グリーンスローモビリティとは?日本の導入事例とデメリット・課題

電気の力だけでゆっくりと走る乗り物、グリーンスローモビリティ。通称「グリスロ」とも呼ばれるこの乗り物は、日本各地の抱える様々な課題の解決策として注目を集めています。

この記事では、国内でも運用がはじまっているグリーンスローモビリティについて、概要から導入のメリット・デメリット、全国各地の取組事例やSDGsとの関連まで解説します!

目次

グリーンスローモビリティとは

グリーンスローモビリティ(通称:グリスロ)は国土交通省によると

時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービス

国土交通省

と定義されています。

5つの特徴

グリーンスローモビリティ(グリスロ)には

  • Green…環境に優しい(電気を使う)
  • Slow…ゆったりとしたスピード
  • Safety…安全性が高い
  • Small…小型
  • Open…開放的

という5つの特徴があります。

さまざまな車両タイプ

車両はゴルフカートのようなタイプから小型のバスタイプまで、いろいろな選択肢があることも押さえておきたいポイントです。

グリーンスローモビリティを導入する動きが出ている理由

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は現在、日本各地で導入の動きがみられています。国土交通省や環境省などの中央省庁も導入を推進しており、グリーンスローモビリティの導入は今後さらに広まっていくものと考えられています。

これほどまでにグリーンスローモビリティが注目されることには、いくつかの理由があります。どのようなものがあるか、見ていきましょう。

“脱炭素”を実現する乗り物だから

第一の理由は、グリーンスローモビリティ(グリスロ)が“脱炭素”の交通手段であることです。

“脱炭素”とは、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を抑えること。現在の社会は、地球温暖化を防ぐために、“脱炭素社会”の実現が急務となっています。気候変動を食い止めるため、これからの交通手段は”脱炭素”が絶対条件であるといっても過言ではないでしょう。

自家用車の使用を抑制

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は電気で動くため、クリーンな乗り物であることに加え、二酸化炭素を排出する自家用車の使用を抑制することができます。

電車が通っていない、バスが1日数本しか走っていないなどの公共交通が未発達な地域では、マイカーが住民の主な交通手段となっています。グリーンスローモビリティ(グリスロ)を活用し公共交通を整備することで、自家用車から公共交通機関への転換を図ることができるのです。

パリ協定・カーボンニュートラル

ところで、現在これほどまでに脱炭素社会が求められる根拠の一つとして、《パリ協定》があります。これは2015年にパリで行われたCOP21で定められた、温室効果ガス排出削減等のための国際的な枠組みです。

パリ協定では、世界全体が目指す長期目標として、以下の2つを掲げています。

  • 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
  • そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトする。21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる

特に最後の温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとることを、”カーボンニュートラル”といいます。日本政府は2020年10月、2050年までにこのカーボンニュートラルを実現することを宣言。実現に向けて、様々な方面において急ピッチで対策をすることが求められているのです。グリーンスローモビリティ(グリスロ)もその一環として導入がすすんでいます。

>>パリ協定についてはこちらをご参照ください。

パリ協定とは?目標やSDGsとの関係性、企業の取り組みを解説

 “地域活性化”につながる乗り物だから

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は、地域の活性化にも大きな効果をもたらします。首都一極集中が進む日本において、各地域を活性化し魅力を高めることは非常に重要です。

高齢者の外出促進

「出かけたいけれど、最寄りのバス停までも距離がある」グリーンスローモビリティ(グリスロ)はこのような“ラストワンマイル”の需要にも応えることができます。

また、足腰の衰えや運転免許返納などにより、買い物などの日常の外出にも困難を抱える高齢者もいます。グリーンスローモビリティはこのような方々の自宅のすぐ近くから、スーパーや病院などまでをダイレクトにつなぐことができる乗り物なのです。

道幅の狭い道路でも運行可能

従来のバスや乗合タクシーは、小型のものでもある程度の道幅が求められていました。グリーンスローモビリティ(グリスロ)はこれらに比べてさらに小型であるため、様々な環境の道路で走行することができます

商店街や住宅密集地など、これまでバスなどの運行が困難であったエリアでも運行することができ、新たな人の流れを作ることが期待されます。

観光への活用

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は住民の生活移動に限らず、観光への活用も可能です。

グリーンスローモビリティ(グリスロ)の5つの特徴の一つである“Open”は、窓のないことによる開放性を表す言葉。バスやタクシーのような閉鎖的な空間と比べ、外の温度や空気、音やにおいを楽しめるグリーンスローモビリティは、観光にぴったりです。さらにはゆったりした速度なので、じっくり景色を眺めながら移動することもできます。

安全性が高い乗り物だから

グリーンスローモビリティ(グリスロ)が“安全性が高い乗り物である”ことも導入が促進されている理由の一つ。

警察庁によると、平成27年度~令和2年度までの6年間で発生した交通死亡事故のうち、時速20km以下で発生した事故は全体の約23%です。グリーンスローモビリティ(グリスロ)は速度が時速20km未満と遅いので、他の交通手段に比べて事故の危険性が低いと言えます。また開放性が高いため、運転手は道路の状況をより敏感に察知することができます。

グリーンスローモビリティ(グリスロ)を導入するメリット

それではグリーンスローモビリティ(グリスロ)を導入することによって、社会にはどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは“環境面”以外で期待されるメリットをご紹介します。

バスやタクシーでは行き届かない交通網を形成

地域内での交通手段として、現在もっとも一般的であるのは「バス」「タクシー」ですが、それぞれ以下のような課題を抱えています。

バス

・車両が大型であるため、細い道には入れない

路線網の拡大や停留所の増設が難しい

時刻表が定められている

タクシー

運賃が高い

運転手不足により十分な数のタクシーが確保できない

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は、バスやタクシーの抱えるこれらの課題をクリアします。速度が遅いことはグリーンスローモビリティの弱点ですが、主な利用者層として速達性を重視しない人々が想定されているため、大きな問題になるとは言えないでしょう。

コミュニケーションが生まれる

先に述べたように、グリーンスローモビリティ(グリスロ)は地域社会の活性化に大きく貢献します。

国土交通省の行った実証調査の報告によると、乗客やドライバー間でのコミュニケーションが誘発されることが分かっています。これは、主にグリーンスローモビリティの”Slow”、”Small”という特徴によるものと言えます。

さらに”Open”という特徴から、車内外でのコミュニケーションが生まれるのが、これまでの交通手段にはなかったメリットです。

これまで自宅に引きこもりがちであった人々の外出が促進され、地域住民同士のコミュニケーションが生まれることは、増加する独居老人の見守りにもつながります。

雇用の創出

グリーンスローモビリティ(グリスロ)の運行には、運転手やオペレーターなどの人手が必要です。このため新たな雇用の創出にもつながります。

とくにグリーンスローモビリティの運転は技術的なハードルが低く、定員10人の車両は普通免許で運転が可能です。現役世代(15~64歳の生産年齢)だけでなく、働く意欲のある高齢者の労働の場ともなります。グリーンスローモビリティの導入を推進する公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団も、活用シナリオとして“シルバー人材の運転”を挙げています。

導入・運営コストが比較的安価

交通機関の整備を行う場合、導入コストは最も大きな課題の一つです。グリーンスローモビリティ(グリスロ)は車両が小型であることや、道路・バス停などの整備が最低限で済むことから、導入コストが小規模な交通機関です。

また導入後の運営コストも、シルバー人材を活用できることや、一般的な電源から充電できる車両もあることなどから、従来型のバスなどと比べて安価です。

緊急車両としての活用も

限られた地域ではありますが、緊急車両としての活用も考えられます。

離島や昔からの集落などでは、道路幅の関係で家の前まで緊急車両が進入できないケースが見られます。このような場所で急病人が発生した場合、現状では担架を人の手で運ぶほか方法がありません。グリーンスローモビリティ(グリスロ)は小回りが利く車両も多いため、有事の際には急病人の搬送などにも活用できます。時速20km未満といえども、人の足よりは速やかに移動することができます。

グリーンスローモビリティ導入に向けた国の取組

グリーンスローモビリティ(グリスロ)の導入加速に向けて、国の各省庁は様々な取組を行っています。具体的に行われている事業を2つご紹介します。

国土交通省「グリーンスローモビリティの活用検討に向けた実証調査支援事業」

国土交通省では平成29年度より「グリーンスローモビリティの活用検討に向けた実証調査支援事業」を実施。毎年5~7の事業が対象に認定され、支援を受けながら実証実験を行っています。

具体的に受けられる支援は、車両の無償貸与と専門家による助言。この事業を活用した実証調査から本格運行につながるケースも少なくなく、導入を検討している団体にとって大きな足掛かりとなるでしょう。

環境省 車両・事業者の補助制度とIoT技術導入の実証事業

環境省でも、グリーンスローモビリティ(グリスロ)の普及に向けていくつかの取組を実施しています。行っている事業は主に以下の3つです。

  • 車両に対する補助
  • 事業者に対する補助
  • IoT技術等を活用した効果的導入実証事業

また経済的な補助のみならず、情報連絡会などの催事も行われています。これから導入を検討する団体の方は、環境省のwebサイトを要チェックです。

IoTとは

「Internet of Things」の略。さまざまなモノをインターネットに接続し、社会や暮らしをより良い方向へ導く技術。

日本各地のグリーンスローモビリティの取り組み事例

それではここで、実際にグリーンスローモビリティを導入した事例を見ていきましょう。5つの事例を紹介しますが、それぞれの地域ごとに様々な特徴を持っており、グリーンスローモビリティがうまくニーズに合致していることが分かります。

【住宅団地】東京都町田市 鶴川団地

東京都町田市にある鶴川団地は、1960年代に開発された大規模な住宅団地です。新宿から小田急線とバスを乗り継いで1時間ほどのところにあり、首都圏の他の多くの住宅団地と同じように、高齢化が進んでいます。

鶴川団地では、

  • 地域の社会福祉法人
  • 団地を供給するUR都市機構の業務委託会社
  • 地域のIT関連企業

地域に関わる3団体により、高齢者の買い物支援を目的としてグリーンスローモビリティが運行されています。

団地の各地区から中央地区にある商店街までを結んでおり、利用のためには年間500円の登録料を支払うだけです。

※わずかではありますが料金を徴収しているため「自家用有償旅客運送」の認定を受けているのが特徴です。

【過疎地域】岡山市備前市 鶴海地区

瀬戸内海に面した岡山県備前市。市内の鶴海地区は海のすぐそばに山が迫る、勾配の激しい地区で、高齢化率は50%を超えています。

地区には市営バスが走っていますが、路線や便数の関係で、足腰に難をかかえる高齢者にとっては外出に困難がありました。そこで鶴海地区は、2018年度の国土交通省のグリーンスローモビリティ実証事業に参加。その後、市役所の担当課と地域のNPO法人が事業化に向けて動き、2020年10月から本格運行を開始しています。

鶴海地区は車両を国庫補助を受けて購入。地区の住民やその親族が、予約をすることで1回200円で乗車することができます。自宅から病院などのダイレクトな移動のほか、自宅からバス停まではグリーンスローモビリティ(グリスロ)、そこからバスに乗り継ぎ市の中心部へ向かうという移動手法も期待されています。

【観光地】静岡県沼津市

出典:沼津市

続いては観光地での事例をご紹介します。静岡県の沼津市は「沼津港」が市の一大観光地として知られており、県内外から新鮮な魚介類や水族館を目当てに、年間160万人以上の観光客が集まります。

沼津港へは沼津駅のある中心市街から2キロほどの距離があり、「港」と「中心市街」のつながりの弱さが課題でした。そこで市は新たな移動手段としてグリーンスローモビリティ(グリスロ)を検討、2018年に試験運行が行われ、その後事業化されました。

現在は既存の路線バスに加えて、1日6往復の20人乗りグリスロバスが沼津駅と沼津港の間を運行。民間事業者である伊豆箱根バス株式会社が、車両の保有から運行までを行っています。

スタイリッシュなデザインで、街の風を感じながらゆっくりと移動するグリスロバスは、観光の際の「移動」をより魅力的にする効果もあります。

【都市部】東京都豊島区 池袋

都内有数の繁華街である池袋。ここでもグリスロバスが町中を巡回運行しています。

池袋の中でも人が多く集まる”サンシャインシティ”や”豊島区役所”は、池袋駅から1km弱離れています。ほかにも池袋にはいくつかの公園や東京芸術劇場などもあり、それぞれの施設間の移動がスムーズにいかないという課題がありました。

豊島区はこの課題解決に向けて、新たな移動手段の整備を検討。LRT(路面電車)の導入なども候補として挙げられていましたが、建設費用や工事期間などの面でグリスロバスに軍配が上がりました。

現在は池袋駅の東口を一周するルートと、東西を大きく一周するルートの2ルートが運行されています。運行間隔は各ルート20分間隔と高頻度で、思い立ったときに利用しやすいのも特徴です。豊島区が運営主体となり、運行は民間事業者であるWILLERに委託。車両やバス停などのデザインが統一されており、乗車すること自体に魅力を感じることもできます。

【離島】岡山県笠岡市

出典:笠岡市

岡山県笠岡市は瀬戸内海に約30からの島々でできる“笠岡諸島”を抱える自治体。このうち7島が有人島で、フェリーが運航されているのは2つの島だけです。

フェリーが運航されていない島は、燃料や自動車の輸送に大きな困難をかかえていました。また人口100人余りの高島では、港と離れた集落の間に十分な幅員の道路がなく、島外への唯一のアクセス地点である港までは徒歩か二輪での移動を強いられていました。

グリスロは”電気で走り”、”車幅が小さい”ため、離島の抱える問題をクリア。一般の自動車が走れるほどの道路拡張はかないませんでしたが、車幅1.2mのグリスロが走れる分の拡張工事が実施。2020年、ついに集落と港の間にグリスロが走り始めました。現在は主に、高齢者の自宅とデイサービス施設や港との間の移動などに利用されています。また、笠岡市では緊急車両としての活用も検討を始めています。

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グリーンスローモビリティにはデメリットや課題も

ここまで、グリーンスローモビリティ(グリスロ)の様々なメリットをご紹介しました。一方で、デメリットや課題もあります。しかしデメリットも裏を返せば強みとなり、グリスロの今後の広がりを期待できます。

車両定員が少ない

グリスロの乗車定員は、最大でも20人程度。一般的な路線バスは30~60名ほどが定員なので、それと比べると一度に輸送できる人数は限られてしまいます。

ただし、導入や維持・運行に関わる費用を考えると、従来のバスや乗り合いタクシーなどよりも便数を増やすことができます。40人乗りのバスを一日3便運行するより、20人乗りのグリスロバスを一日6便運行するほうが様々な需要にこたえられる地域もあるのではないでしょうか。

走行速度が遅い

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は、定義にもあるように時速20km未満で走るモビリティです。10kmの距離を進むのに途中無停車でも30分以上かかってしまいます。グリスロはあくまでも地区内の巡回や、自宅とバス停などの交通結節点の”ラストワンマイル”など、短距離移動の需要に応えるのに適した乗り物です。

ちなみに、一般道路での走行にあたって渋滞を誘発しないかどうかの心配もされるところ。しかしこちらは様々な地区の実証実験で、重大な影響は与えないことが分かってきています。

単独での収益化が難しい

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は定員や走行速度の点から、収益を得るために重要な輸送効率は低い交通機関です。そのため単独事業として持続していくには、様々な困難が伴います。

持続的なサービス運営のために、公費による補助や、適切な事業形態の検討、効果的な広報などが求められるでしょう。また、グリーンスローモビリティ(グリスロ)が地域経済に与える副次的な効果についても総合的にみていくことが大切です。

最後に、グリーンスローモビリティとSDGsの関係について確認しましょう。

グリーンスローモビリティ(グリスロ)とSDGsとの関連性

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は、SDGsの目標達成にも大きく寄与します。SDGsとの関連について、簡単ではありますがご紹介します。

SDGsとは

SDGs(エスディージーズ)とは、2015年に国連で採択された国際目標のことです。”Sustainable Development Goals”の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。2030年までに達成すべき17の目標が明記されており、そのどれもが、今後よりよい世界をつくっていくために達成しなければならない目標です。

SDGs目標11「住みつづけられるまちづくりを」

SDGs目標11は「住みつづけられるまちづくりを:都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする」目標です。

簡単に言うと、人口の変化や災害などに強い街づくりをしていこう、という目標と言えます。

グリーンスローモビリティ(グリスロ)は高齢者や交通が不便な地域に暮らす人々のニーズに応える乗り物であることから、目標11の中でも特にターゲット11.2〈脆弱な立場にある人々のニーズに配慮した公共交通機関の拡大〉に貢献します。

また排気ガスがないことから、ターゲット11.6〈都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減〉にも関連。グリスロが持続可能な街の開発にぴったりなモビリティであることが分かります。

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」

グリーンスローモビリティ(グリスロ)の最大の特徴である“Green”SDGs目標13「気候変動に具体的な対策をに大きく関連しています。

青森県の奥入瀬渓流では、環境保全と渋滞解消を目的に、定期的にマイカー規制を実施。その際の代替交通としてグリスロバスが使用されたこともあります。

さらに各地でグリーンスローモビリティ(グリスロ)が導入されることにより、排気ガスを排出する自動車の台数も減少することが期待されるため、地球の気候変動に対してのアクションとして有効と言えるでしょう。

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」

さらに、雇用の創出の面からSDGs目標8「働きがいも経済成長もに貢献。先にも述べた通り、グリーンスローモビリティ(グリスロ)は従来の自動車やバスに比べて安全性が高く、ドライバーとしての活躍のハードルが低い交通機関です。社会の第一線からは退いたけれども、まだ働きたいという意欲のある高齢者などにとって適した労働と言えます。

特にターゲット8.9〈2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。〉に貢献します。

まとめ

この記事では、グリーンスローモビリティ(グリスロ)の概要やメリット・デメリット、各地の取組事例からSDGsとの関連までをご紹介してきました。

環境的な課題と地域の抱える課題を一気に解決できる、グリーンスローモビリティ(グリスロ)。導入に向けては様々なハードルがありますが、持続可能な社会の構築に向けて、より多くの地域で運行されることが期待されます。
また個人としても、お出かけ先などでグリスロを見かけたら、ぜひ積極的に利用していきたいですね。

参考文献・サイト
三重野真代+交通エコロジー・モビリティ財団 編著『グリーンスローモビリティ 小さな低速電動車が公共交通と地域を変える』
国土交通省「グリーンスローモビリティの導入と活用のための手引き【概要】」
国土交通省 報道発表資料
国土交通省「平成30年度グリーンスローモビリティの活用検討に向けた実証調査」
国土交通省青森河川国道事務所「青森河川国道ニュース第602号」
環境省「グリーンスローモビリティ」
警察庁交通局「令和2年における交通事故の発生状況等について」
交通エコロジー・モビリティ財団「グリーンスローモビリティの特徴と可能性」
東京大学大学院新領域創成科学研究科 鎌田実「グリーンスローモビリティへの期待」
備前市 過疎地域自立促進計画
沼津市 EVバス(グリーンスローモビリティ)の運行について
KSB瀬戸内海放送「バス停や医院など近距離の移動に 人や環境に優しい乗り物「グリーンスローモビリティ」の運行始まる 岡山・備前市」
ヤマハ発動機

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)