ホットマン株式会社|タオル産業の”ものづくり”の常識を覆し、貫き続ける理念経営とは。

ホットマン株式会社 坂本さん インタビュー

坂本 将之

1976年岡山県生まれ。高校時代、デニムに強く興味を持ったことがきっかけで1995年に国立信州大学繊維学部入学。1999年、鎌倉時代から織物の歴史が続く東京都青梅市で明治元年に絹織物製造業として創業し、現在はタオルの製造販売を行う梅花紡織株式会社(現ホットマン株式会社)に入社。織布、染色といった製造部門に携わり、生産課長、本社工場長、研究開発室長、商品部長を歴任。2015年4月より同社7代目代表取締役社長。自社の存在理由となる経営理念の達成を徹底する「理念経営」を実践。国内初の日本製フェアトレードコットンタオルの製造販売を行うなど、全ての製造工程から直営店での販売までを自社で行える国内タオル業界唯一の仕組みを生かし、SDGsを道標として「社会課題の解決」と「企業価値の向上」の両立を目指した取り組みを行っている。

introduction

“タオル”という身近な製品を取り扱うホットマン。一般的な繊維業界の常識とは異なる仕組みを構築し、あらゆる側面からSDGsに貢献しています。

今回は、代表取締役社長である坂本将之さんを迎え、ものづくりに対する想いを伺い、SDGsにおける企業の意義・役割をお話いただきました。

タオルの製造から販売をすべて自社で行う

インタビュアー
インタビュアー

本日はよろしくお願いします。まず、御社の事業内容を教えてください。

坂本さん
坂本さん

タオルの製造販売と、タオル生地を使ったバスローブやパジャマなどの縫製品の製造販売を行っています。代表的な商品として、水に落とすと1秒以内に沈み始める圧倒的な吸水性を持つ”1秒タオル”があります。

坂本さん
坂本さん

弊社の大きな特徴は、製造から販売まで一貫して自社で行うことが出来るということです。日本のタオル産業は、タオルが出来上がるまでに、生地を織る、染める、縫う、プリントする、という工程をそれぞれの企業で分担して行うことが一般的です。販売に関しても、問屋に卸して売り場に置かれる仕組みを採用している企業が多い中、弊社では直営店で自社のスタッフが直接販売しています。

坂本さん
坂本さん

このように、製造から販売まで全て自社で行うことができるのは日本で唯一、私たちホットマンだけです。

インタビュアー
インタビュアー

タオル産業の一般的な工程ではなく、御社がそのような仕組みを採用されているのには何か理由があるのでしょうか。

坂本さん
坂本さん

私たちは、経営理念をもとに事業を行う”理念経営”を大切にしているからです。

インタビュアー
インタビュアー

どのような理念を掲げているのでしょうか?

坂本さん
坂本さん

「お客様の快適で心豊かな生活に貢献する」を経営理念として掲げています。

これを達成するには、”自社が関わるすべての製品に責任を持つ”、”ものづくりの想いまでお客さまに届ける”、といった想いのもとで事業を行う必要があると考えました。

インタビュアー
インタビュアー

まさにSDGsの目標12”つくる責任”ですね。御社では、SDGsにも様々な視点から積極的に取り組まれています。理念経営を貫く結果が、SDGsに力を入れるようになったきっかけとしてあるのでしょうか。

坂本さん
坂本さん

そうですね。私たちが目指す「快適で心豊か」を実現するには、社会課題の解決に貢献していく必要があると感じ、積極的に進めるようになりました。

選ばれる商品であるために。時代の変化と共に進化し続けるホットマンのタオルの魅力とは

インタビュアー
インタビュアー

会社の方針とSDGsはどのように結びついているのでしょうか。

坂本さん
坂本さん

例えば、定番商品を主体として製造から販売まで一貫体制を整えていることで、必要な量だけ作ることができ、無駄な在庫を抱える必要がありません。つまり、売れ残りによる処分がなく、ゴミの発生も大きく減らすことができます。

坂本さん
坂本さん

また、タオルの製造過程にもこだわっています。「1秒タオル」には、水を吸収させるための薬剤や、生地を柔らかくする柔軟剤などの添加物は一切使用しないことから、人と環境にやさしいという特徴があります。

インタビュアー
インタビュアー

薬剤を一切使わないということでしょうか。

坂本さん
坂本さん

製造工程で全く薬品を使わないという意味ではなく、生地の上から人工的な機能を加えるための添加をしないということです。

天然繊維なので、どうしても不純物を落とす必要があります。そうした際には薬品を用いますが、その後は5時間ほどかけて徹底的に洗い流します。

手間と時間はかかりますが、使われる方の”快適で心豊かな生活に貢献する”という理念を達成するために欠かせない作業なのです。

インタビュアー
インタビュアー

そうしてできたタオルの使い心地はいかがでしょうか。

坂本さん
坂本さん

使い心地は素早く水を吸収し、かつ綿が持つ天然の柔らかさを感じていただけると思います。もちろん、お肌が弱い方でも安心してお使いいただけます。

インタビュアー
インタビュアー

タオルに求められる機能を果たしつつ、人と環境にも配慮されているんですね。

坂本さん
坂本さん

そうですね。直接肌に触れるものだからこそ、安心安全にお使いいただくことが当たり前でないといけませんし、さらに時代と共に変化するニーズを読み取る必要があります。

インタビュアー
インタビュアー

求められるニーズを読み取るとはどのようなことでしょうか。

坂本さん
坂本さん

タオルの本質は「水を吸い取ること」が大きな役割です。とはいえ、時代の流れと共に価値観は変化していきます。

昔はボリュームがあって上質なタオルが求められていました。その後2015年にSDGsが採択されたこともあり、「その商品が人や環境に配慮されたものなのか」が重視されるようになってきたと感じます。

インタビュアー
インタビュアー

変化するニーズにその都度応えていくということですね。その意味でも、御社のタオルは質はもちろんのこと、耐久性に優れていますよね。

坂本さん
坂本さん

私どものタオルは原料にこだわり、丁寧に時間をかけて作りあげるため、耐久性に非常に優れ、永く使えます。そして単に丈夫なだけではなく、柔らかい風合いが長く続くことも特徴です。

インタビュアー
インタビュアー

以前、私も出産祝いで御社のタオルをいただきましたが、4年経っても質が落ちずに心地よく使えています。

坂本さん
坂本さん

人にも環境にもよくて使い心地も良い、そして機能もしっかりしているため、出産祝いや新築祝いなどの贈り物としても選んでいただいています。

家庭の大切なイベントと共に歩んでいける思い出も一緒に吸い取っていける、そんな願いを込めてものづくりをしているのでうれしいですね。

パートナーシップで持続可能な社会を目指す

インタビュアー
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ほかにもフェアトレードに関する取り組みを進められていますが、こちらについても教えていただけますか?

フェアトレードコットンタオルで社会課題解決に貢献

坂本さん
坂本さん

2014年から、国内初の日本製フェアトレードコットンタオルの製造販売を行っています。

フェアトレードというのは、公平・公正な取引・貿易を意味しますが、生産国である途上国で作られた農作物や商品を正しい価格で取り扱い、人々の自立を支援しましょう、というものです。

インタビュアー
インタビュアー

タオルを含む繊維製品もフェアトレードと深く関わっているのでしょうか。

坂本さん
坂本さん

そうですね。フェアトレードというと、チョコレートやコーヒーをイメージする人も多いと思いますが、タオルの原料となるコットンにも、フェアトレード認証制度があるんです。

お客様に届ける製品に対して責任を持つことを意識している私たちは、日々コットンを取り扱う会社として、「フェアトレードを事業に取り入れるべきだ」という想いがあり、紡績会社と連携し、フェアトレードコットンタオルの製造販売が実現しました。

最高級な糸を取り扱うからこそ大切にしたい。エシカルの取り組み

インタビュアー
インタビュアー

フェアトレードの他にも、エシカルな取り組みとして、余った糸も無駄なく活用されていると伺いました。

坂本さん
坂本さん

はい。私たちはフェアトレード以外にも、エシカルな取り組みとして2つ進めています。

1つ目は、製造過程で出たゴミは、焼却処分を一切せずに固形燃料として再利用する取り組みです。

インタビュアー
インタビュアー

固形燃料化はどのように行っているのでしょう。

坂本さん
坂本さん

工場から出た生地の切れ端やゴミを固形燃料を作る企業まで運び、専用の機械で固形燃料にして頂いています。企業と連携することで、資源の循環に踏み出せました。

インタビュアー
インタビュアー

固形燃料以外の利用方法はありますか。

坂本さん
坂本さん

はい。工場から出た余剰糸を”残糸”と呼んでいますが、この残糸を利用して、主力であるタオル製品とは別の製品に再利用し、販売する取り組みを少しずつ進めています。

残糸とはいえ、私たちの扱うタオル生地の糸は最高級のクオリティのものばかりです。ただ、タオルを製造するには量が足りず、これまでは固形燃料にすることがほとんどでした。

そこで、少量でも製造できる製品を考え、オンラインショップなど限定で販売を進めているところです。

インタビュアー
インタビュアー

例えばどのような製品がありますか。

坂本さん
坂本さん

現在販売しているものに、エシカルバスマットや髪を拭くエシカルヘリンボーン ヘアタオルなどがあります。これらは残糸で製造しているため、生産できた数のみの限定販売のものです。

インタビュアー
インタビュアー

それは貴重ですね!新たな製品開発を進めたり、様々な業種の企業とパートナーシップを組んだりと、エシカルの推進に尽力されているのですね。

ホットマンだからパートナーを組みたい。オンリーワンの存在に

インタビュアー
インタビュアー

これらの取り組みを進めてきたことで、周りの反応や変化は感じられていますか。

坂本さん
坂本さん

個人のお客様からは、これまで使ってきたどのタオルよりも水を吸収して感動した、という嬉しいお声を頂いています。

また、周年記念のネーム入りのタオルなど、SDGsの目標達成に繋がる弊社商品を取り扱ってくださる企業が増えています。

坂本さん
坂本さん

このような機能性へのご評価以外にも、私たちの無駄のない取り組み、理念や仕組み、想いに共感して頂き、「ホットマンだからパートナーシップを組みたい」「一緒にフェアトレード商品を作りたい」とおっしゃって頂いています。

インタビュアー
インタビュアー

それは嬉しいですね!

坂本さん
坂本さん

はい。最近では小学生の経営体験として、子供たちが考えたデザインのフェアトレードコットンタオルを私たちが製造し、子供たちが販売するといった新しい取り組みも始まっています。

インタビュアー
インタビュアー

理念経営を貫いてこられたからこそ、多くの方々とってのオンリーワンなんですね。

経営理念とSDGsを統合しながら1歩ずつ着実に事業を進めていく

インタビュアー
インタビュアー

最後に、今後の展望をお聞かせください。

坂本さん
坂本さん

これからも、「お客様の快適で心豊かな生活に貢献する」という経営理念を軸に、SDGsの存在をひとつの道しるべとしながら、”理念経営”を貫いて参ります。

企業がSDGsを進めることは、自社の取り組みすべてを新しく考え直さなければいけないということではありません。

大切なのは、今ある事業を大切にしながら、その中でSDGsの要素を盛り込み、進化させることです。SDGsへの取り組みは企業の本業を通した社会対応力だと考えるべきです。

インタビュアー
インタビュアー

SDGsを絡めることで事業に付加価値を付けるということですね。

坂本さん
坂本さん

はい。サスティナブル、エシカル、そしてSDGsの考え方が主流となっているように、企業に求められることも時代と共に変化します。

その変化を経営理念と統合させ、地道に1歩ずつ経営を進めていきたいですね。

インタビュアー
インタビュアー

小さな1歩が大切なのですね。

坂本さん
坂本さん

そうですね。大企業が大きな100歩を進めていくことももちろん重要なのですが、中小企業の小さな1歩が100社行なえば同じ100歩になります。私たちもできることから着実に進めていきたいです。

インタビュアー
インタビュアー

私たちも勇気をもらいました。貴重なお話をありがとうございました!

取材 大越 / 執筆 Mayu Nishimura

インタビュー動画

関連リンク

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