フットサル、野球、ランニング、サイクリング、テニスなど、スポーツが趣味という方も多いのではないでしょうか?
ストレス発散や体力向上といった健康面におけるメリットがたくさんあるスポーツですが、実はスポーツには温室効果ガスの排出量やプラスチック問題といった環境デメリットもあります。
オーストラリアのRebel Sportsは、環境への負荷を最小限に抑えながら人々がスポーツを楽しめるようにさまざまなエコ活動を行っているスポーツ用品メーカーです。
この記事ではRebel Sportsが実際に行っている取り組みについてご紹介していくので、「日常的にスポーツをしているけど環境問題について考えたことがなかった」「エコ大国がどうやってスポーツと環境保全への両立を目指しているのか知りたい」という方はぜひチェックしてみましょう。
Rebel Sportsの概要
ニューサウスウェールズ州に本社を構えるRebel Sports(レベルスポーツ) は、シドニー南西部のバンクスタウンにて1985年に創業しました。
幅広くスポーツ用品を取り扱う企業として知られており、ラグビー、バスケットボール、ボクシング、野球、クリケット、ゴルフ、サイクリング、水泳、スケートボードをはじめとするスポーツ用品を販売しています。
また、ナイキやアディダスなどのスポーツブランドの商品も豊富で、靴、衣類、サングラス、帽子、時計といったスポーツに関連するさまざまなアイテムを購入可能です。
Rebel Sportsは特にスニーカーの売り上げが多く、オーストラリア国内における靴小売市場全体の8.8%を占めています。
2024年時点でオーストラリア国内に160の店舗を構えており、スタッフ数は6000名にも及びます。
スポーツ産業と環境問題の関連性とは?
私たちにとって身近なスポーツですが、実はスポーツ産業は環境への負荷が大きいと言われています。
ユニフォームやボールなどを製造するにあたって約3億5,000万トンの二酸化炭素を排出しているとされており、約250億本の杉の木が1年間に吸収する二酸化炭素の量に匹敵します。
また、段ボール、プラスチック、ガラス瓶、衣類、塗料、ボール、電池、建設資材など、スポーツ産業は廃棄物が多い点も特徴的です。
例として、プロテニスでは一定の時間ごとに6個のボールを新しく替える必要があり、ボール自体のライフサイクルが非常に短くなっています。
多くのテニスボールにはナイロンやポリエステルといった合成繊維を含む繊維フェルトが使われ、生産されるテニスボールの数は毎年約3億2,500万個です。
合成繊維は生分解性ではないことからプラスチック問題に起因しており、テニスボールのみに焦点を当てても年間2万トンの非分解性廃棄物が発生していることになります。
スポーツ産業全体が多くの廃棄物を生み出しているため、環境保全のためにもエコなスポーツ用品の使用などを検討することが大切です。
Rebel Sportsが取り組むエコ活動とは?
スポーツ産業が与える環境への負荷を考えて、Rebel Sportsではサスティナブルなスポーツ用品の販売や価値観の啓発を行っています。
中でも特に廃棄物の削減に力を入れており、具体的には以下のような取り組みを実践しています。
靴のリサイクル
Rebel Sportsでは、市民が簡単に靴をリサイクルできる環境を整えています。
人口は約2,700万人と言われるオーストラリアですが、靴の輸入数は毎年2,500万足以上です。
輸入されている靴の大部分がリサイクルではなく廃棄物として処理されており、推定1100万足の靴がオーストラリアの海洋ゴミに変化しています。
靴や部品が完全に分解されるまでには、一般的に1,000年の時間を要します。
海洋ゴミに繋がっている靴の4分の1がスニーカーであるという統計を目の当たりにしたRebel Sportsは、Tread Lightlyと提携して靴の回収をスタートしました。
Tread Lightlyはリサイクルに対する国家的プログラムであり、不要になったスニーカーなどの運動靴を集めてクイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州にて分別しています。
繊維やゴムを含む全てのパーツを100%リサイクルする点が特徴で、分別された靴や部品はリサイクル素材と混合してジムマットや床などの素材に生まれ変わる仕組みです。
2024年時点で合計96万足が回収されており、480トンのリサイクルに成功しています。
Rebel Sportは店舗に回収スポットを設置することで、靴が海洋ゴミとして廃棄されるリスク軽減に貢献しているのです。
スポーツボールのリサイクル
年間多くのボールが廃棄されていることを受けて、Rebel Sportではボールの回収及びリサイクルサービスも行っています。
ボールをリサイクルするGame On Recyclingと提携しており、市民は不要になったボールを回収ボックスに入れるだけで廃棄量を減らせるシステムです。
リサイクルの対象となるのはサッカー、バスケット、ラグビー、アメリカンフットボール、バレーボール、水球、テニス、卓球のボールと幅広く、子ども用のボールやバドミントンの羽根なども含まれています。
「古くなったボールをどうやって処分すればいいのか分からない」「スポーツをしているのでボールの廃棄量が多くなりやすい」といった人々のニーズを満たすプロジェクトとなっており、リサイクルへの誤った認識による素材の汚染などを軽減できる点もポイントです。
尚、回収されたボールはメルボルンの施設に送られた後、5mmの破片に顆粒化されてさまざまな製造プロセスに使用されます。
プロジェクトは2022年にスタートしており、2024年までに35トンのボールのリサイクルに成功しています。
再利用可能なリサイクルバッグ
買い物袋が廃棄される確率を下げるべく、Rebel SportではRebelリサイクルバッグと呼ばれる再利用可能な袋を販売しています。
Rebelリサイクルバッグはポリプロピレン織物から製造されており、軽量で耐久性に優れている素材です。
また、汚れても簡単に拭き取れるというメリットもあることから、「購入後にスポーツバッグとして活用したい」「グラウンドに持って行くから汚れに強いバッグが良い」という人々から高評価を得ています。
エコ製品の販売
Rebel Sportは靴やボールの回収だけでなく、リサイクル製品の積極的な販売も行っています。
Conscious Collectionと呼ばれるSDGsを目的とした製品ラインでは、リサイクル素材で作られた靴やヨガマットなどを取り揃えています。
人々が手軽に環境保全に貢献できる製品としてエコ意識の高い顧客からの支持率が高く、結果としてリサイクル率アップに繋がっている活動です。
靴を長く使うためのアイデア提供
オーストラリア人が靴を買い替える主な理由として挙がりやすいのが、靴の汚れです。
自然が多いオーストラリアでは靴を清潔な状態で保ちにくいという声も多く、耐久性に問題がないにもかかわらず処分される靴がたくさんあります。
そこでRebel Sportでは、キャンバス、ファブリック、レザーといったさまざまな素材の靴の正しいお手入れ方法やメンテナンスの手順を公式ホームページで解説しています。
靴を長く使うことで廃棄物削減に直結するため、人々のニーズに合わせた情報提供に力を入れているのです。
LGBTIQ+コミュニティへの積極的な支援
あらゆる面でサスティナブルな未来を目指すRebel Sportでは、全ての人々が権利と幸福を尊重し合って暮らせる社会づくりに取り組んでいます。
主な活動として含まれるのがLGBTIQ+コミュニティへの支援で、性自認に関係なく多様性を受け入れるための啓発を行っている点が特徴です。
例として、公式ホームページにてLGBTIQ+コミュニティに属する社員のインタビュー掲載や、主力製品にレインボー柄を加えるなどが挙げられます。
まとめ
Rebel Sportsでは多方面におけるエコ活動を行っており、特に廃棄物削減に力を入れています。
消費サイクルが短いとされるボールやスポーツ用品でも、使い方や選び方を工夫することで環境に配慮することは十分可能です。
エコなスポーツ用品やメンテナンス方法などを意識して、自分自身の健康だけでなく地球にも優しいライフスタイルを心掛けたいですね。