#SDGsを知る

化石燃料の枯渇まであと何年?種類や環境問題について解説

イメージ画像

地球温暖化など環境問題に対する関心の高まりが世界的に広がる中、化石燃料は常に世界的な議論の中心にあります。私たちの生活に欠かせないエネルギー源として使われている化石燃料ですが、将来の持続可能な社会のために、化石燃料に頼らない方法への移行が求められています。

最も大切なのは、私たちが社会を構成する一員として、化石燃料に頼らない方法を考え、重要性を理解することです。化石燃料の種類や用途、課題、日本や世界の動向、頼らない方法などを知り、あなたのライフスタイルを見直してみましょう。

目次

化石燃料とは?

イメージ画像

化石燃料とは、古代に生息していた動植物の死骸が地中に埋もれ、長い年月をかけて地熱や地圧の影響を受けて変化したもので、石炭石油天然ガスなどの総称です。化石燃料は、私たちの生活に欠かせないエネルギー源として、さまざまな用途に使用されています。

化石燃料の用途は、大きく分けて以下の5つに分けられます。

  • 発電:火力発電所では、化石燃料を燃やして蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回して発電します。
  • 交通・輸送:ガソリンや軽油は、自動車や飛行機などの燃料として使用されます。
  • 工業:化学製品やプラスチックなどの原料として使用されます。
  • 家庭用:ガスや灯油は、家庭で調理や暖房に使用されます。
  • 農業:農業用機械の燃料や肥料として使用されます。

化石燃料は、このように私たちの社会でとても重要な存在です。しかし、化石燃料の燃焼はCO2などの温室効果ガスを排出するため、地球温暖化の原因となっています。

化石燃料のでき方

化石燃料は、地球上に存在する古代の植物や動物の化石が、数百万年以上の時間をかけて高温・高圧下で分解されることによってできます。この過程で、炭素や水素などの元素が含まれる有機物が、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料に変化します。

  1. 古代に生息していた動植物が死ぬ
  2. 動植物の死骸が地中に埋もれる
  3. 動植物の死骸が地熱や地圧の影響を受けて分解され
    ・石油→動植物の死骸がケロゲンとなる
    ・石炭→植物の死骸が泥炭となる
    ・天然ガス→動植物の死骸メタンガスとなる
  4. さらに長い年月をかけて分解され、石油・石炭・天然ガスに分解される

このように化石燃料は、過去の地球に存在していたCO2を吸収した生き物が地中に埋もれ、長い年月をかけて変化してできたものです。つまり、私たちは太古に自然にCCS※されたCO2を現代になって盛んに掘り起こして、大気に放出しているとも考えることができます。

※CCS

主に産業活動で発生するCO2を、大気中に排出する前に回収したり、大気中から回収したりして、CO2を貯留または資源として有効利用する技術。

【関連記事】CCSとは?CCUSとの違い、デメリット・問題点、二酸化炭素回収・貯留の仕組みを解説

【石油・天然ガスができるまで】

次の章では、それぞれの化石燃料についてもう少し詳しく紹介します。*1)

化石燃料の種類と主な用途

主に利用されている化石燃料には、石油、石炭、天然ガスの3種類があります。

石油

石油は、石炭に次いで多く利用されている化石燃料です。石油は、主にガソリンや灯油などの燃料、プラスチックなどの原料として使用されています。

石油は、実にさまざまな用途に使われています。

  • 約40%が工場や家庭などの熱源
  • 約40%が自動車や船舶、飛行機などの動力源
  • 約20%が洗剤・プラスチックなどの化学製品の原料

として使われています。私たちの暮らしは石油なしでは考えられないくらいに、あらゆる分野で活躍しているのです。

【JAPEXの生産施設で採取した原油のサンプル】

※左から特軽質油、軽質油、中質油、ビチューメン(超重質油)、オイルサンド(ビチューメンを含む砂)

石油には、次の4つの種類があります。

  • 軽質原油:ガソリンや灯油など
  • 中質原油:軽油や重油など
  • 重質原油:アスファルトやペットボトルやプラスチック、繊維など
  • 超重質原油:化学燃料などの原料

【石油の用途:消費割合】

石炭

【左から褐炭・瀝青炭・無煙炭】

石炭は、最も古くから利用されている化石燃料です。石炭は、主に熱や電力などのエネルギー源として使用されています。

石炭は石炭化度と用途によって分類されます。石炭化度による分類では、

  • 無煙炭:最も炭素含有量が高く、最も高品質な石炭。燃焼時に最も多くの熱を発生させる
  • 瀝青炭:無煙炭よりも炭素含有量が低く、中程度の品質の石炭。燃焼時に発生する熱量も中程度。
  • 褐炭:最も炭素含有量が低く、最も低品質な石炭。燃焼時に発生する熱量も最も低い。

の3つの種類に分けられます(厳密にはもっと細かく分けることもあります)。また、用途による分類では、原料炭と一般炭の2つに分けられます。

  • 原料炭:主に製鉄の原料として使用
  • 一般炭:主に発電用燃料として利用

石炭の埋蔵量は世界に広く分布しており、可採埋蔵量は約8,475億トンと推定されています。この埋蔵量に基づいて算出される可採年数は133年です。(石炭の可採年数は、現在の採掘量をベースに算出された数字です。石炭の採掘量は、今後も増加する可能性があります。また、石炭の節約を進めることで、可採年数を延ばすこともできます。)

石炭は地域によって埋蔵量が異なりますが、世界的に見ると、石炭の埋蔵量は特定の地域への偏りが比較的少ないと言えます。石炭はその性質上、世界中のさまざまな場所で形成されるためです。

たとえば、中国オーストラリアインドロシアアメリカなど、世界中の多くの国で石炭が採掘されています。現在では衰退しましたが、かつては日本でも石炭採掘が盛んに行われていました。

【世界の確認可採埋蔵量(2013年)】

天然ガス

天然ガスは、石炭や石油に比べて環境への影響が少ない化石燃料です。天然ガスは、主に火力発電や家庭用燃料として使用されています。

【LNG基地(左)とLNG(右)】

上の写真の「LNG」とは液化天然ガスのことです。天然ガスを液体にすることで大量輸送や貯蔵が可能になります。

日本は世界最大のLNG消費国であり、主にオーストラリアや東南アジアなどから輸入しています。LNGはエネルギーの輸入元が偏りすぎることによるリスクを低減するためにも、重要な資源です。

【化石燃料の地域別埋蔵量分布】

化石燃料の種類や用途を確認できたので、次の章では化石燃料の歴史をたどります。*2)

化石燃料の歴史

化石燃料は、古代から人類に利用されてきました。石炭は、紀元前4000年頃には中国で利用されていた記録があり、石油は、紀元前3000年頃にはメソポタミアで利用されていた記録があります。天然ガスは、紀元前1000年頃には古代ペルシャで利用されていた記録があります。

しかし、これらの記録はまだ研究中のものも多く、ここでは16世紀以降の化石燃料の歴史を紹介します。

16世紀頃 ヨーロッパでは石炭の採掘が盛んになった。
17世紀頃イギリスでは石炭が蒸気機関の燃料として使用されるようになった。
18世紀前半蒸気機関の発明により、石炭が重要なエネルギー源となる。
18世紀頃アメリカでは石油が灯油の原料として使用されるようになった。
1859年ペンシルバニア州で最初の石油井が発見された。
19世紀頃石油がガソリンやディーゼル燃料の原料として使用されるようになった。
20世紀石油が世界的なエネルギー源として普及した。
20世紀初頭自動車の発明により、石油需要が急増する。
1920年代天然ガスが産業用エネルギー源として広く使用されるようになる。
1950年代原子力発電が普及し始めた。
1970年代石油危機が発生し、石油需要の削減が求められるようになる。
1980年代再生可能エネルギー技術の研究が進む。
1997年京都議定書が採択され、温室効果ガスの削減が国際的な課題となる。
2000年代太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーの普及が進む。
2010年代化石燃料からの脱却が求められ、各国で再生可能エネルギーへの投資が増加する。

【エネルギー消費の推移】

生産量・消費量の推移

続いて、生産量・消費量の推移を見ていきましょう。

石油

【世界の原油生産動向(地域別)】

2021年、新型コロナウイルスの流行からの経済回復により、世界の原油生産量は前年比1.6%増加しました。欧州では減産が進みましたが、アジア、オセアニア、アフリカ、ロシア、中東、北米では生産量が堅調に増加しました。

OPEC(石油輸出国機構)加盟国の生産量は、1980年代前半に減少しましたが、1980年代後半から回復し、現在は世界の原油生産量の約40%を占めています。一方、OPEC非加盟国、特にアメリカ合衆国では、1965年以来生産量が着実に増加しており、最近はシェールオイル※の生産量が大幅に増加しています。投資制限や新型コロナウイルスの影響により、2020年に生産量が減少したものの、2021年は比較的安定しています。

※シェールオイル

頁岩(けつがん)と呼ばれる岩石に含まれる油のこと。水圧破砕法と呼ばれる技術で採掘され、採掘コストが安く埋蔵量も多いため、注目されている化石燃料の1つ。

【世界の石油消費の推移(地域別)】

石炭

【世界の石炭生産量の推移(国別)】

2021年の世界の石炭生産量は、中国が51.4億トンで最も多く、インド、インドネシア、アメリカ、オーストラリアが続きました。上位10か国で世界の生産量の92.8%を占めています。2010年から2021年の間に、アメリカ、南アフリカ、ドイツ、ポーランド、カザフスタンの5か国では、生産量が減少。一方で、中国、インド、インドネシアの生産量は増加しました。

【世界の石炭消費量の推移(国別)】

世界の石炭消費量は、2020年は新型コロナウイルスの影響で減少しましたが、2021年には2020年に比べて6.0%増加しました。中国は世界の石炭消費量の53.1%を消費し、上位5か国で78.1%を占めています。石炭は、主に発電(65.8%)、鉄鋼生産用のコークス製造(13.0%)、産業用途(12.8%)に使用されました。

この、中国の石炭利用は、深刻な大気汚染の主な原因と考えられています。

【関連記事】中国の大気汚染問題の現状|日本に与える影響や私たちにできる対策も

天然ガス

【地域別天然ガス生産量の推移】

2021年の天然ガスの生産量は、北米が28%、欧州・ロシア・その他旧ソ連邦諸国が27%を占めました。中国、豪州、中東などの地域でも生産量が増加しています。

現在、世界的な天然ガスの消費の伸びに対応するため、大規模な天然ガスの資源開発が進められています。また、脱炭素燃料として注目される水素やアンモニアの原料など、天然ガスの新たな利用可能性を広げる技術についても研究開発が進展しています。

【天然ガスの消費量の推移(地域別)】

2021年の天然ガス消費量は、北アメリカ・ヨーロッパ・ロシア・その他の旧ソビエト連邦諸国が最も多く、世界の約55%を占めました。これらの地域では、天然ガスが豊富に産出され、産業や暖房用途等に利用されていることや、パイプラインなどのインフラが整備されていることが要因です。

日本の天然ガスの消費割合は24%ほどで、OECD※に加盟しているヨーロッパ諸国と同程度です。

※OECD

経済協力開発機構のこと。経済成長、雇用創出、生活水準の向上など、経済の持続的成長と社会の繁栄を図ることを目的とした国際機関。

次の章では、この化石燃料の持つメリットに焦点を当ててみましょう。*3)

化石燃料のメリット

化石燃料の利用が世界中に広まったのは、メリットが多く、エネルギーとしてだけ見るととても便利なのが大きな理由です。化石燃料のメリットを具体的に見ていきましょう。

燃焼熱量が高く、効率的なエネルギー源

化石燃料は、燃焼熱量が高く、効率的なエネルギー源とされています。燃焼熱量とは、単位重量当たりの熱量で、燃料を完全燃焼させた際に発生する熱量のことを指します。化石燃料は、少ないコストで大量のエネルギーを取り出すことができます。

採掘、輸送、保管が容易

化石燃料は世界各地で採掘されています。そのため供給源が多く、採掘が容易です。

また、化石燃料は液体や気体の形態で存在するため、輸送や保管が容易です。例えば、石油はタンカーによって海上輸送され、タンクに貯蔵されます。

天然ガスはパイプラインによって輸送され、圧縮された状態で貯蔵されます。このように、化石燃料は採掘、輸送、保管が容易であるため、世界中で広く利用されています。

価格が比較的安価

  • 燃焼熱量が高く、効率的なエネルギー源
  • 採掘、輸送、保管が容易
  • 技術が進歩し、効率的に生産できる

などの理由で、化石燃料は安くて安定的に手に入るので、日本はこれまで化石燃料に依存した社会を構築してきました。そして、複数の国から輸入することでリスクを低減しています。

多様な用途

化石燃料は、エネルギー源としてだけでなく、他にも多様な用途に利用されています。例えば、

  • 化学工業:石油はプラスチックや化学薬品の原料として利用されます。
  • 輸送:自動車や航空機などの交通手段に燃料として利用されます。
  • 発電:火力発電所で燃料として利用され、電力を生み出します。
  • 家庭用燃料:暖房や調理に石油や天然ガスが利用されます。

このように、化石燃料は私たちの生活に欠かせない存在となっています。次の章では、近年深刻な問題となっている化石燃料の持つデメリットを確認します。*4)

化石燃料のデメリット

SDGsの知識や社会問題への意識が高まった近年では、

  • 化石燃料=温室効果ガス

というイメージが強くなりました。このイメージは間違ってはいませんが、化石燃料のデメリットについて、もう少し具体的に確認しましょう。

CO2など温室効果ガスの排出

化石燃料の燃焼により、二酸化炭素などの温暖化ガスが大量に排出されるため、地球温暖化の原因となっています。

大気汚染の原因となる窒素酸化物や硫黄酸化物を排出

化石燃料の燃焼により、大気中に微小な粒子や有害物質が放出され、健康被害を引き起こすことがあります。

採掘や輸送にともなう環境破壊

化石燃料の採掘や輸送に伴い、地盤沈下海洋生態系の破壊など、さまざまな環境問題が発生することがあります。

採掘現場での人権問題

化石燃料の採掘現場では、

  • 低賃金
  • 長時間労働
  • 安全対策
  • 不備子ども労働
  • 強制労働

といった、過酷な労働条件で働く人々がまだ世界には存在しています。このような人々の人権問題も化石燃料に関連したデメリットと言えます。

枯渇する可能性

化石燃料は地球上に限られた量しか存在せず、将来的には枯渇する可能性があります。

価格変動の影響

化石燃料の価格は需要や供給などの要因によって大きく変動するため、電気料金やガス料金などのエネルギー価格の不安定化を引き起こすことがあります。

化石燃料の持つデメリットは、地球の将来に関わります。メリットも多く便利な化石燃料ですが、できる限り早い再生可能エネルギーへの移行が世界の急務です。

次の章では日本の化石燃料に関する現状を把握しましょう。*5)

日本の化石燃料に対する現状

日本の化石燃料の現状は深刻です。化石燃料への依存度が高いため、地球温暖化の影響を受けやすく、エネルギー価格も不安定です。

化石燃料に代わるエネルギー源として、再生可能エネルギーの導入が進められていますが、まだ十分ではありません。

エネルギー自給率

2020年度の日本の自給率は11.3%で、2019年の12.1%よりも低い結果でした。この主な理由は、

  • 新型コロナウイルス感染症の流行による経済活動の低迷により、エネルギー消費量が減少した。
  • 原油価格の低迷により、石油の輸入価格が減少した。
  • 原子力発電所の稼働率が低下した。

などが考えられます。

原子力発電所の稼働率が低下したため、それを補う形で石油や天然ガスなどの化石燃料の輸入量が増加しました。

【主要国の一次エネルギー自給率比較(2020年)】

上のグラフからも、日本のエネルギー自給率が世界最低水準なのがわかります。

下の図は2010年以降の日本のエネルギー自給率の推移を表したものです。2011年に発生した東日本大震災とその後の原子力発電所の停止により、それ以降は化石燃料の消費が増え、再生可能エネルギーの導入を推進しているものの、やはり日本のエネルギー自給率は世界的にもとても低い水準です。

【日本のエネルギー自給率】

【一次エネルギー※国内供給の推移】

※一次エネルギー

自然界に存在するエネルギーで、人為的な変換プロセスを経ていないもの。例えば、石油や石炭、天然ガス、ウランのような採掘資源から太陽光、水力、風力といった再生可能エネルギー、さらには薪や木炭なども含まれる。

【日本の一次エネルギー供給構成の推移】

2021年の実績で日本は、

  • 石油の輸入量が世界第3位
  • 石炭の輸入量が世界第3位
  • 天然ガスの輸入量が世界第4位

でした。日本は化石燃料の輸入への依存度が高いことが原因で、エネルギー価格の変動の影響を受けやすくなっています。また、上の円グラフの推移からもわかるように、2010年以降、日本のエネルギー消費量の約8割は化石燃料に依存し続けています。

主な化石燃料の輸入相手国

【日本の化石燃料輸入先(2021年)】

日本は、原油の輸入の約90%を中東地域に依存しています。LNGや石炭は中東地域依存度は低いものの、アジアをはじめとした海外からの輸入に頼っています。

原油・石炭・天然ガスの輸入量が多い国上位3国は以下の通りです。

  • 原油
    1位:サウジアラビア(39.7%)
    2位:アラブ首長国連邦(34.7%)
    3位:クウェート(8.4%)
  • 石炭
    1位:オーストラリア(66%)
    2位:インドネシア(12%)
    3位:ロシア(11%)
  • 天然ガス(LNG)
    1位:オーストラリア(35.8%)
    2位:マレーシア(13.6%)
    3位:ブルネイ(5.8%)

このように、ほとんどのエネルギーを化石燃料に依存している日本にとって、「脱炭素」「脱化石燃料」への取り組みは簡単ではありません。しかし、長期的な視野で考えると、このままでは環境面でも経済面でもいずれ立ち行かなくなってしまいます。

このような現状をふまえて、次の章では今後の化石燃料の動向を探ります。*6)

今後の化石燃料の動向

化石燃料は、いずれ枯渇する資源であり、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出するため、今後、その使用量は世界全体で見ると減少していくと考えられています。化石燃料に代わるエネルギー源として、再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電など)が注目されています。

化石燃料をめぐる世界の動向

【アントニオ・グテーレス国連事務総長】

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、第77回国連総会のハイレベル討論の初日に集まった世界の指導者たちに、

”The fossil fuel industry is feasting on subsidies & windfall profits while household budgets shrink & our planet burns.”

「化石燃料業界は、家庭の予算が縮小し、地球が燃え尽きていく中、補助金と臨時利益をむさぼっています。」

と指摘し、

”We need to hold the industry and its enablers to account.”

「化石燃料企業とその支援者を責任に問うべきです。」

”At #UNGA, I call on all developed economies to tax the windfall profits of fossil fuel companies.”

「国連総会で、私はすべての先進経済国に対し、化石燃料会社の臨時利益に課税するよう呼びかけています。」

引用:United Nations『Guterres calls for ‘coalition of the world’ to overcome divisions, provide hope in place of turmoil』(2022年9月)

という力強い演説を行いました。

また、グテーレス国連事務総長は、世界が化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を加速させる必要があり、今後8年間で再生可能エネルギーの導入を全エネルギー容量の約60%に増やす必要があることも述べています。

しかし世界の現状は…

2022年の「化石燃料ファイナンス報告書」によると、世界の60銀行パリ協定後も化石燃料に4.6兆ドルを資金提供しています。その中には、日本の

  • 6位:三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)
  • 8位:みずほ銀行

も含まれています。

他にも、

  • 1位:JPモルガン・チェース
  • 2位:シティ
  • 3位:ウェルズ・ファーゴ
  • 4位:バンク・オブ・アメリカ

などをはじめとする銀行が上位にランクされています。

【パリ協定以降のワースト12銀行】

世界の脱化石燃料に向けた動き

国際エネルギー機関(IEA)が発表したレポートによると、ロシアがウクライナに侵攻したことが原因で、これまで経験したことのない世界的なエネルギー危機が起きています。この危機が、

  • クリーンエネルギー移行を妨げるのか、それとも促進するのか
  • 各国政府の対応でエネルギー市場がどう変わるか

など、様々な面で注目されています。

IEAは、世界の化石燃料需要が2020年代半ばにピークを迎え、その後減少すると予測しています。これは、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機への対応として、世界中の国々が化石燃料からの脱却を加速する努力が進んでいるためです。

【1900年から2050年までの政策宣言シナリオにおける世界の化石燃料の需要】

※Oil(オレンジ)=石油・Coal(黄)=石炭・Natural gas(緑)= 天然ガス

しかし、現在の努力は、地球温暖化防止の国際枠組みであるパリ協定によって設定された目標※を達成するにはまだ遠く及ばないものです 。一部の国々は、短期的なエネルギー供給問題への対応として、石炭火力発電所を建設または再稼働させています。しかしIEAの見解では石炭需要の増加は一時的なものであり、数年以内に再び減少すると予測しています。

【2022年と2021年の世界のエネルギー展望におけるロシアの天然ガス輸出】

(オレンジ)=2021年の展望・(黄)=2022年の展望

世界は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機に直面しています。この危機は、クリーンエネルギーへの移行を妨げる可能性がありますが、より大きな行動のきっかけにもなり得ます。

日本を含め、世界各国の政府は、エネルギー安全保障と環境保護の両方を考慮した政策を策定する必要に迫られています。

※パリ協定によって設定された目標

「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」というもの。これは、地球温暖化を抑制し、気候変動による影響を最小限に抑えるための目標。

【関連記事】パリ協定(COP21)とは?目標やSDGsとの違い、企業の取り組みを解説

化石燃料をめぐる日本の動向【GX:グリーントランスフォーメーション】

【GX(グリーントランスフォーメーション)とは】

日本政府が推進する「グリーントランスフォーメーション(GX)」とは、脱炭素社会の実現に向け、経済社会システム全体を変革する取り組みです。GXは、

  • 温室効果ガスの排出量削減
  • 産業競争力向上

の両立を目指しています。

GXは、世界各国でも注目されています。日本も2020年に「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。

これを受けて、政府や企業、地方自治体などはGXの実現に向けて、さまざまな施策を実施していく予定です。

【関連記事】GX(グリーントランスフォーメーション)とは?企業の取り組み事例や最新動向も

日本が取り組むGXの具体的な内容を確認しましょう。

①再生可能エネルギーの普及促進

  • 太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を支援する政策の実施
  • 再生可能エネルギーの普及に向けた普及啓発活動の実施

②エネルギー効率の向上

  • 建物や車両などの省エネルギー化技術の導入を支援する政策の実施
  • エネルギー効率の向上に向けた普及啓発活動の実施

③CO2削減目標の達成

  • 2030年までに温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減する目標を掲げ、その達成に向けた政策の実施
  • 2050年までにカーボンニュートラルを目指す政策の実施

④循環型社会の推進

  • 廃棄物の削減やリサイクルの促進を支援する政策の実施
  • 循環型社会に向けた普及啓発活動の実施

【関連記事】サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは?リサイクルとの関係・取組事例も

これらのGXに関する取り組みは、政府や企業、市民団体などが協力して推進されています。日本政府はこの他にも、

  • 原子力発電の活用
  • カーボンプライシングの導入
  • 脱炭素技術の開発
  • 脱炭素社会への移行に向けた国民の理解促進

などにも取り組んでいます。まだ議論の分かれる取り組みもありますが、日本全体でGXを推進すべきなのは確かです。

次の章ではGXにも関連する「化石燃料に頼らない方法」を考えてみましょう。*7)

化石燃料に頼らない方法は?

「すぐに再生可能エネルギー100%」は日本にとって現実的に不可能です。しかし、だからこそ「化石燃料に頼らないためにはどうしたらいいか」を私たちひとりひとりも考えることが重要です。化石燃料に頼らない方法の例としては、以下のようなものがあります。

社会全体のエネルギー分野の移行

社会全体のエネルギー分野の移行は、政府や地方自治体、企業が中心となって取り組むものが多いものの、私たちもしっかりと理解しておくことが大切です。

再生可能エネルギー

太陽光や風力、水力など、自然エネルギーを利用した再生可能なエネルギー源を利用することで、持続可能な方法でエネルギーを得ることができます。

原子力発電

原子力発電所を利用することで、化石燃料に頼らずエネルギーを得ることができます。原子力発電は温室効果ガスを発生しませんが、一方で核廃棄物の処理や災害時の安全性など、課題の多い発電方法でもあります。

エネルギーの効率化

省エネルギー設備や高効率な機器を利用することで、エネルギー消費量を削減し、化石燃料の使用量削減につなげることができます。

燃料電池

燃料電池とは、水素と酸素を反応させて電気を起こす装置です。燃料電池は、化石燃料を燃やして発電する場合と比べて、非常に少ない温室効果ガス排出量で済みます。また、燃料電池は、発電効率も高く、騒音や振動も少ないというメリットもあります。

【関連記事】エネファームとは?仕組みと費用・寿命・デメリットなどの基礎知識と普及しない理由

バイオマスなど生物資源の利用

バイオマスとは、生物由来の資源のことです。バイオマスは、化石燃料と比べて、温室効果ガスの排出量が少ないため、地球温暖化対策に有効なエネルギー源です。また、バイオマスは、再生可能エネルギーであるため、エネルギー安全保障の向上にもつながります。

私たちにできること

化石燃料に頼らない社会を実現するために、私たちもできることを見つけて生活のスタイルを少しづつ変えていく必要があります。日常で取り組める「脱化石燃料」の取り組みの例をいくつか挙げます。

  • 公共交通機関や自転車、徒歩で移動する。→移動に伴うガソリンの使用量を減らすことができる。
  • ZEV※などのエコカーを利用する。→ガソリン車に比べて二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を減らすことができる。
  • 日常生活で電気・ガス・水などの節約を心がける。→電気やガスの使用量を減らすことができる。
  • エネルギー効率の高い家電(省エネ家電)を利用する。→電気やガスの使用量を減らすことができる。
  • リサイクルを心がける。→ゴミの量を減らし、化石燃料の使用量を減らすことができる。
  • コンポストを作る。→生ごみを堆肥化させ、化石燃料を必要とする肥料の使用量を減らすことができる。
  • 断熱材を利用する。→住宅の断熱性を高め、暖房や冷房の使用量を減らすことができる。
  • エネルギー政策への参加※をする。→化石燃料に依存しない社会の実現に貢献することができる。

私たち一人ひとりが、これらの取り組みを実践することで、化石燃料に頼らない社会の実現により早く近づくことができます。

※ZEV

Zero Emission Vehicle(ゼロエミッション・ビークル)の略称。温室効果ガスなどの排出ガスを全く出さない車両のこと。

【関連記事】ZEV規制とは?クレジットの計算や世界・日本の現状

※エネルギー政策への参加

エネルギー政策への参加とは、化石燃料に依存しない社会の実現に向けて、エネルギー政策に意見を持ち、その実現のために行動することです。具体的には、以下のような方法があります。

  • 選挙でエネルギー政策に力を入れている候補者や政党に投票する。
  • エネルギー政策に関する意見を国や自治体に提出する。
  • エネルギー政策に関する情報や知識を広める。

エネルギー政策への参加には、日本人の私たちにとっては少しハードルが高いと感じる取り組みもあるかもしれません。しかし、政治に興味を持つことは国民として大切です。

政治は、私たちの生活に深く関わっています。政治に関心を持つことで、私たちは自分の生活をより良くすることができることを理解しましょう。

次の章では化石燃料とSDGsの関わりについて考えます。

化石燃料とSDGs

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連で採択された、地球上のすべての人々がより良い暮らしをすることができるように、2030年までに達成を目指す17の目標です。化石燃料は、SDGs達成に大きな影響を与える要素の代表です。

化石燃料は、現在世界で最も多く利用されているエネルギー源ですが、その使用により、地球温暖化や大気汚染などの環境問題を引き起こしています。

また、化石燃料の採掘や輸送には、多くのエネルギーを消費し、環境への負荷も大きくなっています。SDGsでは、地球温暖化対策や環境保護、エネルギー効率の改善など、化石燃料に関連する目標がいくつか設定されています。

化石燃料と関係の深いSDGs目標

圧縮済みSDGs画像

化石燃料に特に関係の深いSDGs目標を見ていきましょう。

目標7:「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」

化石燃料は、現在世界で最も多く利用されているエネルギー源です。しかし、化石燃料の使用は、地球温暖化大気汚染などの環境問題を引き起こしています。また、化石燃料の採掘や輸送には、多くのエネルギーを消費し、環境への負荷も大きくなっています。

SDGs目標7では、すべての人に

  • 手頃な価格
  • 持続可能
  • 近代的

という条件のそろったクリーンなエネルギーへのアクセスを確保することを目指しています。

目標13:「気候変動に具体的な対策を」

化石燃料の使用は、地球温暖化の主要な原因の一つです。地球温暖化は、

  • 海面上昇
  • 異常気象
  • 農作物不作

など、気候変動による影響を引き起こしています。

SDGs目標13では、気候変動がもたらす影響から人々を守り、地球環境を保護するために、迅速かつ効果的な対策を行うことを目指しています。

目標14:「海の豊かさを守ろう」

化石燃料の採掘や輸送による海洋汚染は、

  • 海洋生物の死滅
  • 漁業被害
  • 水質汚染

などの問題を引き起こしています。

SDGs目標14では、海洋と海洋資源の持続可能な利用を促進し、海洋の健全性と持続可能性を確保することを目指しています。

目標17:「パートナーシップで目標を達成しよう」

SDGs目標17では、パートナーシップで目標を達成するための手段を強化することを目指しています。化石燃料の使用量を削減し、再生可能エネルギーへの転換を進めるには、政府、企業、市民社会が協力する必要があります。

また、SDGs目標17は、世界の持続可能な将来のために、さまざまな取り組みを進める国際協力を強化するためにもとても大切です。*8)

>>各目標に関する詳しい内容はこちらから

まとめ

化石燃料の使用量を削減し、再生可能エネルギーへの転換を進めていくためには、国際的な協力が必要です。これは、化石燃料の採掘や輸送にかかわる国々の協力、再生可能エネルギーの開発や導入にかかわる国々の協力など、広い分野にわたります。

そして、世界全体で化石燃料の使用量を削減し、再生可能エネルギーへの転換を進めていくために、あなたにできることもたくさんあります。私たちひとりひとりが、無理なくできることを少しずつ積み重ねていくことで、将来の持続可能な社会の構築のための大きな力となります。

また、このような社会問題について、常に今よりも一歩進んだ知識を学ぶ習慣を持ちましょう。知識がなければ気がつかないことや行動に移せないことが、たくさんあるのです。

〈参考・引用文献〉
*1)化石燃料
関西電力『エネルギーは地球のおくりもの エネルギーができるまで』とは?
CCSとは?CCUSとの違い、デメリット・問題点、二酸化炭素回収・貯留の仕組みを解説
JAPEX『石油・天然ガスとは』
一般社団法人カーボンフロンティア機構『石炭Q&A Q1:石炭とは何か』
*2)化石燃料の種類と主な用途
JAPEX『石油・天然ガスとは』
石油情報センター『石油の用途』
一般社団法人カーボンフロンティア機構『石炭Q&A Q1:石炭とは何か』
一般社団法人 日本ガス協会『都市ガス・天然ガスとは』
資源エネルギー庁『石炭とは』(2021年1月)
資源エネルギー庁『【インタビュー】「LNGは環境性・供給安定性・経済合理性のバランスのとれたエネルギー」-広瀬 道明氏(前編)』(2019年8月)
資源エネルギー庁『LNGを安定的に供給するための取り組み』(2017年12月)
*3)化石燃料の歴史
JOGMEC『エネルギー文明史ーその1 田中紀夫』p.54
OIL PRICE『The Complete History Of Fossil Fuels』(2020年3月)
NATIONAL GEOGRAPHIC『Fossil Fuels』
NATIONAL GEOGRAPHIC『Oil Shale』
NATIONAL GEOGRAPHIC『Coal』
NATIONAL GEOGRAPHIC『Petroleum』
NATIONAL GEOGRAPHIC『Natural Gas』
Our World in Data『Fossil Fuels』
JOGMEC『エネルギー文明史ーその1 田中紀夫』
資源エネルギー庁『【日本のエネルギー、150年の歴史③】エネルギー革命の時代。主役は石炭から石油へ交代し、原子力発電やLPガスも』(2018年5月)
資源エネルギー庁『石油がとまると何が起こるのか? ~歴史から学ぶ、日本のエネルギー供給のリスク?』(2017年9月)
飯島 武次『夏王朝二里頭文化の刻画紋・刻紋・貼付紋土器』p.49,p.50
IEEI『石炭の簡単な歴史と概要』
資源エネルギー庁『令和4年度エネルギーに関する年次報告 (エネルギー白書2023)第2章 国際エネルギー動向』p.118,p.120,p.122,p.123p.128,p.129(2023年6月)
資源エネルギー庁『 令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2022)第2節 世界的なエネルギー価格の高騰とロシアのウクライナ侵略』(2022年6月)
IEA『Oil Market Report – May 2023』(2023年3月)
IEA『Gas Market Report, Q1-2023』(2023年2月)
中国の大気汚染問題の現状|日本に与える影響や私たちにできる対策も
*4)化石燃料のメリット
J-POWER『もっと知ってほしい石炭火力発電 世界最高水準の発電効率』
資源エネルギー庁『第2部 エネルギー動向 第1章 国内エネルギー動向 第3節 一次エネルギーの動向』(2020年6月)
*5)化石燃料のデメリット
資源エネルギー庁『石油がとまると何が起こるのか? ~歴史から学ぶ、日本のエネルギー供給のリスク?』(2017年9月)
NATIONAL GEOGRAPHIC『Robb Kendrick: Life in India’s Coal Mines』(2014年3月)
日本経済新聞『人権経営、強制労働にNO! マネー呼ぶ新常識』(2023年5月)
日経ビジネス『「現代奴隷制」の被害4000万人 サプライチェーンの人権配慮必須に』(2020年11月)
United Nations Human Rights『Joint Statement by UN human rights experts – Accelerate the end of the coal era to protect human rights』(2021年10月)
*6)日本の化石燃料に対する現状
資源エネルギー庁『日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」』(2023年6月)
資源エネルギー庁『令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2022)第1節 エネルギー需給の概要』(2023年6月)
*7)今後の化石燃料の動向
United Nations『Guterres calls for ‘coalition of the world’ to overcome divisions, provide hope in place of turmoil』(2022年9月)
350JAPAN『【プレスリリース】「化石燃料ファイナンス報告書2022」発表〜世界60銀行、パリ協定後も化石燃料に4.6兆ドルを資金提供〜』(2022年3月)
東京新聞『グテレス国連事務総長が寄稿「世界は燃えている-私たちに必要なのは再生可能エネルギーによる革命である」』(2022年7月)
IEA『World Energy Outlook 2022 Executive summary』(2022年10月)
パリ協定(COP21)とは?目標やSDGsとの違い、企業の取り組みを解説
資源エネルギー庁『今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~』(2017年8月)
外務省『2020年以降の枠組み:パリ協定』(2022年4月)
IEA『World Energy Outlook 2022』(2022年10月)
資源エネルギー庁『激動するエネルギーの「今」を知る!「これから」を考える!「エネルギー白書2023」』(2023年6月)
資源エネルギー庁『「GX実現」に向けた日本のエネルギー政策(前編)安定供給を前提に脱炭素を進める』(2023年3月)
資源エネルギー庁『「GX実現」に向けた日本のエネルギー政策(後編)脱炭素も経済成長も実現する方策とは』(2023年5月)
資源エネルギー庁『エネルギー危機の時代、原子力発電をどうする?」(2023年3月)
資源エネルギー庁『「安全な原子力発電」の追求にこそ必要な、技術継承と新型への挑戦』(2023年3月)
GX(グリーントランスフォーメーション)とは?企業の取り組み事例や最新動向も
サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは?リサイクルとの関係・取組事例も
エネファームとは?仕組みと費用・寿命・デメリットなどの基礎知識と普及しない理由
*8)化石燃料とSDGs
国際連合広報センター『SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン』