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省エネ法とは?改正ポイントや企業が取り組むべき内容をわかりやすく

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省エネ法改正で企業の省エネ対策がますます重要に!

省エネ法は、その名の通り、企業のエネルギー使用の合理化を促進するための法律です。2023年4月に改正され、省エネ目標の引き上げや、省エネ義務の拡大など、企業の省エネ対策がますます重要になりました。

省エネ法の概要や改正ポイント、企業が取り組むべき内容をわかりやすく解説します。省エネ法の改正内容を理解し、自社の省エネ対策を進めるための参考にしてください。

目次

省エネ法とは

省エネ法とは、正式には「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」という名称の法律で、定められた基準以上の事業者に、

  • エネルギーの使用状況
  • 省エネへの取り組み
  • 化石燃料の利用削減

などについての、取り組みの見直し、計画の策定、報告を義務付けます。

省エネ法の目的

省エネ法は、エネルギーの使用状況の調査・分析、省エネ目標の設定・達成状況の評価、省エネ技術の普及・啓発などを通じて、

  • エネルギーの安定供給の確保
  • エネルギーの価格安定の確保
  • 環境への負荷の低減

などの目的を達成するための法律です。

省エネ法の目標

省エネ法の目標は、大きく分類して3つあります。

  1. エネルギーの使用効率向上のための施策を推進し、エネルギー使用量の削減を図る
  2. 持続可能な社会を実現するために、エネルギーの効率的な利用を促進する
  3. 国際的な温室効果ガスの排出削減目標に貢献する

このように、省エネ法は、エネルギーの使用の合理化と非化石エネルギーへの転換を促進することを目指しています。この法律に関する取り組みは、我々の社会が持続可能な未来に向けて進むために重要です。*1)

省エネ法の基本情報

早速、省エネ法の基本を確認していきましょう。省エネ法はたびたび改正が行われるので、それが新しい情報かどうか、注意が必要です。

省エネ法におけるエネルギー

これまでの省エネ法では、太陽光発電による電力など、再生可能エネルギーの使用については報告対象ではありませんでした。しかし、2023年の省エネ法改正で、これらの非化石エネルギーの使用合理化と、報告が必要になりました。(詳しくは次の「【2023年最新】省エネ法の改正ポイント」で解説します。)

【省エネ法におけるエネルギー】

対象となる分野

省エネ法の対象となる分野は、工場・事業場・運輸分野です。これらの分野で活動する一定規模以上の事業者は、エネルギーの使用状況や非化石転換等に関する取組を報告・見直すことが求められています。

【省エネ法が規制する分野】

省エネ法は2023年4月から、改正省エネ法が施行されています。次の章では、最新の改正ポイントに焦点を当てていきましょう。*2)

【2023年最新】省エネ法の改正ポイント

【2023年4月からの省エネ法の改正ポイント】

2023年の省エネ法改正では、省エネの推進に加えて、エネルギー需要において化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換を目指すことが重要なポイントとされています。さらに、再エネ導入を支えるために、電力の供給量に応じて電力の使用量を調整する「ディマンド・リスポンス(DR)」などの取り組みの重要性も示されています。

ディマンド・リスポンス(DR)

需要家側のエネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させる仕組み。具体的には、電力需給がひっ迫したときに、家庭や企業などの需要家に対して、電力消費を抑制や創出するように要請し、電力需要を調整する。電気使用の停止や制限を要請することで、電力需要を減らす「下げDR」と、蓄電池などのエネルギーリソースを活用して、電力需要を増やす「上げDR」の2種類がある。

それぞれのポイントを確認していきましょう。

【需要側のカーボンニュートラルに向けたイメージと取り組みの方向性】

エネルギーの定義見直し

2023年の省エネ法改正では、エネルギーの定義が大幅に見直されました。これまでの法律では、エネルギーといえば主に化石燃料を指していました。また、一定規模以上の工場や事業所、運輸事業者などに対して、エネルギー使用状況の報告や合理化計画の作成指示が行われていました。

しかし、改正省エネ法では、エネルギーの定義が拡大され、化石エネルギーだけでなく非化石エネルギーを含むすべてのエネルギーの使用の合理化を求めることになりました。

非化石エネルギーへの転換

また、一定規模以上のエネルギー使用者に対して、非化石エネルギーへの転換に関する中長期計画の作成と、非化石エネルギーの使用状況などの定期報告が求められるようになりました。具体的には、

  1. セメント製造業
  2. 自動車製造業
  3. 鉄鋼業
  4. 化学工業(石油化学・ソーダ)
  5. 製紙業

の5つの業種で、電気使用量が100万kWh以上、または熱使用量が500万kcal以上の企業に対して、2030年度の定量目標の目安が国によって設定され、その目標内に全体としておさまるように対象企業に目標基準量が振り分けられます。

【非化石エネルギーへの転換】

電気需要の最適化

他にも、電気を多く使用する企業に対して、「電気の需要の最適化」が求められます。これは、再エネの出力制御時に電力の需要を調整したり、電力の需給がひっ迫した際に電力需要を減らすための対策です。

具体的には、再エネの余剰時に電力需要を増加させる「上げDR」や、電力需給ひっ迫時に電力需要を抑制させる「下げDR」などの実績を報告することなどが含まれています。

【電気の需要の最適化(旧:電気の需要の平準化)】

定期報告書の任意開示制度

そして、令和5年度の実績報告から、「定期報告書の任意開示制度」が導入されます。開示に同意した場合、エネルギーの使用の合理化などの情報が、資源エネルギー庁のウェブサイトで事業者ごとに公開されます。

この制度はESG投資家※などが、投資先の意思決定をするための判断材料の1つとして期待できます。

ESG投資家

投資先の企業の環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素(ESG)を重視して投資を行う投資家。ESG投資は、地球温暖化や格差拡大などの社会課題が深刻化する中、ESGに配慮した企業は、持続的な成長を実現する可能性が高いと考えられるため、世界的に注目を集めている投資手法。

【関連記事】ESG投資とは?仕組みや種類、メリット・デメリット・問題点、企業の取り組み事例

省エネ法改正の目的は、2030年度までに2013年度と比べて温室効果ガスを46%削減する目標に向け、省エネの更なる深掘りを目指すことです。省エネの目標を引き上げ、義務を拡大するなど、省エネの取り組みをより一層強化する内容となっています。*3)

省エネ法が必要とされる背景

現代社会において、エネルギーは私たちの生活に欠かせない存在です。しかし、エネルギーの利用には、地球温暖化やエネルギー資源の枯渇、環境汚染など、さまざまな問題が潜んでいます。

そこで、エネルギーの効率的な利用を推進し、これらの問題を解決するために、省エネ法が制定されました。省エネ法が必要とされる背景を詳しく見ていきましょう。

地球温暖化の進行

地球温暖化は、私たちの生活や社会に深刻な影響を及ぼす問題です。地球温暖化の原因のひとつは、エネルギーの使用による二酸化炭素などの温室効果ガスの排出です。

このまま地球温暖化が進行すると、異常気象の頻発海面上昇などのさまざまな影響が懸念されます。そのため、省エネに取り組むことで、温室効果ガスの排出を抑制し、地球温暖化の進行を緩和することが求められています。

エネルギー資源の枯渇問題

石油や天然ガスなどの化石燃料は、有限な資源です。化石燃料の枯渇が進むと、エネルギーの安定供給が難しくなります。

省エネや非化石エネルギーの導入に取り組むことで、限りあるエネルギー資源の消費を抑制し、枯渇問題の解決に貢献することができます。

経済成長とエネルギー消費の増加

経済成長に伴い、エネルギー消費量は増加しています。また、人口の増加やライフスタイルの変化なども、エネルギー消費量の増加につながっています。

エネルギー消費の増加は、地球温暖化やエネルギー資源の枯渇などの問題を悪化させます。エネルギー消費の増加を抑制するためには、エネルギーの使用の合理化が必要です。

日本のエネルギー事情

日本のエネルギー事情にはいくつかの弱点やリスクが存在します。まず第一に、エネルギー資源のほとんどを輸入に頼っていることが挙げられます。このことから、国際情勢の変化やエネルギー供給の不安定さによって、エネルギーの安定供給に影響を及ぼすリスクがあります。

このため、日本にとって、エネルギー自給率の向上は重要な課題です。

省エネ法が必要とされる背景は、持続可能な社会を築くためにエネルギーの効率的な利用が求められているからです。法律によってエネルギーの使用や消費の効率化を促進し、環境負荷の低減やエネルギー資源の節約を図ることは、世界的にもスタンダードになりつつあります。

次の章では省エネ法に対応するために企業が取り組むべきことを解説します。*4)

省エネ法のために企業が取り組むべきこと

【ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)】

省エネ法の基準を達成するために、対象となる企業が取り組むための手順と具体的な取り組みの例を確認しましょう。

①エネルギーの使用状況を把握する

省エネの第一歩は、エネルギーの使用状況を把握することです。

  • エネルギー使用量
  • エネルギー消費効率
  • エネルギー利用の状況

などを正確に把握することで、省エネの余地を把握することができます。

②省エネ対策を計画する

エネルギー使用状況を把握した上で、省エネ対策を計画します。省エネ対策は、

  • 設備の更新や改善
  • 運転方法の見直し

など、さまざまな方法があります。

③省エネ対策を実施する

次に、計画した省エネ対策を実施します。省エネ対策の実施には、経営層のリーダーシップや従業員の協力が不可欠です。

④省エネ効果を検証する

そして、省エネ対策を実施した後のエネルギー使用量を把握し、省エネ効果を検証します。省エネ効果を検証することで、今後の省エネ対策に役立てることができます。

具体的な取り組み例

具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

設備の更新・改善

省エネ性能の高い設備への更新や、既存設備の省エネ化対策(メンテナンス、運転方法の見直しなど)で、稼働に必要なエネルギーを削減する。

照明のLED化

照明のLED化は、省エネ効果が大きく、比較的簡単に実施できるため、多くの企業で取り組みが進んでいます。従来の照明に比べて寿命が長く、交換の手間も削減できます。

空調の効率化

事業によっては、空調に多くのエネルギーを使います。空調の運転方法の見直しや、熱回収型空調の導入などで、空調にかかるエネルギーの効率化を図ります。

熱の有効利用

特に工場などで、熱が発生する事業では、排熱の回収・利用や、高効率ボイラーへの更新などは大きな省エネ効果を発揮します。

再生可能エネルギーの導入

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを導入することで、化石燃料の使用量を削減することができます。

これらに取り組み、省エネ法の基準を達成することは、企業の経営効率の向上や、環境負荷の低減につながります。また、省エネ対策を実施することで、エネルギーコストの削減や、新たなビジネスチャンスの創出企業のイメージアップにもつながる可能性があります。*5)

企業が省エネ法に対応するための最新技術

【次世代エネルギーとして期待される水素】

省エネ法対象企業では、省エネを図るための最新技術の導入が進んでいます。その中からいくつかの技術を紹介します。

人工知能(AI)やIoTを活用した省エネ

【物流における IoT の活動領域】

AIやIoTを活用した省エネでは、センサーやカメラなどのIoT機器で設備の稼働状況を収集し、AIで分析・解析することで、無駄なエネルギー消費を削減します。例えば、工場の生産ラインでは、AIを活用して機械の稼働状況を監視し、異常を検知した際に自動的に停止させることで、エネルギーの無駄を防ぐことができます。

また、オフィスでは、IoT機器で照明や空調の使用状況を収集し、AIで分析・解析することで、利用状況に応じて自動で照明や空調の明るさや温度を調整するシステムの導入が進んでいます。

次世代エネルギーの活用

【セブン‐イレブン相模原橋本台1丁目の路面型太陽光発電設備】

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーや、燃料電池※などの新エネルギーを活用することで、化石燃料に依存したエネルギー消費を削減することができます。

工場では、屋根や敷地内に太陽光発電パネルを設置して、再生可能エネルギーを自家発電するシステムを導入する企業が増えています。また、オフィスでは、屋上やベランダに太陽光パネルを設置して、発電した電気を自家消費するシステムを導入する企業もあります。

最近では、次世代太陽光発電として、ペロブスカイト太陽電池※が、従来の太陽電池よりも発電効率が高く、製造コストも低いことで、注目を集めています。

燃料電池

水素やメタノールなどの燃料と酸素を用いて、電気と熱を生成する設備。環境に優しく、排出されるのは水と熱のみ。近年では家庭用燃料電池「エネファーム」も普及している。

【関連記事】エネファームが普及しない理由は?仕組みと費用・デメリットなどの基礎知識も解説

ペロブスカイト太陽電池

ペロブスカイト構造と呼ばれる特殊な結晶構造を利用した太陽電池。この構造は、光を吸収しやすく、効率的に太陽光を電気エネルギーに変換することができる。従来のシリコン太陽電池よりも低コストで製造が可能で、高い変換効率を持つことから、次世代の太陽電池技術として注目されている。

【関連記事】ペロブスカイト太陽電池とは?実用化はいつ?今後の課題も

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入

【BEMSを活用した建物・設備運用管理】

出典:経済産業省『情報技術等の将来技術及びデータの活用 エネルギーマネジメントの全体像 』

EMSは、エネルギーの使用状況を見える化し、省エネの取り組みを効率的に進めるためのシステムです。EMSを導入することで、エネルギーの使用量やコストを把握しやすくなり、省エネ対策の優先順位を明確にすることができます。

また、エネルギー使用の予測や分析を行うことで、さらに効果的な省エネ対策を実施することもできます。

クラウド型EMSの普及

クラウド型EMSは、インターネットを介して遠隔地から運用・管理できるEMSです。従来のEMSに比べて導入・運用コストを抑えることができるため、中小企業でも導入がしやすくなりました。

AIやIoTを活用したEMS

AIIoTを活用することで、エネルギーの使用状況をより詳細に把握し、効果的な省エネ対策を実施することができます。例えば、AIを活用してエネルギー使用の予測を行い、ピーク時の電力使用量を抑える対策を実施することができます。

このような最新技術を活用することで、省エネの取り組みをより効果的に進めることができます。さらに、省エネに取り組む企業が増加すると、それに関連した技術開発も活発になり、経済と環境の両面に良い効果が期待できます。*6)

省エネに関する補助金

省エネの取り組みを進めるには、初期費用や運用コストなどの負担がネックとなる場合があります。そこで、国や地方自治体では、省エネに関する補助金を実施しています。

省エネルギー投資促進に向けた支援補助金

「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」は、事業者がより効率的な省エネ設備への入替を促進するための支援制度です。具体的には、先進的な設備やシステム、オーダーメイド型の設備の導入を支援し、汎用的な設備については簡易な手続きで申請可能な申請区分も用意されています。

【省エネルギー投資促進に向けた支援補助金の対象】

省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金

「省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金」は、新規導入や増設、モデルケースとなり得る省エネへの取り組みに対して支援を行い、資金調達が障壁となっている事業者の省エネ投資を促進する制度です。

具体的には、新設事業所や既設事業所における

  • 省エネ設備の新設・増設
  • 物流拠点の集約化に係る設備導入
  • エネルギーマネジメントシステム導入

などで、民間金融機関等から融資を受ける事業者に対して利子補給を行います。

【省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金の事業例】

中⼩企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業

「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業」は、省エネの専門家が様々な施設を訪問し、エネルギーの無駄遣いや省エネにつながるヒントを見つけます。そして、設備の運用改善や効率の高い設備への更新、さらには補助金の活用について、各事業所に合わせて提案を行います。

これにより、中小企業等がコスト削減や効率的な省エネ投資を行いやすくなります。

【中⼩企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業】

中小企業等に対するエネルギー利用最適化推進事業費補助金

「中小企業等に対するエネルギー利用最適化推進事業費補助金」は、中小企業などの省エネを推進するために、省エネルギー診断や省エネ相談地域プラットフォームの構築など、きめ細かな支援を行います。

具体的には、

  • 地域プラットフォーム構築事業
  • 省エネ最適化診断
  • IoT診断
  • 講師派遣

などさまざまなアプローチで、中小企業などの省エネ推進を支援します。

【地域プラットフォーム構築事業】

⾼効率給湯器導⼊促進による家庭部⾨の省エネルギー推進事業費補助⾦

「⾼効率給湯器導⼊促進による家庭部⾨の省エネルギー推進事業費補助⾦」は、家庭の給湯分野におけるエネルギー消費量を削減するために、高効率給湯器の導入を支援するものです。実は、家庭のエネルギー消費量のうち、給湯分野は約2割を占めています。

給湯器の省エネ性能は、近年大きく向上しており、高効率給湯器の導入により、給湯にかかるエネルギーを大幅に削減することができます。この補助金では、高効率給湯器の購入や設置にかかる費用の一部を補助します。

対象となる給湯器は、エネルギー消費効率が従来品より10%以上向上したものとされています。補助金は、給湯器の種類や設置場所によって異なりますが、最大で40%です。

【⾼効率給湯器導⼊促進による家庭部⾨の省エネルギー推進事業費補助の対象】

住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金

「住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金」は、住宅・建築物のエネルギー消費量を削減するために、省エネ設備の導入や、省エネ性能の向上を図るリフォームなどを支援するものです。対象となる設備やリフォームには、

  • 省エネ性能の高い給湯器、空調機、照明器具などの導入
  • 断熱改修、窓の交換、高断熱ペアガラスの導入などの断熱性能の向上
  • 太陽光発電、蓄電池などの再生可能エネルギー設備の導入

などがあります。補助金は、設備やリフォームの内容によって異なりますが、最大で50%です。

また、

  • ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の実証支援
  • ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)の実証支援
  • 次世代省エネ建材の実証支援

など、次世代のネット・ゼロ建築関連の取り組みを推進しています。

【ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)】

AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金

「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金」は、運輸部門の省エネ化を推進するために、AI・IoTなどの新技術を活用した実証事業を支援するものです。具体的には、以下の3つの分野で実証事業を支援します。

①サプライチェーン全体の輸送効率化・省エネルギー化

AI・IoTを活用して、貨物の運送状況をリアルタイムで把握したり、輸送ルートを最適化したりすることで、サプライチェーン全体の輸送効率化・省エネルギー化を図る実証を支援します。

②トラック事業者と荷主の連携による輸送の効率化

貨物の運送状況を荷主に提供したり、トラック事業者と荷主が共同で輸送計画を立案したりするなど、輸送の効率化を図る実証を支援します。

③省エネ船舶等の実証

燃料電池やハイブリッドなどの革新的省エネ技術を活用した船舶の実証を支援します。

また、使用過程車の実燃費改善に向け、自動車の不具合情報を把握できるスキャンツールの自動車整備事業者への導入を支援します。

脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム

このプログラムは、2050年の脱炭素社会の実現に向けて、革新的な省エネ技術の研究開発と社会実装を促進することを目的としています。このプログラムには。

  • 個別課題推進スキーム
  • 重点課題推進スキーム

の2つがあります。

個別課題推進スキーム

開発技術の種類によって、開発リスクや開発段階が異なるため、調査フェーズと3つの技術開発フェーズ※を設けています。また、各フェーズを組み合わせて提案することも可能です。

フェーズ移行時には、成果と省エネルギー効果を評価するステージゲート審査を行い、高い成果と十分な省エネルギー効果が見込まれるテーマに対しては、支援を継続します。

※3つの技術開発フェーズ

  1. 技術の基本的な原理や概念の検証
  2. 技術の実現可能性の検証
  3. 技術の性能や実用性の検証

重点課題推進スキーム

2050年を見据え、業界の共通課題や異業種に跨る課題を解決するために、複数の事業者が協力して取り組むべき技術開発課題を設定します。そして、その技術開発を実施し、成果を普及させることで、省エネルギーを実現します。

【脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム】

省エネに関する補助金は、さまざまな種類があり、対象となる事業者や設備、補助額などにも違いがあります。これらの補助金制度を活用して、省エネの取り組みをより効果的に進めましょう。*7)

企業だけでなく、家庭や個人の省エネ対策も重要!

日本のエネルギー問題を解決するためには、温室効果ガスの排出が多い企業の努力だけでなく、対象とはならない企業や各家庭・個人が省エネに取り組むことが大切です。家庭や個人も、省エネ法の基準を満たすために取り組む企業から学び、それぞれのライフスタイルに合った取り組みをすることができます。

  • 省エネ効果の高い家電へ買い替える
  • 照明をLEDにする
  • エアコンの適切な使用
  • エコドライブ

など、家庭や個人にできる省エネへの取り組みはさまざまです。省エネ技術や情報は、日々進化しています。最新の省エネ技術や情報を取り入れることで、より効果的な省エネ対策を実施することができるでしょう。

例えば、スマートフォンのアプリを使って、家庭のエネルギー使用量を見える化するサービスが登場しています。このサービスを利用することで、エネルギーの使用状況を把握し、省エネ対策を効率的に実施することができます。

こまめな節電にも心がけよう

  • 電気の消し忘れを防ぐ
  • 不要な電化製品のプラグを抜く

などの小さな節電を積み重ねることも、省エネに貢献します。省エネは、企業や家庭、個人、それぞれの取り組みが重要です。誰もができることから、少しずつ省エネに取り組むことで、地球温暖化やエネルギー問題の解決に貢献することができます。ぜひ、自分に合った省エネ対策に取り組んで、地球環境の保全に貢献しましょう。

省エネ法とSDGs

事業者がエネルギーの使用の合理化を図るための措置を講じることを義務付ける省エネ法は、SDGsの目標達成にも大きく貢献する法律です。省エネ法と特につながりの深い目標を見ていきましょう。

SDGs目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

省エネ法は、エネルギーの効率的な使用を促進することで、クリーンなエネルギーをすべての人に届けることに貢献しています。例えば、省エネ法に基づく「トップランナー制度」※では、家電製品や自動車などのエネルギー消費性能基準を設定し、市場における最も効率的な製品の性能を基準として、他の製品の性能向上を促しています。

これにより、消費者は省エネルギーな製品を選択しやすくなり、エネルギーの使用量を減らすことが可能になります。

トップランナー制度

製造事業者等に対し、エネルギー消費効率の目標を示して達成を促すとともに、エネルギー消費効率の表示を求める制度。トップランナー制度では、対象となる機器や建材の製造事業者や輸入事業者に対し、エネルギー消費効率の目標を示して達成を促すとともに、エネルギー消費効率の表示を求めている。トップランナー基準を達成した製品には、5段階の省エネ性能ランク(星)が付けられ、消費者にわかりやすく情報提供されている。

SDGs目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

省エネ法は、企業に対して省エネルギーへの投資や技術革新を促すことで、持続可能な産業への移行とインフラの構築に貢献します。例えば、省エネ法はエネルギー使用量が多い事業者に対し、エネルギー管理者の設置や定期的なエネルギー使用の報告を義務付けています。これによって企業はエネルギー使用の効率化を追求し、イノベーションを促進することにつながります。

SDGs目標12:つくる責任 つかう責任

省エネ法は、製品の製造から消費に至るまでのライフサイクル全体での省エネルギーを促進し、持続可能な消費と生産のパターンを実現するための基盤を築きます。たとえば、「省エネラベリング制度」※は、消費者が製品を選ぶ際に省エネ性能を明確に理解しやすくすることで、環境に配慮した選択を促しています。

省エネラベリング制度

エネルギー消費の大きい家電製品や建材などの製品について、省エネ性能を星の数で評価し、消費者にわかりやすく情報提供するための制度。省エネラベリング制度は、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)に基づき、経済産業省が定めている。

【関連記事】LCAはカーボンニュートラルに欠かせない!メリット・デメリット、問題点も紹介

SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を

省エネ法は、エネルギー使用の合理化を通じて温室効果ガスの排出削減気候変動への対策に貢献します。具体的な取り組みとして、事業所や工場におけるエネルギー使用量の削減や、再生可能エネルギーの導入促進が挙げられます。

これらの取り組みは、日本全体のCO2排出量を減らすことに繋がり、地球温暖化の進行を抑制する効果が期待されています。

このように、省エネ法は、エネルギーの効率的な使用を促し、日本国内だけでなく地球規模での環境問題への取り組みを強化することで、SDGsの複数の目標に貢献する架け橋となっています。これらの法的枠組みを通じて、地球環境の持続可能性を高め、次世代にとってより良い世界を築くための基盤を強化しているのです。

>>各目標に関する詳しい記事はこちらから

まとめ

まずは、2023年の省エネ法改正のポイントを再確認しましょう。この改正では、

  • 非化石エネルギーも省エネ対象となった
  • 非化石エネルギーへの転換目標の報告が義務付けられた
  • 電気需要の「平準化」から「最適化」へと変更

など、従来の省エネ法から対象の範囲が拡大されました。将来の非化石エネルギー(再生可能エネルギーなど)が普及した社会でも、エネルギーの無駄遣いを削減し、高効率なエネルギー利用を追求していこうという日本政府の方針がうかがえます。

省エネ法は、エネルギーの効率的な利用を通じて、温室効果ガスの排出量を削減し、地球温暖化の防止に貢献することで、持続可能な社会の実現を目指しています。これは、私たちが直面する世界的な課題、つまりエネルギー問題気候変動問題の解決に向けた重要な一歩となります。

このような取り組みは、省エネ法の対象となる企業だけでなく、すべての企業・団体・個人が協力して取り組むことが大切です。なぜなら、私たちの日常生活には、エネルギーが欠かせないからです。

また、省エネは、エネルギーコストの削減や、新たな産業の創出など、経済にも大きな効果をもたらします。省エネの取り組みは、私たちの暮らしや経済にとっても、メリットのある取り組みなのです。

このように、省エネ法は、持続可能な社会の実現に向けた、私たちの取り組みを後押しする法律です。省エネ法の改正を機に、私たちひとりひとりが、省エネへの取り組みをさらに一歩進めて、持続可能な社会の実現に貢献しましょう!

<引用・参考文献>
*1)省エネ法とは
資源エネルギー庁『省エネ法とは』
資源エネルギー庁『省エネ法の工場・事業場編ー令和4年度改正対応ー』
*2)省エネ法の基本情報
資源エネルギー庁『省エネ法とは』
資源エネルギー庁『2023年4月施行の「改正省エネ法」、何が変わった?』(2023年12月)
*3)【2023年最新】省エネ法の改正ポイント
資源エネルギー庁『省エネ法の改正(令和4年度)改正省エネ法のポイント​』
資源エネルギー庁『2023年4月施行の「改正省エネ法」、何が変わった?』(2023年12月)
経済産業省『エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律の施行のための省令・告示が本日公布されました』(2023年3月)
国土交通省『令和5年度 改正省エネ法を踏まえた対応に関する説明会』(2023年5月)
*4)省エネ法が必要とされる背景
資源エネルギー庁『省エネ大国・ニッポン ~省エネ政策はなぜ始まった?そして、今求められている取り組みとは?~』(2018年1月)
国土交通省『省エネ法改正の背景』
経済産業省『「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する基本方針」が閣議決定されました』(2023年3月)
資源エネルギー庁『時代にあわせて変わっていく「省エネ法」』(2018年6月)
*5)省エネ法のために企業が取り組むべきこと
資源エネルギー庁『省エネポータルサイト 補助金』
資源エネルギー庁『省エネ法の工場・事業場編ー令和4年度改正対応ー』
*6)企業が省エネ法に対応するための最新技術
資源エネルギー庁『カーボンニュートラル実現に向けた鍵となる「水素」』
電子情報技術産業協会『IoT 活用によるグリーン貢献に関する調査研究報告書~ 第一次報告 物流・農業 ~』(2017年3月)
資源エネルギー庁『太陽光発電』
エネファームが普及しない理由は?仕組みと費用・デメリットなどの基礎知識も解説
経済産業省『情報技術等の将来技術及びデータの活用 エネルギーマネジメントの全体像 』
*7)省エネに関する補助金
資源エネルギー庁『省エネポータルサイト 補助金』
NEDO『2023年度「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に係る公募について』
*8)省エネ法とSDGs
経済産業省『SDGs』