サステナブルとは?重要キーワードは「SDGs」と「エシカル」

テレビやSNSで目にする機会が増えた「サスティナブル(sustainable)」。すでに積極的に取り組んでいる人も増えています。とはいえ、まだまだサスティナブルについて知らない人も多いと思います。

そこでこの記事では、サスティナブルの概要から始まり、こちらも近年耳にするSDGsとの関係日常で実践できることを詳しく見ていきます。

多くの人がサスティナブルを意識することで地球の未来は大きく変わります。ぜひ目を通してみてください。

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)

サスティナブルとは?

まず、サスティナブルの意味をご説明します。

「Sustainable(サスティナブル)」とは英語で、「sustain(持続する)」と「able(~できる)」という2つの単語で成り立ち、「持続することができる」「持続可能な」「ずっと続けていける」を意味します。

サスティナブル?サステナブル?

メディアや書籍によって表記のかわるサスティナブル。「サスティナブル?サステナブル?」と疑問に感じる方もいらっしゃると思いますが、どちらを使っても特に違いはありません。響きが心地よいものを使っていいでしょう。

この記事では「サスティナブル」で統一させていただきます。

なぜサスティナブルが注目されている?

ではなぜ最近「持続可能な」の意味を持つサスティナブルが注目を集めているのでしょうか。

それは、産業活動が発展したことで、私たちの生活が便利になったことが関係します。豊かになった生活と引き換えに、わたしたちは知らず知らずのうちに多くのものを失っていたのです。

詳しく見ていきましょう。

大量生産・大量消費によるさまざまな問題が発生

これまでの経済体系は、大量にモノを作って、大量に購入(消費)する、いわゆる大量生産・大量消費と呼ばれるものでした。これにより私たちは豊かさを手に入れる反面、環境、エネルギー、労働環境と3つの面で大きな問題に直面したのです。

この大量生産・大量消費はサスティナブルの理解を深める上で重要なことなので、順を追ってご説明していきます。

技術の発展により豊かさを手に入れる

大量生産・大量消費が生まれたきっかけはイギリスの産業革命です。それ以前は、動物の力や、風力、水力など自然の力を利用していた農業文明社会と呼ばれるものでしたが、石炭や石油、ガスを利用した機械革命により機械化が進み、生産性が向上したことで世界は大きく変化しました。

日本では、1960年に入ると急速な経済成長を遂げ、大規模な設備投資ができたことで生産コストが下がり、大量生産が可能に。これにより市場には安価な商品が溢れ、企業同士の価格競争も激化し、加えて物流がスムーズになったことで、コンビニエンスストアなどで24時間いつでも買い物ができるようになりました。

これにより、ひとつのものを長く大切に使ってきた日本の「もったいない」という文化は薄れ、「壊れたら修理するより買い替える」ことが当たり前に。

このように、大量生産・大量消費によってモノが溢れかえり、私たちは豊かさを手に入れられるようになりました。しかしその一方で、地球を顧みない経済体系であったことで、

  • 環境問題
  • 資源の枯渇
  • 労働問題

など、さまざまな負の影響を及ぼすこととなったのです。

1つずつ見ていきましょう。

①環境問題

大量生産・大量消費による環境問題が本格的に問題視されたのは、1990年代初め頃です。

地球温暖化

産業が発展したことで、生産や輸送、廃棄などあらゆる活動で二酸化炭素が大量に排出されるようになりました。二酸化炭素が大量に排出された結果、温暖化が進み、気候システムに変化が生じてしまい、各地で豪雨や干ばつなど自然災害が頻発するようになりました。

海洋汚染

生活排水や工業排水によって海洋が汚染されたり、プラスチック製品やペットボトルの投棄などで、海に住む生き物の生態系に影響を及ぼすなど、さまざまな問題が発生しています。

 森林減少

大規模な土地の開拓や、木材を得るための無計画な伐採などによって、世界中の森林が減少しています。

二酸化炭素を吸収する役割を持つ森林が減少すれば、温暖化が進行することに加えて、森に住む生態系への影響も懸念されています。

ゴミ問題

大量生産・大量消費により、廃棄物も増加しました。それに伴い、不法投棄も増え続けています。川や海に捨てることで水質汚染の原因となり、森林減少同様、生態系への影響も見られているのです。

また、日本国内では、埋め立て処分場の問題があります。燃えるごみは焼却しても、約10%の灰が残ります。狭い日本では新しいごみ処分場を作ることがむずかしく、このままだと2040年には満杯になると言われています。

②資源の枯渇

これまで、産業を発展させるために、石炭や石油、天然ガスなど地球の資源を使い続けてきました。しかし、これらの資源には限りがあり、資源エネルギー庁によると、2019年時点であと50〜130年で石油や石炭を使い果たしてしまうとの予測が立てられています。

さらに、近年では中国やインドなどのアジアを中心とした新興国が経済発展を遂げていることもあり、エネルギー消費は増加の一途を辿り、使い果たすまでの年数が短縮されてしまう可能性もあるのです。

③労働問題

産業が発展し、より安価なモノを求めた結果、労働者の人権問題などが浮き彫りとなりました。

象徴する出来事として、2013年4月にバングラデシュの首都ダッカで起きた、「ラナプラザの崩落事故」があります。これは、縫製工場などが入る8階建ての商業ビルが倒壊し、死傷者は1,100人以上、負傷者が2,500人以上を出した悲惨な事故です。

事故後の調査では、働いていた女性は日本円にして時給15円であったことや、縫製工場で作られていた商品が、世界的ファストファッションブランドのものであったことなどが大きな話題となりました。

つまり、安い商品が溢れかえる影には、人権を無視した過酷な労働状況に置かれている人々が大勢いることが明るみに出たのです。

このように産業が発展し、生活が豊かになる一方で、多くの問題を抱えることとなりました。そこで現在の生活を見直し、地球を持続可能なものにするためにもサスティナブルに注目が集まったと言えるでしょう。

企業も取り組みやすくなった

また、企業がサスティナブルに関する事業を展開しやすくなったことも、世間で注目が集まった理由のひとつです。

ESD投資が後押し

この背景には「ESD投資」があります。

ESD投資とは、

  • 環境(Environment)
  • 社会(Social)
  • ガバナンス(Governance)

の英語の頭文字を合わせた言葉で、投資家が企業の、

  • 環境問題への取り組み…温暖化防止、省エネなど環境負荷の軽減
  • 地域社会への貢献…外国人社員雇用、女性社員の幹部登用
  • 従業員への適切な労働環境…働きやすい職場環境作り

などを重視して投資先を選択することを指します。

今までの投資方法は、企業の業績や財務情報が重視されていました。しかし、長期的な目線で見た時に、財務状況だけでは企業の持続性や成長を図るのは難しいと考えられるように。

さらに、2006年に国連が6つの原則を掲げたPRI:Principles for Responsible Investment(責任投資原則)が後押しする形となり、「ESG投資」が浸透し始めたのです。

PRI(責任投資原則)

1 私たちは、投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込みます

2 私たちは、投資対象の所有者となり、所有方針と所有習慣にESGの課題を組み入れます

3 私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます

4 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行います。

5 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します

6 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します

引用元:PRI(責任投資原則)

日本では2015年に、年金積立管理運用独立行政法人が責任投資原則(PRI)に署名したことをきっかけに、投資家への注目が高まり、企業側もESGを意識するようになりはじめました。

「サスティナビリティ」という概念が普及し始めている今、企業にとって社会や環境、地域を意識した経営戦略は不可欠です。

ここまで見てきたように「サスティナブル」は、将来にわたって住み続けられる地球にするために重要なキーワードであることがわかりました。

年々「サスティナブル」に取り組む企業は増加傾向にありますが、持続可能な地球を築き上げるためには、消費者である私たちも意識しなければいけません。 そのため、最近では「サスティナブル」に関連させた言葉が、さまざまな場面で活用されるようになりました。

さまざまな場面で活用されている

ここでは「サスティナブル」と関連させた代表的な、

  1. サスティナブルファッション
  2. サスティナブルフード
  3. サスティナブルシーフード
  4. サスティナブルコーヒー
  5. サスティナブルツーリズム
  6. サスティナブル住宅

の6つを紹介します。

サスティナブルファッション

サスティナブルファッションとは、

  • 環境に配慮した素材を使用する(オーガニック素材)
  • プラスチックなどを再利用した素材
  • いらなくなった服を回収し、再利用する
  • 衣類ロスにならにように受注生産や少量生産
  • 原産国の表記
  • 労働環境の整備

など、生産から廃棄までのプロセスにおいて、環境や人権に配慮した、持続可能なファッションを指します。

国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、ファッション業界は環境汚染ランキング2位と発表しており、原材料の調達、記事の生産、衣類の製造、そして輸入から廃棄まですべての段階で、環境に影響を与えていた現状がありました。

たとえば、1枚の服を生産するのに、

  • コットンの栽培に消費される水・・・約2,300L(浴槽約11杯分)
  • 二酸化炭素排出量…約25.5kg(500mlペットボトル約255本製造分)
  • 化学肥料による土壌汚染と身体への悪影響
  • ポリエステルなどの合成繊維の調達に石油資源の使用

というように、多くの悪影響を及ぼしています。

何気なく購入する1枚の服にも多くの資源が使用されています。また廃棄するにも二酸化炭素が排出されます。

ぜひ、長く着れるお気に入りの枚を見つけて大切に着たいものです。

サスティナブルフード

サスティナブルフードとは、環境や人に配慮した方法で生産された食べ物のことを指し、主にオーガニック食材に用いられることが多い言葉です。

オーガニック食材とは、農薬や化学肥料を使わずに育てられた食材のこと。

有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟)では、オーガニックの原則として、「生態系・健康・公正・配慮」の4つを掲げており、この4つの原理にのっとって作られ、認証を受けた農作物がオーガニックと呼ばれます。

化学肥料を使わずに育てられるため、水や土、大気の汚染などの影響を軽減でき、保存料や着色料、添加物の使用を最低限にすることで食品の安全性を確保することができます。さらに、地産地消や児童労働の禁止など、人を大切にする社会の実現にも近づくことができます。

 このように、オーガニック食材を選ぶことで、社会が抱える多くの問題の解決に貢献することができるのです。

オーガニックとは?生活に取り入れるポイントやSDGsとの関係まで

プラントベースの浸透

また近年では、新しい食の形として「プラントベース」が注目されています。

プラントベースは身体の健康のために植物性の食品を積極的に口にする食事スタイルのことです。

そのなかでも、原料には植物由来の大豆やエンドウ豆を使用し、肉に似た味わいを楽しめる「代替え肉」への関心も高まりつつあり、スーパーやコンビニでも購入できるようになっています。

プラントベースは環境に配慮しているだけでなく、植物性、コレステロールフリーで低脂質、さらに高タンパクということもあり、わたしたち人間もいいことばかりです。

>>プラントベースについてはこちらをご参照ください。

プラントベースとは?日常生活に取り入れるポイントを紹介

サスティナブルシーフード

サスティナブルシーフードは、海の豊かさを守るために、水産資源と環境に配慮し、適切な形で漁獲されたものを指します。

天然の水産物にMSC認証ラベル、養殖の水産物にはASC認証ラベルと呼ばれる、サスティナブルであることを証明するラベルがついているのも特徴です。

サスティナブルコーヒー

コーヒーの生産国は主に途上国です。途上国の環境問題健康問題労働環境に配慮し生産・流通するコーヒーのことをサスティナブルコーヒーといい、

  • シェードツリーコーヒー…森林で覆われた木陰で生産
  • オーガニックコーヒー…農薬や化学肥料を使わない農法で生産
  • フェアトレードコーヒー…農園労働者に対し、適正な価格で取引されている

などがあります。

最近では日本でもこれらのコーヒー豆を使用している企業も増えており、コンビニなどで気軽に購入することも可能です。

わたしたちが1杯飲むことで、生産国の生活の豊かさにつながります。サスティナブルシーフード同様、認証マークで確認できるため、ぜひチェックしてみてください。

代表的な認証マーク

レインフォレスト・
アライアンス認証

バードフレンドリー®

国際フェアトレード認証

【専門店ヤマノバコーヒーにも取材】フェアトレードコーヒーとは?

サスティナブルツーリズム

サスティナブルツーリズムとは、国連世界観光機関(UNWTO)によると、

訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光

引用:国連世界観光機関(UNWTO)持続可能な観光の定義

と定義されています。

観光客の増加に伴いゴミや騒音、渋滞、環境破壊が問題視されるようになり、観光地の持続可能性についても注目が集まりました。

私たちにできることは、

  • サスティナブルツーリズムに取り組む地域への訪問
  • サスティナブルツーリズムに取り組む施設への宿泊
  • 旅先でも普段通り、エコバッグを使用する
  • 旅先での移動は、車やバスを使わず、自転車を使用する

などです。つい旅先ではお土産の袋をもらいがちですが、エコバッグを利用するなど普段と同じような生活ができるといいですね。

サスティナブルツーリズムとは?旅行ライターおすすめの観光地も紹介

サスティナブル住宅

サスティナブル住宅は、環境に配慮し、次世代まで受け継がれる長寿命な住宅のことを指します。

日本の住宅の寿命は30年と言われ、海外に比べると半分ほど。今後は、

  • 建て直さずに住める、耐久性のある素材の利用
  • 断熱性能を高め、光熱費の削減
  • 自然の光や風を採り入れ、自然エネルギーの利用で消費エネルギーの抑制
  • 再生可能エネルギーの利用(太陽光・風力・など)

などを意識した住宅の普及が目指されます。

SDGsの存在

ここまで見てきたように、さまざまな場面でサスティナブルが浸透しつつありますが、2015年にSDGsが採択されたことにより、取り組みはさらに加速することになります。

SDGsとは?

SDGs(エスディージーズ)とは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。「誰一人取り残さない」持続可能な社会を実現するために、2030年までに世界が抱える「環境・社会・経済」の課題解決を目指しています。

そのためにもSDGsは17の目標を設定。さらに目標達成に向けた具体的な指針として、169のターゲットが掲げられています。ではどのような目標があるのか確認しましょう。

目標一覧

目標1「貧困をなくそう」:世界全体の、あらゆる貧困を終わらせる

目標2「飢餓をゼロに」:飢餓をなくし、だれもが栄養のある食料を手に入れられるようにし、持続可能な農業の実現を目指す

目標3「すべての人に健康と福祉を」:世界中の誰もが医療や保健サービスを受けられるようにする

目標4「質の高い教育をみんなに」:すべての人が、国や地域、性別に関係なく教育を受けられるようにする

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」:男女平等の実現と、女性の社会的な地位の向上を目指す

目標6「安全な水とトイレを世界中に」:すべての人が安全な水とトイレを利用できる環境にする。水質汚染の解決や生態系などの保護など、水に関する取り組みを進める

目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」:安全なエネルギーにすべての人がアクセスできる環境にする

目標8「働きがいも経済成長も」:全世界のすべての人にとって、無理のない働き方と働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)ができる社会にする

目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」:新しい技術を駆使して産業を発展させ、あらゆる災害に対応できるようインフラを整える

目標10「人や国の不平等をなくそう」:世界中のあらゆる不平等をなくす

標11「住み続けられるまちづくりを」:すべての人が安全に暮らせる、災害に強いまちをつくる

目標12「つくる責任 つかう責任」:生産者も消費者も 地球環境に負荷のない責任のある行動をとる

目標13「気候変動に具体的な対策を」:気候変動を抑えるために二酸化炭素の削減やクリーンエネルギーの活用の仕方を考える

目標14「海の豊かさを守ろう」:海の保全、海洋資源の適切な利用など、海の豊かさを守るための取り組みを進める

目標15「陸の豊かさも守ろう」:陸上の生態系の保護、森林の管理、砂漠化の対処など、陸域の豊かさを守るための取り組みを進める

目標16「平和と公正をすべての人に」:すべての人が法や制度で守られ、平和に暮らせる社会を実現する

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」:すべての人が手を取り合い、SDGsの達成を目指す

目標内容を見てもわかるように、SDGsはサスティナブルな社会を実現するために掲げられたものです。そのため、SDGsの認知が高まるにつれて、サスティナブルという言葉も多くの人に浸透してきました。

以下の図は、Googleトレンドにて「SDGs」と「サスティナブル」の検索推移を示したものです。

このように、SDGsとサスティナブルの注目度は連動性を持っています。今後さらに認知度が高まることで、サスティナブルな社会の実現に近づいていくことでしょう。

とはいえ、サスティナブルな社会を実現するためにはどのようなことを進めていけば良いのでしょうか。

サスティナブルな社会を実現するためには

ここで再度おさらいとなりますが、サスティナブルな社会とは、資源を大切に使い、地球環境に負荷をかけずに、人や社会が発展していくことです。

実現のためにはひとりひとりの行動が大切になり、キーワードとなるのが「エシカル」です。 

キーワードはエシカル

「エシカル」(ethical)とは英語で、倫理的や道徳的などに訳します。意味としては、法的に禁止されるような縛りはないものの、多くの人が「正しい」「良い」と思っていることです。

これからの社会は「エシカル」な行動が求められており、私たち個人は特に消費の面で実践していきたいものです。

エシカル消費で持続可能な社会を

これまでの買い物では、「どんな場所で、どんな人が、どのような労働環境で物を作っているのか…」といった、モノが作られる裏側を考える機会は少なく、また、知ろうとすることもなかったと思います。

しかし、持続可能な社会を実現するためにも、私たちはモノについて詳しく必要があるのです。では、なぜ知る必要があるのでしょうか。

地球に良いものを選択できるようになる

ここまで見てきたように、モノが作られる背景には、環境問題、資源枯渇、労働環境、貧困問題など多くの問題が発生していました。

例えばこれらの商品を購入し続ければ、企業は利益を得られるため、状況を改善しようとは思わないかもしれません。対して、消費者が選択しなくなれば、企業側が地球に配慮したモノづくりへとシフトしていくことも予想されます。

また、最近では「サスティナブル」に取り組む企業も増えており、買うだけで支援や環境改善につながる商品も増えています。具体的な例として、固形シャンプーのエティークを紹介します。

固形シャンプー「エティーク」
引用元:ethicame

これまでのシャンプーは液体であったため、ボトルや詰め替えパッケージにプラスチックを使用していました。しかし、昨今のプラスチックゴミ問題に着目したエティークは、シャンプーの固形化に成功。

これにより、紙のパッケージで販売が可能となり、さらには材料も児童労働などに加担していないものを使用しており、私たち消費者がエティークを購入するだけで、

  • プラスチックの削減
  • 労働者に適切な賃金が渡るようになる

などにつながるのです。

寄付やボランティアとなるとどうしても敷居が高くなるイメージを持つ方もいると思いますが、日常の買い物で少しだけ意識するだけで、地球が良い方向へと向かいます。

これはほんの一例ですが、今後の消費活動では、その商品がどのような工程を経て、お店に並んでいるのかを知れば、サスティナブルな社会の実現が近づくのです。

日常で実践できること

では、もう少し踏み込んで、日常で実践できるサスティナブルな取り組みをご紹介します。気軽に取り組めることが多いので、できそうなことからはじめてみましょう。

サスティナブルファッションを取り入れよう

ファッションでサスティナブルを意識するなら、購入の際にタグを見る癖をつけるといいでしょう。タグからは生産地や素材などの情報を得ることができます。洋服がどの国で作られ、どのような素材を使用しているのか、洋服の背景をイメージすることが大切です。

また、「安いから」「なんとなく使えそう」という感覚で購入せず、着回しがきき、長く愛用できる服を買うようにしましょう。

さらに、素材は合繊繊維をさけ、天然素材(コットン・シルクなど)や再生セルロース(キュプラ・レーヨン)などを選ぶことで、環境はもちろん、生産者の健康や、自分の肌にもやさしいため、積極的に選択することをおすすめします。

最近では「ヴィーガンレザー」といって、動物の皮を使用せずに見た目・質感を再現した合成樹脂の素材や、植物由来(りんご、サボテン、きのこ、パイナップルなど)の素材も増えています。

他にも、古着を購入することで服の生産を削減することができます。

このように、洋服ひとつをとっても私たちが見るべきポイントがたくさんあるため、「探すのが大変かも」と思う方もいると思います。

そこで次では、サスティナブルファッションに取り組むアパレルブランドを3つご紹介するので、チェックしてみてください。 

patagonia(パタゴニア)

アウトドアブランドとして人気のパタゴニアでは、オーガニックコットンや、リサイクル素材の生地を採用し、環境に配慮した取り組みを早くから意識していたブランドです。パタゴニアでは「製造するすべての製品が地球環境に影響を及ぼしていることを自覚している」といったメッセージを発信しており、製品の耐久性を重視することでごみの発生を抑えることと、生産に必要なエネルギーと水の消費を削減しています。

また、環境だけに配慮しているのではなく、社会的責任プログラムとして、労働環境にも力を入れています。

CASA FLINE(カーサフライン)

サスティナブルブランドとは思えないほど、おしゃれなレディースブランドカーサフライン。カーサフラインの服には、ひとつひとつにメッセージが込められており、生産者の思いが伝わるような、温かみのあるブランドです。エシカルな取り組みを示すアイコンが下げ札に記載されており、服のストーリーをその場で知ることができます。

商品以外にも、

  • 木製のハンガーを使用しプラスチックフリーを目指す
  • 紙ショッパーを布ショッパーに変更して、エコバッグとして使えるようゴミ削減に努める
  • オフィスの電気は再生可能エネルギーを使用
  • 生ごみをたい肥などに再生できるコンポストの設置

など、さまざまな取り組みを行っています。

NAGIE(ナギエ)

2021年3月にデビューした「NAGIE」は、人や、地球環境、社会を循環させることを目標に生まれたブランドです。ユニセックスで、ビジネスとスポーツシーンをシームレスにつなげるデザインはスマートで、現代にぴったりのブランドです。

今ある資源=再生素材(ポリエステル・コットン)を原料とした商品と梱包資材で、環境保全を目指しています。また、大量生産・大量廃棄を起こさないために、限定受注生産であることもポイントです。

そして地球にやさしいだけでなく、機能性やデザイン性にもこだわり、感性に響くような商品が展開されているので、公式サイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。

オーガニック食品を選ぼう

続いて食品の選択についてです。

先述したように、オーガニック食品を選ぶことは、環境問題、労働環境の解決と、化学肥料や農薬を使用していないことで、生産者、消費者どちらの健康も守ることができます

買い物でのポイントは、「有機JAS」マークがついている食品を積極的に選ぶようにしましょう。最近では、オーガニック食品を取り扱うスーパーやコンビニも増え、身近な場所で購入できるようになっています。

すべての食べ物をオーガニックにすることは難しいかもしれませんが、毎日飲むコーヒー、生で食べる野菜などを少しずつ取り入れることが長く続けられるコツです。

次では、筆者がおすすめしたいオーガニック食品を取り扱う専門店を紹介します。

Natural House(ナチュラルハウス)

Natural House(ナチュラルハウス)では、食品から調味料やコスメまでオーガニック製品を幅広く展開。有機原料や国産原料を優先した商品を取り扱っています。

ナチュラルハウスのプライベートブランドも展開されているので、良心的な価格のものもあるのがうれしいポイントです。

ビオセボン

パリ発のオーガニックスーパービオセボン。2018年に日本に上陸し、東京と神奈川を中心に展開しています。

ビオワインやチーズ、ナッツやドライフルーツなど幅広い種類が展開されているので、行くだけでも楽しめます。

こだわりや

関東を中心にデパートやショッピングモールに展開しているこだわりや。店舗自体はあまり大きくありませんが、商品はきれいに陳列され、棚にコンパクトに収められています。

化学的な農薬や肥料、合成添加物などを極力含まない食品は、どれも安心感があります。

自宅でできるアクションを実践しよう

最後に、サスティナブルな社会の実現に向けて、自宅でできるアクションを紹介します。

節水

節水することで、水の消費を抑えることができ、CO2も削減できます。

  • シャワーを出しっぱなしにしない
  • 節水できるシャワーヘッドに変える
  • 洗濯はまとめてする

節電

エネルギーの使用を控えることで、CO2を削減できます。

  • 使っていない部屋の電気は消す
  • 家族みんなでひとつの部屋で過ごす
  • エアコンの設定温度の調整する(夏:20℃、冬:28℃)
  • キャンドルナイトを楽しんでみる

 環境に配慮した製品を購入する

環境に配慮された製品を使うことで、資源を大切に出来ます。

  • 水質汚染を抑えるために、水の成分を汚さない成分を使用した洗剤やシャンプーを使用する
  • リサイクル素材を使用した商品を購入する
  • 省エネ家電に買い替える

ゴミの量を意識してみる

ごみを出さないようにしようと意識をすると、家からでるごみの量に驚かされます。いらないチラシなどは、ポストに「チラシ不要」のメモを書いたり、ラップの使用量を減らすためにシリコンラップを活用してみましょう。

理解を深める

著者:ベア・ジョンソン

ゆっくり時間を取れるなら、本を読んだり映画を見てサスティナブルの理解を深めるのもおすすめです。日常で実践できるヒントにたくさん気づけるはずです。

まとめ

この記事では、サスティナブルについて詳しく見てきました。

SDGsの影響もあり、身近な存在となった「サスティナブル」。しかし、「誰かがやってくれるだろう」という意識では、世界を変えることはできません。わたしたち1人ひとりが「サスティナブルな取り組み」の重要性を理解し、行動することが大切です!

身近な友達が困っている時に、手を差し伸べるような感覚で、サスティナブルな選択ができれば、持続可能なやさしい社会につながります。ぜひ意識してみてはいかがでしょうか。

参考文献
資源エネルギー庁 一次エネルギーの動向
特定非営利活動法人 日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会
環境庁 SUSTAINABLE FASHION
消費者庁 プラントベース食品って何?
国際連合広報センター