以外にも団体を直接サポートしたい!という方には、ボランティアの参加がおすすめです。

実際に身体を使って体感することで、飢餓について新たな視点や課題を発見できるかもしれません。

過去にノーベル平和賞を受賞した世界食糧計画(WFP)では、日本の事務所を中心にイベントブースの出店手伝いをはじめ、さまざまなボランティアを募集しています。

また長年企業に勤めてきた経験を活かし、大きな組織にアプローチできる人も大歓迎。

それぞれができること・得意なことを発揮して、飢餓をなくすために効果的な活動に貢献できる点は、ボランティアに参加する大きなメリットです。

飢餓に関するボランティアを探すには、アクティボが便利ですよ。

SNSのキャンペーンに参加

何か力になれることをしたいけど、忙しくてなかなか関われない人もいるかもしれません。

その場合は、支援団体や企業が発信しているSNSアカウントをフォローするとよいでしょう。

特に、国連が定めた10月16日「世界食糧デー」にあわせて、毎年さまざまなアクションが実施されています。

過去の例として、特定非営利活動法人TABLE FOR TWOが行なったインスタグラム上のキャンペーン「おにぎりアクション」を見てみましょう。

SNS上で特定のハッシュタグをつけてにおにぎりの写真を投稿すると、アジア・アフリカの子どもたちに給食を届けられる仕組みになっています。

SNSなら気軽にキャンペーン参加ができるので、まずは何かアクションを起こしたいという場合に有効です。

投資で企業をサポートをしよう

飢餓をゼロに取り組む企業に投資して応援することも大切です。

特に投資家にとって大切なのは「どこにお金を投資するか」という問題です。

近年は世界的にも、環境や社会問題へ配慮した投資方法が重視されるようになってきました。

そこでおすすめするのは、飢餓問題に取り組む企業への投資を行うこと。

先ほどの例に挙げた、坂ノ途中のような企業はもちろん、いま注目を集めているのはフードテック業界です。

フードテックとは

Food(食)とTechnology(技術)をかけあわせた言葉で、最新技術を駆使した農業や食品生産にかかわる事業を指します。

フードテックに投資するメリットは、

  • 気候変動の大きな原因となっている二酸化炭素の排出量を抑える取り組みが多い
  • さまざまな食生活の実践者を尊重する「食の多様性」を意識した商品の開発に力を入れている(大豆ミート・ヴィーガン向け商品など)
  • 最新技術を用いて効率よく作物を生産し、フードロスの削減に貢献できる

飢餓に苦しむ人々の多くは、気候変動の影響を受けやすい途上国に暮らしています。

フードテックへの投資が気候変動対策に繋がるということは、間接的に飢餓問題の解決をサポートをしているということでもあります。

どこにお金を投資するかによって、SDGs目標達成への貢献度は大きく変わってくるのです。

フェアトレード認証の商品を購入

多額のお金を投資することができない個人の場合は、日々の買い物で商品を選んで、飢餓の問題に協力することが可能です。

特に大きな貢献につながるのは、フェアトレード認証の商品を購入すること。

フェアトレードとは

作り手の生活・労働環境の向上を目的とし、商品を購入したお金が生産者の支援につながる仕組みを指します。

飢餓の問題だけでなく、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」や、目標8「働きがいも経済成長も」に当てはまる認証です。

なぜ、フェアトレードが飢餓の問題解決につながるのでしょうか?

飢餓に苦しむ人々の多くは、途上国の農村地域に暮らしています。

いくら働いても生活に充分なお金を得られず、農薬は化学肥料によって身体も土壌も衰弱し、とても健康的な暮らしとはいえない状況に追い込まれてしまうのです。

たとえば、Tシャツやバッグなど、私たちにとって身近な製品の材料であるコットンは、毎年世界で2,700万トン生産されています。

しかしほとんどは農薬や化学肥料を使用しているため環境に悪く、さらには児童労働の報告も後を絶ちません。

そのような状況をなくし、生産者が健康で安定した賃金を得られるように作られた仕組みが、フェアトレードです。

生産者の健康・地域の環境に考慮し、持続可能な農業を続けられるよう、農薬不使用のオーガニックや、森林の生態系を維持するアグリフォレストリーといった農法を推進しているのもポイント。

消費者である私たちは、積極的にフェアトレード商品を選択することで、持続可能な農業や飢餓の問題解決を支援することができます。

もし何かを買うとき、複数の商品で迷った場合は、ぜひフェアトレード認証の商品を選んでみて下さい。

動物性食品を控えることも解決につながる!

先述したように、温暖化が原因で引き起こされる気候変動(異常気象)は農業に深刻なダメージを与えます。そのため、飢餓の問題を解決するには、温暖化を食い止めることも必要です。

そこでおすすめなのがお肉や卵・乳製品といった動物性食品を控え、菜食中心の食生活にチャレンジしてみることです。

実は、

  • 世界の二酸化炭素排出量の大きな原因のひとつは、牛のげっぷに含まれるメタンガス
  • 家畜の飼料づくりのために、貴重な生態系を有する森林が伐採されている
  • 飼料に使われる穀物や大豆・すでにある農地の活用を行なえば、全世界の人口に必要な食事が届けられる

と、お肉や卵、乳製品を作るには環境へ多大な負荷を与えています。

そのため菜食中心の食生活は、このような環境問題を改善するために、効果的と言えるでしょう。

ベジタリアンの方のライフスタイルを参考にしよう

菜食中心の食生活で参考にしたいのがベジタリアンです。

ベジタリアンは大まかに「肉・魚を食べない人」のことを指します。

人によっては、乳製品や卵・蜂蜜といった食品を食べるかどうかは異なりますが、多くの場合で動物性食品を控えることは、環境や社会の貢献につながるとの認識を持っています。

最近ではインターネットで簡単にベジタリアンの方の食生活を調べることができるので、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。

とはいえいきなりお肉や乳製品を控えるのは難しいかもしれません。その場合は「1日1色だけ動物製品を控えてみる」「お肉の代わりに大豆ミートを試してみる」のように、少しずつ意識するだけでも、長期的に見れば大きな違いが出てくるはずですよ。

食品ロスを減らす

食品ロス(フードロス)を減らすことは、飢餓の問題解決に大切なポイントのひとつ。

世界では6億人を超える人々が飢餓に苦しむ一方、生産された食品のおよそ1/3が廃棄されています。

すでに生産されている食料は、約40億トン。これは全世界の人口を賄うのに十分な量なのです。

先進国では、経済的に豊かな暮らしゆえに、消費段階で食料を余らせてしまう問題が深刻。

農林水産省の調査によると、日本では646万トンもの食料が廃棄されています(2015年時点)。

これは、すべての国民が毎日お茶碗1杯分の食べものを捨てている計算に。

仮に廃棄されているぶんの食料をすべて支援に回せば、飢餓に苦しむ人々を救うことができる量に相当します。

一方の途上国では、生産段階での食料ロスが発生しています。

食料の保管・運搬に必要な技術やシステムが整っていないために、消費者へ届ける前に食べものが廃棄されてしまうのです。

食品が廃棄されると、それまでの労力やエネルギーが無駄になるばかりでなく、処理にもエネルギーを消費します。

処理工程で発生する温室効果ガスの影響で、気候変動が深刻化し、自然災害による農家への打撃が大きくなってしまいます。

食品ロスが悪循環を生み、飢餓の問題はますます深刻化が進んでしまうのです。

この問題を解決するために、私たちができることはあります。

  • 計画的に買い物をし、食料を無駄にしない
  • 輸入段階のエネルギーをなくすため、住んでいる地域でつくられた商品を選ぶ(地産地消)
  • 途上国の貯蔵・輸送インフラを整える事業を推進・支援する

こうした取り組みは、飢餓の解決に加えて、SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」や、12「つくる責任、つかう責任」にも通じます。

まとめ

今回は、SDGs目標2「飢餓をゼロに」について、世界や日本の現状と、私たちができることを紹介しました。

「飢餓」と聞くと、日本に暮らす私たちにはなかなか想像しにくい問題かもしれませんが、気候変動や持続可能な農業といった側面から考えると、すこし身近に感じられるのではないでしょうか。

寄付や投資・ボランティアといったサポート方法はもちろん、普段の生活で食べるもの・身に着けるものが、生産~販売の段階で世界にどのような影響を与えているのか?まで想像することが大切です。

同じ地球に暮らす人々の幸せのために、ほんの少しの思いやりから毎日の行動を変えていきましょう。

日々の小さな思いやりは、必ず大きなサポートに変わっていきますよ。

参考文献
SDGsとターゲット新訳
ユニセフ
コトバンク
WFP
ハンガー・フリー・ワールド
JICA
環境省
国際環境経済研究所
特定非営利活動法人LOOB JAPAN
株式会社坂ノ途中

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)