FXと株の違いとは?どっちが稼げる?それぞれ向いている人を解説

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投資に関心がある人は「FXと株のどっちがいいのか」と悩んでいるのではないでしょうか?

投資を始める前に、FXと株それぞれの特性やメリットとデメリット、FXと株それぞれに向いている人の特徴などを見てみましょう。

目次

FXと株の違いとは?基本情報をもとに比較

FXと株の違いを解説します。まずはFXと株の違いの一覧表からご覧ください。

FX
投資対象世界各国の通貨企業の株
変動要因世界情勢・景気・金融政策など企業業績
取引時間平日24時間(土日は休み)平日9:00~15:30(休憩11:30~12:30)※東京証券取引所
レバレッジ最大25倍(国内)原則1倍(信用取引以外)
インカムゲインスワップポイント配当金
キャピタルゲイン値上がり・値下がり時値上がり時(信用取引以外)
必要最小資金数千円~数万円~(単元未満株以外)

投資対象

FXと株は、まず投資する対象が異なります。

FXは世界各国の銀行が発行する通貨が対象です。基本的には「ドルと円」という風に「通貨ペア」という2カ国の通貨をペアにした単位で投資をします。通貨ペアの数は証券会社により異なります。

株は証券取引所に上場している企業株式を対象にした投資です。以前は国内株のみでしたが、近年は米国・欧州・中国などの株にも投資できるようになりました。しかし、外国株を取り扱っていない証券会社もあります。

レバレッジとは

レバレッジは「てこの力」という意味の英語で、少ない資金を元にして大きな資金を運用するという意味の株式用語です。

つまり、手元の資金以上の取引ができるので、10倍のレバレッジをかけた場合には10倍の利益を得られます。

しかし、損失が出た場合のリスクが高いので、儲けたいという理由で高すぎるレバレッジをかけるのはあまりおすすめできません。

インカムゲインとは

インカムゲインは日本語では「資産保有益」といい、資産を保有すると得られる収益を表します。FXではスワップポイント、株では配当金と呼び、インカムゲインが株主に入ってくるタイミングや回数はFXと株で大きく違います。

スワップポイントというのは、通貨ペア2カ国の金利差から生まれる収益のことで、配当金というのは、株式会社を保有する企業が獲得した利益を株式会社保有者に還元する収益です。

スワップポイントが毎日入ってくるのに対し、配当金が入るのは年に1回から2回です。

キャピタルゲインとは

キャピタルゲインを日本語で言うと「資産売却益」で、資産売却時に得られる損益を表す言葉です。

保有している株式・債券が購入時に10万円で売却時に15万円だった場合には差額の5万円がキャピタルゲインです。逆に、10万円の株式や債券が5万円でしか売れなかった場合はキャピタルロスと称します。

キャピタルゲインは、インカムゲインよりも得られる利益が増えることがあります。インカムゲインは株だと株価の数%程度ですが、キャピタルゲインは購入価格を大きく上回る可能性があるからです。

FXのメリットとは?投資初心者に人気な理由を解説

「株投資は敷居が高い」という若い世代に特に人気が高いFX。その人気の理由を見てみましょう。

少額から取引することができる

少額の資金で高額取引が可能なのが、FXの人気が高い理由の1つです。

「株投資の敷居が高い」と言われる理由の1つは、最初に用意しておくべき資金が数万円単位な点ですが、FXは最低取引単位が少ないので、最安だと数百円単位から取引を開始できます。

また、少ない資金で高い取引を行えるレバレッジでは、FXでは個人取引の場合に投資額の最大25倍の取引が可能なので、元の資金が1万円だった場合に25万円分の取引が可能です。

平日は24時間取引することができる

株投資が若い世代にあまり人気がないのは、取引時間が原則的に平日の9時から15時までに限定されていることです。通常の社会人のランチタイムには取引も休憩時間に入るので、ランチタイムに取引するのは難しいです。

それに対して、FXは土日以外なら24時間取引できるので、時間に制約されず、自分の都合の良いタイミングで取引できます。

自分のライフスタイルに合わせられるのが若い世代に限らず広い世代に人気が拡大している理由なのです。

買いと売りどちらからでも利益を狙うことができる

FXでは、値上がりしたときにも値下がりしたときにも投資の機会があります。2カ国の通過の売買によって利益を得るシステムなので、買いと売り両方のタイミングで取引を開始できるからです。

相場が上がっている局面でも下がっている局面でも利益を狙えるのは、投資のタイミングがよくわからない初心者向きのシステムとも言われています。

上昇している局面では買いポジションを保有して利益を得られますし、下降している局面では売りポジションを保有して利益を得られるのです。

円安でも円高でも、それぞれに合わせて利益を狙えるのは非常に大きなメリットです。

金利差による収益(スワップポイント)をもらうことができる

FXのインカムゲインはスワップポイントですが、FXの場合、口座に購入した通貨があれば、毎日スワップポイントが発生します。

高い金利の国の通貨を購入して低い金利の国の通貨を売却することで、2カ国の金利差に対応した利益を毎日受け取れるのです。

株式投資の場合には、1回分の配当金はまとまった金額になりますが、年に1回か2回しかもらえないため、毎日収益を受け取りたい人にはFXの方が適しています。

また、長期間保有し続けてスワップポイントを毎日少しずつ貯めていくという堅実な運用も可能です。

デモ口座で練習することができる

投資未経験者は、株投資と同じくFXでの投資もハードルが高く感じやすいです。そのハードルを飛び越えやすくするサポートと言われているのが、FXのデモトレードです。

FXのデモトレードというのは、実際に資金を使わず、仮想の取引でFX投資を体験できるシミュレーションです。

FX投資ができる証券会社の多くは、公式サイト上にデモ口座を用意し、FX未経験者がお金を使わずにFX取引の練習ができるようにしています。

基本的にデモ口座は無料体験が可能で、体験する際にも入金やクレジットカード登録をする必要がないので、安心してFXの練習に取り組めます。

予測がしやすい

FXは、世界各国の経済関連ニュースが相場にダイレクトに影響するので、相場の上昇と下落の予測をしやすいという点も、初心者に向いている投資方法と言われる所以です。

国内外のニュースサイトをチェックする習慣をつければ、どの国の通貨の相場がどう動くのかを予測できるようになります。

近年は、FX投資をしている人向けにFX関連情報が盛り込まれたニュースやコラムの紹介をするサイトが増えているので、読みやすく信頼できるサイトを探して予測を立てるのがおすすめです。

FXのデメリットとは?知っておくべきリスクを解説

初心者向けで投資しやすいと人気を集めているFXですが、デメリットもあります。

この章では、FXを始める前に把握しておくべきリスクを解説します。

ハイリスク・ハイリターンである

FXはレバレッジを活用できるので「一攫千金が狙える」と言われていますが、中には一夜にして全財産を失うような損失を受ける可能性もある投資方法です。

レバレッジで資金の25倍の取引を行った場合、うまくいけば1万円の資金が25万円になりますが、予想外の事態が発生すると1万円が25万円の赤字になる危険性があるからです。

「FXを一言で表すとハイリスク・ハイリターン投資」という声があります。

2025年5月時点でレバレッジが国内では最大25倍までにしか設定できないのは、投資者が背負いきれないほどの負債=リスクを抱えることを防ぐためなのです。

急な値動きによる損失のリスクがある

相場が安定していれば安定的に儲けられるFXですが、油断はできません。世界の政情の変化や災害などで経済状態が急激に変化することにより、急な値動きが発生して大損失につながる可能性があるからです。

この20年の間に株業界を震撼させたのは、2008年のリーマンショックと2018年のトルコショックと2019年のフラッシュクラッシュです。

リーマンショックは米国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズの経営破綻により、世界的な規模の金融危機が発生しました。残る2つの事件も投資家に大損害を与えています。

常に相場をチェックしておく必要がある

急激な値動きに対応するためには、常に為替相場をチェックしておかなければなりません。FXの為替は24時間動き続けているからです。

目を離している間に預け入れた金額が0円になってもすぐ取引終了とならないため、瞬間的に大きな相場変動が発生すると預け入れている証拠金以上の損失になり、証拠金を追加入金するという事態に陥ります。

FX会社はそういった事態を未然に防ぐため、保有通貨が自動的に売却されるロスカットという制度を実施しています。

しかし、短期間の急変動ではロスカットが間に合わないことが多いので、相場を常時把握して損失を防止しなければならないのです。

スワップポイントの逆転の可能性がある

スワップポイントを安定して獲得できている場合には副収入にできますが、スワップポイントには逆転する可能性があるという点も把握しておきましょう。

スワップポイントが逆転する主な理由は、通貨ペアを組んでいる2カ国のいずれか、あるいは双方に政情などの変化があって金融市場が混乱し、2カ国の金利差が従来と逆転することです。

政情の変化などは経済ニュースなどを見ておけば予測可能ですが、災害などは予測できないので、逆転の兆候があったときや逆転したときにはトレードを休止するなどの対策をとりましょう。

株のメリットとは?株式投資の魅力

「リターンとリスクが大きすぎるFXよりも株で堅実な資金運用をしたい」という投資家も多いです。

株式投資を愛する投資家が挙げているメリットをご覧ください。

配当金をもらうことができる(インカムゲイン)

企業株を保有している場合、企業の経営が安定または上昇していると、企業の活動で獲得した利益が株主に分配されます。それが株式投資のインカムゲイン=配当金です。

配当金の額や配当金が分配されるタイミングは企業によって異なりますが、基本的に年1回から2回配当金を受け取れます。

配当金を受け取るためには、権利確定日に株式を保有していなければなりません。権利確定日というのは、銘柄ごとに決められた決算日などなので、権利確定日はしっかり記憶しておき、権利確定日の2営業日前までに該当企業の株式を購入して株主になっておきましょう。

情報開示が多く安心して投資することができる

株式投資は企業の情報開示が多いので、安心して投資できます。

情報開示が多いのは、有価証券の投資判断の際に影響を及ぼす企業の業務・運営・業績などに関連した情報を、有価証券上場規程が定めている適時開示に係る規則に従って公表することが義務付けられているからです。

適時開示は、上場企業が株主にとって重要な情報(決算情報・合併・新株発行など)を迅速に開示することを義務付ける制度です。

FXでは為替相場情報を自分で調べる必要がありますが、株式投資の場合には投資している企業が情報開示を行うので、調べる手間が省けます。

税制優遇制度を利用することができる

FXでの収益は全て課税対象ですが、株式投資では税制優遇制度を利用できます。

代表的な税制優遇制度は、iDeCoとNISAです。

iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、自分で年金を作るために60歳まで積立を行い、60歳になったら給付金を受け取れます。

NISAは、株式・投資信託などの運用で獲得した利益を非課税にする少額投資非課税制度です。

受けられる税制優遇は以下表の通りです。

iDeCoNISA
・運用益が非課税・積立時の掛金が全額所得控除・受取金額の一定額が退職所得控除または公的年金等控除対象運用益が非課税

長期的な資産形成を目指すことができる

FXでも長期的な資産形成を目指せますが、長期的資産形成には株式投資の方が適しています。

FXの取引ではロスカットが長期保有の障害になりますが、株式投資にはロスカットがないからです。

長期投資というのは10年以上運用する投資スタイルで、売買の頻度も短期投資に比べて少なく、短期投資と違って投資対象を一々調べる時間と手間が省けます。

さらに、企業と信頼関係を結びやすく、安定的なサポートも受けられるので、長期的な資産形成をしたい人向きなのです。

株主優待をもらうことができる

株主は、企業から企業の製品やサービスを贈られる優待制度の恩恵を受けられます。

全ての上場企業が株主優待を実施しているわけではありませんが、実施している企業の方が多く、優待の内容をPRしている企業も多いです。

販売している製品や割引クーポン、提供しているサービスに使えるクーポンなど内容は企業によって異なるので、長期運用をする場合には株主優待の内容で投資先を決めるのを推奨します。

株主優待も、配当金と同様に権利確定日に株式を保有している必要があります。

株のデメリットとは?始める前に知っておきたい注意点

株にもメリットのみではなくデメリットがあります。

投資を開始する前に知っておくべき注意点を見てみましょう。

企業が倒産すると株の価値はほぼなくなってしまう

株は金融商品ですが、預金などとは違って元本が保証されないため、企業が倒産するとその企業の価値はほぼなくなります。これを信用リスクといいます。

企業が経営危機に陥ったときにも、株が暴落するという事態が発生します。

適時開示制度により、企業は株主に会社の経営状態の変動を迅速に開示することが義務付けられていますが、それを守らない企業も存在するため、株主が大損失をこうむる事態にもなりかねません。

信用リスクを避けるためには、企業の状況を常に知っておく必要があります。

配当金や優待は保証されているわけではない

株のメリットに挙げられることが多い配当金と優待は、企業株を保有していれば必ずもらえるわけではありません。どちらも権利確定日に株主になっていることが絶対条件です。

また、経営が安定していても株主に配当金や優待を与えない企業もあるのでご注意ください。

配当金と株主優待が目的で株式投資を始める人は、その企業が配当金や株主優待を株主に与えているのか、与えているのはどんなものなのか、もらうのに条件があるのか、などを確認してから株投資を開始しましょう。

短期間で利益を出すことは難しい

株は、信用取引以外の取引でレバレッジがありません。信用取引でも3倍までしか取引できないので、最大25倍の取引ができるFXのように短期間で高い利益を出すのが難しいのです。

また、株の短期売買は、短期売買のプロフェッショナルでも難しくなっています。一番大きな理由は、HFTと呼ばれる高速取引の業者が増加していることです。

一般人よりも早く高速で取引に参入できるHFT業者が株の短期売買における利益を独占している状態なので、HFT業者以外が短期間で利益を出すのは困難なのが現状なのです。

銘柄選びや情報収集に時間を要してしまう

株の最大の楽しみであると同時に最大の難関と言われることが多いのは、銘柄選びです。安定した企業ほど膨大な数の銘柄を有しているので、選ぶ際にも情報収集に時間がかかってしまうのです。

また、その企業の株に投資する前に、企業の経営状態や経済動向などを全て自分で調べておく必要があります。

メリットの章で「長期的資産形成に適している」と記載しましたが、長期運用なら銘柄選びや情報収集に時間を費やす必要がない、というのも「長期運用向き」と言われる理由の1つです。

FXと株それぞれ向いている人の特徴まとめ

FXと株にはそれぞれ長所と短所があり、投資の性質も異なるので、向き不向きがあります。

この章では、FXと株それぞれに適している人の特徴を解説します。

FXが向いている人の特徴

FX運用に適している人の特徴をチェックしてみましょう。

ここで挙げる特徴に2つ以上該当する人はFX向きです。

リスクを取ることができる人

FXはハイリスク・ハイリターンな投資なので、損切りといったリスクが高くても受け容れて続けられる人に向いています。

FXの為替相場が流動的で不安定なときには思いがけない損失が発生するケースもありますが、そういったリスクを飲み込んでFXを続けられる精神力が必要だからです。

冷静かつ感情的にならない人

FXは短期間に相場が動くことがあるので、動揺してしまう人も少なくありません。

しかし、取引失敗といった辛い局面でも冷静さを保ち、感情的になって取引を無駄にしないようなメンタルの持ち主がFX向きといえます。

市場動向を常に追うことができる人

市場動向や経済動向に関心を持ち、市場動向の情報を収集し続けられる人もFXに向いています。

市場の動向と為替の状況チェックはFXで資産運用に欠かせない要素なので、それが苦にならない人ならFXを続けていけるのです。

短期間での成果を重視する人

長期にわたってじっくり利益を貯めていくよりも短期間で成果を挙げたいという人は、株よりもFXに適しています。

FXは短期間に高い収益を獲得できるシステムがある上、スワップポイントを毎日得られることにより、成果を実感しやすいからです。

株が向いている人の特徴

FXに向いていなくても株には向いていることがあります。

ここで紹介する特徴を見て、自分が当てはまるかどうかを確かめてみましょう。

長期的な視点を持っている人

株は短期売買で利益を得られることが少ないので、結果が出るまでの長い間、広い視野を持って株式以外の投資に目を向けてリスクを分散したりといった長期的視点を持って資産運用をしていく能力が必要です。

安定志向の人

株は長期的に安定して利益を得ていく投資なので、安定志向タイプの人にぴったりです。

あちこちに目移りして元々の目標を見失ったりせず、見定めた目標に絞り込んで行動する、という安定した精神の持ち主向きなのです。

堅実で計画的な投資ができる人

株で利益を得るには購入と売却を適切な時期に行う必要があります。

無計画に投資をしているとタイミングを逸したり買うタイミングに資金不足に陥るので、堅実かつ計画的に投資できる人も株に向いています。

企業分析に興味のある人

企業分析力も、株式投資には欠かせません。株投資はしっかりと情報収集をした上で、的確に分析することで利益を得られるからです。

多くの情報が錯綜している現代社会では、正しい情報を見定めて分析する力が不可欠です。

忍耐力のある人

長期運用をしていくことが多い株式投資では、投資に失敗しても落ち込まない忍耐力も必要です。

これと決めた銘柄が暴落するなどの大打撃を受けても、そこで投資自体に恐怖心を抱くようにならないなら株投資向きです。

まとめ

FXと株はどちらも一長一短であり、向き不向きもあります。どちらを投資対象に選ぶ際には、FXと株のメリットとデメリットを把握しておくのがベストです。

それぞれ長所と短所があるので、自分に合っているかに重点をおいて投資対象を選択しましょう。

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この記事を書いた人

fuyuhome ライター

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