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デジタルタトゥーとは?具体例をもとに危険性を紹介!消し方も

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安易なその投稿が、デジタルタトゥーとなって、あなたの人生を台無しにするかもしれない!

過去にSNSなどで、差別的な発言や不適切な画像や動画を投稿してしまったことで、就職や転職に不利になる、いじめや差別に遭う、といった「デジタルタトゥー」による被害が増加しています。これからのデジタル社会を安全に生きるために、デジタルタトゥーについて理解を深めておきましょう。本記事では、具体例をもとに危険性や消し方も紹介します。

目次

デジタルタトゥーとは

デジタルタトゥーとは、インターネット上での行動や発言、画像や動画などの情報が残ることで、一度拡散されると、完全に消すことが難しいことから、入れ墨を意味する「タトゥー」になぞらえて、デジタルタトゥーと呼ばれています。

近年、デジタルタトゥーとしてインターネット上に残る個人情報が、本人の意図しない形で拡散され、後々までマイナスの影響を与えることが問題になっています。デジタルタトゥーは、インターネット時代の新たなリスクと言えますが、適切な対策をしておくことによって、被害を防いだり、影響を軽減したりすることができます。

デジタルフットプリントとの違い

デジタルタトゥーと似た言葉に、「デジタルフットプリント」があります。どちらもインターネット上に残る情報のことを指しますが、その意味合いには以下のような違いがあると考えて、使い分けられることもあります。

デジタルタトゥー

  • 本人の意思に関係なく、インターネット上に残り続ける情報
  • 就職や結婚などの機会を失う可能性がある、犯罪被害に遭う可能性があるなど、マイナスの影響を与える可能性がある

デジタルフットプリント

  • 本人の意思でインターネット上に公開した情報
  • 仕事やプライベートでの活動をアピールしたり、新しい出会いを見つけたりするために活用できる

つまり、デジタルタトゥーは、そのインターネット上に残された情報がマイナスの影響を与える要素があるという点で、デジタルフットプリントと区別されて使われます。一方、デジタルフットプリントは、その人の活動や業績の記録として、スキルや経験をアピールするなどのプラスの影響に焦点を当てる時に、デジタルタトゥーと区別して使われることがあります。

しかし、明確に区別されておらず、どちらも単に「インターネット上に残る情報」を表す言葉として使われていることもあるため、注意が必要です。*1)

デジタルタトゥーの種類

デジタルタトゥーになりうる情報にはさまざまな種類があります。ここではその中でも代表的なものを紹介します。

個人情報

デジタルタトゥーの代表的なものとして、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報があります。個人情報が不正な手段で入手されたり、不適切な形で公開されたりすることで、個人や家族のプライバシーが侵害される可能性があります。

総務省が公表した情報では、SNSなどでの投稿が原因で個人情報が流出し、その結果、被害を受ける事件が増加していると報告されています。

誹謗中傷

誹謗中傷もデジタルタトゥーの1つとして挙げられます。オンライン上での悪意ある書き込みや画像の拡散によって、個人や家族の評判や社会的な立場が損なわれるおそれがあります。

これは、誹謗中傷する加害者側にとっても、誹謗中傷された被害者側にとっても、どちらもデジタルタトゥーとなる可能性があります。特に、若者を中心に深刻な問題となっており、内閣府が行った調査により、SNS上での誹謗中傷が心の健康にまで影響を与える例が年々多くなっていることが明らかになっています。

犯罪歴

さらに、犯罪歴がデジタルタトゥーになってしまうことがあります。過去の犯罪行為や逮捕歴がオンライン上で公開されることで、本人や家族に様々な場面で影響が及ぶ可能性があります。

不適切な行為

最後に、不適切な行為がデジタルタトゥーとなる場合があります。例えば、

  • 違法なコンテンツの閲覧履歴
  • 悪ふざけ
  • わいせつな画像や動画
  • 暴力行為・暴力的な発言

などがこれに該当します。

このような情報がオンライン上で拡散されることで、デジタルタトゥーとなって個人やその家族にまで影響を与えるおそれがあります。次の章では、ここで紹介したような情報がデジタルタトゥーになることで高まるリスクを確認していきます。*2)

デジタルタトゥーのリスク【危険性や恐ろしさ】

デジタルタトゥーは、インターネットの普及につれて、その危険性が認識されるようになりました。デジタルタトゥーには、さまざまな面で危険性や恐ろしさがあるので、ここで理解を深めておきましょう。

就職や結婚の妨げになる

デジタルタトゥーには、本人の過去の行動や思想が反映されていることが多いため、内容によっては就職や結婚などの際に、マイナスの評価を受けて障壁となる可能性があります。

就職の時

企業は、採用候補者の人柄や能力を判断するために、デジタルタトゥーを探すことがあります。採用候補者が犯罪歴や問題行動を起こしていた場合、企業はそのような人材を敬遠することもあります。

また、採用候補者が過激な発言や不適切な写真や動画を公開していた場合、企業の風紀を乱す可能性があるため、採用が見送られる可能性があるのです。

結婚の時

結婚相手や結婚相手の親族は、相手の性格や価値観を判断するために、デジタルタトゥーを探すことがあります。結婚相手が過激な発言や不適切な写真や動画を公開していた場合、親族が反対したり、結婚相手自身が後悔したりする可能性があります。

また、結婚相手が誹謗中傷やデマなどの悪質なデジタルタトゥーを残していると、結婚後に社会的信用を失ってしまうかもしれません。

犯罪被害に遭う可能性がある

デジタルタトゥーになってしまった情報によって、自宅や財産、日常生活などが知られてしまい、

  • ストーカー
  • 迷惑行為
  • 詐欺
  • 暴行
  • 強盗

などの、犯罪行為に利用される危険性があります。

社会的制裁を受ける

SNSやブログなどで、不適切な投稿を行った場合、社会的制裁を受ける可能性があります。具体的には、

  • 過去の不適切な行動や発言が公開される
  • 雇用や社会的地位への影響
  • プライバシーの侵害
  • 社会的非難や排斥

などを招くことがあります。

本人だけでなく家族にまで被害を及ぼすことも

デジタルタトゥーが本人だけでなく、家族にも被害を及ぼす可能性があることが指摘されています。

デジタルタトゥーに家族の顔写真や名前、住所などの情報が公開されている場合、家族が嫌がらせや被害に遭う場合があります。また、デジタルタトゥーは家族の社会的信用や評判に影響を与えてしまうかもしれません。

例えば、家族の誰かのデジタルタトゥーの影響で、同じ家族の別の人が就職で不利になったり、結婚相手の親族に悪い印象を与えてしまったりすることがあるのです。

【将来の自分を傷つけてしまうかも…】

このように、デジタルタトゥーによって、さまざまなリスクにつながることを、しっかりと認識しておきましょう。インターネットは正しく利用しないと、危険なものでもあるのです。

近年では幼少期からインターネットを利用する人が増えています。インターネットを使い始める時、デジタルタトゥーの影響について理解し、どう対策するかを知っておくことが重要です。

次の章ではデジタルタトゥーの具体例を紹介します。*3)

デジタルタトゥーの具体例

実際には、どのようなデジタルタトゥーの被害があるのでしょうか?いくつか事例を見てみましょう。

悪ふざけをSNSなどにアップして抗議が殺到、裁判に

2023年1月3日にスシロー岐阜正木店で、少年がしょうゆ差しの注ぎ口や湯飲みをなめる動画をSNSにアップしたところ拡散され、お店への来客数が減少し、親会社の株価にも大きな影響を与えた事件は記憶に新しい人も多いでしょう。その後、スシロー側は損害賠償を求め提訴し、少年側は反省の態度を示しつつ、拡散の意図はなかったと主張し争う姿勢を示していましたが、最終的に調停が成立し訴訟が取り下げられました。

この事件は、加害者側・被害者側どちらにもデジタルタトゥーとして深く刻まれた例と言えます。また、この事件はフランスのAFP通信、イギリスのBBC、アメリカのCNNなど数々の海外のメディアでも批判的に報道されました。

この事件によるデジタルタトゥーは、悪ふざけをした少年自身の人生にも深刻な影響を与えるだけでなく、大手回転寿司チェーンであるスシローの経営にも甚大な被害を与え、さらには「安全・安心・高品質」という日本の国のブランドイメージにさえも傷をつける結果となりました。

暴露系ユーチューバーが暴力行為法違反などの罪で逮捕

元参院議員のガーシー被告が、動画投稿サイトで数人の有名人を脅迫したとして罪に問われ、裁判となりました。被告はギャンブルで借金があり、支援者の勧めで暴露系ユーチューバーになったと主張しています。

当時の滞在先のドバイでは、現地の公安警察から「日本政府からクレームが来ている。配信をやめてもらえないか。」と警告されたり、地下駐車場で男性数人に囲まれ、手錠をかけられて空港まで運ばれたりなど、自身も身の危険を感じる体験をしたそうです。また、ガーシー被告は芸能人を脅迫するきっかけを問われ、「(当時の事務所社長に、その芸能人の件を電話で話す)約束を破られ感情が高ぶったから」と述べています。

この事件は、SNS上での行動でも法的な責任を問われる可能性があることを明確に示し、デジタル社会における暴力行為や脅迫の教訓としても、社会に大きな影響を与えました。

LINEでのいじめと性的被害に苦しんだ末、少女が死亡

北海道旭川市の北星中学校の女子生徒がいじめに遭い、失踪、公園で凍死した状態で発見された事件は、いじめとデジタルタトゥーの恐ろしさが、最悪の結果を招いた一例です。少女は、LINEで自身のわいせつ画像を送るよう脅迫され、その画像が拡散されました。

その後、彼女はいじめグループに囲まれ、ウッペツ川へ飛び込みました。当初、いじめグループは警察に対し、母親の虐待が原因であると虚偽の説明をしました。しかし、警察は被害者のLINEを確認し、いじめがあったことを認識しました。

警察は証拠を復元し、いじめグループの一部を注意処分にしました。しかし、被害者はその後、いじめが原因でPTSD※を発症し、2021年2月に失踪し、3月23日に公園で凍死した状態で発見されました。

いじめとデジタルタトゥー、どちらも人の命を奪いかねない危険なものです。その双方に苦しんだ少女は、精神を病んでしまい、命を落としてしまいました。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

死の危険を感じるほどの体験をした人が、時間がたった後も自分の意志とは関係なく急に体験が思い出されたり、悪夢が続いたりなどの症状が表れる疾患。その恐怖体験は「トラウマ」といい、急に思い返されることは「フラッシュバック」と呼ばれる。精神的にいつも緊張していて、張り詰めた状態になり、眠ったり集中したりすることが難しくなる症状や、物事の捉え方が歪んでしまい、過剰に他者や自分を責めたり、「なんで自分のような人間が生き残ってしまったんだ」などの深い罪悪感を持つようになることもある。

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このように、デジタルタトゥーはともすれば一生涯にわたって影響を受けてしまったり、人の胃の緒を奪ってしまうこともあります。現実世界で許されないことは、インターネット上でも同様に許されないのです。

このような危険をはらんだデジタルタトゥーには、消す方法はあるのでしょうか?次の章ではデジタルタトゥーの消し方に迫っていきます。*4)

デジタルタトゥーの消し方は?

デジタルタトゥーを完全に消すことは、現時点では難しいとされています。ただし、消すための努力や、拡散を防ぐ対策をすることはできます。

デジタルタトゥーになってしまいそうな情報をインターネットに投稿してしまった場合や、誹謗中傷などの書き込みを受けた場合にはどのように対処すればいいのか、確認しておきましょう。

投稿した情報の削除

デジタルタトゥーを消すための最も効果的な方法は、投稿した情報を削除することです。SNSの場合、基本的には、投稿した本人が削除することができます。

自分で削除できない場合は、コンテンツの管理者に依頼したり、法的手段によって削除できたりする場合もあります。ここで言う法的手段とは、 もし投稿した情報がプライバシーや名誉を侵害するものである場合、弁護士や法律相談機関に相談し、法律に則って適切な対応をすることを指します。

しかし、投稿が拡散されている場合、削除しても、すでに多くの人がその情報を閲覧している可能性があるため、完全に削除することは難しいと考えましょう。

書き込みの削除依頼

誹謗中傷や暴力的な発言など、不適切な書き込みやリプライを受けてしまった場合、デジタルタトゥーを消すための方法として、書き込みの削除依頼をすることもできます。書き込みの削除依頼は、書き込みをした本人や、その書き込みによって被害を受けた人が行うことができます。

SNSの場合、比較的容易に削除を依頼することができますが、ブログやウェブサイトで、書き込みをした本人が削除に応じない場合や、サイトが閉鎖されている場合は、削除が難しいことがあります。

検索結果から除外する

デジタルタトゥーを消すための方法として、検索結果から除外することもできます。例えば、Googleの検索結果から除外することで、デジタルタトゥーへのアクセスを大幅に制限することができます。しかし、検索結果から除外されても、デジタルタトゥーが完全に消えるわけではありません。

その情報が書かれたサイトのURLを直接入力すればアクセスできることに加えて、該当する検索エンジン以外で検索すると、検索結果に表示される場合もあります。

【プロバイダ責任制限法のポスター】

このような方法で、デジタルタトゥーが拡散されることを防ぐことができます。しかし、

  • 「まとめサイト」などにすでにコピーされている
  • いくつも拡散・コピーされていて全てを把握できない

などといった場合、インターネット上から全てを削除することは困難です。また、デジタルタトゥーは自然消滅することがないため、いつ不利益や危険を招くかわからず、不安を抱えて過ごすことになりかねません。

デジタルタトゥーになってしまうと完全に消すことは難しいことを忘れることなく、冷静・慎重にインターネットを利用しましょう。次の章ではデジタルタトゥーの被害に遭わないための対策を紹介します。*5)

デジタルタトゥーへの対策

デジタルタトゥーが残ってしまい、さまざまなトラブルを招く前に、しっかりと対策をしましょう。デジタルタトゥーの被害に遭わないために、私たちが気をつけるべきことを紹介します。

ネットリテラシーを身につける

まずはインターネットの仕組みをしっかりと理解しましょう。インターネットを正しく安全に使うために必要な知識を「インターネットリテラシー」「ネットリテラシー」と呼びます。

すでに日本のほとんどの人が、インターネットを利用しています。これからの時代、ネットリテラシーは、インターネットを使い始めるときに身につけなくてはならない常識といっても過言ではありません。

以下の記事でネットリテラシーについて詳しくまとめています。ぜひチェックしてみてください。

【関連記事】ネットリテラシーとは?低いことで起きる問題や高める方法も!

個人情報やプライバシーに関する情報を公開しない

デジタルタトゥーの多くは、個人情報やプライバシーに関する情報によって引き起こされます。個人情報だけでなく、自宅や学校など個人の居場所の特定につながる情報を安易に後悔しないようにしましょう。

過激な発言や不適切な写真・動画を公開しない

過激な発言や不適切な写真や動画を公開すると、名誉毀損や誹謗中傷などの法的トラブルに発展する可能性があります。インターネットは公の場と捉えて、「匿名だから」「顔が見えないから」と、普段、他人とのやり取りでは言えないような過激な発言や誹謗中傷などをしないようにしましょう。

アカウントなどのセキュリティを強化する

不正なアクセスにより、個人情報などが流出しないように対策しましょう。具体的には、

  • パスワードの強化
  • 二段階認証の利用
  • 個人情報の適切な管理
  • セキュリティソフトの導入

などを実践して、大切な情報を守ることが大切です。また、怪しいメールなどを見抜けるような知識を身につけ、不審なメールを開封しない、詐欺サイトにアクセスしないなどを意識するようにしましょう。

一度公開した情報は消えないと心得て慎重にインターネットを利用する

加害者になっても被害者になっても、デジタルタトゥーはあなたや家族の今後に大きな影響を与えると言うことを忘れず、慎重にインターネットを利用しましょう。

また、文章を書くときは誤字や誤解を招く表現に気をつけ、思いがけないトラブルにつながらないようにすることも大切です。例えば、「これ、おもしろくない?」と「これ、おもしろくない」は、「?」があるかないかだけの違いで、大きく印象が変わります。

インターネットが身近になったことで、私たちの生活は便利になりましたが、同時にインターネットを安全に使うための知識と注意力が必要になりました。インターネットの安全性を高めるための研究開発も進んでいますが、一方でインターネット上に潜む危険や犯罪も複雑化しています。

まずは正しいネットリテラシーを身につけ、その後も新しい情報に目を向けて対策しましょう。デジタルタトゥー被害に遭う前に、自分のセキュリティを強化し、他人を傷つけないよう配慮した行動を心がけてください。*6)

デジタルタトゥーに関してよくある疑問

この章ではデジタルタトゥーに関して、よくある疑問に答えていきます。

子供がデジタルタトゥーに巻き込まれた。どうすればいい?

子供がデジタルタトゥーに巻き込まれた場合、以下の手順を考慮することが重要です。

  1. 冷静に対応する:保護者は冷静に状況を把握し、子供とのコミュニケーションを保ちながら問題の詳細を理解する。
  2. 情報の収集:デジタルタトゥーに関する情報を収集し、その影響や対処方法を考えます。信頼できる情報源からの情報収集が重要です。
  3. 子どもとの対話:子供に対して、デジタルタトゥーがどのようなリスクを伴うかを理解させ、オンラインでのプライバシーとセキュリティについて話し合います。
  4. 相談先の確認:必要に応じて、教育機関や専門家、または地域のサポート組織に相談し、適切な支援を受けることを検討します。
  5. 情報の削除依頼:不適切なデジタルタトゥーがインターネット上に掲載されている場合は、サイト管理者に削除依頼を行うことが重要です。
  6. 教育と予防:子供に対して、オンラインでの情報の共有やプライバシーについての教育を行い、将来の問題を予防するための対策を考えます。

デジタルタトゥーで人生が台無しになる?

デジタルタトゥーが人生を台無しにしてしまうかどうかは、その内容や拡散の度合いによって異なります。しかし、デジタルタトゥーが必ずしも人生を台無しにしてしまうわけではありません。

例えば、軽率な発言や不適切な写真を投稿してしまった場合、拡散されても、時間の経過とともに忘れ去られる可能性があります。また、削除依頼をしたり、検索結果から除外したりすることで、デジタルタトゥーの影響を軽減することができます。

そのため、デジタルタトゥー被害に遭ってしまった場合は、早めに対処することが重要です。 

デジタルタトゥーは消えない?

デジタルタトゥーは、一度拡散されると、完全に消すことが難しいものです。投稿した情報を削除しても、その投稿を保存している人は存在します。

また、スクリーンショットやキャプチャなどによって、投稿が拡散される可能性があります。そのため、デジタルタトゥーを完全に消すためには、投稿した情報を削除するだけでなく、その投稿を保存している人や、投稿が拡散される可能性をすべて排除する必要があります。

これは現実的には不可能なことであり、デジタルタトゥーは、一度拡散されると、完全に消すことは難しいと心得ましょう。ただし、先ほど紹介したように、デジタルタトゥーの影響を軽減することは可能です。

デジタルタトゥーとSDGs

デジタルタトゥーとSDGsは、一見あまり関係がないように感じますが、実は無関係ではありません。デジタルタトゥーとSDGsは、

  • 情報への公平なアクセス
  • 個人のデジタルプライバシー
  • 社会の公正

といった面で関連しています。

デジタルタトゥーと特に関連の深いSDGs目標を確認しましょう。

SDGs目標4:質の高い教育をみんなに

近年、オンライン学習がますます普及しており、インターネットを通じて教育コンテンツにアクセスすることが一般的になっています。デジタルタトゥーは、個人の学習スタイルや進捗状況を示すことがあり、これによって教育機会の提供や学習成果の評価に影響を与える可能性があります。

また、デジタルタトゥーによって、

  • 学校や職場でのいじめや差別
  • 進学や就職、転職の際に不利になる

といった影響を受けてしまうおそれがあります。

SDGs目標5:ジェンダー平等を実現しよう

デジタルタトゥーによる個人情報の漏洩は、特に女性や少数派に対するハラスメントや差別を助長する危険があります。特定の性別に関連する偏見やステレオタイプがオンライン上で広まることで、ジェンダー平等に対する課題となることがあります。

さらに、デジタルタトゥーは、オンラインハラスメントや性差別の表現となることがあります。特に女性やLGBTQ+※の人々が、オンライン上でのハラスメントや差別的なコメントにさらされることがあります。

LGBTQ+

Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル)、Transgender(トランスジェンダー)、Queer(クィア)の頭文字をとった言葉で、性的指向や性自認が、一般的に「異性愛者」や「性別二元論」に当てはまらない人々を表す総称。

【関連記事】LGBTQ+とは?簡単にわかりやすく解説!種類と日本の現状・問題点・取り組み事例

SDGs目標16:平和と公正をすべての人に

不適切な情報や誹謗中傷がインターネット上にデジタルタトゥーとしてに残ることで、個人の名誉や精神的安定に悪影響を及ぼすことがあります。

また、デジタルタトゥーは、オンライン上でのコミュニケーションや情報共有に影響を与え、不平等をもたらす可能性があります。誤った情報や偏見に基づく意見が広まることで、公正な社会を実現する上での課題となることがあります。

このように、デジタルタトゥーの影響は、SDGs目標の達成において、障壁となることが指摘されています。よって、私たちひとりひとりが、デジタルタトゥー被害を防ぐための対策をとりリスクを減らすことは、持続可能な社会の構築にとって重要な行動なのです。

各目標に関する詳しい記事はこちらから

まとめ:デジタル社会を安全に生きるために

デジタルタトゥーとは、インターネット上に残る個人情報が、本人の意図しない形で拡散され、後々までマイナスの影響を与える可能性がある社会問題です。デジタルタトゥーによって、

  • 就職や転職に不利になる
  • 学校や職場でいじめや差別を受ける
  • ストーカーや詐欺などの被害に遭う

などの可能性があります。

インターネットの普及にともなって、デジタルタトゥーにより被害に遭うリスクは高まっています。デジタルタトゥー被害を防ぐための対策や法律・制度の整備は進んでいますが、現在でもインターネット上の情報は一度拡散されると、完全に消すことが難しいのが現状です。インターネットを利用する際にはデジタルタトゥーを残さないよう、しっかりと対策を取ることが重要です。

社会のデジタル化は急速に進んでいます。この流れの中、インターネットは私たちの生活により深く関わるようになるでしょう。

あなたもデジタルタトゥーのリスクを正しく理解し、ネットリテラシーを身につけて適切な行動をとることで、デジタル社会を安全に、そして快適に過ごしましょう。

<参考・引用文献>
*1)デジタルタトゥーとは
総務省『第1部 特集 データ主導経済と社会変革 第3節 オンラインプラットフォームとデータ利活用』
総務省『ネットの使い方についてあらためて見直してみよう』
消費者庁『インターネットトラブル事例集(2020年版)』
総務省『インターネット トラブル事例集(2021年版)』
福岡市『インターネットを悪用した人権侵害をなくしましょう』(2023年12月)
総務省『SNSにおける誹謗中傷等の違法・有害情報の対策に関する意見募集の調査報告書』(2023年4月)
*2)デジタルタトゥーの種類
NHK『1からわかる!サイバーセキュリティー(番外編)デジタルタトゥーは消せるの?』(2023年5月)
総務省『データ主導経済と社会変革』
総務省『SNSにおける誹謗中傷等の違法・有害情報の対策に関する意見募集の調査報告書』(2023年4月)
政府広報オンライン『あなたは大丈夫?SNSでの誹謗中傷 加害者にならないための心がけと被害に遭ったときの対処法とは?』(2023年5月)
*3)デジタルタトゥーのリスク【危険性や恐ろしさ】
文部科学省『スマホやネットの使い方は大丈夫ですか?』
総務省『悪ふざけなどの不適切な投稿』
総務省『情報リテラシー&情報モラルの高さがカギ 7種のリスクを正しく知ろう!』
千葉県『大人のための情報モラル通信 デジタルタトゥーの恐ろしさについて』
*4)デジタルタトゥーの具体例
総務省『インターネットトラブル事例集(2022年版)』
日本経済新聞『親子で正しいネットの知識を リベンジポルノなど被害防止』(2014年5月)
日本経済新聞『リベンジポルノ相談、最多の1400件 19歳以下の割合増』(2020年3月)
日本経済新聞『リベンジポルノ、検索結果から削除』(2015年6月)
日本経済新聞『性的画像で恐喝、男性の被害目立つ「セクストーション」』(2023年11月)
日経XTECH『従業員の悪ふざけで「炎上」相次ぐ』(2013年10月)
日本経済新聞『スシロー、「迷惑動画」賠償請求取り下げ 少年と調停成立』(2023年8月)
産経ニュース『スシローでの迷惑動画、17歳の事件終結 岐阜家裁、処分公表せず』(2023年10月)
法務省『インターネット上の人権侵害をなくしましょう』
日本経済新聞『ガーシー元議員を逮捕 警視庁 UAEから帰国、著名人ら脅迫疑い』(2023年6月)
読売新聞オンライン『公判でガーシー被告、暴露系動画配信「金借りてた友人に誘われ断りにくかった」「二度とやりたくない」』(2023年12月)
日本経済新聞『ガーシー前議員側、脅迫の常習性否認 東京地裁で初公判』(2023年9月)
NHK『旭川女子中学生凍死事件~それでも「いじめはない」というのか~』(2021年11月)
日本経済新聞『「いじめもみ消し」と母、手記で批判 旭川の中2死亡』(2021年8月)
日本経済新聞『旭川中2いじめ再調査へ 自殺との関係、判断回避で』(2022年9月)
*5)デジタルタトゥーの消し方は?
NHK『1からわかる!サイバーセキュリティー(番外編)デジタルタトゥーは消せるの?』(2023年5月)
こども家庭庁『青少年の安全で安心な社会環境の整備 関係省庁、地方自治体、関係団体の取組』
福岡市『インターネットを悪用した人権侵害をなくしましょう』(2023年12月)
総務省『プロバイダ責任制限法の一部を改正する法律(概要)』
総務省『インターネット上の違法・有害情報に対する対応(プロバイダ責任制限法)』
*6)デジタルタトゥーへの対策
ネットリテラシーとは?低いことで起きる問題や高める方法も!
日経XTECH『SNSの炎上は非常に厄介、社会人はどう対処すべきか』(2022年4月)
日経XTECH『子どもの写真をネットに投稿する親、なぜ危険なのか』(2020年10月)
文部科学省『スマホ時代のキミたちへ』
総務省『SNS等での誹謗ひぼう中傷対策』
総務省『悪ふざけなど不適切な投稿』
日経BP『なぜ若者は迷惑動画を投稿してしまうのか』(2023年3月)
*7)デジタルタトゥーとSDGs
経済産業省『SDGs』