SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」に取り組む企業7選

日本はよく「恵まれている国」といわれますが、中には社会のシステムに対し「公正でない」と感じる人も、少なからずいるのではないでしょうか。

それは、古いままの社会システムが、いつまで経っても変わらないからです。

SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」では、途上国の問題だけでなく、世界中の政治や司法の制度がポジティブに変わる取り組みを求めています。

そこで今回は、民間団体を中心に、さまざまな側面から「平和と公正」に取り組む事例を7つ挙げました!

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)

株式会社ゲットイット

はじめに、世界じゅうで絶えない「鉱物紛争」の問題に取り組む企業をご紹介します。

鉱物紛争とは

アフリカ・コンゴ共和国とその周辺で採掘される稀少な鉱物を巡り、1990年代から続いている争いのこと。

不法に採掘された鉱物の資金で、武器購入・戦闘態勢の維持に繋がっている場合もあり、紛争の長期化を招いています。

詳しい状況を知りたい方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。

株式会社ゲットイットは、NPO法人と協同し、身近な電子機器製品の原料である鉱物の調達先の情勢改善に着目している企業です。

鉱物の原料調達ルールを厳格化している企業はすでにありますが、NPOと一緒に問題の根本解決に取り組む、貴重な例のひとつといえます。

企業の紹介

株式会社ゲットイットは、2001年に創業したIT企業です。

ハードウェアサービスの販売やサーバーのレンタル・中古品の買い取りと、幅広い事業を行なっています。

どのような事業なのか

SGDs目標に関連する取り組みとして、多くの電子機器に使われる原料の発掘元・コンゴ共和国の情勢に注目しています。

コンゴ共和国では、レアメタルを巡って1998年に紛争が発生。以降、さまざまな問題が続いているのです。

  • 540万人以上もの死者
  • 18歳未満の子どもたちを徴兵
  • 女性への性暴力が多発、被害後は家族に見放される
  • 医療支援が行き届かず、子どもの死亡が増加
  • 教育の機会を与えられない子どもたちが、徴兵のリスクに晒される

こうした問題は、すべてレアメタルの利益をめぐって発生する現実です。

私たちが何気なく電子機器製品を購入することは、知らず知らずのうちに一連の問題に加担している可能性もあると言えるでしょう。

そこで株式会社ゲットイットは、長年コンゴ共和国の支援を続ける認定NPO法人テラ・ルネッサンスと連携し、継続的に資金提供を行うことで、現地に暮らす人々の生活向上に貢献しています。

たとえば、被害を受けた女性・元子ども兵の人々に職業訓練の機会を与え、洋裁や溶接といった新しいビジネスを確立する支援を実施。これによって、経済的に安定した暮らしを実現しています。

どのようにSDGsの達成につながるのか

株式会社ゲットイットの取り組みは、以下のような点でSDGs目標の達成に関連します。

  • SDGs目標16への貢献
    レアメタル調達元の現状を知り、NPO法人への出資を通じて課題解決を応援

また、鉱物資源の調達方法について考えることは、SGDs目標12「つくる責任、つかう責任」への貢献にもつながります。

TRIWA(スウェーデン)

出典:TRIWA

次にお届けするのは、北欧スウェーデンの時計メーカー・TRIWA(トリワ)の取り組みです。

紛争が勃発する国・地域では、子どもも扱えるほど小型で軽量な違法銃器の使用や、武器の不法投棄が大きな問題となっています。

そこで、ものづくりを行なう企業として行っている、SDGs目標16への取り組み内容をチェックしてみましょう。

企業の紹介

TRIWAは、2007年スウェーデンの首都・ストックホルムで立ち上がった小さな時計ブランドです。

ブランド名は「Transforming the Industry of Watches(時計業界に変革をもたらす)」の頭文字から来ています。

精巧なつくりと、遊び心を忘れないデザイン性の高さで、年代・性別を問わず誰にでも使いやすい点が特徴です。

どのような事業なのか

TRIWAでは、「Time For Peace」というプロジェクトを行なっています。

銃器から作られた金属「Humanium Metal」を用いた商品開発・販売を通し、平和を願う活動を展開中です。

Humanium(ヒューマニウム)とは

内部紛争で使用される銃のような、生物の命を奪う目的で扱われるアイテム、とりわけ違法銃器を溶かし、不純物を取り除いてできた金属のこと。

コラボレーションを行なっているスウェーデンのNPO法人・Humanium Metalのサイトによると、プロジェクト開始時の2016年から2020年までの間、エルサルバドルとザンビアで見つかった違法銃器だけで、なんと12,000個を超えました。

人を傷つけるために使用された金属を、平和を願うアイテムへつくり変えることで、手にとった人々に平和のメッセージを伝えたい、という思いが込められています。

また、売り上げの一部は、紛争によって引き裂かれた地域の復興支援・武器によって負傷した被害者への医療サポートに充てられます。

どのようにSDGsの達成につながるのか

TRIWAの取り組みは、以下の点でSDGs目標の達成とつながっています。

  • SDGs目標16への貢献
    紛争に使用される素材を、日常アイテムに置き換えることで、世界の現状を知ってもらうきっかけづくり

時計のデザインはカジュアルで使いやすいため、毎日の暮らしで気軽に身に着けられる点はうれしいポイントです。

Choose Life Project

日本では、全体的に政治への関心がまだまだ低く、日常会話の中で話題にのぼる機会はあまりないように思います。

しかし、政治は私たちの暮らしに最も身近な存在で、ひとりひとりが真摯に向き合うべき問題です。同時に、政治・社会問題を報道するメディアのあり方にも目を向け、情報の質も問わなければなりません。

そこで、まずは日本の政治・社会問題に鋭く切り込む市民メディア「Choose Life Project(チューズ・ライフ・プロジェクト)」についてご紹介します。

企業の紹介

Choose Life Projectは、テレビ報道や映画・ドキュメンタリー制作の現場にいる有志で立ち上げたプロジェクトです。

私たちのメディア」を掲げ、市民のために、市民と一緒につくるメディアを目指しています。

扱う話題は幅広く、日本の政治問題を中心に、有識者・学者など数々のゲストを呼んで番組を制作しています。

どのような事業なのか

多くのメディアが企業スポンサーに頼る中、Choose Life Projectは市民からのサポートで運営しています。

そうすることで、社会に大きな影響を与える組織からの弾圧や制約を受けることなく、自由な発信を実現しているのです。

これまでにさまざまな番組を制作していますが、SNSを中心に話題となった「入管法改正案」や「選択的夫婦別姓」のような問題から、政治を巡る不祥事・発言に対する説明責任を問う討論まで、トピックは多岐にわたります。

ゲストスピーカーには専門家・学者だけでなく、該当問題を取り扱う政治家や市民団体のメンバー、SNSで発信を続ける一般市民が出演。

それぞれの知識と視点から議論を繰り広げ、視聴者への理解を深めて再考させることで、私たち市民が社会システムを変える主役であることを喚起しています。

また、サポーターに向けた勉強会のほか、国会での政府や議員の動向を発信する「国会ウォッチング」、政治的トピックを扱う学者による講義「Choose Life大学」といった企画も行っています。

あらゆる視点で社会のあり方を見つめ、公正な報道を丁寧に続ける、貴重なメディアのひとつです。

どのようにSDGsの達成につながるのか

Choose Life Projectの活動は、以下の点でSDGs目標に関連しています。

  • SDGs目標16への貢献
    政治・社会問題について、公共性の高い情報を市民へ発信し、議論を喚起

扱うトピックによって、SDGs目標1「貧困をなくそう」や、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」にも通じます。

Accountability Lab(リベリア・スリランカなど)

政治の腐敗は、犯罪や不平等を引き起こし、社会の崩壊につながる、とても深刻な問題です。

それを防ぐために重要なのは、行動を起こせる市民と、信頼できる組織の存在ではないでしょうか。

未来ある社会に向けて行動できる市民が集まる団体は、世界中で増えています。

ここでは、アジア・アフリカ地域を中心に活動する「Accountability Lab(アカウンタビリティー・ラボ)」を取り上げてみました。

企業の紹介

Accountability Labは、2012年に設立したNPO団体です。

政治や社会の仕組みを成り立たせるために、責任ある市民や組織の育成・発信などを行なっています。

リベリアやネパール・パキスタンでの活動からはじまり、現在はアフリカやメキシコ・アフリカ諸国と、海を越えて広まっている組織です。

どのような事業なのか

Accountability Labでは、社会の中で個人・または組織の一員としてどのように声をあげたらいいのか?について、オンライン・オフラインで取り組んでいます。

たとえば「INTEGRITY ICON」というプロジェクトでは、その国の政府関連機関に従事する人々の活動にフォーカスし、ドキュメンタリー映像にまとめて市民へ紹介。視聴者が投票で優秀賞を決めるというものです。

アフリカの道路整備を進める職員や、国立病院で働く医療従事者が、どのようにして社会に貢献しているか?を知る機会となり、視聴者である市民ひとりひとりが社会への参加者であることを呼び掛けています。

例として、2019年度に優秀賞を受賞した、ネパールの看護師施設で働く人の動画を載せておきます。

また、別プロジェクト「SDG 16 INNOVATION CHALLENGE」では、ワークショップを通して参加者同士が、

  • すべての人が公平に生きられる社会システムを作るには?
  • 女性の声を法律に反映するには?

のようなトピックについて議論しあう機会づくりを提供。

最後にそれぞれのプラン発表を行い、今後の活動につなげる取り組みを続けています。

社会は大きなものに見えますが、行動で変えることができるのは、市民ひとりひとりである、というメッセージを伝え、平和で公正な社会づくりのために輪を広げているのです。

どのようにSDGsの達成につながるのか

Accountability Labの取り組みは、以下のような点でSDGs目標とつながっています。

  • SDGs目標16への貢献
    市民が社会への責任を持ち、公正な未来をつくる活動をサポート
  • SDGs目標17への貢献
    国や立場を超えて協力し、SDGs目標の達成への行動を促す

市民への行動の呼びかけと、政府機関で働く人の取り組みをオープンにする取り組みは、どちらも公正な社会システムの構築に欠かせません。

特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン

世界の誰もが平和で公正な生き方を実現するために、国を超えた協力は必須です。

特に、SDGsの3本柱のひとつ「経済」の面で、公平性がこれからますます重視されていくでしょう。

そこで、たびたび当メディアでも取り上げている「フェアトレード」に焦点を当てて、その取り組みに注目してみましょう。

企業の紹介

フェアトレード・ラベル・ジャパンは、国際フェアトレード機構として1997年に設立。2004年、フェアトレード新ラベルの導入と共に、現在の形になりました。

世界のさまざまな場所で生産される商品について、特に貧困に悩まされている発展途上国を中心に、

  • 自由
  • 公平・公正
  • 多様性

を掲げたフェアトレードを推進し、誰もが安心して生きられる社会づくりをサポートしています。

どのような事業なのか

フェアトレードは、グローバル規模で盛んな「貿易」の面から、すべての人々が正当な取引を行ない、貧しさや不平等から脱却するための仕組みです。

今も発展途上国を中心に、以下のような問題が絶えません。

  • 不当な賃金による労働力の搾取
  • 女性の賃金不平等
  • 児童労働

フェアトレードは、特に大企業の圧力によって、弱い立場に立たされやすい小規模生産者が、正当な取引によって経済的に独立できるよう定められています。

生産者が自ら経済的に独立できるように支援することで、子どもを学校に行かせることができ、女性や若者が対等に働ける環境づくりにつながるのです。

また、対等な立場で取引を行なえるため、生産者・動労者が50%の意思決定権をにぎっています。

公平性を求めて、取引相手の企業だけでなく、大きな組織・政府に対しても声を上げられる体制づくりを構築しているのです。

フェアトレード認証ラベルを受けた商品には、オーガニックコットン素材のアイテムやチョコレート・サッカーボールが挙げられます。

消費者がフェアトレード商品を選択することで、生産者の暮らしを支援できるシステムでもあります。

どのようにSDGsの達成につながるのか

フェアトレード・ラベル・ジャパンの取り組みは、以下のSDGs目標と関連しています。

  • SDGs目標16への貢献
    平等な取引を行なえる仕組みづくりで、生産者・労働者の暮らしを保障
  • SDGs目標1、2、5・8への貢献
    発展途上国に住む人々を中心に、経済的な自立をサポートでき、平等で安定した暮らしを実現できる

また、生産者から消費者へのつながりは、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」ともかかわりがあります。

公益社団法人ガールスカウト日本連盟

平和で公正な未来を築くうえで欠かせない要素のひとつは、将来を担う子どもたちへの教育です。

1世紀以上もの間、自立心を備える少女たちを育ててきたガールズスカウト日本連盟では、暴力、とりわけ当事者でも気が付きにくい「DV」についての教育を行なっています。

その取り組みについて、詳しく見ていきましょう。

企業の紹介

ガールズスカウト日本連盟は、1920年に発足した団体です。ガールズスカウト自体は、イギリスで約100年前にはじまりました。

今では国内47都道府県すべてに拠点があり、

  • 自己開発
  • 人とのまじわり
  • 自然とともに

の3点を軸に、さまざまな活動を展開しています。

どのような事業なのか

ガールズスカウトは、就学1年前の少女から成人女性まで参加でき、屋外アクティビティや世界じゅうのガールズスカウトとの交流を行なっています。

自然の中で過ごす知恵を身につけたり、文化や宗教の異なる人とコミュニケーションを取ったり。広い視点と柔軟な思考を育て上げ、どんな環境でも公正に判断し、自分だけでなくまわりのために行動できる女性へ成長するのです。

中でも注目すべき取り組みは、2012年から続く「Stop the Violence(STV)キャンペーン」です。

たとえばその一環として、「デートDV」を知るための活動があります。

実は多くの女性にとって身近な問題であるにもかかわらず、学校での教育が不十分なことから、知らず知らずのうちにDVの被害者になってしまうこともあるのです。

ガールズスカウトでは、7つのストーリーに分けてデートDVの実態を紹介し、相手が誰であれ暴力は絶対に許されないというメッセージを伝えています。

  1. 言葉の暴力
  2. 身体的暴力
  3. 精神的暴力
  4. 精神的・社会的暴力
  5. 性的暴力
  6. カレ、束縛と暴力
  7. 女友達

ほかにも、テーマに沿ったメッセージを写真に撮り、SNSなどに投稿することで、周囲の人へ気軽にデートDVについて知ってもらうきっかけづくりを行なっています。

どのようにSDGsの達成につながるのか

ガールズスカウト日本連盟の取り組みは、以下の点でSDGs目標とつながります。

  • SDGs目標16への貢献
    キャンペーンを通してDVの実態を周知し、暴力をしてはいけない社会の風潮を高める
  • SDGs目標7への貢献
    年齢や性別・国籍といった要素にとらわれず、誰とでも対等に接する人間性の育成

そのほか、主体的な行動力や世界各国のガールズスカウトとの交流ができる点は、SDGs目標5「質の高い教育をみんなに」にも通じますね。

OKシード・プロジェクト

最後に取り上げるのは、誰にとっても大切な「食」に関する取り組みを行う団体です。

農業界ではさまざまな要素から、健康への安全性が十分に証明されていない「遺伝子組み換え食品」が流通しているケースも見られるのが現状。さらには今後、遺伝子を意図的に操作したトマトのような「ゲノム編集生物」の流通も懸念されます。

ここで、農林水産省が2019年に発表した資料を見てみましょう。

以下の図は、2018年時点の「遺伝子組み換え農作物の栽培面積の推移(左)」と、「栽培面積の割合(右)」です。

出典:環境省

※GM農作物=遺伝⼦組換え農作物

なお現時点では、日本国内での遺伝子組み換え作物の商用栽培は、基本的に禁止されていますが、上記の円グラフに示されている農作物の輸入は認められています。

家畜の飼料をはじめ、私たちが普段の暮らしで口にしている食品・お菓子などにも使われているのが現状です。

遺伝子組み換え作物を使用した場合の表示義務はありますが、基準や検出方法には疑問が残り、まだまだ議論を深める必要がありそうです。

これらの対策として、すでに欧米では「Non-GMO・GM(遺伝子組み換え、あるいはゲノム編集された食品でない)ラベル」をはじめ、民間によるさまざまなアクションが行われてきましたが、日本ではそれほど大きな動きが見られませんでした。

しかし、ついに「安全な食への平等なアクセス」を助けるプロジェクトが動き出したのです。

企業の紹介

OKシード・プロジェクトは、市民によって2021年8月に立ち上がった、非営利ネットワークです。

遺伝子組み換えを行なっていない種・作物を使用した商品に付けられる「OKシードマーク」配布のほか、国内外の食の安全にかかわる情報の発信を行なっています。

どのような事業なのか

当プロジェクトでは、ゲノム編集を行なっていない種で作られた作物、あるいはその作物を使用した食品に対し、Non-GMO・GMであることを示す「OKシードマーク」を作りました。

日本の食品表示法では、遺伝子組み換えでない食品を見分ける表示はあるものの、新たな技術となるゲノム編集による食品の表示義務はありません。

つまり、ほとんどの人にとって「安全な食べ物へアクセスする権利が失われている」ことを意味します。もう少し踏み込んでゲノム編集について見ていきましょう。

ゲノム編集の仕組み

これまでの農業では、長い時間をかけて品種改良がおこなわれ、病気や特定の気候に強い作物が生み出されてきました。

それが技術の進歩により、ある遺伝子を取り除いたり入れ替えたり、自由に「編集」することで、スピーディーに品種改良を行なえるように。

2019年時点で環境省は、「ゲノム編集技術は、遺伝子組換えとは異なる」とし、規制の対象にならないルールになっています。

ただし、この技術に関する人体・自然界への影響は不明瞭で、まだ実証されていません。

特定の遺伝子のみを組み込む「遺伝子組み換え食品」は、すでに世界中で「健康・環境面において避けるべき食べ物」という認識が広がっていますが、ゲノム編集を経た食品に関しては、完全に未知の世界なのです。

このような状況であるため、消費者は選択する権利が必要です。

日本初!ゲノム編集を見分けるマークの登場

そこで、OKシード・プロジェクトは、商品ラベルに「これはNon-GMO・GMです」と示すことで、消費者が安全な食品を選択できるようなマークを作りました。

申請のために、農家は以下の根拠を示す書類を持って申請します。

  • 栽培する作物の種が遺伝子組み換えの対象でないこと
  • 栽培~流通の過程で、対象の作物がほかの遺伝子組み換え作物と混合しないこと

マークの表示は生産側の自己責任となりますが、事前に書類のチェックが入るため、消費者は安心して商品を手にとることができます。

また、こうした書類を揃えることを機に、作物の種の記録をつけ、「誰が」「いつ」「どこで」手に入れた種なのかを明確にしておく大切さを呼び掛けています。

遺伝子組換えやゲノム編集ではないのはもちろん、昔から地域で栽培されてきた在来種を守る取り組みにもつながるからです。

日本の食と自然豊かな未来は、種を守ることからはじまります。

どのようにSDGsの達成につながるのか

OKシード・プロジェクトの取り組みは、以下のような点でSDGs目標に関連します。

  • SDGs目標16への貢献
    安全性を証明するマークの記載で、公正な食へのアクセス権をつくる
  • SDGs目標12への貢献
    安全な作物づくりのシステムを整え、在来種を守る活動へつなげる

食のシステムを整えることは、みんなにとって暮らしやすい自然環境をつくることにも関連するため、SDGs目標13~15に関わりがあるとも言えます。

まとめ

SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」は、私たちの暮らしに潜むあらゆる不正や暴力をやめさせ、システムチェンジを促す項目です。

政治や社会問題に関する話は、一見するとどこか遠い存在のように感じるかもしれませんが、実は私たちひとりひとりに寄り添ったルールであることが分かっていただけたでしょうか。

個人の想いや行動も、誰かと協力することで大きなパワーとなります。そのためには企業や組織が率先して動くことで、より社会の助けとなるのです。