
SDGsの目標を詳しく調べていると、難しい内容が多くてハードルが高いかも…
このように感じている人も多いと思います。
自分ごとすることが大切なSDGsでは、もう少し簡単に目標を身近に感じたいですよね。
そこで「目標をわかりやすく」シリーズでは、ポイントを絞って目標を考えていきます。
シリーズ第1弾 目標1「貧困をなくそう」をわかりやすくはこちらから!
目次
目標2「飢餓をゼロに」の意味と現状
目標2のポイントは、「飢餓に苦しむ人をゼロにするために解決策を考える」「農業」の2点です。
目標のキャッチコピーに「飢餓」が入っているため、飢餓の解決に目が向きがちですが、実は農業にもスポットを当てています。持続可能な農業を実践できるようになれば、支援に頼らなくても飢餓を解消できるはず、という考え方です。
昔から「魚を与えるのではなく釣り方を教えろ」と言われていますが、SDGsでは魚も与えるし釣り方も教えることを目指しています。
目標2「飢餓をゼロに」は、世界中で飢えている人をゼロにすることを意味しますが、実際には飢餓の原因は複雑で、貧困や自然災害、紛争などが重なり合っています。
SDGs目標2『飢餓をゼロに』は、『世界の飢餓』という遠い話に思われがちですが、実は私たちの生活習慣や食料の使い方と密接につながっています。
2024年時点では、世界で約6億〜7億人もの人が飢餓や栄養不足に直面していると報告されており、その多くはアフリカや南アジアに集中しています。この目標は、『誰もが安全で十分な食料を得られる社会』をつくるための約束です。
この節では、飢餓の定義と、世界の飢餓人口が集中している地域、そしてその背景にある要因を順に見ていきます。
キーワード①飢餓について
まずは、「そもそも飢餓って何?」というところから始めましょう。
飢餓の定義と現実のイメージ
飢餓のない世界を目指す国際協力NGOのハンガーフリーワールドによると、
“飢餓”とは、長期間にわたり十分に食べられず、栄養不足となり、生存と社会的な生活が困難になっている状態をさします。
国連食糧農業機関(FAO)では栄養不足を、「十分な食料、すなわち、健康的で活動的な生活を送るために十分な食物エネルギー量を継続的に入手することができないこと」としています。
つまり、栄養バランスのとれた食事を取るのが困難な状態を飢餓と呼ぶのです。
お腹いっぱい食べられたとしても栄養が偏っていれば、子どもの成長に深刻な影響を及ぼしてしまいます。そして妊婦さんや授乳中のお母さんが栄養を取れなければ赤ちゃんも健康に育ちません。
さらに全年代に共通するのは、栄養不足が続くと病気にもかかりやすくなってしまうということです。
このように飢餓に陥るとあらゆる問題が深刻化してしまいます。
この飢餓に苦しんでいる人は、目標1「貧困をなくそう」の貧困層に多く見られます。
飢餓の原因:貧困・自然災害・紛争
飢餓に陥る原因は①貧困②自然災害③紛争の3つが挙げられますが、とりわけ紛争が続く地域では、飢餓が深刻化しやすいとされています。
2025年に発表された「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI 2025)」によると、アフリカや西アジアでは、紛争や長期的な食料危機が重なり、飢餓人口の割合が世界平均よりも高い水準にとどまっています。
2024年時点では、アフリカだけで飢餓に直面している人が世界の約20%以上と報告されており、紛争が飢餓を悪化させる要因となっていることが明らかになっています。
紛争が起きれば住む場所を捨てて避難しなければなりません。その場合は難民キャンプに避難する場合が多いのですが、そこでは1日一人あたり1,900キロカロリー分の食べ物が支給されています。
一見飢餓に苦しまない環境だと思われますが、お金が必要であるため、支給された食料を他の人に売ってしまうケースも見られると言います。
世界の飢餓人口と地域別の現状
貧しい暮らしを強いられているのは、主にサハラ以南のアフリカと南アジアに住む人々です。
2025年に国連食糧農業機関(FAO)などが発表した「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI 2025)」によると、2024年時点で世界で飢餓や栄養不足に直面している人は、約6億3,800万人から7億2,000万人にとどまり、世界人口の約7.8%~8.8%を占めています。この中でも、アフリカや南アジアに多くが集中しています。
難民キャンプでは飢餓以外にも水不足、医療や教育が受けられないなどさまざまな問題が発生しているため、SDGsで掲げる他の目標(3「すべての人に健康と福祉を」4「質の高い教育をみんなに」6「安全な水とトイレを世界中に」)の達成が遠のいてしまいます。
つまり、ただ食糧を支援するだけではなく、平和な世界を目指すことや水道などのインフラ整備、医療の普及などさまざまな面で取り組みを進めなければなりません。これらのことについては、他の目標で詳しく説明するので、一旦話を飢餓に戻しましょう。
キーワード②持続可能な農業について
これからは生産者・消費者・環境すべての面に配慮した農業のあり方を考えなければなりません。これをSDGsでは持続可能な農業としています。
日本で生活していると、おいしい農作物がいつでも手に入る環境にあります。これは、農家の方々はどうすればおいしい作物ができるか、たくさん収穫できるかを試行錯誤してノウハウを蓄積してきたためです。
途上国に目を向けると、ノウハウがないために、上手に作物が育たないことも多く見受けられます。もう少し踏み込むと、生計を立てるためにはたくさん作らなくてはならないことから、有害だとわかっていても大量の農薬を散布していることもあります。
これは、作っている人、食べる人のどちらの体にとっても悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
実際に健康への被害も報告されていますし、大量の有害な農薬は土壌にも深刻な影響を及ぼしてしまうのなど、多くのデメリットがあります。
将来にわたり、すべての人が健康に過ごすための農業の方法を実現するために、世界中のノウハウを途上国の人たちに伝え、現地の気候や風土に合ったやり方を確立することが求められているのです。
日本国内における持続可能な農業の取組事例は農林水産省公式サイトで公開されています。北海道の「草地植生改善プロジェクト」といった地域ごとの事例が確認できるので、ぜひご覧ください。
ハンガー・フリー・ワールド「飢餓とは」
国連食糧農業機関「世界の食料安全保障と栄養の現状 SOFI」(FAO駐日連絡事務所)
国連食糧農業機関・国連世界食糧計画など「世界の飢餓人口は減少傾向にあるものの、アフリカと西アジアでは増加:国連報告書」
農林水産省「持続可能な畜産物生産の取組事例集について」
個人ができること
目標2の達成に向けて個人ができることとしては⑴寄付⑵ボランティアに参加などが挙げられます。
⑴寄付
目標1「貧困をなくそう」とも共通する話となりますが、寄付することで途上国に食糧が届けらるなどの支援につながります。
色々な団体があって悩むかもしれませんが、一番わかりやすいのは「国連WFP」への寄付です。
国連WFP(世界食糧計画)は、飢餓と貧困を撲滅するために、災害や紛争が起きた地域での緊急食料支援や、栄養状態の改善、学校給食の提供などを行っている国連機関です。
日本からも国連WFP協会を通じて多くの個人寄付が寄せられており、2024年度には約25.9億円の寄付が集まり、そのうち約19.4億円が実際に世界の支援現場に送られています。
2024〜2025年度には、各国からの寄付を資金としてアフリカやアジアなど120カ国以上で活動を展開しており、ミャンマーやパレスチナなど、戦争や地震などの災害に見舞われた地域への緊急食料配布や、子どもたち向けの学校給食支援などを中心に行っています。
⑵ボランティアに参加
先ほど紹介した国連WFPではイベントや事務作業のボランティアを募集しています。ボランティアとして参加することで、さらに世界の飢餓についての状況が見え、考える機会になるかもしれません。
ボランティア向けの勉強会も開催しているとのことなので、こちらもぜひ目を通してみてはいかがでしょうか。
また、今回の話では触れていませんが、日本にも食べ物に困っている人はたくさんいます。そのような人たちに向けたボランティアも、炊き出しやフードドライブなどたくさんあります。
フードドライブは家庭で余っている食べ物を仲間内で持ち寄り、福祉施設や支援団体に寄付する活動のことです。全国各地で寄付を受け付けているので、友達と食材を持ち寄って寄付するのもいいかもしれません。
他にもアクティボなどのボランティア募集サイトがあるので、チェックしてみるのもいいでしょう。
目標2「飢餓をゼロに」を達成するために行動を起こそう!
ここまで目標2「飢餓をゼロに」についてポイントを絞ってみてきました。
飢餓はなんとなく自分とは関係がなさそう…と自分ごと化するのが難しい内容かもしれません。しかし、今現在、お腹を空かせて苦しんでいる人たちがたくさんいます。
ぜひこの記事をきっかけに飢餓についての現状を知り、自分にできることがないか探してみてはいかがでしょうか。
目標2「飢餓をゼロに」についてもっと詳しく知りたい方はスペースシップアースの記事をチェック!
この記事を書いた人
大越 ライター
Spaceship Earthの編集長です。 このサイトをきっかけにSDGsが「自分ごと」となり、行動に移すお手伝いができるよう、さまざまなコンテンツを発信していくのでよろしくお願いします。
Spaceship Earthの編集長です。 このサイトをきっかけにSDGsが「自分ごと」となり、行動に移すお手伝いができるよう、さまざまなコンテンツを発信していくのでよろしくお願いします。