#インタビュー

ケイティケイ株式会社|時代に先駆けてトナーカートリッジのリユース・リサイクルを促進!限りある資源を循環させてオフィスから未来を変える

ケイティケイ株式会社  山本真二朗さん インタビュー

山本真二朗

1978年岐阜県生まれ。2002年7月ケイティケイに入社し、情報システム課として、社内システムの保守運用からシステムを活用した業務改善を推進。2019年2月からは、経営企画部に異動しIRや広報を担当。ビジョンである「Change the office mirai」実現に向け、SDGsの推進をはじめPR活動に携わる。

introduction

名古屋市に本社を置くケイティケイ株式会社(以下「ケイティケイ」)。リサイクルトナーをはじめとしたプリンター消耗品の製造・販売や、DX推進のためのITソリューション商品、環境衛生商品、OAサプライ商品の販売をしています。ケイティケイは、リサイクルトナー業界唯一の上場企業として、全国20の営業拠点に加え、愛知県春日井市と長野県駒ヶ根市にリサイクルトナーの自社工場を持っています。ケイティケイのSDGsに繋がる取り組みを経営企画課 山本真二朗さんに伺いました。

トナーカートリッジのリサイクルを考案

ケイティケイの事業について教えてください。

山本さん:

ケイティケイは、オフィス用品を取り扱うサプライヤーとして名古屋市で創業しました。

主にプリンターの消耗品を取り扱っていましたが、現在は文具・事務用品、ITソリューションも提供し、お客様のトータルビジネスパートナーとして事業展開しています。

ケイティケイの主力商品は何ですか?

山本さん:

当社の主力商品は「リパックトナー」や「リパックインク」、「リパックリボン」です。リパックトナーとは、当社の商品名になりますが、トナーカートリッジを分解、清掃、再充填したリユース・リサイクル商品で、いわゆるリサイクルトナーです。リパックインク、リパックリボンも同じくリサイクル商品です。

トナーカートリッジとは何ですか?

山本さん:

みなさんオフィスで書類を出力する時にレーザープリンターを使いますよね。レーザープリンターの中にはトナーカートリッジがセットされているんですが、そのカートリッジの中にトナーと呼ばれる粉が入っていて、その粉で印字をしています。当社はこのトナーカートリッジのリサイクル製品を自社で製造販売しています。

「もったいないよね」銀行との会話が発案のきっかけに

どのようなきっかけでトナーカートリッジのリサイクルを始めたのですか?

山本さん:

当社が創業した1970年代、プリンターで使用されるロールペーパーなどの紙を中心としたサプライ用品を取り扱っていました。

そのため取引先としては銀行が多かったのですが、銀行と取引をする中で、金融機関のオンライン化が進み、「ドットプリンター」が急激に増えていることが分かりました。

ドットプリンターの普及で、インクリボンもたくさん消費されていたんですね。

山本さん:

はい。こういったインクリボンはそれまで使い捨てされていたのですが、お客様からもコストがかかるし、「もったいないよね」という声がありました。

確かに中のインクは消耗しますが、外側はほとんどそのままですから、捨てるのはもったいないですよね。

山本さん:

そこで、中のインクがしみ込んだリボンを詰め替えることを考案し、環境貢献とコストダウンの実現を目指して研究開発を重ね、1976年にインクリボンのリサイクルをスタートさせました。

イメージとしては、中身は新品で外側が再利用品ということですね。

山本さん:

そうです。その後、1990年代にはドットプリンターに代わってレーザープリンターが普及してきたので、当社でもレーザープリンター用のトナーカートリッジのリユース・リサイクル事業に参入しました。

ケイティケイは、世界でSDGsが提唱されるより以前から環境保護を意識した事業を展開していたんですね。

リサイクルトナーの高いニーズを背景に全国展開へ

1970年代の日本と言えば、高度経済成長が落ち着き、経済に陰りが見えてきた時代です。また、今ではリサイクルは当たり前になっていますが、この頃はまだリサイクルという考えは一般的ではありませんでしたよね。

山本さん:

そうなんです。当時は、環境面よりもコストメリットの面で当社の製品が選ばれていました。実際のところ、1970年代に「環境貢献」に反応する方は少なかったですね。

純正品より価格が安いため、企業としてはコストが抑えられるということですね。お客様からの反応はどうでしたか?

山本さん:

リサイクル商品を使用したお客様から、コストダウンやごみの削減になると喜ばれました。

リサイクル事業をスタートさせると、銀行だけでなく多くの企業から支持を受け、一気に日本全国に広がりました。リサイクル製品には高いニーズがあるとわかったんです。

使用済みトナーが商品として生まれ変わるまで

ケイティケイでは、どのようにリパックトナーを製造しているのですか?

山本さん:

まず、お客様から使用済みトナーカートリッジを回収します。その後工場で分解・清掃の上、トナーを充てんし、お客様にお届けします。

使い捨てをなくす取り組みですね。

山本さん:

リパックトナーを使用すれば、消費するプラスチックを削減できるので、トナーカートリッジを新たに生産する際に発生するCO2を抑制できるんですよ。

回収したトナーカートリッジは全部再利用しているんですか?

山本さん:

回収しても寿命や破損などで再生できない部品も出てきます。その場合は粉砕して再資源化しています。再利用できなくても捨てることはありません。

廃棄物を発生させないことでゼロエミッションを実現していますね。

山本さん:

リパックトナーの製造拠点である長野県の駒ヶ根工場では 太陽光発電で工場の電力の一部をまかなっています。製造過程においてもエネルギー資源の有効活用を意識しています。

製品そのものだけでなく、製造過程でも環境に配慮しているんですね。

山本さん:

はい。製品製造や工場の稼働には、適切な化学物質の管理も重要です。当社では製品の原材料に有害物質が含まれていないことを徹底して確認しています。

また、品質管理を徹底し、国際規格であるISO9001や、リサイクルトナーカートリッジの品質規格であるSTMC、E&Qマークなどの認証を取得しています。

ケイティケイの商品にある3つの削減効果

山本さん:

当社は2020年に、事業活動と経営戦略にSDGsの理念を据えて、SDGsの実現に貢献していくことを打ち出した「SDGs宣言」を発表しました。

また2021年には、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を特定し、サステナビリティ基本方針を策定して取り組みを強化しています。

企業としての取り組みをどのように強化したのですか?

山本さん:

リサイクルトナーなどのリユース・リサイクル製品や環境衛生商品をサステナブル商材として再定義し、お客様へのご提案と販売を推進しています。

改めて当社の商品をSDGsの視点で見てみると、3つの削減効果があるとわかったんです。

どのような削減効果ですか?

山本さん:

廃棄物の削減、CO2排出量の削減、オフィスの無駄を省くことによるコスト削減です。

当社のビジネス自体がサステナブルであることもPRしています。循環型社会の実現を目指し、リユース・リサイクルとゼロエミッションを大きな項目として事業に取り組んでいます。

育休復帰100%!女性が働きやすい職場づくり

ケイティケイが環境に貢献しているとわかりました。社員に対して取り組まれていることはありますか?

山本さん:

当社はダイバーシティの実現を目指し、障がい者雇用を推進しています。

駒ヶ根工場において、常時10名ほどの障害をお持ちの方に勤務いただいており、その他にも福祉施設に部品の清掃作業などを委託し、合計で100名ほどの障がいをお持ちの方に製造に携わってもらっています。

リパックトナーは、障がいを持った方とともに生産されているんですね。

山本さん:

これらの当社の取り組みが認められ、駒ヶ根工場を構える長野県から「長野県SDGs推進企業」として認定されました。

また本社所在地である愛知県名古屋市においては、愛知県SDGs登録制度や名古屋市SDGs推進プラットフォームにも登録されています。

さらに、「名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業」や「あいち女性輝きカンパニー」、「愛知県ファミリーフレンドリー企業」としての認証資格も取得しています。

ケイティケイは、製品や職場環境について数々の認証を受けているお墨付き企業なんですね。

山本さん:

さらに女性の働きやすい職場づくりにも取り組んでいます。当社では、直近3期連続で育休取得率・復職率ともに100%を実現しています。

産休育休の取得率・復職率が100%!出産育児をきっかけに退職してしまう女性が少なくない中、素晴らしいと思います。働きやすい職場なんですね。

オフィスを変えて明るい未来へ!

ケイティケイは、今後SDGsの達成に向けてどのような目標を持っていますか?

山本さん:

リサイクルを中心にして事業展開している当社ですが、2021年に創業50周年を迎え、新たにグループビジョンとして「Change the office mirai」を掲げました。

どのような意味が込められているのですか?

山本さん:

「働く環境の未来を考え、デザインする」がコンセプトです。このビジョンには、「オフィスの未来を変えて社会変革に貢献し、自分たちも変わっていく」という意味を込めています。

オフィスから未来を変えていくんですね。

山本さん:

そうです。このビジョンのもと、お客様のSDGs貢献を支援するリユース・リサイクル製品を中心に、ITソリューションや環境衛生商品等を含め、トータルでお客様と一緒に未来の職場環境を考えるパートナーとして、共に成長する未来の実現を目指しています。

本日はありがとうございました!

関連リンク

>>ケイティケイ株式会社 https://www.ktk.gr.jp/company/sustainability