
2025年9月、厚生労働省が発表した出生率の確定値は1.15で、9年連続で前年を下回りました。少子化の深刻化が進む中で、国全体の人口減少が社会的課題となっています。
内閣が「異次元の少子化対策」を掲げる中、少子化や人口減少に歯止めをかけたいと、子育て支援策を充実させる地方自治体が増えています。
経済的な補助に加え、地域の交流促進や働きやすさの向上など、多角的な取り組みが進んでいます。
子育て支援策は地方自治体によって様々であり、独自の工夫や地域性が色濃く反映されているのが特徴です。今回は、地域や家庭に密着したユニークな取り組みを行っている自治体を4つ取り上げてご紹介します。
目次
子育て支援が手厚い自治体ランキング|全国編
「新・公民連携最前線」は、「シティブランド・ランキング ―住みよい街2025―」の調査データ及び総務省の人口データに基づいて、全国の335市・区を対象に「子育てのしやすさ」についてランキング化を実施しました。
10位までのランキングは以下表を、11位以降のランキングは出典元の新・公民連携最前線でご確認ください。
| ランキング | 自治体名称 | 合計ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | 大村市(長崎県) | 98.06 |
| 2位 | 明石市(兵庫県) | 97.90 |
| 3位 | 流山市(千葉県) | 97.73 |
| 4位 | 中央区(東京都) | 97.48 |
| 5位 | 港区(東京都) | 96.55 |
| 6位 | 千代田区(東京都) | 95.97 |
| 7位 | 印西市(千葉県) | 95.60 |
| 8位 | つくば市(茨城県) | 94.91 |
| 9位 | 大野城市(福岡県) | 94.41 |
| 10位 | 文京区(東京都) | 93.95 |
⇒出典は新・公民連携最前線「「評判」と「実績」で見る子育てしやすい自治体ランキング2025」
子育て支援が手厚い自治体ランキング|東京編
ここでは子育て支援が手厚い自治体ランキング東京編について紹介します。
大田区
大田区は、子育て世帯への独自の支援策を豊富に提供している点が特徴です。特に、「おおた子育て応援券」を活用した支援が特徴です。代表的な特徴を見ていきましょう。
- 区内の子育て関連施設で使用できるクーポンを提供→育児支援やサービスの利用を促進
- 子育て支援センターや地域子育て支援拠点を設置→育児相談や子育てに関する情報提供実施
- 産前産後の訪問支援
- ファミリーサポートセンターを活用した地域のサポート体制を強化
保育料の軽減や、0歳児からの無料予防接種など、経済的支援も手厚く、子育て家庭が安心して生活できる環境といえるでしょう。大田区は、地域全体で子育て世帯を支援し、育児の負担軽減に努めています。
杉並区
杉並区は、子育て支援に積極的で独自の支援策を多数提供しています。
- すぎなみ子育て応援プログラム→育児に関する悩み・相談を支援
- 子育てサポーター派遣サービス→地域のボランティアによる子育て家庭サポート体制
- 杉並区子育て支援パスポート→区内の育児関連サービスや施設で割引などの特典を受けられる
中でも、「すぎなみ子育て応援プログラム」では、育児に関する悩みや相談をサポートするため、子育て支援センターや地域の子育てサロンを活用しています。
産前産後の訪問支援や育児講座も充実しており、母親のサポートに力を入れています。杉並区は、子育て世帯が地域で支え合いながら、安心して育児ができる環境作りが整っているといえるでしょう。
練馬区
練馬区は、子育て支援に力を入れており、独自の施策として以下を実施しています。
- 「子育て支援センター」設置→育児相談や親子交流の場を提供
- 「ファミリーサポートセンター」→地域のボランティアによる子育て支援
- 「練馬区子育て応援カード」→区内の子育て関連施設やサービスで特典が受けられる
また。産前産後サポートとして、訪問支援や育児講座も充実しており、母親や父親へのサポートを強化しています。
保育料の軽減や予防接種の無料化など、経済的な支援も多岐にわたっており、子育て世帯が安心して生活できる環境作りに注力している自治体です。
子育て支援が手厚い自治体ランキング|神奈川編
ここでは子育て支援が手厚い自治体ランキング神奈川編について紹介します。
横浜市
横浜市は、子育て支援において独自の施策を多く提供し、育児中の家計負担軽減に貢献しています。
- 「横浜市子育て支援パスポート」→区内の提携施設で割引や特典を受けられる
- 子育て支援センターや親子の広場を各地域に設置→育児相談や親同士の交流も可能
- 産前産後訪問支援→育児や家庭生活に不安がある親をサポート
保育所や認定こども園の充実も進んでおり、保育料の軽減措置や無償化の取り組みも行われています。横浜市は、地域全体で子育てを支援し、安心して育児ができる環境作りに力を入れている点が特徴です。
川崎市
川崎市は、子育て支援において独自の施策を数多く提供しています。
- 「かわさき子育て応援券」→区内の育児支援サービスや施設で利用可能
- 子育て支援センター・育児相談窓口を設置→親子の育児サポートや地域交流を促進
- 産前産後訪問支援やファミリーサポートセンター→専門のスタッフが家庭を訪問して育児に関するアドバイス
「かわさき子育て応援券」は、利用することで育児にかかる費用の軽減が可能であることに加えて、保育料の軽減や、無償化制度が進められており、保育施設の充実も図られています。
川崎市は、地域全体で子育て家庭を支援し、子どもが健やかに育つ環境作りに注力しています。
相模原市
相模原市は、子育て支援において独自の施策を多く実施しています。
- 子育て支援センター・親子サロンを各地域に設置→育児相談や親子の交流の場を提供
- ファミリー・サポート・センター→地域のボランティアが子育て支援
- 産前産後訪問支援・育児支援サービスを提供→母親の負担軽減も可能
- 保育所の利用促進や保育料軽減措置→子育て世帯の経済的負担を軽減
また、相模原市では、「子ども医療費助成制度」を導入し、医療費負担の軽減を実施している点も特徴です。
このように相模原市全体で子育て支援に取り組み、忙しい親をサポートして、子どもが健やかに育つ環境作りを進めています。
東京と神奈川の子育て支援を徹底比較
こちらでは東京と神奈川それぞれの子育て支援を徹底比較していきます。
子育て支援パスポート制度の有無
東京都と神奈川県における子育て支援パスポート制度には、いくつかの違いがあります。その違いを表で見ていきましょう。
| 東京都 | 子育て支援パスポート制度を実施している自治体がいくつかあり、育児中の家庭が区内の提携施設やサービスで割引や特典を受けられる |
| 神奈川県 | 子育て支援パスポートを導入している自治体がありますが、横浜市や川崎市などの大都市で特に活発に運用・川崎市では「子育て応援パスポート」を市内の提携施設で利用でき、育児支援施設や飲食店などで割引が可能 |
東京都では、子ども向けの施設やサービス、地域の子育て支援イベントに参加する際に、パスポートを提示することで割引の適用が可能です。ただ、東京都はこうしたパスポート制度を導入している自治体が限られており、各区ごとに制度内容が異なります。
神奈川県の特徴は、特定の自治体でこの制度を広範囲に展開しており、地域コミュニティや子育て支援サービスとの連携が強化されている点です。
両県ともに、地域によって運用状況が異なるため、居住している地域の詳細な情報を確認することが重要です。
子育て応援券の導入
子育て応援券の導入に関する東京都と神奈川県の違いは、以下表をご覧ください。
| 東京都 | 子育て応援券を導入している自治体は少なく、一部の区が独自に区内の育児関連施設で利用できるクーポンや割引券を配布 |
| 神奈川県 | 自治体が積極的に子育て応援券を導入し、育児支援施設や医療機関、公共施設で使えるクーポンを提供・川崎市では「子育て応援券」を使って育児支援サービスを受けられる |
東京都では、育児の負担を軽減する取り組みを行っていますが、東京都全体で広く実施されているわけではなく、導入していない自治体も多いため、地域によって支援内容にばらつきが大きいです。
神奈川県では、大都市を中心にこの制度が広く導入され、地域経済と連携した支援策が強化されており、支援対象が広範囲です。
このように、東京都は導入している自治体が限られ、神奈川県は大都市を中心に広く実施されている点が異なります。
子育て世代の実情
日本の子育て世代は、経済的負担の大きさが課題となっています。代表的な理由は以下の通りです。
- 年少扶養控除(16歳未満の扶養控除)が2011年に廃止→小さな子どもを持つ家庭の税負担が増加
- 高所得世帯への支給制限
- 支給額の減少
一方で、児童手当の拡充が行われましたが、支給制限や支給額減少といった問題も指摘されています。
年少扶養控除により、子育て費用がかさむ時期にもかかわらず、所得税や住民税の軽減が受けられなくなったのは子育て世帯に大きな打撃を与えました。
また、保育料や教育費、医療費の負担も大きく、共働き家庭でも経済的に厳しい状況が続いています。こうした背景から、子育て世帯の支援策の見直しを求める声が高まっています。
子育て支援は何がある?
自治体の子育て支援策には様々なものがありますが、代表的な子育て支援策としては以下の3つのタイプが挙げられます。
子育て支援金
中学生までの子どもに給付される児童手当は市町村から給付されますが、自治体によってはそれにプラスして様々な子育て支援金制度を実施しています。
ひとり親や低所得世帯向けに追加の手当金を給付しているところもあれば、健康保険の自己負担分を無料にする医療費助成という形で還元している自治体も多くあります。
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子育て支援パスポート
子育て支援に力を入れる自治体では、子育て世帯に対し子育て支援パスポートを発行し、協賛する企業などを募って、様々な優待制度が受けられるようにしています。
子育て支援パスポートで受けられる特典や優待は、地域の企業や店舗がそれぞれに趣向を凝らし様々なメニューやサービスを用意しています。
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子育てイベントの実施
子育て支援に熱心な自治体では、育児サークルなど様々な子育てイベントを実施して、子ども達の遊びの場の提供や、子育て世帯同士の交流の活発化などを図っています。
ユニークな子育て支援を行っている自治体
近年は少子化対策の一環として、自治体ごとに独自の子育て支援が打ち出されています。ユニークな子育て支援の例を以下の表でご覧ください。
| 東京都文京区 | 区内の子育て家庭が無料で利用できる「子育てシェアアプリ」を導入し、地域で子どもを預け合える仕組みを整備 |
| 福井県鯖江市 | 子育て世帯向けに市営バスを無料化し、移動の負担を軽減 |
| 長野県下條村 | 若い世代の定住促進を目的に、出産祝い金や保育料無償化に加えて住宅支援を手厚く実施 |
こうしたユニークな取り組みは、経済的な支援だけでなく「地域ぐるみで子育てを支える」という安心感を生み出し、移住促進や出生率向上にもつながっています。
子育て支援の自治体別成功例
ここでは、子育て支援の自治体別成功例について千葉・東京都板橋区・愛知県一宮市・鳥取県の4つを紹介します。
千葉県松戸市の取り組み
千葉県松戸市は、都心まで電車で20分程度とアクセスが良くベッドタウンとして人気がある市です。
近年は、首都圏への人口流出を食い止めるため子育て支援に力を入れており、待機児童7年連続ゼロを達成、日経新聞社と日経xwomanが発表する「共働き子育てしやすい街ランキング2021」において、2020年に引き続き2年連続総合編1位を受賞しています。
2022年5月には、内閣府が推奨する地方創生プログラムで「SDGs未来都市」に認定され、古い団地の再開発や子育て支援など、若いZ世代たちにも積極的な参加を促し独自の創造的な取り組みを行っています。
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子育て支援金
松戸市では、中学生までの通常の児童手当に加えて以下の施策を実施しています。物価高騰の影響を踏まえ、習い事や体験活動などにかかる経費の負担を軽減するための施策です。
- 児童1人につき1万円の「子どもの成長応援臨時給付金」を給付(2023年)
- 子どもの医療費助成を中学生から高校生にまで対象を拡大
- 三世代同居等住宅取得支援(子育て世帯が親世帯との同居や近居で家を取得する場合に最大100万円を補助)
- 幼児同乗用自転車の購入費の一部助成
中でも、高校3年生までの医療費助成拡大は、千葉県下人口40万人以上の大規模市としては松戸市が初めての取り組みとなっています。
これらのユニークな子育て支援金制度が充実しています。
アプリで子育てコミュニティ作りを支援
松戸市では2017年から子育てアプリ『まつどDE子育てアプリ(母子モ)』を提供しています。『まつどDE子育てアプリ』には以下のような機能が搭載されています。
- 予防接種のスケジュール管理や母子健康手帳の記録できる
- 松戸市の子育てやイベント情報などを見られる
- 妊娠中の胎児から生まれた後の身長体重まで自動でグラフ化
特に、子どもが小さいうちは合計40回以上の予防接種を受けなければならず、煩雑で忘れがちな予防接種のスケジューリングを自動で行ってくれるので便利です。
また、子どもの成長記録をつけながら、発育や発達状況に合わせたアドバイスも確認できるようになっています。
松戸市からのお知らせや子育て情報、地域のイベント情報などがリアルタイムにプッシュ通知で届くので、地域と親を繋ぐツールとしても活躍しています。
ひとり親家庭への支援
松戸市ではひとり親家庭の支援も充実しています。支援内容は以下の通りです。
- 医療費について保険診療分の自己負担医療費を一部助成する制度実施
- 親も通院1回・入院1日につき300円が助成・調剤も無料(市民税所得割非課税世帯については自己負担分全て無料)
- 低所得世帯に児童1人あたり5万円の子育て世帯生活支援特別給付金実施
さらに、ひとり親家庭など生活困窮世帯の生活保護受給世帯を含む生活困窮世帯の子ども対象に、特別の学習支援策を実施しています。
- 学習場所や居場所を提供し
- 学校の勉強の復習や受験支援
- カウンセリングなど
東京都板橋区の取り組み
東京都板橋区は、23区内でありながら赤塚の森や荒川河川敷などの自然が残る緑豊かな住宅地であると共に、光学・印刷等産業が集積する「ものづくりのまち」としても発展してきました。
1993年には、人と環境が共生する都市づくりを目指す「エコポリス板橋」環境都市宣言を行いました。その実績に対する評価は以下の通りです。
- 第4回SDGs先進度調査(日本経済新聞社):全国区で14位・東京都で首位
- 共働き子育てしやすい街ランキング2024:東京23区で3位
印刷産業等の関係から、イタリア・ボローニャ市と連携し「ボローニャ国際絵本原画展」を区立美術館で開催、「絵本のまち」をアピールしながら幅広い年齢層の交流や生涯学習、子育て支援などの取り組みを強化しています。
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子育て支援金
東京都板橋区が実施している子育て支援金を見てみましょう。
- 中学3年生までの児童を対象に児童手当を給
- ひとり親や障害児を扶養する世帯に20歳までの児童扶養手当を支給
- ひとり親や低所得世帯向けに児童1人につき5万円の生活支援特別給付金制度を実施(食費などの物価高騰への支援策・2023年度以降)
- 東京都23区で自己負担金分の医療費助成を18歳まで延長
- 養育医療(赤ちゃんの出生体重が2,000g以下の場合に指定の医療機関に入院すると医療の給付が受けられる)
- 喘息などの呼吸器系疾患がある児童への医療費助成
- 入院による精神医療を必要とする18歳未満の子どもへの医療費助成
ショートステイ・トワイライトステイ
板橋区では、一時的に子どもの面倒をみることができなくなった場合に、2~12歳の子どもを一時的に預かるショートステイ・トワイライトステイ事業を展開しています。
ショートステイ・トワイライトステイは、以下のような事情がある場合に利用できます。
- 保護者が疾病や出産のため入院する場合
- 家族の介護
- 事故や災害に遭った場合
- 育児疲れや育児不安などで養育が困難な場合
- 仕事の冠婚葬祭への出席などの都合で他に面倒をみる人がいない場合
社会福祉法人松葉の園が運営するショートステイ専用施設「子育て支援サービス」の利用期間は以下の通りです。
| トワイライトステイ | 午後4時から10時までの利用 |
| ショートステイ | 最大7連泊まで宿泊の利用 |
ショートステイ専用施設は1日最大6名までで、非常にアットホームな雰囲気の中、保育士や児童支援員が手作りのご飯を出してくれ、お風呂まで入れてくれます。
お友達と一緒に参加するなど、核家族化が進む中で、「おばあちゃんの家」の代わりとして使う人が増えています。
すくすくカードの発行
板橋区では、子育て家庭を応援するため、3歳未満の乳幼児の保護者に対し、「すくすくカード」を発行しています。
「すくすくカード」では、以下のような多様なメニューの中から、自分で好きなものを選んで支援を受けることできます。
- 育児支援ヘルパー
- 産後1年以内の訪問型産後ケア
- 保育園等の一時保育
- 病児・病後児保育
- スポーツクラブでのベビースイミング体験
- ベビー&産後ヨガ・ヨガ・ピラティス・バレエストレッチなどの体験
- フラメンコ・フラダンスなどの体験
- おくるみタッチケア・ベビーマッサージ・ファーストサインの体験
- 英語 de ベビーマッサージ、親子英会話
- アートひろば・ダンスエクササイズ・よもぎ蒸し
- 子育てサロンの利用
- 赤ちゃんカフェや赤ちゃんひろばでのランチ・ケーキセットの提供
- 区立施設の利用(区立体育館、熱帯環境植物館、区立美術館)
愛知県一宮市の取り組み
愛知県一宮市は、繊維産業を基盤に名古屋市に隣接するベッドタウンとして発展してきましたが、ここ近年は人口は減少傾向にあり、税収も減少していました。そのため、一宮市では、都市計画にSDGsを取り入れ、自然と調和を計りつつ持続可能な経済成長のできる都市づくりを目指しています。
木曽川の豊かな自然に恵まれた特性と市内に9つの高速道路インターチェンジがあり大都市名古屋に隣接しているという立地を生かし、適度に都会で適度に田舎である「トカイナカ」の特徴や子育てのしやすさなどをPRし、市の活性化に役立てています。
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子育て支援金
愛知県一宮市で実施している子育て支援金をご覧ください。
- 中学3年生までの児童を対象に児童手当を給付
- 児童1人あたり5万円の子育て世帯生活支援特別給付金を実施(2023年度以降)
また、ひとり親や障害児を扶養する世帯については以下の制度を実施しています。
- 18歳までの児童扶養手当を支給
- 両親と死別した遺児への手当金や一時金
- 低所得世帯向けの高等学校等就学助成など
さらに、名古屋市のベッドタウンとして発展してきた一宮市の特徴を生かし、児童扶養手当を受給する世帯にはJRの通勤定期の3割引を行うJR通勤定期券割引制度というユニークな手当も実施しています。
医療費助成については、中学3年生までの子どもの保険診療分の自己負担額を全額助成する他、入院に係る保険診療分の自己負担額は18歳まで全額助成する制度を導入しています。
はぐみんカードの発行
一宮市では、18歳未満の子どもがいる家庭に、各種の子育て支援が受けられる「はぐみんカード」を発行しています。「はぐみんカード」を提示することで、愛知・三重・岐阜県を中心に全国にある協賛店で各種の優待制度を受けることができます。
優待制度の一例は以下の通りです。
- ドラッグストアで医薬品やベビー用品の5%オフや特別のカードポイント追加
- 携帯ショップでのお菓子や日用品のプレゼント
- レストランでの子ども用追加メニューの無料提供
子どもに人気のマクドナルドではハッピーセットが特別価格で購入できたり、コメダ珈琲店でミニソフトクリームのプレゼントがある店舗も。銀行では教育ローンの金利が優待されるなどのサービスもあります。
「はぐみんカード」は、母子手帳と同時に配布されるので、妊娠中から優待制度を利用することができます。
市内6ヶ所の子育て支援センター
一宮市では市内6ヶ所に子育て支援センターを開設しています。子育て支援センターで用意している設備の例を見ていきましょう。
- 滑り台・パズル・木や布のおもちゃなどを豊富に揃えた「あそびの広場」
- おままごとコーナー
- 親子で気軽に利用できるランチルーム
- 子育て情報を共有する展示
水遊びできる庭や一時預かり施設を併設しているセンターもあります。
さらに、各子育て支援センターでは、毎週子育てサークルを開催し、子育て親同士の交流をサポート。子育てサークルは支援センターを始め、26種類もの場所で開催されています。
その他、車におもちゃなどを積んで地域の施設に出向く「うごく子育てサロン こっこ」や市内67ヶ所で保育園の園庭開放を行うなど、親子が一緒に楽しめる機会や場所を提供しています。
鳥取県の取り組み
鳥取県は早くから人口減少や高齢化の問題に直面してきました。今では各地方自治体が取り入れている子育て支援策をいち早く導入した鳥取市の歴史と実績への評価は以下の通りです。
- 2010年に「子育て王国とっとり建国宣言」を行い、病児病後児保育の充実や小児医療費の助成対象の拡大などの子育て支援策を実施
- 2019年に「子育て王国とっとり条例」を制定
- 2023年以降子育て支援策の拡充を目指して「シン・子育て王国とっとり運動」を推進
- 2020年に宝島社『田舎暮らしの本』が発表する「住みたい田舎」ランキングの【子育て世代部門】で1位を獲得
- 2021年に内閣府が推奨する地方創生プログラム「SDGs未来都市」に選定
子育て支援に加え環境面、農業面、人と人との交流の取り組みを重ね合わせたまちづくりを掲げています。
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子育てパスポートの発行
鳥取県鳥取市では、18歳未満の子どもがいる家庭に、各種の子育て支援が受けられる「とっとり子育て応援パスポート」を発行しています。
このパスポートを提示することで受けられるようになる主な特典は以下の通りです。
- 協賛店舗から商品等の割引
- 買い物ポイントの加算
- ドリンクサービス
- 予約しておけば子ども1人で移動できる「子育て応援タクシー」
- 生協での満1歳の誕生日までの商品の宅配手数料無料
- 豆腐店による卵アレルギーの子ども用誕生日ケーキ対応
- 上記のようなユニークな特典もたくさんあります。
従来は紙のパスポートを発行していましたが、2023年からは「子育て王国アプリ」をリリース。スマホのアプリ提示で特典を受けられるようになった他、マップが表示されるので近くの協賛店舗をすぐに探すことができる便利機能もつきました。
アプリでは地域の子育てイベントの情報提供やAIチャットによる子育て相談などをすることができます。
また、子どもが3人以上いる家庭には、「とっとり子育て応援パスポート」とは別に「とりっこカード」を発行し、さらに充実した特典が受けられるようになっています。
子育てサークル
鳥取市では、子育て世帯の交流を活性化するため市内の公民館など25を超える場所で子育てサークルを実施しています。
1998年という早い段階から、鳥取市内で自主的に活動する子育てサークルをまとめる「ゆうゆうとっとり子育てネットワーク」を結成。交流会やイベントを実施する他、ゆうゆう新聞の発行や行政会議への出席など積極的に活動を続けています。
ボランティアのメンバーが積極的に活動を続ける中で通常の子育てサークルが組織された他、以下のようなユニークなサークルも登場しています。
- ふたご・みつごサークル「ふたりっこクラブ」
- 食物アレルギーっこ親の会「しろうさぎ」
その他、以下のような設備も設置されています。
- 0~3歳の乳幼児とその 子どもを家庭で子育てしている保護者が気軽に利用できる「0.1.2.3子育てひろば」
- 子ども達の遊び場と保護者の育児相談が両方できる「地域子育て支援センター」
子ども食堂
孤食状態や家庭の事情で十分に食事がとれない子どもに「温かいご飯をたべさせてあげたい」という願いから民間の活動を中心に広まった子ども食堂。
鳥取市内では、25ヶ所を超えるこども食堂が開設されています。子ども食堂の形態やサービスは様々で、食事の提供以外にも以下の支援を提供しています。
- 学習・遊び・創作などの活動を通して大人と交流しながら生活習慣やマナーを身につける
- 弁当の宅配
- ボランティアの学習支援
- おもちゃの貸出
上記のように、家庭や学校とは違った「子どもの居場所」を提供しています。
鳥取市のHPでは子ども食堂の一覧を開示し、近所の食堂がどこにあるかや開催日などを確認できます。
自治体ごとの支援のばらつき
自治体ごとの支援のばらつきに関して、東京都と神奈川県には明確な違いがあります。それぞれの支援の質や内容の特徴を見ていきましょう。
| 東京都 | ・各区や市が独自に子育て支援策を講じている(保育施設の充実度や育児相談サービス・助成制度など) ・中央区や渋谷区などの中心部は子育て支援が手厚く、専門的なサービスや高水準の保育が提供される ・郊外地域ではサポートが少ないケースがある |
| 神奈川県 | ・横浜市や川崎市などの大都市では子育て世帯向けの特典や医療費助成が手厚くファミリーサポートセンターなど地域全体でサポート体制が整っている ・小田原市などの地方の自治体では支援が手薄な面も見られる |
東京都は、多様な自治体が集まるため、子育て支援に関しても自治体ごとのばらつきが顕著です。各区や市が独自に子育て支援策を講じており、例えば、保育施設の充実度や育児相談サービス、助成制度などに違いがあります。
神奈川県も、自治体ごとの支援にばらつきが見られますが、特に横浜市や川崎市などの大都市では、充実した子育て支援が提供されている一方で、地方の自治体では支援の内容が異なる場合があります。
自治体の子育て支援に関するよくある質問
最後に自治体の子育て支援に関するよくある質問について3つ紹介します。
子育て支援認証はどこで確認できますか?
子育て支援認証については、各自治体の公式ウェブサイトや子育て支援窓口で確認することができます。自治体によっては、子育て支援に関する認証制度を設けており、認証を受けた施設やサービスがリスト化されています。
例えば、認証保育園や、子育て支援に力を入れている企業・団体の情報を公開していることが多いです。また、自治体が発行する子育て関連のパンフレットや冊子にも、認証を受けた施設情報が掲載されている場合があります。
オンラインで確認する際は、地域の子育て支援課や福祉課などに問い合わせることも有効です。
子育て支援パスポートや応援券はどの施設でも使えますか?
子育て支援パスポートや応援券は、全ての施設で使用できるわけではありません。通常、これらの支援パスポートや応援券は、自治体が提携している特定の施設やサービスで利用可能です。
子育て支援パスポートや応援券が利用できる施設の一例をご覧ください。
| 子育て支援パスポート | 地域内の認定保育園・子ども向け施設・病院・ショッピングモールなど、育児をサポートする施設で割引や特典を受けられる場合がある |
| 応援券 | 自治体が指定する育児関連施設やサービス・医療機関・公共施設などで使用可能 |
利用できる施設のリストは自治体のウェブサイトやパンフレットで確認でき、事前にどこで使えるかを調べておくことが重要です。
産前産後サポートはどう申し入れますか?
産前産後サポートを利用するには、まずお住まいの自治体の福祉課や子育て支援センターに申し込みを行います。多くの自治体では、産前産後の支援を提供しており、内容には訪問型サポート・育児相談・家事や育児の支援サービスが含まれることがあります。
申し込み方法は自治体によって異なりますが、以下の手順が必要なケースがあります。
- 申請書類の提出
- オンライン申請
- サポート内容や利用条件・利用可能な期間などを確認
自治体の公式ウェブサイトやパンフレットに、具体的な申請方法や必要書類の案内が掲載されていますので、それらを参考にして手続きを進めてください。
自治体の子育て支援とSDGsの関係
自治体が行う子育て支援は、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)とも深く関わっています。
特に子育て環境の整備と直結しているのは、以下の項目です。
- 目標3「すべての人に健康と福祉を」
- 目標4「質の高い教育をみんなに」
- 目標11「住み続けられるまちづくりを」
例えば、保育所の充実や待機児童の解消は働きながら子育てできる環境を整えるだけでなく、女性の社会進出促進や地域の活性化にもつながります。
また、子どもの学習支援や居場所づくりは教育格差の是正に寄与し、長期的には持続可能な地域社会の形成を後押しします。自治体の子育て施策は単なる福祉政策にとどまらず、SDGs達成に向けた重要なアクションといえるのです。
まとめ
子育て支援に力を入れている自治体として、千葉県松戸市、東京都板橋区、愛知県一宮市、鳥取県鳥取市の4つの自治体を取り上げ、取り組み内容を紹介しました。
持続可能な活気ある街づくりのため、子育て支援とSDGsを組み合わせて取り組んでいるところも多いようです。
経済的な支援だけでなく、地域ぐるみで子どもを育てる環境づくりを重視する自治体も増えており、多様なアプローチが進められています。
少子高齢化が進む日本において、個性溢れる自治体の子育て支援策が今後さらに拡大していくことが期待されます。
この記事を書いた人
エレビスタ ライター
エレビスタは「もっと"もっとも"を作る」をミッションに掲げ、太陽光発電投資売買サービス「SOLSEL」の運営をはじめとする「エネルギー×Tech」事業や、アドテクノロジー・メディアなどを駆使したwebマーケティング事業を展開しています。
エレビスタは「もっと"もっとも"を作る」をミッションに掲げ、太陽光発電投資売買サービス「SOLSEL」の運営をはじめとする「エネルギー×Tech」事業や、アドテクノロジー・メディアなどを駆使したwebマーケティング事業を展開しています。