日本よりも乾燥しているオーストラリアでは、バリエーション豊富な保湿アイテムが販売されています。
しかし、化粧品業界は環境への負荷が大きく、廃棄物、汚染、動物福祉などの環境問題を抱えているのも実情です。
そんな中で登場したのが、羊毛からヒントを得た保湿系コスメブランド・Lanolipsです。
保湿だけでなく環境への優しさにも配慮しており、サスティナブルな製品づくりを実現しています。
今回はLanolipsが行うエコな取り組みについて解説していくので、「海外の化粧品がどんな保全活動をしているのか気になる」「エコ大国のコスメについて詳しく知りたい」という方はぜひ参考にしてくださいね。
Lanolipsの歴史
シドニーを拠点としているLanolips(ラノリップス)は、オーストラリアの農場で生まれ育ったKirsten Carriol氏によって2000年代に創設されました。
Kirsten Carriol氏は幼少期に、農場で羊の毛を借り続ける祖父の手がいつも柔らかくなめらかであることに気が付きます。
彼女がDNA科学者である父親にそのことを話したところ、羊毛にはラノリンと呼ばれる成分が含まれており、ラノリンには人間の皮脂に似ていることから乾燥予防に役立つことを教えられました。
その後、大人になったKirsten Carriol氏は、乾燥から身を守るためのヒントとして羊毛によって常に潤っていた祖父の手を思い出し、ラノリンを使った保湿系コスメブランド・Lanolipsを創立することを決意しました。
Lanolipsの製品と効果
Lanolipsの主力製品は、保湿効果の高いリップバームです。
無香料タイプから香り付きまでさまざまな種類のリップバームが販売されており、いずれの製品にもラノリンが主成分として含まれています。
また、リップバーム以外にも、ラノリンを含む化粧下地、ボディクリーム、フェイスクリームといった多彩な製品が販売されているため、顧客は自身のニーズに合わせて最適な製品を選べるようになっています。
化粧品業界が与える環境負荷とは?
私たち日本人にとっても身近な化粧品ですが、多方面における環境問題が懸念されていることはご存知でしょうか?
化粧品にはプラスチック、鉛、カドミウム、パラベンなどが含まれている製品もあり、廃棄される際に合成化学物質や有害物質が土中に長期的に残留することで土壌汚染に繋がる可能性が高くなっています。
また、パッケージの多くにはプラスチックが採用されているため、マイクロプラスチックによる海洋汚染も懸念されています。
化粧品業界だけで少なくとも1,200億単位でのパッケージによる廃棄物が生まれており、環境に優しいパッケージについて考えることが重要です。
さらに、化粧品業界は動物実験を頻繁に行っている企業も多く、動物福祉の観点でも問題があります。
毎年約1億1,500万匹の動物が動物実験の被害に遭っていることから、サスティナブルな未来を作るためにも動物福祉に配慮した運営が必須となっています。
Lanolipsが実践するエコ活動
ここでは、Lanolipsが環境保全のために取り組んでいるエコ活動の詳細についてご紹介していきます。
有害物質の除去
化粧品=環境負荷が大きいと言われる理由のひとつが、有害物質による環境汚染です。
土壌汚染、大気汚染、水質汚染などが懸念されていますが、Lanolipsではパラベンや硫酸塩を含む有害な化学物質を一切使うことなく製品を製造しています。
尚、Lanolipsでは全ての製品に含まれる成分を公式ホームページにて公開しています。
100%天然由来ではない製品に関してはそれぞれの割合を明記しており、顧客が成分を見ながら製品を選べる点がポイントです。
持続可能性の高い資源の利用
Lanolipsで販売される製品の主成分は、羊毛に含まれるラノリンです。
製品の製造には羊毛が必要不可欠となりますが、Lanolipsではオーストラリア及びニュージーランドの農園と契約して羊毛を調達しています。
羊毛は継続的に伸びていくため、毎年農園では刈り取り作業を行わなければなりません。
多くの羊毛は廃棄物として削減されていますが、Lanolipsでは羊毛を化粧品として再利用することによって廃棄物の削減に貢献しています。
尚、Lanolipsが契約する農園は全て動物福祉や自然環境に配慮した運営を行っており、サスティナブルな農園と契約を結ぶことで持続可能性の高い製品の製造に繋がっています。
パッケージの定期的な見直し
化粧品業界は、年間で1,200億単位ものパッケージによる廃棄物を排出しています。
素材によっては海洋汚染や土壌汚染に繋がるリスクも高いため、Lanolipsではエコなパッケージを採用するために2019年に以下のような対策を行いました。
- 金属のチューブキャップを廃止し、環境に優しいプレーンキャップへ置き換え
- プラスチック製パッケージの廃止
- プラスチック製パックトレイの廃止
- 紙箱に使われていたプラスチックコーティングの廃止
尚、Lanolipsで販売している人気製品・GLOSSYBALMSのパッケージには、80%サトウキビ由来のバイオプラスチックを採用しています。
また、そのほかの製品のパッケージについても、2年以内にエコな素材への切り替えを計画しています。
動物福祉への配慮
オーストラリア政府は、化粧品における動物実験の取り締まりを行っています。
しかし、あくまで完成した化粧品を動物に使うことを禁止しているため、完成前の段階で成分の検査に動物を使う企業は未だに存在しています。
世界では毎年1億1,500万匹もの動物が使われていると言われており、動物実験の被害は深刻です。
Lanolipsは動物と共存するサスティナブルな未来を作るために動物実験を一切行わないポリシーを掲げているほか、クルエルティフリー認証制度であるLeaping Bunny(リーピングバニー)にも認定されています。
自社はもちろん、サプライヤーでも動物実験を禁止しており、定期的にサプライヤーへの監視を行うことで動物に優しい運営体制を維持しています。
森林火災や干ばつ被害への寄付
降水量の減少や熱波が頻発するオーストラリアでは、定期的に森林火災が起きています。
特に1990年代半ば以降に被害が深刻化しており、2019年10月頃から2020年の2月頃にかけては大規模な森林火災も発生しました。
森林火災によってオーストラリアの木々が消失するのはもちろん、野生動物の個体数や生息地にも大きな影響を及ぼすため、生態系を守るためにも森林火災への対策マネジメントや消火活動を支援することが大切です。
LanolipsではWires Wildlife Rescue、ニューサウスウェールズ州消防局、 ポートマッコーリーコアラ病院などへ寄付することで、森林火災への対応や野生動物の保護を行う施設をサポートしています。
エコな企業との環境コラボ製品
自然環境への保全意識が高いLanolipsでは、自社と同様にエコな活動を行っている企業・Messinaとのコラボ製品を販売しています。
Messinaはニューサウスウェールズ州生まれのジェラートショップで、国内での農業・酪農生産による輸送時の二酸化炭素の排出量削減、コンポスト化可能な容器の採用、食品ロスの削減、持ち帰り用ケースのリサイクル化といった多彩な環境保全活動を行っている企業です。
コラボ製品を作ることでLanolipsやMessinaの顧客がそれぞれの製品や企業に興味や関心を持つ機会が増えるため、Messinaの人気フレーバーを彷彿とさせる香り付きのリップバームを販売しています。
Lanolips は日本でも購入できる?
2024年7月時点において、日本国内ではオンラインショップでのみLanolipsの製品を購入できます。
海外の化粧品を取り扱うLookfantastic JapanやBUYMAなどの海外ブランドサイトで取り扱っているので、気になる方はぜひチェックしてみましょう。
まとめ
環境負荷が大きな化粧品業界。
保湿系コスメブランドのLanolipsは、有害物質、森林火災、動物実験、廃棄物といったさまざまな環境問題に向き合っています。
持続可能性の高い未来をつくるためにも、製品の品質はもちろん、環境保全にも力を入れているエコなコスメを選んでいきたいですね。