SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に取り組む企業5選

世界には、いまだに低賃金で働く女性が大勢います。そこで、この課題を解決するために、UCCは国際女性コーヒー連盟と協力し「IWCAウィメンズコーヒー」を販売。これにより労働に見合った金額が女性生産者に渡るようになり、自立した生活を送れるようになりました。

このように、さまざまな問題を解決するために、すべての人が協力することで大きな1歩になり、達成へ向けてのスピードも加速するでしょう。

目標17はさまざまな相手との協力を強化し、あらゆる課題達成を目指す目標です。この記事では、パートナーシップを結んで問題解決に挑む5つの企業を紹介します!

【思いやりにあふれた社会づくりを目指す】岡山ビューホテル

岡山ビューホテルは、滞在期間からチェックアウトまで、きめ細やかなサポートが魅力のホテルです。また、「思いやり(OMOIYARI)」を世界標準語にすることをビジョンに掲げ、岡山県の発展と思いやりのある社会づくりに貢献しています。

パートナーシップを利用した「岡山食活」と「お土産販売」

岡山ビューホテルは、「岡山活性化支援業」を主力事業と考え、SDGsおよび岡山県の魅力向上のために取り組んでいます。

例えば地元生産者と協力し、国内外から訪れるホテル宿泊者にホテル内のレストラン「五感」で、岡山の食材を使ったメニューを提供する「岡山食活」を開催。多くの人に、岡山のおいしい食材を知ってもらうきっかけとりました。

また岡山ビューホテルは公益財団法人YMCAと協力し、「ひだまり~ぬ子ども食堂」をホテル内のレストランにて定期的に開催しています。共働きや単身赴任で1人で食事をすることが多い子ども達に、楽しく食事をする場を提供することが目的です。このホテル主催の子ども食堂は、岡山ビューホテルが初めての試みとなります。

しかし、継続するためには資金が必要です。そこで岡山ビューホテルは子ども食堂の開催費を集めるために、県内の酒蔵と共同でクラウドファンディングを行いました。

お土産にもひと工夫

また別事業では、岡山ビューホテルのオリジナルのお土産品を販売

上記のキーホルダーは岡山市の表町商店街の中にある、「就労継続支援A型事業所」の利用者が作りました。このように土産品の開発は、県内の社会福祉法人や就労継続支援施設と協力して行っています。この売り上げの一部も、子ども食堂の運営資金として利用しています。

岡山ビューホテルが貢献するSDGs

岡山ビューホテルは、目的ごとに岡山のさまざまな企業と連携することによって、企業の発展岡山県の認知度向上に努めます。そして、下記のターゲットに貢献していると言えるでしょう。

17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略にもとづき、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励し、推進する。

【地域に寄り添った取り組み】株式会社イトコー

引用元:ITOKO STYLE

1950年に創業し豊川・豊橋を中心に家づくりを行ってきたイトコーは、

  • 施設建築
  • リノベーション
  • 不動産
  • エコショップの運営

など、建物に関する事業を幅広く行っています。

そして、働くうえで下記の3つを意識。

  • 使い終わった後は自然に還る素材を可能な限り使用する
  • 次世代へ豊かな暮らしをつなぐ、子どもたちの未来のための家づくり
  • 「家づくり」は「地域づくり」だと思っているので、豊かなコミュニティを育む家づくりを心掛ける

この3つを自社の役目とし、仕事を通して地域活性化に取り組んできました。

目指すは「町医者」のような存在

地域活性化のためには、周囲の協力が鍵となってきます。互いに助け合いながらより良い町を作り上げていくことで、自然と理想に近づいていくのではないでしょうか。そして、地域全体で取り組んでいく際に「企業や自治体は、どういった存在であるべきか」を考えることも重要です。

イトコーは自分達がなりたい存在を考えた時、イメージとして「町医者」が浮かびました。地域活性化のために「地域と住民のことを良く知り、考え、いつも近くにいる」そんな町医者のような存在。長年、地域工務店として豊川・豊橋エリアで家づくりに携わってきたイトコーらしい考えです。

現在もイトコーは、行政や組織の力を借り地域住民との関りを大切にしながら、

  • 地域活性化と住民との交流を目的とした「イトコーマーケット」
  • 「自然とともに、健康的で楽しい暮らし」をコンセプトにした家づくり
  • 東三河の暮らしを豊かにする「ヒト・モノ・コト」をホームページで紹介
  • 地域住民と行う植林や草取り、枝打ちなどの森の保全活動

などを通して地域活性化に取り組んでいます。

また、国産林業への取り組みも進めています。

協力して取り組むことで「国産林業を見つめ直すこと」につなげる

国土の約2/3が森林で覆われている日本ですが、木材自給率は37.8%と低い結果となっています。原因としては、安い輸入材が主流となっていることが挙げられるでしょう。このままでは、山は放置され国産の木材は減少してしまいます。林業従事者の高齢化人手不足など問題も後を絶ちません。

山林業の衰退を止めるためには、多くの人々に現状を知ってもらう必要があります。そこでイトコーは自治体や他の団体と協力して、地域住民が参加できる「植林活動」や「里山の見学」を開始。一緒に山へ行き、実際に植林や草取りを行いました。イトコーは山の豊かさを守ると同時に、多くの人が興味感心を持つきっかけとなるような活動を行っています。

その他にも自社の職人と地域住民をつなぎ、地域の活性化や職人の減少を防ぐ試みにも力を入れています。その1つが「コドモ工務店」です。月1で行われるイトコーマーケットでは、「コドモ工務店」を開催。イトコーの職人である「イトコーマイスターズ」と子ども達が協力してモノづくりに挑戦します。

この体験を通してモノづくりの素晴らしさを知り、「将来職人になりたい」と思う子どもたちが増えることを願っているそうです。また、「町医者」のような存在を目指すイトコーにとって、この交流は地域住民とのつながりを深め、新しい発見や次の取り組みへのヒントとなるでしょう。

豊橋市SDGs推進パートナーへ

豊橋市では、東三河地域が協力してSDGsの目標を達成するために、豊橋市とともに活動してくれるパートナー制度「豊橋市SDGs推進パートナー」があります。その制度に、イトコーが事務局を務める「穂の国の森から始まる家づくりの会」も登録しました。

穂の国の森から始まる家づくりの会は、

  • 地元の木材の良さを知ってほしい
  • 健康的で楽しい暮らしに役立ててほしい

という願いから設立されました。

そのため、下記のような活動を行っています。

  • 地域の間伐材を通して子ども達に木の香りや温もりを知ってもらう「出前授業」
  • 実際に木材の伐採から製材までを一般の人に見学してもらう「山の見学会」
  • 里山の保全を目的とした「植林・草刈り・枝打ち活動」
  • 穂の国や近くの地域の木材を使って家を建てる「穂の国の森から始まる家づくり」

イトコーは活動を通し、持続可能な社会の実現に向けて協力し合いながら推進。同時に、豊橋市の地域課題の解決も目指します。

イトコーが貢献するSDGs

地域密着型の工務店であるイトコーは、自治体やマイスター、地域住民と協力することによって、地域の課題解決および地域活性化に努めています。そして、イトコーが取り組みを通して貢献しているターゲットは下記の通りです。

17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略にもとづき、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励し、推進する。

【リユース事業で地域活性化を図る】株式会社マーケットエンタープライス

マーケットエンタープライスは、2015年に日本初のネット型リユース事業を行う企業として上場しました。

ネット型リユース事業とは

実際の店舗を持たずに、ネット上で商材の買い取りや販売を行うサービス。

その後、メディアプラットフォーム事業やモバイル通信事業も展開しています。「リユース」という言葉が少しずつ浸透してきた現代で、循環型社会への発展に向けて挑戦し続けている企業です。

自治体と連携し行った休眠楽器寄付ふるさと納税

現在、教育機関では楽器不足が問題となっています。この問題を解決するためにマーケットエンタープライスは、使われなくなった楽器「休眠楽器」に注目。国内初となる「休眠楽器」の受け入れを行ったのです。

さらに三重県いなべ市と連携し、「楽器寄付ふるさと納税」の事業を構築。休眠楽器を寄付すると、楽器が不足している教育機関へ寄付される仕組みです。この時マーケットエンタープライスは、楽器の査定を担当しました。

この取り組みは、ふるさと納税制度を利用しているため、寄付した人は楽器の査定額分の税金が控除されます。楽器寄付ふるさと納税事業は、開始2ヶ月で150個の楽器が集まり、教育機関や生徒へ届けられました。現在では、いなべ市を含め約15以上の自治体がこの制度を導入しています。

ふるさとづくり大賞を受賞

マーケットエンタープライスの頑張りもあり、いなべ市は令和2年度のふるさとづくり大賞を受賞しました。ふるさとづくり大賞は、地域の活性化に向けて頑張る団体や個人を表彰し、更なる地域社会の発展を促す目的で開催されています。

受賞理由は下記の通りです。

  • ふるさと納税と寄付を組み合わせた新しい方法
  • いなべ市の次世代を育む取り組みとして、無理なく導入できる点

いなべ市が事業の受け口となり全国に呼びかけ、リユース事業を行うマーケットエンタープライスが楽器の査定を担当する。互いに協力しなければ、成功することのなかった事業です。

マーケットエンタープライスが貢献するSDGs

マーケットエンタープライスは、いなべ市と連携することによって初めて休眠楽器を受け入れ「楽器寄付ふるさと納税」事業を行った企業として注目を集めました。楽器も無駄にならず、必要としている人へ届いています。休眠楽器の問題解決にもつながっているでしょう。

さらに寄付した人は税金の控除が受けられるなど、すべての人にプラスになる結果となりました。これにより、目標17の下記のターゲットに貢献しています。

17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略にもとづき、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励し、推進する。

【「自然とともにある生活の質向上」を目指す】GANON FLORIST

GANON FLORISTは、企業理念に「世界一花を愛せる国を作る」を掲げ、誰もが自然を大切にできる社会づくりを目指しています。2013年に北海道で設立し、現在は世界10ヵ国以上で活動している企業です。

現在は、

  • フラワーギフトの製作
  • 撮影
  • 作品展示
  • 装花
  • ショープロデュース
  • バルセロナやバンコクの大学で花の専門家として指導

など、幅広く手がけています。

地産地消を基盤としたロスフラワー救済プロジェクト

現在、新型コロナウイルスの影響により花の需要が減少しています。そのため生花店では店頭に並ぶ、30~40%の花を廃棄処分しているそうです。また、これ以上の価格低下を防ぐために自ら廃棄処分をする生産者もいます。

生産者にとって一生懸命育てた花を、自らの手で処分することは精神的負担も相当なものでしょう。この現状を改善するために、GANON FLORISTでは「生産者」「生花店」「消費者」と連携し、地産地消を基盤としたロスフラワー救済取り組みを行っています。

クラウドファンディングで約70,000本の花を消費者へ

GANON FLORISTでは、ロスフラワー減少のためにクラウドファンディングを実施。

このクラウドファンディングでは、花の生産者から多くの花を購入するための資金を集めることが目的です。そして、生産者から購入した花を利用して、下記のような取り組みを予定しています。

  • フローリストによって全身を花で装飾された人が街中を歩き、道行く人々に「一輪の花」をプレゼント(ロスフラワーの減少につながる)
  • 花の市場や生産者の存続のための売り上げを生み出す
  • 花の衣装で街を歩き、エンターテインメントで人々に驚きと感動を提供
  • 多くの人に花を配ることによって、緊急事態のなかでも北海道に笑顔を増やす
  • プロジェクト内容は動画や写真で拡散し、日本中のSNSを花だらけにする

そして、クラウドファンディングの支援者には、

  • ドライフラワーのインテリア雑貨
  • 生花を使用した撮影
  • 定期フラワーアレンジメントのサービス

などのリターンを用意。

集められた資金は、廃棄予定だった約70,000本の花を消費者へ還元することに使われました。この取り組みによってロスフラワーは減少し、多くの生花を消費者へ届けることに成功しています。さらに、生産者と消費者を繋ぐ目的も果たしました。

地球に森を増やす花の定期便

引用元:FORESTY  | 植林もできる花のサブスク

売れ残りが原因で廃棄になる生花を減らすためには、継続的な仕組みが必要です。

そこでGANON FLORISTは、地域で生産された生花を定期的に消費者へ届ける「生花のサブスク」を考案。5種類の中から自分にあったプランを選択すると、フローリストが厳選した北海道産の花が届きます。受け取り方法も、毎月500円の店舗受け取りや定期配送など、ライフスタイルに合った方法を選ぶことが可能です。

そして、このサブスクは、売り上げの一部を植林活動に利用。例えば、毎週3本の花がポスト投函で届くサブスクの場合は、8ヶ月で1本の木を植林できます。

この活動によって、毎月約3,000本のロスフラワーの削減に成功しました。同時に、生花店や生産者の収入の向上にもつながっています。

植林家とパートナーシップを結び、目標15「陸の豊かさも守ろう」などの他の目標にも貢献しました。

GANON FLORISTが貢献するSDGs

生産者や生花店、消費者とパートナーシップを結ぶことによって、ロスフラワーの削減に成功しました。これは生花店と生産者の生活を守ることにもつながります。さらにサブスクでは植林家と協力し、国内外の森林の増加や生態系の保護に力を入れています。

そのためGANON FLORISTの取り組みは、目標17の下記のターゲットに貢献しているでしょう。

17.16 すべての国々、特に開発途上国において「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を支援するために、知識、専門的知見、技術、資金源を動員・共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完される、「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」を強化する。

17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略にもとづき、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励し、推進する。

【広告事業で地域活性化やSDGs認知度を高めた】長田広告株式会社

1936年に創立した長田広告は、屋外広告事業が中心の企業です。これまで約30,000社以上の企業や団体の情報発信に携わってきました。活動拠点は日本にとどまらず、ミャンマーやマレーシアなどアジア地域での事業展開も行っています。

スポーツチーム応援メッセージ入り屋外広告看板

長田広告は、「スポーツチーム応援メッセージ入り屋外広告看板」という取り組みを行っています。この取り組みは、

  • スポーツを通じて社会貢献の推進を目指すスポーツチーム
  • チームの活動を支えるスポンサー企業
  • 屋外広告看板を手がける長田広告

上記3つがパートナーシップを結び、地域社会の発展を目指しているのです。

書店や医療機関など、スポンサー企業が掲載する屋外広告看板の一部には、

  • スポーツチームのロゴ
  • マスコットキャラクターのイラスト
  • チームのスローガン
  • チームへの応援メッセージ

などを入れました。

これにより、屋外広告看板の本来の役割をはたしつつ、チームの応援も可能にしています。また、スポーツチームが中心となって行っている地域への社会貢献に、スポンサー企業が賛同することによって、地域活性化にもつながりました。長田広告は今後、この応援メッセージ入り屋外広告看板を、全国各地で販売する予定です。

屋外メディアを利用した国内外での取り組み

SDGsの達成には個人の取り組みも不可欠です。そのためにもまずは多くの人にSDGsを知ってもらう必要があります。そこで長田広告では、屋外メディアを利用した取り組みを進めています。

長田広告が運営している情報発信メディアの1つに、「コミュニティビジョン」があります。主に自治体から住民への情報発信を中心に行っており、運営費の一部が自治体の活動資金として利用される仕組みです。

長田広告では、SDGsの認知向上のためにコミュニティビジョンを使って、自治体庁舎にて「ピコ太郎×外務省(SDGs)~PPAP~」の動画を放映しました。

この取り組みに協力してくれた自治体は330以上。約3ヶ月の放映期間で多くの人にSDGsの存在を伝えることに成功しています。また、この活動は国内だけでなくマレーシアでも行われました。

長田広告が貢献するSDGs

長田広告は、「広告」という情報発信の方法を利用し、地域の活性化やSDGsの認知度を高める取り組みを行いました。その結果、下記のターゲットに貢献しています。

17.16 すべての国々、特に開発途上国において「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を支援するために、知識、専門的知見、技術、資金源を動員・共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完される、「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」を強化する。

17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略にもとづき、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励し、推進する。

まとめ

今回は目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に取り組む企業を紹介しました。

  • 地元生産者や支援施設と協力して、地域活性化を行った企業
  • 自治体や住民、マイスターと協力することによって、地域密着型となり住民の暮らしを守っている企業
  • リユース事業を利用し、自治体と協力することで休眠楽器の減少に成功した企業
  • 生産者、生花店、消費者と連携して、ロスフラワーの救済や森林増加を実現した企業
  • 広告技術を利用し企業や自治体と連携し、地域活性化やSDGsの認知度向上につながった企業

それぞれが得意な分野で補い合い、1つのチームとして同じ課題に取り組む。パートナーシップを結ぶことで、さまざまな可能性が広がります。目標17に取り組むのであれば、「自分たちの目標は何か」「何が足りないから、誰と協力すれば良いのか」を考えてみましょう。

あなたが誰かを探しているように、あなたのことを探している企業や自治体もいるはずです。