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子ども兵士(子ども兵、少年兵)とは?世界の現状と撲滅のための取り組み・私たちにできること

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世界で今なお紛争が続いている地域には、大人に混じって子どもが戦闘員となって戦いの前線に立つ姿があります。彼らは子ども兵士と呼ばれ、世界で30万人以上いるといわれていますが、実態が掴めていないのが現状です。日本にいると想像しにくいかもしれませんが、実は私たちの暮らしと子ども兵士には密接な関係があります。子ども兵士の現状や影響をはじめ、背景にある複雑な国際要因を一つずつ解説していきます。

目次

子ども兵士(子ども兵、少年兵、児童兵士)とは?定義を確認

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まずは子ども兵士(子ども兵、少年兵、児童兵士)の定義から確認していきましょう。(※本記事では、表記を「子ども兵士」に統一しています。)

子ども兵士とは、英語ではChild Soldiersと呼ばれており、強制もしくは自発的に軍隊や武装グループの一員となり、戦闘に参加もしくは支援に従事する18歳未満の子どもを指します。人身取引や強制労働、児童買春などと並び、最悪な形態の児童労働と呼ばれています。

子ども兵士の現状

子ども兵士は「見えない兵士」とも呼ばれるほど実態が分かりにくく、正確な数は判明していません。その理由としては、

  • 戦死してしまうことが多い
  • 背丈など外見的な特徴から大人と区別できない場合がある
  • ほとんどの子どもが「出生証明書」を持っていないため実年齢が不明

などが挙げられます。

その中で、世界の約70か国に子ども兵士が存在するといわれており、特に紛争地域だけで約30万人以上もいると推定されています。しかし実際には、「見えない兵士」なども含めるとこれ以上の数の子ども兵士が存在すると考えられています。

子ども兵士はどの国や地域に多い?

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子ども兵士は、アジア、アフリカ、中東、中南米などの紛争地域に集中しています。以下は、子ども兵士がいると推定されている36か国です。

  • アルバニア
  • アゼルバイジャン
  • アルジェリア
  • ブラザビル
  • エリトリア
  • インド
  • イラン
  • イラク
  • イスラエル
  • レバノン

<最貧国>

  • アフガニスタン
  • バングラデシュ
  • ミャンマー
  • カンボジア
  • コンゴ共和国
  • パキスタン
  • パプア・ニューギニア

<重債務貧困国※>

  • アンゴラ
  • ブルンジ
  • コロンビア
  • コンゴ
  • エチオピア
  • インドネシア
  • リベリア
  • ルワンダ
  • シエラレオネ
  • ソマリア
  • スーダン
  • ウガンダ

引用:ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら 鬼丸 昌也

重債務貧困国とは…

国民全体の所得を合計しても、債務を返せない状態の国を「重債務貧困国」と呼びます。全世界で40か国が認定されており、そのうち36か国がアフリカの国々です。

カンボジアでは、5歳の子どもを含む8,000人の子ども兵士が確認されており、全兵力の25%を占めていると報告されています。また、アフガニスタンでは、全兵力の45%を占める約11万8,000人が子ども兵士ともいわれています。

女の子も子ども兵士に参加させられる?

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子ども兵士のうち、少女の割合は25~30%を占めるといわれています。戦闘に参加することに加え、少女兵士が受ける被害で圧倒的に多いのは性暴力や性的虐待です。また強制的に大人兵士と結婚させられ、子どもを産まされます。

子ども兵士は実際に何をしている?

子ども兵士が担わされる役割として、多い順に並べると以下の通りです。

  • 戦闘
  • 巡回、監視
  • 偵察、スパイ
  • 野営地や捕虜の見張り
  • 武器の整備
  • 指揮官の護衛
  • 病人や負傷者の介護
  • 運搬、調理係

参考…子ども兵の戦争

子ども兵士の90%以上が戦闘に参加しているといわれ、戦争や紛争で戦わせることが子どもを兵士にする最大の目的であるということが読み取れます。

兵士として徹底的に訓練され、戦地に送りこまれる子ども兵士は、自分の母親や故郷の友人を殺すよう命じられるケースも多々あります。親しい人と切り離すことで逃げ場をなくし、「平気で人を殺せるようにしていく」ことを叩き込まれるのです。

子ども兵士の事例と歴史

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ここからは、子ども兵士の事例を歴史に沿っていくつか見ていきましょう。

子ども兵士の事例①(アフリカ):ウガンダ「神の抵抗軍(LRA)」

南アフリカに位置するウガンダは、1962年にイギリスからの独立を果たしました。しかし、それまでの分断統治によって南北が対立し、1987年に反政府ゲリラのクーデターが起こり、その際に「神の抵抗軍(LRA)」が結成されました。LRAの3分の2は17歳以下の子どもたちで構成されています。また、これまでに拉致された子どもの数は2万人以上にのぼるといわれています。

子ども兵士の事例②(南北アメリカ):コロンビア「小さな鈴」

1万人以上が徴集され、最年少では7歳の子どもも存在するコロンビアの子ども兵士。彼らは使い捨ての見張り役という意味で「小さな鈴」と呼ばれています。他にも、

  • 敵が気づかないうちに刺すため「小さなミツバチ」
  • 敵に疑われずに検問所を通過して武器を運ぶ「小さな自動車」

などと呼ばれ、子どもたちが消耗品かのように扱われています。

子ども兵士の事例③(中東):イラン・イラク戦争

1980年代、サダム・フセインが率いるイラクとの戦争で劣勢を強いられたイランは、当時の大統領アリ氏が、「12歳から72歳までのすべてのイラン人は聖戦に志願すべきだ」と宣言しました。学校から無数の子どもたちが徴集され、手榴弾を1つか2つだけ持って先陣を切らされました。これにより、約10万人の子どもが命を落としたといわれています。

ここまで子ども兵士の事例を見てきましたが、歴史を振り返っても、決して遥か昔から子どもが前線で戦っていたわけではありません。むしろ、子どもが戦闘に駆り出されるようになったのは近代になってからです。

子ども兵士の歴史:古くは従者や世話人として

中世の時代まで遡っても、子どもが騎士や兵士になりたいと志願してきた場合は、

  • 従者になって武具の手入れをする
  • 主人の身の回りの世話をする
  • 戦場では火薬を運んで大砲に詰める

などの役割を担ってきました。

人類はこれまでにもたくさんの戦争を繰り返してきましたが、その中でも戦闘員と民間人は区別されてきました。必ず守られていたとは言えないものの、戦禍外の人への攻撃は最大のタブーとされてきたのです。

この暗黙の原則が崩れてきたのが、第二次世界大戦以降です。その最大の理由は、小型武器の登場によるものです。

子ども兵士と小型武器

これまで戦争で使われていた武器は、剣・銃・大砲など、子どもにとっては扱うのが難しいものばかりでした。しかし、軍事技術の発達によって次第に武器は小型化・軽量化・自動化されていき、子どもや女性も簡単に操作できるようになっていったのです。

自動小銃・AK47カラシニコフの登場

旧ソ連によって開発された、軽くて小型の自動小銃「AK47(カラシニコフ)」は、わずかな力で引き金を引くことで、1分間に30連射することができます。頑丈で扱いやすく、簡単に操作できる武器の登場により、子どもも戦闘要員として戦地に送りこまれることになりました。小型武器の中でも、AK47があったから子ども兵士が生まれたともいわれており、実際、紛争地域ではこの武器が氾濫しています。

なぜ子ども兵士になってしまうのか

子どもが兵士となってしまう過程には、大きく分けて2つあります。

子ども兵士になる理由①:強制的な徴兵や誘拐

紛争地域の政府軍による強制的な徴兵や、反政府軍による誘拐によって兵士にさせられてしまいます。兵士に狙われる一番の理由は、子どもは従順で洗脳しやすく、大人より扱いが容易だからです。

誘拐から逃れるナイトコミューター(夜の通勤者)

このような背景からウガンダ北部地域では、夜になると村の子どもたちが市の中心街に歩いてやってきます。これは拉致や誘拐される不安から、少しでも安全な場所へ逃れるための行動です。中心街に到着した子どもたちは、テントや軒先で身を寄せ合って眠っています。

彼らのことをナイトコミューターと呼び、その数は4,000〜6,000人に上り、中には裸足で10km以上かけてやってくる子どももいます。彼らは朝になると自分が住む村へ帰ったり、避難シェルターに留まったりしているようです。

子ども兵士になる理由②:自ら志願する

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家にいても食べるものがない貧困地域の子どもは、食事や寝る場所を求めて自ら軍隊に志願します。先ほど確認した通り、子ども兵士が存在する国は貧困国が多く、国自体が混乱し、内戦が長年続いているのが特徴です。

なぜ子ども兵士は途上国に多いのか

子ども兵士になってしまう経緯には、誘拐や小型武器の登場などがありました。ではなぜ子ども兵士は途上国に多いのでしょうか。

子ども兵士の原因①:貧困

繰り返しになりますが、子ども兵士の集中する紛争地域の共通点は、基本的な衣食住もままならない貧困国であることです。国の政情不安は治安の悪化を招き、誘拐や拉致などから子どもを保護するセーフティーネットが機能していません。

子ども兵士の原因②:武器取引

世界全体の開発途上国に対する援助額の合計は約600億ドルです。その一方で、2017年における世界の武器貿易総額は、少なくともそれを上回る950億ドルと見積もられ、武器取引は巨大ビジネスとなり莫大なお金を生み出しています。

参考…拡大する世界の武器取引

武器輸出の上位5か国はアメリカ、ロシア、フランス、ドイツ、中国で、総輸出量は世界全体の75%を占めています。

アメリカ、イギリス、フランスの3か国が武器貿易によって得ている経済的な利益は、この3か国が発展途上国に対して拠出しているODA(政府開発援助)※の金額を上回っています。

先進国の政府や政府機関が、開発途上国に対して経済的、技術分野、人道支援など幅広く援助すること。

これらの先進国は、貧困問題の解決に向けた援助や取り組みを進めているものの、武器貿易によって開発途上国からお金を吸い上げているという構造があります。

その結果、開発途上国では取り扱いしやすい武器が安価に出回ることにより、子どもが戦力として兵士になってしまうのです。

子ども兵士の原因③:資源紛争

子ども兵士が集中しているアフリカ地域は、多くがレアメタルなどの天然資源を国土に豊富に保有しています。

  • 全世界のダイヤモンドの約6割をアフリカが管理
  • 全体の約7割のプラチナは南アフリカから産出
  • スマホなど電子機器の材料になるコバルトは全体の約6割がコンゴから産出

その他にも金や銅、スズ、ダイヤモンド、コルタンなど、現代生活に欠かせない電子機器の材料となる資源が産出されます。それゆえにこれらの資源をめぐって、

  • 独裁政権が利益追求
  • 反政府軍が活動資金を確保
  • 外国軍による軍事介入

など、長引く紛争や内戦の原因の一つになっています。戦闘が長期化、激化するほど、さらに子どもが兵士として徴用される事態に陥っているのです。

子ども兵士への影響

身体的・精神的に未熟な子ども時代に経験した苛烈な出来事は、たとえ生き延びたとしてもその後の人生に大きな影響を及ぼします。

影響①:身体的外傷、高い死亡率

ケガや病気をしても十分なケアを受けられません。戦闘で亡くなることに加え、

  • 不発弾の探査のために地雷原を真っ先に歩かされ、爆発した地雷により手足を吹き飛ばされる、命を落とす
  • 爆発物の破片で出来た傷口にばい菌が入り、手足を切断しなければいけなくなる
  • 敵の弾よけに立たされる
  • 軍隊服従の一環(見せしめや罰)として、上官から鼻や唇、耳を切り落とされる

など、戦地だけでなく日常的な暴力によっても深刻な傷を負います。

影響②:トラウマ(PTSD)

子ども兵士は人を殺すことを覚えさせられ、殺人を強制させられます。自分の両親や友人を殺す経験をしたり、仲間が殺されるところを間近で見てきたりした子どもたちは、その後も恐怖とショックからトラウマ(PTSD)※を抱え、精神的に長く苦しみ続けます。

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)とは

死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢を見たりすることが続き、不安や緊張が高まる、辛さのあまり現実感がなくなるなどの状態に陥ります。

参考:厚生労働省

これは、元子ども兵が描いた絵です。家が焼かれ、人が攻撃されている様子を表しています。このような現実を目の当たりにした子どもは心に深い傷を残します。

影響③:倫理観、道徳観の欠落

暴力による支配が当たり前だと思い、倫理観や道徳観が欠落してしまいます。特に、まだ幼く、外の世界を知らずに育つと、暴力に満ちた日常が世界の全てだと思い込み、「暴力や権力があれば他人をコントロールできる」という考え方が刷りこまれてしまうと言います。

影響④:性感染症

少女に多いのが、性的虐待やレイプの横行による性感染症の罹患です。特にエイズが蔓延しているアフリカ地域では、少女たちへの差別や偏見も根強く残っています。居場所を見出せず、除隊後は売春をしながら食いつないでいく少女もいます。

影響⑤:読み書きできない、学校に行けない

兵士として武器を扱う技術は持っていても、文字の読み書きは教わりません。教育の機会を奪われてしまった子どもは、仕事が見つからない、または悪条件の仕事しか出来ないケースが多く見受けられます。そのため、大人になっても貧困から抜け出すことができません。

影響⑥:地域社会からの差別、孤立

自分の意思ではなく、たとえ強制的にさせられたことだとしても、「人を殺した」という事実は、故郷の人たちから差別を受ける要因になってしまいます。

子ども兵士を撲滅するための支援・取り組み

これまで見てきたように、子ども兵士の背景には、先進国の政治や経済事情が密接に関わっています。途上国に援助をしながらも自国の経済的な利益を受ける構図には矛盾を感じる人もいると思いますが、国連やNPO法人などを中心に、子ども兵士をなくす取り組みは進められています。

子どもを兵士にさせない国際的なルール

18歳未満の子どもを兵士として使役することを禁止した「武力紛争における子どもの関与に関する子どもの権利に関する条約の選択議定書」は、2021年時点で171の国・地域が締結しています。

参考…武力紛争における児童の関与に関する児童の権利条約選択議定書(外務省)

このルールに沿って、多くの国で子どもを武力衝突に介入させないルールづくりが進んでいるものの、決定的な決め手とはなっていないのが現状です。

支援・取り組み①:国連小型武器行動計画

国連小型武器行動計画は、各国における小型武器の製造・刻印・輸出入等の規制に関する国内法や手続きを整備することや、紛争後に効果的な DDRプログラム※を実施することなどが盛り込まれています。しかし、この文書はあくまで政治的な文書であり、条約のような法的拘束力はありません。

DDRとは

武装解除・動員解除・社会復帰の頭文字をとった略称で、国家の復興や平和構築促進を目的とした国連主体の国際平和活動のこと

支援・取り組み②:国際小型武器行動ネットワーク(IANSA)

国際小型武器行動ネットワーク(IANSA)は、小型武器による暴力をなくすために1999年に結成された、NGOや研究者などの国際的ネットワークです。銃規制のグループや女性団体、研究・援助機関、人権団体、研究者など、小型武器の規制に賛成するさまざまな組織や個人で成り立っています。さらに、

  • 政治家やメディアへの働きかけ
  • 人権侵害に対する啓発活動
  • 被害者やその家族の声を集めた発信活動

など幅広い活動を実施しています。

子ども兵士を撲滅するために私たちができること

子ども兵士は、貧しい開発途上国だけの問題ではなく、私たち先進国の生活とも密接に関わっています。子ども兵士をなくすために私たち一人ひとりができることは何でしょうか。

私たちができること①:関心を持ち、知ろうとする

子ども兵士や、その背景にある貧困問題、武器取引、鉱物資源をめぐる紛争などの現実を、まずは知ることから始めましょう。ニュースやインターネット、本を調べるなど、日頃から関心を持ち、自分が得た情報を家族や周りの友だちにも話してみるのもいいですね。

おすすめの動画

子ども兵士の存在をイメージするにはこちらの動画(15分程度)視聴もおすすめです。

子ども兵士が戦地から帰還し、その後の生活の苦悩や立ち直っていく様子を描いています。

おすすめの本「同志少女よ、敵を撃て」

「同志少女よ、敵を撃て」は、2022年本屋大賞の受賞作品です。独ソ戦の最中、母親を目の前で殺されたひとりの少女が、復讐のため狙撃兵となる様子が描かれています。

戦争が終わった後もなかなか日常に戻れず、葛藤する苦しみが印象的で、強烈なメッセージ性を感じさせます。

私たちができること②:寄付や募金、ボランティア

子ども兵士をなくそうと積極的な働きかけを進める団体は日本、世界にもたくさんあります。団体を通じて寄付や募金をしたり、ボランティアに参加したりすることも子ども兵士をなくすための大切な一歩です。

アムネスティ・インターナショナル

2003年、アムネスティ・インターナショナルの呼びかけで、世界の武器貿易を規制する条約を求める「ミリオン・フェイスキャンペーン」を実施しました。このキャンペーンには、全世界で100万人以上が参加し、日本でも1万人近くの署名を集めました。

テラ・ルネッサンス

認定NPO法人テラ・ルネッサンスは、地雷、小型武器、子ども兵、平和教育に対して、現場での国際協力をはじめ国内での啓発・提言活動によって課題解決を目指しています。サポーター、寄付金の受付や講演会やスタディツアーも開催しています。

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NPO法人テラ・ルネッサンス |カンボジアで地雷だらけの村を救った「家畜銀行」

子ども兵士とSDGsの関係

最後に、子ども兵士とSDGsの関係を確認していきましょう。

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」と関係

sdgs8

SDGs8「働きがいも経済成長も」では、

をゴールに定めています。

さらに、子ども兵士においては、

強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。

と明確にターゲットが示されています。

教育を受けるべき年齢の子どもが、兵士として過酷な環境に身を置くことは、心身の健全な成長を妨げるだけではありません。勉強できず読み書きが覚えられないことは、仕事につくこともできず、将来にわたって慢性的な貧困状態に陥る原因となってしまうのです。

まとめ:全ての子どもが教育を受けられる世界に

子ども兵士は、戦争や紛争の被害者、犠牲者であると同時に加害者でもあるという悲しい側面を持っています。そのために自分の人生に絶望し、立ち直ることが困難な子どもが世界にたくさんいます。

私たち大人が子どもにできることは、働かせることではなく教育を受けられる環境を与えることです。武器ではなくノートとペンを渡し、戦場ではなく学校へと、全ての子どもを送り出せる世界を望みます。

<参考文献:資料>
ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら 鬼丸 昌也
ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ? 小川 真吾
子ども兵の戦争 P.W. シンガー
子ども兵士問題の解決に向けて―合理性排除に向けた検討と今後の課題―
子ども兵士(赤十字国際委員会)
「子ども兵士」問題と国際的取組み
武力紛争における児童の関与に関する児童の権利条約選択議定書(外務省)
アフリカの鉱物資源の重要性と我が国の取組み
小型武器