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slow & glow株式会社|オーガニックで、女性の幸せを連鎖させる

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slow&glow株式会社代表 二見さんインタビュー

slow&glow株式会社代表 二見さん

二見 尚子

1980年、福岡県生まれ。17年間看護師として大学病院に勤務。40歳を目前に姉が卵巣癌と診断される。身近な家族の病気を機に「本当に自分がやりたいこと」を考えるため退職。看護師を志すきっかけとなった途上国支援に関わる事業をやりたいと考え、2019年slow&glow株式会社を設立。女性がキレイになれるもので幸せの循環を作りたいと考え2020年5月にオーガニックスキンケアブランド「slow and glow」を立ち上げる。幸せの循環を生む「オーガニック」の可能性をより広く伝え、すべての女性が健康で心から輝けるサステナブルな社会の実現を目指している。

Introduction

「オーガニックは社会課題の解決につながります」と話すのは、slow&glow株式会社代表の二見尚子さん。「心地よさ」にこだわったオーガニックスキンケア商品の販売で、発展途上国の女性の教育支援・自立支援の仕組みをつくりたいと看護師から転身し、会社を立ち上げました。

今回はオーガニックで社会課題が解決できる理由や、スキンケア商品で女性支援を進める仕組みやその思いについて、お話を伺いました。

オーガニックコスメは千差万別

–まず、事業について教えてください。

二見さん:

slow and glowは2020年5月に立ち上げたオーガニックスキンケアブランドです。オーガニック認証を取得したオールインワンゲルや、泡で出てくる洗顔料などの販売を行っています。

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–オーガニックコスメに興味をもつようになったのはなぜですか?

二見さん:

以前は看護師をしていたのですが、友人を訪ねてトルコに一人旅をしたことがきっかけでした。出発前に現地の環境や生活について調べ、宗教についても学んだときにハッとさせられたんです。

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–トルコはイスラム教の方が多い国ですね。

二見さん:

はい。イスラム教の方は、「ハラール」というイスラム教で許されているものしか使ってはいけないそうです。豚肉を食べないのは有名ですが、アルコールや動物由来の化粧品も使えません。

日本の化粧品は成分の表記が不十分なので、イスラム教の方は日本在住であってもなかなか使えないということを知りました。

–食品だけでなく化粧品にも制限があるんですね。

二見さん:

実は日本でも、食品とコスメではオーガニックの基準がかなり違っているんです。

現在、コスメは食品のように認証を取得しなくても、オーガニックオイルなどを全体の0.1%でも使用していれば、オーガニック製品として販売できてしまいます。

–それは知りませんでした。

二見さん:

私も初めて知ったときは、驚きました。だからこそ、イスラム教の方などもふくめて国境を越えて使っていただけるコスメを目指すことにしました。自然由来の成分で、アルコールフリー、動物実験をしていないなどの基準を満たした製品を作り、オーガニック認証を取得しました。

オーガニックで女性本来の美しさを引き出す

–オーガニック認証とはどのようなものですか?

二見さん:

製造工程で、環境や生物への負荷を抑えた方法で作られた製品であることを証明するための認証です。

取得したのはオーガニックコスメの世界基準となっている「コスモス認証(COSMOS認証)」の中でも、より厳しい基準である「コスモス・オーガニック」の認証を受けています。

成分の95%以上が自然由来の成分であること、完成品の20%以上がオーガニック成分であることなどの基準を突破しています。

–具体的に、オーガニックの材料としてどんなものを使っているのですか?

二見さん:

今は、ザクロオイルをメインで使っています。日本ではザクロのコスメは珍しいですが、ザクロの種子に含まれるプニカ酸がターンオーバーを促し、肌本来の明るさを取り戻してくれるんです。1000gの種子から4gしか取れないオイルで、ナチュラルで良い香りがします。

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–すごく貴重ですね。使っているお客様の反応はいかがですか。

二見さん:

「肌の調子が良くなった」という声をよくいただきます。

石油系のコスメだと肌が化粧品に頼ってしまうのですが、オーガニックは肌の力を育てていきます。自身の肌のもつ保水力を上げたり、バリア機能を高めたりすることを得意としているんです。

少し時間はかかりますが、肌本来の力を上げられるのがオーガニックの力ですね。

使う人も、作る人も、幸せ

–もともと看護師だった二見さんが、起業してスキンケア商品を扱うお仕事に転身した経緯が気になります。

二見さん:

姉が若くして亡くなり、人生いつ何が起こるかわからないし、いつまでも健康でいられるとは限らないと気付かされました。

40代を目前にして、ずっと続けてきた看護師としてこのまま昇進していくよりも、「やってみたい」を試してみようと思ったんです。

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–女性の自立支援にはずっと興味がおありだったのですか。

二見さん:

はい。もともと、女性の出産リスクが高い発展途上国や開発途上国で助産師をしたいと思ったのが、看護の道に進んだ理由でした。さらに、看護師を辞めた後に読んだ『わたしはマララ』で、世界にはまだ女性が教育を受けられない国があることも知り、女性の自立支援のために起業したいと思い至りました。

わたしはマララ
出典元:学研

–それで、選んだのがスキンケア商品だったのですか?

二見さん:

はい。女性が綺麗になれる製品を販売して、別の女性が幸せになれる仕組みを作ろうと思い、スキンケア商品を販売することに決めました。

例えばコスメの原料を育てるときには、一般には農薬や化学肥料が使われます。

農薬や化学肥料は、地球環境や人の体に悪影響を及ぼすだけでなく、安く栽培するための児童労働、栽培する農家が時に借金をして高額の農薬も購入しないと契約できないなど、問題が山積みです。

こうした問題がない方法で栽培しているのがオーガニックの原料です。オーガニックは自分の体にいいだけではなく、地球環境や作り手にも良い循環を生み出します。

寄付をして一時的に支援することはできるけれど、それよりも幸せが循環する持続可能な支援をしたかったんです。

–ある女性が幸せな気持ちで綺麗になれる商品が、別の女性の支援にもなるって素敵な仕組みですね。

幸せな気持ちで過ごす女性を、世界規模で増やしていく

–最後に、今後の展望を教えてください。

二見さん:

今後は現地でとれた材料を現地で加工し、女性の雇用の場をつくるなど、会社設立の目的を実現するため事業を進めていく予定です。

看護師時代、日本でも能力がある女性が出産・子育てを機に夢や希望を諦めていくのを、もったいないと感じていました。slow & glowが教育や自立支援をして、教育を受けて夢や希望を叶えられる女性を増やしたいと思っています。

–素敵なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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