#インタビュー

京都府福知山市上下水道部|市民が安心して水が使える街に

京都府福知山市上下水道部 インタビュー

福知山市上下水道部

明治22年4月町村制施行 福知山町となる

昭和6年11月上水道事業の創設認可。以降、水道水の個人給水事業を開始

昭和12年4月市制施行 福知山市となる

昭和29年6月ガス供給事業の開始

昭和33年4月地方公営企業法適用により、公営企業部として設置

平成14年4月名称をガス水道部に変更

平成24年4月組織統合により下水道事業を編入

平成25年4月ガス事業の民間委譲に伴い、名称を現在の上下水道部に変更

平成31年4月上水道事業等包括的民間委託業務の開始。組織再編を行う。

introduction

京都府福知山市では、市内を流れる由良川が、集中豪雨による氾濫の被害を受け、水害への対策を講じている福知山市。今回は上下水道部をはじめとした各課での取り組みと、SDGsとの向き合い方、今後の展望についてお話を伺いました。

水害リスクにそなえた、強靭な水道基盤づくり

–現在、福知山市ではSDGsを意識してどのような取り組みを行っていますか。

水道課:

水道課としては、SDGsの「6.安全な水とトイレを世界中に」と、「11.住み続けられる街づくりを」に関連する内容の取り組みを紹介します。

–「6.安全な水とトイレを世界中に」に対する具体的な取り組みについて教えてください。

水道課:

水道課では、市民の方に安心・安全な水を供給するという責任があります。水道水質管理のため定期的な水質検査を行うとともに、色、濁り残留塩素を測定できる水質監視装置を設置して、継続的に水質の確認をしています。

また、水質検査結果をホームページに公表し、市民の方に安心していただけるようにしています。

このほかにも、水道水の水圧を確認し、安定して水道水を市民に届ける取り組みをしています。

–「11.住み続けられる街づくりを」については、どのような取り組みをされているのでしょうか。

水道課:

「住み続けられる街づくり」という観点からは、防災対策として、施設を強靭かつ長寿命化していくことを目指しています。

–災害時には具体的にはどのように対応しているのですか。

水道課:

災害によって水道施設が甚大な被害を受けた場合には、応急的な対応として他の浄水場から応援給水ができるように緊急連絡管の整備を行い、給水が途絶えないようにします。

その他に給水車や給水パックで市民の方に給水対応を行ったり、水量的に余裕がある場合には断水区域外の配水池から応援給水するなど、臨機応変に対応します。

–上下水道部は水道課と下水道課に分かれているのですね。下水道課としては、どのような取り組みをしているのでしょうか。

水道課:

下水道課として取り組むべき事業を「下水道ビジョン」としてまとめており、そこに記載された計画に基づいて事業を進めております。

「下水道ビジョン」の中には、浸水対策事業の取り込みや地震対策、ストックマネジメントなど、様々な事業に取り込んでいます。

ストックマネジメントとは

長期的な視点で下水道施設全体の今後の老朽化の進展状況を考慮し、優先順位を付けた上で、施設の点検や調査、修繕等の施設管理を最適化すること。

(引用)国土交通省「下水道の維持管理」

–福知山市は水害が発生している地域のようですね。浸水対策事業について、具体的に教えてください。

水道課:

浸水対策事業としては、公衆衛生の確保や雨水排水路の整備などをしています。局地的なゲリラ豪雨による浸水を防ぐために、令和2年度に「段畑雨水ポンプ場」の建設が完了し、平成26年8月の豪雨によって、甚大な被害が発生した市街地での浸水に対する対策が一段落したところです。

そのほかにも雨水を貯めておくことができる雨水貯留施設を整備しています。さらに、いざという時に機動性を生かした排水活動を実施するために、排水ポンプ車の配備を行っています。

–地震対策もしておられるのでしょうか?

水道課:

はい。防災観点からは下水道施設の耐震化を図り、また被害を想定してそれを最小限に食い止めるための対策など、総合的な地震対策を実施している最中です。

また、指定避難所に、必要に応じてマンホールトイレの検討しています。地震による停電や断水、給排水設備の損傷があった場合に、汚水処理場施設の機能停止などにより、水洗トイレが使えないという場合に指定避難所において必要に応じた個数の設置を目指しています。

–地震の被害や豪雨による水害を想定し、細やかな対策を練っているのですね。

SDGsの取り組み

–今回は上下水道部のご担当者の他に、エネルギー・環境戦略課の方にもお越しいただきました。それぞれの課でもSDGsに関する取り組みをされているのでしょうか。

環境戦略課:

福知山市はCO2排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を表明しました。エネルギー・環境戦略課では特にエネルギー分野に関するSDGsに取り組んでいます。また、SDGsの達成に向け取り組まれている団体や企業をパートナーとして登録する事業も開始しました。

経営総務課:

水道課や下水道課の工事契約など、業務を間接的にサポートするのが経営総務課の業務です。

–SDGsを意識した取り組みを多方面で推進しているのですね。

環境戦略課:

はい。SDGsと一口に言っても、17のテーマがある中で、課題はそれぞれ異なります。ただ、行政がこれまで取り組んできたことはSDGsの各テーマと紐づいていると認識しています。

教育活動や広報活動を通じて福知山市の取り組みを広く伝える

–SDGsの考え方を広げるために、福知山市民の方へはどのように普及活動をしているのでしょうか。

経営総務課:

SDGsの取り組みをホームページでPRしたり、家庭向けに「上下水道だより」という広報誌を、年に3回程度発行しています。

また、省エネや省資源社会貢献活動を取りまとめて「KES(環境マネジメントシステム)」という環境目標を設定し、達成に向けた取り組みも行っています。

–広報によって、福知山市民がSDGsの取り組みを知るようになっているわけですね。

経営総務課:

広報活動を通して、市民の方の目に留まっていると思います。アンケートでもSDGsの取り組みについて回答があるなど、市役所でSDGsに取り組んでいるということを理解していただいているのではないかと思います。

環境戦略課:

多くの小学校や中学校、高校で、SDGsがカリキュラムに組み込まれています。エネルギー・環境戦略課に環境保全のボランティア団体の事務局がありますが、一緒になって活動したいという声も届いています。

–他にも認知度向上の取り組みを行っていますか。

環境戦略課:

「SDGsパートナー制度」では登録した団体や企業の取り組み内容について広報面で支援する制度であり、具体的には「広報ふくちやま」という広報紙で、市民の方々に対して紹介しています。また今後はホームページなども活用しながら、SDGsが認知されるよう取り組むことを検討しています。

一つ一つの取り組みをSDGsの視点で進化させたい

–今後の展望について教えてください。

水道課:

SDGsの取り組みを始め、市民の方に安全な水を安定的に供給できるような体制を整えていきたいと思っています。

ライフラインへの取り組みには際限がありません。「下水道ビジョン」をもとに、適切に汚水処理をすることが、海の環境を守るということにつながっているかと思います。

経営総務課:

各課で取り組んでいることを市民の方に知っていただき、SDGsの考え方を浸透させるための広報活動を今後も継続していきます。また、職員の働き方改革やテレワークなどを推進するという観点からもSDGsを意識していきたいです。

–これまでの取り組みをSDGsという視点からさらに進化させていくのですね!本日はありがとうございました。

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