世界環境デーとは?2026年のテーマやイベント事例、取り組み内容・できることを解説

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毎年6月5日は「世界環境デー」です。この日に合わせて、各国の政府や組織、企業は、環境への意識を高めるためのさまざまなイベントを行っています。私たちが世界環境デーにできることは何でしょうか。この記事では、世界環境デーの目的と歴史、具体的に何が行われているのか、毎年のテーマ、世界と日本の取り組み・イベント事例、私たちができること、SDGsとの関係について解説します。

世界環境デーとは

(引用元:UN Environment Programme

世界環境デーとは、環境保全への意識を高めるための活動を行う日であり、国連により6月5日と定められています。世界各国で、この日に環境保全への理解と関心を深めるさまざまな行事を催し、人々に行動を促すことが狙いです。日本では環境基本法(平成5年に改正)により、この日を「環境の日」と定め、国や地方公共団体などは各種のイベントを実施しています。

世界環境デーの目的

世界環境デーの目的は、環境に対する関心を高めるために世界規模の活動を行うことです。世界は、オゾン層の破壊や有毒化学物質の問題、砂漠化、地球温暖化などの環境問題を抱えています。こうした問題に対して何百万人もの人々が活動に参加し、生活習慣や国際的な環境政策を変えるための運動を行っています。現在では150カ国以上の人々が参加し、持続可能な社会の実現に貢献しています。

世界環境デーの歴史

1972年6月5日から16日までの間、ストックホルムで「国連人間環境会議」が開催されました。この会議の目的は、環境をどのように守り、強化していくかという課題について、世界の共通認識を形成することでした。そして同年12月15日には、会議で表明された決意を遂行するため、「各国政府と国連の組織が、毎年その日に取り組む日」として、6月5日に「世界環境デー」が制定されます。この日を提案したのは、日本とセネガルでした。世界環境デーは、1973年に始まって以来、国連環境計画(UNEP)が主導しています。※[i]

世界環境デーは具体的に何をする?

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世界環境デーでは、具体的にどのような取り組みが行われるのでしょうか?

毎年テーマが設定される

世界環境デーには記念式典が開催され、その年のテーマが発表されるほか、世界各国の政府や企業、市民社会組織、各種機関によるさまざまなイベントが行われます。テーマと記念式典を開催するホスト国を決めているのは、国連環境計画(UNEP)です。(その年の大きな環境問題が取り上げられています。)

どのような内容で行われてきたのか、スローガンとテーマ、ホスト国を振り返ってみましょう。
とくに直近の2024〜2026年は、土地の回復やプラスチック汚染、気候変動といった喫緊の課題がテーマになっています。

2026年:気候危機への対策とレジリエンス

2026年の世界環境デーは、気候変動への対策とレジリエンス強化に焦点を当てたテーマで実施されます。

気温上昇や極端気象、生態系の崩壊が進むなかで、気候行動は単に温室効果ガスの排出を減らすだけでなく、私たちの経済や社会の仕組みそのものを見直し、より安全で持続可能な未来をつくることだ、というメッセージが強調されています。
ホスト国はアゼルバイジャンで、首都バクーを拠点に世界各地の取り組みが紹介されます。アゼルバイジャンは2026年の気候変動枠組条約締約国会議(COP29)の開催国でもあり、再生可能エネルギーの導入拡大やエネルギー効率の向上、廃棄物削減などを通じて、気候危機への国際的な連携と行動の加速を呼びかけています。

2025年:プラスチック汚染をなくそう

2025年の世界環境デーは、「プラスチック汚染を終わらせる(Ending plastic pollution)」をテーマに開催されました。プラスチックは、海洋汚染だけでなく、気候変動や生物多様性の損失、健康への影響にもつながる深刻な問題です。一方で、リデュース・リユース・リサイクルの徹底や代替素材の活用など、解決策が比較的見えやすい課題でもあります。
ホスト国は大韓民国(韓国)で、済州(チェジュ)特別自治道が主な開催地となりました。済州は2040年までにプラスチック汚染をなくすことを目標に掲げており、デポジット付きカップ制度など、使い捨てプラスチック削減に向けた先進的な取り組みが紹介されました。

2024年:私たちの土地、私たちの未来

2024年のテーマは「私たちの土地、私たちの未来。(Our land. Our future. We are #GenerationRestoration)」でした。土地の回復、砂漠化の防止、干ばつへの耐性強化が大きな柱となっており、劣化した土壌や森林、水源を回復させることが、人々の暮らしや食料安全保障、気候変動対策に直結することが訴えられました。これは、国連が進める「生態系回復の10年(2021–2030)」の流れを受け、失われつつある自然を取り戻すための具体的な行動を後押しする狙いがあります。
この年のホスト国はサウジアラビアで、首都リヤドをはじめ国内各地で土地劣化の防止や植林、砂漠化対策に関するプロジェクトやイベントが行われました。世界的にも、土地劣化の問題に光を当てる取り組みが相次ぎました。

世界における世界環境デーの取り組み・イベント事例

世界における世界環境デーの取り組み・イベントの数は多く、種類もさまざまです。その中でも、企業と大学の事例を紹介します。

エミレーツ航空「クローズドループ・リサイクル・イニシアチブ」

アラブ首長国連邦のドバイを本拠地にするエミレーツ航空は、2023年の世界環境デーを記念して、プラスチック素材を再利用する「クローズドループ・リサイクル・イニシアチブ」の取り組みを発表しました。2023年は「#BeatPlasticPollution(プラスチック公害をやっつけろ)」をスローガンとした「プラスチック汚染の解決」がテーマです。

同航空の機内で提供されるプラスチック製のトレーやボウル、器などは、数百万食分にも及びます。これらを各地域の施設にてリサイクルし、再び食器として利用する仕組みです。

また、「モノを減らす(reduce)」「再利用する(reuse)」「リサイクルする(recycle)」を実践して循環型経済を推進し、プラスチックごみの削減をこれまでに進めてきました。具体的な取り組みの一部は次の通りです。

  •  紙製や木製のストローやマドラーを利用し、毎年1億5,000万個以上のプラスチック製品を削減
  • 1枚につき28本分のペットボトルを再生したブランケットを提供し、1年間で8,800万本のごみを削減
  • 機内食のふたやプラスチック製タンブラーは、80%再生プラスチックで作られている

この取り組みは、航空業界や食品サービス業界において食品包装を提供するdeSter社とパートナーシップを結んで進められています。※[vi]

ナーガールジュナ プレ大学「苗木の配布」

(引用元:Nagarjuna Pre University College “World Environment Day | Awareness Program | Flashmob” 2022/06/05)

インドの南部ベンガルールにあるナーガールジュナ プレ大学は、2022年の世界環境デーにダンスのフラッシュモブ(公共の場でのパフォーマンス)を行いました。より多くの人に広めるために動画配信もされています。この活動は、警察・森林局と協力して行われており、苗木の配布もされました。※[vii]

日本における世界環境デーの取り組み・イベント事例

世界環境デーの取り組み・イベントは、世界だけでなく日本でも多く行われています。企業の事例を2つ取り上げます。

「エコバッグイベント」株式会社ジーユー

カジュアル衣料品・装飾品の企画、製造・販売を行う株式会社ジーユーは、よりよい地球環境の実現に向けて2022年の世界環境デーにエコバッグイベントを開催しました。「世界にひとつだけのエコバッグを作ろう」と題したオリジナルのエコバッグを制作する体験型のイベントです。クレヨンで自由に絵を描いてエコバッグを作ることで、日常生活の中でサステナブルを実践し、海洋ごみやプラスチックごみによる環境問題も楽しく学べる内容になっています。

同社では、サステナビリティ活動として、地球環境や地域社会、あらゆる人の生活を豊かにするためのさまざまな取り組みを行っています。※[viii]

「自然写真コンテスト2022」野村グループ

野村グループは、グローバル金融サービスを提供する、世界30カ国・地域を超えるグローバル・ネットワークを有する企業です。2022年の世界環境デーには、「写真で自然をもっと身近に」というテーマを掲げ、社内で自然写真コンテストを実施しています。身近にある自然に目を向けることで、環境について考えるきっかけを作りました。[ix]

世界環境デーに合わせて日本独自の記念日も

6月5日の世界環境デーは国際的な記念日ですが、先述の通り、日本では環境基本法により「環境の日」と定められています。また、環境省の提案により、平成3年度から6月の1カ月間を環境保全について考える「環境月間」ができました。環境月間には、環境の日と同様のイベントが1カ月にわたり行われます。例えば、これまでに次のようなイベントがありました。

  • 【環境省】「ダンスチャレンジ企画」友達や家族とグリーンのアイテムを身に着けてグリーンダンスを踊る※[x]
  • 【大阪市】「燃料電池自動車(FCV)の展示」2050年の脱炭素社会の実現に向けて、「究極のエコカー」といわれる燃料電池自動車(FCV)を公園内に展示する※[xi]
  • 【イオンモール】「MYボトルデザインコンテスト」オリジナルのデザインを募集して、マイボトルの活用を推進する※[xii]

政府や自治体、企業などが、広く環境保全に関わる課題に対して、それぞれ独自の視点から取り組んでいます。

世界環境デーに私たちができること

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世界的な記念日である世界環境デーをはじめ、日本の環境の日や環境月間では、一人一人が環境保全に対する意識を高めることが求められています。深刻な地球環境の課題は、一人の力だけで解決できるものではありません。しかし、個人が行動を起こさないと、解決は望めないことも事実です。

そこで、世界環境デーに私たちができることを紹介します。この日をきっかけに環境保全に貢献する行動を起こしてみませんか。

プラスチックごみを減らす

世界環境デーの2023年のテーマは、「プラスチック汚染の解決」です。先述の通り、プラスチックがリサイクルされているのはわずかであり、廃棄されると海などに流れて汚染の原因になっています。例えば、

  • ペットボトルを購入するのではなくマイボトルを使用する
  • 紙などの天然素材で作られたパッケージの製品を選ぶ
  • マイバッグを使用する

など、プラスチック容器や包装の製品の購入はできるだけ避ければ、ごみを減らすことができます。環境汚染の原因を減らすことで、きれいな海と生態系を守ります。

リデュース・リユース・リサイクル(3R)を心がける

ごみを出さずに環境への負担を減らすのが、リデュース・リユース・リサイクル(3R)です。それぞれの言葉には、次のような意味があります。

  • リデュース:必要なもの以外は購入しない、包装の少ない製品を選ぶ、使い捨てではない製品を購入するなど、「ごみになるものを減らす」こと
  • リユース:リサイクルショップやフリマアプリを利用してごみにしない、繰り返し使える充電式電池などを選ぶなど、「再利用する」こと
  • リサイクル:再生が可能なプラスチック製包装容器やペットボトルなどを「資源ごみに分別して出す」こと。それを素材にして新たな製品が作られる

これらを実践することで、ごみを焼却する際の温室効果ガスを減らすほか、プラスチックごみによる海洋汚染を防ぐことなどができます。

環境に対する知識を深めて関心を持つ

世界環境デーには、各地でさまざまな取り組みやイベントが行われます。これらの行事では、地球環境の現状や課題などを知ることができます。積極的に参加して、日頃から環境保全への意識を高めることが大切です。環境に貢献する大きな取り組みは、個人ではなかなか難しいこともあります。それでも、各人が環境に関心を持って行動すれば、解決への一歩につながります。一人一人の力が環境保全に大きく貢献するでしょう。

世界環境デーとSDGsの関係

最後に、世界環境デーとSDGsの関係について確認していきます。世界環境デーは、SDGsのさまざまな目標に関係があります。

環境保全を促進する世界環境デーは、環境負担の少ない再生可能エネルギーなどを利用することを目指した目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に貢献します。また、誰もが安全で住みやすい環境をつくる目標11「住み続けられるまちづくりを」や、廃棄物を減らして天然資源を守る目標12「つくる責任つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成につながります。他にも、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」は、これまでテーマで取り上げられた海洋汚染の問題や生態系の回復に直結する目標です。

このように、世界環境デーはSDGsの取り組みの一つとして大きな役割を果たしています。

まとめ

世界環境デーは、環境保全への意識を高めるための活動を行う日であり、国連により6月5日と定められています。日本では、環境基本法(平成5年に改正)の中でこの日を「環境の日」と呼んでいるほか、環境省の提案により6月の1カ月間を「環境月間」としています。日本をはじめと世界では、この日に環境保全への理解と関心を深めるさまざまな行事が行われるのが恒例です。

世界環境デーに私たちができることは、ごみを減らしたり再利用したりすることや、行事を通じて環境に関する知識を深めることです。環境問題に取り組むことは、SDGsのさまざまな目標の達成につながります。この日をきっかけに、個人が環境保全に関心を持ち、日々の生活の中で行動することが求められています。

世界環境デーでは近年、「プラスチック汚染の解決」や「土地の回復」、「気候危機への対策」といったテーマが掲げられてきました。

参考
※[i] United Nations “Background
※[ii] 国立環境研究所 環境情報メディア 環境展望台「国連環境計画、『世界環境デー』の成果を発表
※[iii] World Environment Day “History
※[iv] World Environment Day “About WHAT IS WORLD ENVIRONMENT DAY
※[v] World Environment Day “About 2023 THEME AND HOST
※[vi] エミレーツ航空のプレスリリース「エミレーツ航空、プラスチックごみ削減のための新たな取り組み『クローズドループ・リサイクル・イニシアチブ』を発表
※[vii] Nagarjuna Pre University College “World Environment Day | Awareness Program | Flashmob” 2022/06/05
※[viii] 株式会社ジーユー「【PRESS RELEASE】6月5日は世界環境デー よりよい地球環境の実現に向けて リサイクルキャンペーンとエコバッグイベントを実施
※[ix] Nomura「写真で自然をもっと身近に:Only One Earth
※[x] 環境省「環境の日及び環境月間
※[xi] 大阪市「環境の日及び環境月間について
※[xii] イオンモール「イオンサステナキャンパス|どこでMALL!たのしモール!

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この記事を書いた人

池田 さくら ライター

ライター、エッセイスト。メーカーや商社などに勤務ののち、フリーランスに転身。SDGsにどう取り組んで良いのか悩んでいる方が、「実践したい」「もっと知りたい」「楽しい」と思えるような、分かりやすく面白い記事を書いていきたいと思っています。

ライター、エッセイスト。メーカーや商社などに勤務ののち、フリーランスに転身。SDGsにどう取り組んで良いのか悩んでいる方が、「実践したい」「もっと知りたい」「楽しい」と思えるような、分かりやすく面白い記事を書いていきたいと思っています。

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