
ムダ毛処理の手間を減らし、すべすべ肌を目指せるとして人気の高い「レーザー脱毛」。近年では医療脱毛が一般的になりつつあり、その効果や安全性にも注目が集まっています。しかし、「どうして毛が生えなくなるの?」「発がん性はあるのでは?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。そのような方に向けて、レーザー脱毛の仕組みや期待できる効果、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
目次
レーザー脱毛の原理とは?仕組みについて解説
レーザー脱毛は、毛に含まれる黒い色素(メラニン)に反応する特定の波長のレーザー光を肌に照射し、その光エネルギーを熱に変換することで脱毛効果を得る仕組みです。
変換された熱は毛根や発毛に関わる細胞(毛母細胞やバルジ領域)に伝わり、これらの組織を破壊することで毛の再生を抑えます。
レーザー脱毛には、「熱破壊式」と「蓄熱式」の2つの方法があります。それぞれの特徴を、以下の表にまとめました。
方式 | ターゲット組織 | 照射方法 | 痛み | 得意な毛質 |
---|---|---|---|---|
熱破壊式 | 毛母細胞・毛乳頭 | 高出力・単発照射 | 強い場合あり | 太く濃い毛 |
蓄熱式 | バルジ領域 | 低出力・連続照射 | 弱い | 産毛や細い毛も可 |
熱破壊式は高温で毛根を瞬時に破壊し、蓄熱式は比較的低温の熱をじわじわと加えることでバルジ領域に作用し、脱毛効果を発揮します。
どちらの方法でも毛の成長サイクル(毛周期)に合わせて複数回の施術が必要で、継続することで永久脱毛に近い効果が期待できます。
選択的光熱融解という現象の利用
レーザー脱毛は、「選択的光熱融解(せんたくてきこうねつゆうかい)」という現象を利用しています。
これは、毛の黒い色素(メラニン)にだけ反応するレーザー光を当て、そのエネルギーを熱に変えて毛根や毛を生やす細胞をダメージさせることで、脱毛効果を得る方法です。
この働きによって、必要な部分の毛だけをピンポイントで処理でき、周りの皮膚に余計なダメージを与えずに済みます。
この脱毛効果をしっかり発揮するためには、次の3つの条件が大切です。
- 毛の黒い色素に反応し、毛根まで届くちょうどよい波長のレーザーを使うこと
- 毛の細胞が熱を逃がす前にしっかりダメージを与えられるよう、短い時間で光を当てること
- 毛根や発毛組織を壊すのに十分なエネルギーを照射すること
たとえば医療脱毛では、こうした条件を満たしたレーザーを使うことで、毛の根元にしっかり熱を届けて脱毛します。
この方法により、肌への負担をできるだけ少なくしながら、ムダ毛の処理やシミ取りといったケアが可能になります。
レーザー脱毛の仕組み・流れ
ここからは、レーザー脱毛の仕組みや施術の流れについて詳しくご紹介します。
①単一のレーザー光をピンポイントで照射
レーザー脱毛では、特定の波長を持つ単一のレーザー光を、あらかじめ剃毛した肌にピンポイントで照射します。
このレーザーは黒い色素(メラニン)に反応しやすいため、毛に効率よくエネルギーが集中し、肌の表面や周囲の組織にはほとんど影響を与えません。
照射されたレーザーは皮膚表面を通過して、毛穴の奥に残っている黒い毛に直接作用します。
これにより、毛の根元までしっかりとエネルギーが届き、高い脱毛効果が得られます。
さらに、レーザーの種類や出力は、施術部位や毛質に応じて細かく調整できるため、太い毛や細い毛、デリケートな部位にも対応可能です。
狙った毛だけにピンポイントで照射することで、無駄なダメージを避けつつ、効率的に処理できる点が、レーザー脱毛の大きな魅力です。
②メラニンが光を熱に変換
レーザー光が毛に照射されると、毛に含まれる黒い色素(メラニン)がそのエネルギーを吸収します。吸収されたエネルギーは瞬時に熱へと変わり、毛の内部で高温が発生します。
メラニンは毛に多く含まれているため、熱は主に毛や毛根部分に集中し、周囲の皮膚組織への影響は最小限に抑えられるのが特徴です。
この仕組みは「選択的光熱分解」と呼ばれ、標的となる毛だけを効率よく熱で破壊することができます。
このようにして生じた熱が毛根や発毛組織に届くことで、発毛機能が損なわれ、脱毛効果が得られるのです。
特に、レーザーの波長や照射時間(パルス幅)は、メラニンへの吸収効率や肌への安全性を考慮して設計されており、効率的な熱変換によって高い脱毛効果が期待できます。
③毛根組織を弱らせる
レーザーを当てると、その熱が毛の根元やまわりにある「毛が生えるために必要な部分」に伝わります。たとえば、毛をつくる細胞や、栄養を届ける部分、バルジ領域(毛を生やす指令を出す場所)などです。
これらの部分は、毛が生えたり伸びたりするためにとても大事な働きをしています。
熱の影響でダメージを受けると、毛をつくる細胞が壊れたり、毛のもとになる幹細胞の働きが低下したりします。
特に最近注目されているのが「バルジ領域」と呼ばれる部分です。ここには毛の元となる細胞がたくさん集まっていて、この部分を狙って処理することで、より高い脱毛効果が期待できます。
④毛が再生しなくなる(しにくくなる)
毛根やバルジ領域などの発毛組織が熱の影響で破壊または働きを失うと、その毛穴からは新しい毛が生えにくくなります。
施術後1〜2週間ほどで毛が自然に抜け落ち、毛の成長サイクルに合わせて複数回の施術を重ねることで、次第に自己処理がほとんど不要な状態へと近づいていきます。
ただし、毛には「成長期」「退行期」「休止期」という周期があり、レーザー脱毛が効果を発揮するのは「成長期」の毛だけです。
そのため、すべての毛穴にしっかりアプローチするには、回数を分けて施術を行う必要があります。
最終的には、多くの毛穴が発毛の機能を失い、長期間にわたって毛が生えにくくなる「永久脱毛」に近い効果が期待できます。
レーザー脱毛と毛周期の関係性とは?効率よく脱毛を進める方法
レーザー脱毛の効果を最大限に引き出すためには、毛周期を理解し、それに合わせたタイミングで施術を受けることが大切です。
毛周期とは、毛が生えてから抜け落ちるまでのサイクルのことで、「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階があります。
段階 | 特徴 |
---|---|
成長期 | 毛が太く長く成長し、毛根が活発に新しい毛を生み出す時期。メラニンが豊富で脱毛効果が高い。 |
退行期 | 毛の成長が止まり、毛が細く弱くなり、徐々に毛根から離れて自然に抜け落ちる準備をする時期。 |
休止期 | 毛が抜け落ち、新しい毛が生えるまでの休憩期間。毛根組織は休止し、次の成長期に備える。 |
レーザー脱毛は黒い色素(メラニン)に反応する仕組みのため、メラニン量が多い「成長期」の毛にしか十分な効果を発揮できません。
成長期以外の毛には、レーザーの熱が毛根組織まで届きにくく、脱毛効果が下がってしまいます。
そのため、すべての毛が同時に成長期になることはなく、毛周期に合わせて複数回の施術を行う必要があります。
毛周期に応じて適切な間隔で通院し、施術を継続することが、効率よく脱毛効果を高めるための重要なポイントです。
レーザー脱毛は効果を実感できるまでどれくらいかかる?効果持続期間についても紹介
レーザー脱毛は、効果を実感するまでに複数回の施術が必要です。ここからは、効果があらわれるまでの目安や、その持続期間について詳しく解説します。
効果が現れるまでの期間はどのくらい?
レーザー脱毛の効果は、施術直後ではなく、一般的に1〜2週間ほど経ってから毛が自然に抜け始めることで実感されます。
特に「熱破壊式」のレーザー脱毛では1〜2週間、「蓄熱式」では3〜4週間ほどで効果を感じるケースが多いです。
ただし、毛量の減少や自己処理の回数が減るといった、目に見える変化を実感しやすくなるのは、3回目の施術を終えた頃が目安とされています。
脱毛効果を最大限に得るためには、毛周期に合わせて2〜3ヶ月ごとに継続的な施術を受けることが大切です。
レーザー脱毛は永久に毛が生えないって本当?
レーザー脱毛は「永久に毛が生えない」と言われることがありますが、正確には「半永久的に毛が生えにくくなる」という表現が適しています。
医療レーザー脱毛は、毛根や毛乳頭などの発毛組織を熱で破壊することで、その毛穴からの毛の再生をほとんど抑えます。
ただし、永久脱毛の定義は「最終施術から1カ月後の毛の再生率が20%以下の状態」とされており、完全に一生毛が生えないわけではありません。
ホルモンバランスの変化や個人差により、わずかに毛が再生する場合もありますが、自己処理がほぼ不要な状態を長期間維持できるのがレーザー脱毛の大きな特徴です。
部位ごとに必要なレーザー脱毛の回数はどれくらい?
部位 | 効果実感回数 | 脱毛完了回数(自己処理不要) |
---|---|---|
顔 | 5~8回 | 10回以上 |
ワキ | 3~5回 | 5~8回 |
腕・脚 | 3~5回 | 8回以上 |
背中・お腹 | 5~8回 | 8~10回 |
VIO | 5回程度 | 10回以上 |
レーザー脱毛に必要な回数は部位によって大きく異なります。
たとえば、ワキや腕・脚は比較的早く効果を感じやすく、3〜5回程度で毛量の減少を実感する方が多いです。
一方、顔や背中、VIOは毛が細かったり皮膚が薄かったりするため、効果を実感するまでに、ほかの部位より多くの回数が必要になる傾向があります。
ただし、毛質や肌質、ホルモンバランスなど個人差が大きいため、あくまで目安としてご参考にしてください。
レーザー脱毛にデメリットはある?行うにあたっての注意点とは
レーザー脱毛には、毛の質によって効果に差が出やすい、日焼け肌には適さない、美容脱毛より費用が高めといったデメリットがあります。
施術を検討する際は、以下の注意点を理解しておきましょう。
毛の質によって効果に差が出てしまう
レーザー脱毛の大きなデメリットの一つが、毛の質によって効果に差が出てしまう点です。
レーザー脱毛は、毛の黒い色素(メラニン)に反応して熱エネルギーを発生させ、毛根や発毛組織を破壊する仕組みです。
そのため、ワキやVIO、すね毛などの太くて濃い毛はメラニン量が多く、レーザーがしっかり反応しやすいため、比較的早く効果を実感できます。
一方で、顔や背中、うなじなどの産毛や細い毛、色素が薄い毛はレーザーの反応が弱く、効果を感じるまでに回数や期間が多く必要になる傾向があります。
また、施術を重ねて毛が細くなってくると、さらにレーザーの反応が鈍くなり、後半は脱毛効果を実感しづらくなることも少なくありません。
近年では、産毛にも対応できる脱毛機が登場していますが、脱毛の効果には部位や毛質による個人差があります。
そのため、毛の質に合わせた機器や出力設定、適切な施術回数を見極めることが大切です。
レーザー脱毛は日焼け肌弱い
レーザー脱毛は、日焼け肌には不向きという大きなデメリットがあります。
レーザー脱毛の原理は、毛の黒い色素(メラニン)にレーザー光が反応し、熱エネルギーを発生させて毛根組織を破壊する仕組みです。
しかし、日焼けした肌にはメラニン色素が多く含まれているため、レーザーが毛だけでなく肌のメラニンにも反応してしまいます。
その結果、火傷や赤み、色素沈着などのリスクが高まり、場合によっては施術自体を断られるケースも少なくありません。
また、日焼け肌では毛と肌のメラニンのコントラストが低下し、レーザーのエネルギーが毛根に集中しづらくなるため、脱毛効果も下がってしまいます。
安全性を考慮してレーザーの出力を下げて施術する場合、十分な効果が得られず、必要な回数や期間が増えることもあります。
このため、レーザー脱毛を受ける際は日焼けを避け、紫外線対策を徹底することが重要です。
美容脱毛に比べて値段が高め
レーザー脱毛(医療脱毛)は、美容脱毛(エステ脱毛)と比較して費用が高めである点がデメリットとして挙げられます。
全身脱毛の相場を見ると、医療脱毛は5回コースで約30万円、美容脱毛は同じ回数で約15万円と、1回あたりの料金や総額ともに医療脱毛の方が高く設定されています。
顔やVIOを含むプランでは、医療脱毛がおよそ35万円、美容脱毛が約15万円と、両者の価格差はさらに大きくなるのが特徴です。
この価格差の背景には、医療脱毛が高出力のレーザーを使用し、少ない回数で発毛組織をしっかり破壊できるため、短期間で高い脱毛効果を得られることが挙げられます。
美容脱毛は低出力の光やレーザーを用いるため、1回あたりの料金は安いものの、脱毛完了までに必要な回数が多く、長期間通う必要があります。
そのため、初期費用や短期間での支払い負担は医療脱毛の方が大きく感じられるでしょう。
ただし、最終的な脱毛効果や自己処理不要の状態を目指す場合、トータルコストが逆転するケースもあるため、予算や希望する仕上がりに応じて選択することが大切です。
レーザー脱毛は発がん性があるって本当?科学的根拠から見る真実
「レーザー脱毛には発がん性があるのでは?」と不安に思う方もいますが、科学的な根拠に基づくと、そのリスクは極めて低いとされています。
レーザー脱毛に使われる光は、毛の黒い色素(メラニン)に反応する特定の波長で、紫外線のように細胞のDNAにダメージを与える性質はありません。
紫外線は波長が短くエネルギーが強いため、発がん性がありますが、レーザーの波長はそれよりも長く、安全性が高いとされています。
また、レーザー照射によってごく少量の放射線が出ることがありますが、量はごくわずかで、人体に悪影響を与えるという証拠は見つかっていません。
施術後に赤みが出たり、軽いやけどのような症状が現れることはありますが、それが長期的にがんのリスクにつながるという医学的な報告もありません。
このようなことから、医療機関で適切に行われるレーザー脱毛は、発がんの心配がほとんどない、安全性の高い美容施術だといえます。
まとめ
レーザー脱毛は、毛に含まれる黒い色素(メラニン)にレーザー光を照射し、そのエネルギーを熱に変換して毛根や発毛組織を破壊する仕組みです。
この熱作用により、毛を生やす細胞やバルジ領域がダメージを受け、新たな毛が生えにくくなります。
施術後は1~2週間ほどで毛が抜け始め、回数を重ねるごとに自己処理が不要な状態を目指せます。
ただし、毛の太さや肌の状態によって効果に個人差があり、産毛や日焼けした肌では十分な効果が得られにくいこともあるため、注意が必要です。
正しい毛周期に合わせて施術を行うことで、高い脱毛効果と長期的な持続性が期待できます。
この記事を書いた人

エレビスタ ライター
エレビスタは「もっと"もっとも"を作る」をミッションに掲げ、太陽光発電投資売買サービス「SOLSEL」の運営をはじめとする「エネルギー×Tech」事業や、アドテクノロジー・メディアなどを駆使したwebマーケティング事業を展開しています。
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