貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)は、投資家が資金を提供し、企業が借り入れる仕組みのサービスです。
その中でも、「バンカーズ」は、1億円以上の大規模な案件にも最低1万円から参加できるというメリットがあります。さらに、申込手数料は無料です。
貸付型クラウドファンディングの金額が、グループ累計で800億円を突破しました。「バンカーズ」の特徴やメリット・デメリット、始め方などを詳しくご紹介します。
バンカーズの特徴
URL | https://www.bankers.co.jp |
運営会社名 | 株式会社バンカーズ |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋茅場町1-8-1 茅場町一丁目平和ビル802 |
設立年月 | 昭和49年8月 |
代表取締役 | 遠藤 慎一 |
登録番号 | 第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第3216号 貸金業:関東財務局長(14)第00077号 一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 日本貸金業協会:協会員番号 002411号 貸金業法 指定信用情報機関:株式会社日本信用情報機構 |
資本金 | 40,000万円 |
株主 | 株式会社バンカーズ・ホールディング |
上場有無 | 無 |
最小投資可能額 | 1万円 |
累計応募金額 | 800億円以上(2023年10月時点) |
参考利回り | 2~5.5%程度 |
バンカーズは、2020年12月にスタートした貸付型クラウドファンディングのサービスです。
貸付型クラウドファンディングとは、事業者を介して多くの投資家が様々な企業に資金を提供する仕組みで、ソーシャルレンディングとも呼ばれます。
つまり、事業者は、投資家から集めた資金を企業に貸し付け、返済期限までに利息をつけて返してもらった後、投資家に元本と利益を分配します。
バンカーズの運営会社は株式会社バンカーズで、2019年8月に設立された株式会社バンカーズ・ホールディングスの完全子会社です。株式会社バンカーズの前身である泰平物産株式会社は46年の実績を持つ信頼できる貸金業者です。
貸付型クラウドファンディングは貸金業の一種であり、その経験と知識がバンカーズのサービスに反映されています。
貸付型クラウドファンディングとは?
貸付型クラウドファンディングとは、一般の人々や投資家がプロジェクトやビジネスに資金を貸し付けることで、その発展に貢献する仕組みです。
貸付型クラウドファンディングでは、銀行融資や投資ファンドとは違って、多数の個人投資家が少額から大額までの資金を出資し、その見返りとして金利や元本の保障、またはプロジェクトの成果に応じた収益を得ることができます。
仕組みは次のようになります。
- 資金を必要とする企業が貸付型クラウドファンディングのプラットフォームに登録し、必要な金額や利率、返済期間などを提示
- それを見た個人投資家が自分の希望する金額を出資
- プラットフォームは個人投資家から集めた資金をまとめて企業に貸し付け
- 企業は定期的に利息と元本を返済し、個人投資家は分配金として受け取り
貸付型クラウドファンディングは、プロジェクトに対する「応援」の気持ちが強い投資家が多くいます。また高い利回りが期待できるため、資産運用の手段としても有効です。
出資した後にキャンセルすることは基本的にできませんが、運用コストや手間がかからず、分配金が入るのを待つだけで資産を増やすことができるのも魅力です。
バンカーズのメリットとデメリット
バンカーズのメリットとデメリットについて、次に説明します。それでは、詳しく見ていきましょう。
バンカーズのメリット・評判
バンカーズのメリット・評判を詳しく見ていきましょう。
最短1日で投資ができる
バンカーズでは、会員登録時の本人確認をより効率的かつ安全に行うために、新たなシステムを導入しました。
これは、ネクスウェイの「オンライン本人確認サービスeKYC」であり、スマートフォンで本人確認書類と顔写真を撮影するだけで、犯収法に準拠した本人確認が完了します。このシステムの導入により、従来の方法である本人確認書類2点の写しをWebサイトへアップロードし、書留郵便等で書面を送付するという手間が省かれます。
その結果、会員登録から出資の申込までの期間が最短4営業日から最短1営業日に短縮されました。これは、サービス利用者にとって、出資したいファンドへ迅速にアクセスできるというメリットがあります。
バンカーズは、このシステムを利便性とセキュリティの向上のために採用しました。
1口1万円から投資可能
バンカーズの貸付型クラウドファンディングは、最低1万円から参加できる投資サービスです。
一般的な企業への出資方法としては株式投資がありますが、国内株式の現物取引では、100株単位での購入が基本となります。このため、株式の現物取引には、数十万円以上の資金が必要になる場合が多いです。
しかし、バンカーズの貸付型クラウドファンディングなら、1万円から企業に貸付を行うことができます。少額からでも企業に間接的に出資できるというのは、バンカーズの貸付型クラウドファンディングの大きな魅力です。
さらに、バンカーズでは1億円以上の規模の募集も頻繁に行われており、過去には10億円のファンドを成功させたこともあります。
難しい運用は不要
バンカーズの貸付型クラウドファンディングは、難しい運用が不要です。口座開設からファンドへの申込、入金までの手続きはすべてオンラインで行えます。
運用期間中は分配金の支払いを受けるだけで、返済や催促などの面倒なことはありません。ただし、ファンドは先着順で募集されるため、人気の案件はすぐに満員になる可能性があります。
そのため、申し込みを希望するファンドの募集状況をよく確認し、開始時間に合わせて早めに申し込むことが重要です。
元本変動がない
バンカーズの貸付型クラウドファンディングは、株式や投資信託とは異なり、元本が変動するリスクがありません。
貸付期間中は、定期的に利息が支払われ、満期には元本が返還されます。
出資方式にセイムボートを採用している
バンカーズは「セイムボート出資方式」を採用したユニークなファンドです。
この方式では、企業に投資する際に、一定の割合で事業者(バンカーズ)自身も資金を出します。これにより、投資家と事業者の利害が一致し、リスクを共有することがことが可能です。
バンカーズは投資家の視点で厳選したファンドを組成し、安定的な運用を目指しています。
情報が開示されている
他の貸付型クラウドファンディングプラットフォームと比べて、バンカーズの優れた点は、投資先の企業に関する情報の透明性が高いことです。
投資家は、資金提供先の企業の名称や事業概要、モニタリングの方法などを事前に知ることができます。さらに、予想される利回りや運用期間だけでなく、貸付先企業の返済能力やリスク要因も詳細に公開されています。
貸付先企業の返済原資や返済方式、担保の有無や内容、過去の不渡り歴などを確認することで、投資家は自分の判断基準に合わせて投資判断を行うことがことができます。
バンカーズに投資家登録をすると、さらに詳しい情報を閲覧することが可能です。投資家限定で公開されている情報には、貸付先企業の財務諸表や事業計画書などが含まれています。
バンカーズのデメリット・口コミ
バンカーズのデメリット・口コミについて、詳しく見ていきましょう。
途中解約はできない
バンカーズの貸付型クラウドファンディングは、投資家に高い利回りを提供する一方で、一定のリスクも伴います。
運用期間中は、いかなる理由でも解約することができないため、資金提供先の企業の信用力や将来性を十分に確認することが必要です。
また、資金提供先の企業に何らかのトラブルが発生した場合、元本割れや遅延利息の発生などの可能性もあります。
そのような場合に備えて、バンカーズの貸付型クラウドファンディングは、自分の財務状況に見合った範囲で、かつ余裕のある資金で行うことが望ましいです。
元本保証はない
貸付型クラウドファンディングの一つであるバンカーズでは、投資家は事業者と匿名組合契約を結び、その事業に資金を提供します。
匿名組合契約とは、事業者が営む事業に対して匿名組合員(投資家)が出資し、その事業から得られる利益に応じて分配金を受け取る契約です。
法的には、匿名組合契約に基づく出資金は事業の損失によって減少する可能性があり、その場合は事業者は残存する出資金を返すだけでよいとされています。
したがって、投資先の企業の事業が不振に陥ったり、破綻したりした場合、出資金の回収ができなくなり、貸し倒れの危険があります。
貸し倒れが発生すると、出資金の全部または一部を失いかねません。このように、貸付型クラウドファンディングは運用中の価格変動や利率変動などのリスクはありませんが、融資先企業の経営状況や倒産などによって貸し倒れが発生するリスクがあります。
また、元本保証のない投資方法であることを理解しておく必要があります。
バンカーズの会員登録・投資開始までの流れ
バンカーズの会員登録・投資開始までの流れを次の通り説明します。
- 会員登録方法
- 入出金方法
- 運用手数料
それでは、詳しく見ていきましょう。
会員登録方法
貸付型クラウドファンディングでバンカーズに投資するには、まず会員登録をする必要があります。
会員登録の手順は、次のようになっています。
- 会員仮登録
- 会員本登録
- ウェルカムレターの受領
- 登録完了
詳しく見ていきましょう。
1.会員仮登録
会員登録ページにアクセスしたら、「会員登録」のボタンをクリックしてください。
個人か法人かを選ぶと、メールアドレス・パスワード・秘密の質問と答えを入力する画面に移ります。
メールマガジンの受信の可否も選択してください。すべての項目を入力し終えたら、「会員仮登録」のボタンを押してください。
これで会員仮登録が完了します。
2.会員本登録
会員仮登録が完了すると、確認メールが登録したアドレスに届きます。メールに添付されているURLをクリックして会員本登録画面にアクセスしてください。
2-1.申込者の情報の入力
会員本登録画面では、申込者の個人情報の入力を行います。入力後に画面下部のボタンを押して、本人確認書類・銀行口座情報に進んでください。
2-2本人確認書類と銀行口座情報の提出
運転免許証、マイナンバーカード、住基カード、パスポートなどの公的書類2種類をアップロードします。
また、通帳もしくはキャッシュカードの写真もアップロード必須です。ネット銀行の場合、口座番号を確認できる口座情報のスクリーンショットでも問題ありません。
本人確認書類と銀行口座情報の提出が完了すれば、会員本登録は終了です。
3.ウェルカムレターの受領
会員本登録の手続きが完了したら、バンカーズの担当者が登録情報や書類内容を確認。
不備がなければ3日〜1週間以内に会員本登録の書類確認完了のメールが届きます。その後、バンカーズからウェルカムレターが送付されます。
4.登録完了
ウェルカムレターには本人確認コードが記載されており、このコードは会員登録を完了するために必要となります。
サイトにアクセスして、会員登録時に設定したメールアドレスおよびパスワードを入力。ウェルカムレターに書かれているコードをフォームに入力してください。
会員登録が正式に完了し、マイページにログインできるようになります。
入出金方法
入出金方法を次に説明します。
詳しく見ていきましょう。
入金方法
入金の手順を説明します。
- 申し込み後に申込日を含めて3営業日以内に入金をすることで投資が確定します。
- 入金先口座に自分の銀行口座から入金を行います。
- 入金完了後に最低成立金額以上の投資額が集まった場合には期間給料日の翌日から運用が開始されます。
- もし終了日より前に満額集まった場合には、その時点でファンドが成立となります。なお、最低成立金額に満たなかった場合には、ファンドは不成立となり返金が行われます。
出金方法
出金の手順を説明します。
- まず、ファンド運用で利益が出た場合は、マイページにログインして「入出金」メニューを選択します。
- 次に、「出金依頼」ボタンを押して、出金したい金額を入力します。
- 最後に、出金の詳細を確認して、「出金内容を確認する」ボタンをクリックします。これで出金が完了しました。
出金した元本や分配金は、登録した口座に自動的に振り込まれますので、ご確認ください。
運用手数料
各ファンドには運用手数料として営業者報酬がかかりますが、これは融資先から受け取る利息の一部を運営会社に支払うものです。
運用手数料は投資元本から差し引かれることはなく、成功報酬型の手数料です。
運用手数料の金額は運営会社によって異なりますが、バンカーズでは年率2.0%程度となっています。
バンカーズの評判・口コミに関するよくある質問
バンカーズの安全性の高さや貸し倒れのリスクなど、よくある質問を紹介します。
バンカーズの安全性は?
バンカーズは、安全性が高いといえます。最低1万円から始められ予算オーバーのリスクが低いため、無理のない投資が可能です。
また、投資先に関する情報が公開されており、自分でリスクを評価しながら投資先を選べるのも安全だといわれる理由のひとつでしょう。
貸し倒れが起こる可能性はある?
バンカーズではリスク回避のための工夫がなされていますが、貸し倒れなどの損失リスクはゼロではありません。
万が一、貸し倒れによって損失が発生した場合、確定申告を行うことで源泉徴収された税金を取り戻す方法がおすすめです。これは、源泉徴収された金額以上の損失が出た際に、その相当分の還付を受けられるためです。
退会方法は?
マイページにログイン後、お問合せかフォームから退会手続きが可能です。
ただし、運用中のファンドがあると退会できないため、運用期間が終了してから手続きを行いましょう。
誰でも会員登録できる?
以下の条件を満たす20歳以上75歳未満の人であれば、誰でも会員登録できます。
- 日本国内に在住
- マイナンバーを所持している
- 反社会的勢力等に該当しない
- 「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の対象ケースに該当しない
- 「適合性の原則」により定める条件をクリアしている
登録完了後に登録情報は変更できる?
会員専用ページにログイン後、「会員情報」画面から登録内容を変更できます。住所や名前、銀行口座を変更する際は、問い合わせから手続きを行いましょう。
まとめ
バンカーズは、貸付型クラウドファンディングのサービスです。
最低1万円から投資可能で、高い収益性を目指せるというメリットがあります。
また、投資先の企業やプロジェクトの情報は透明性が高く、信頼できる運営者が厳格な審査を実施しています。しかし、バンカーズには元本保証がなく、投資した資金は途中で引き出すことができません。
そのため、投資家は、自分の財務状況や目的に合わせて、各案件の詳細や注意事項をよく確認してから、慎重に投資判断する必要があります。