小室美知子
1971年10月11日埼玉県生まれ。短期大学卒業後、NEC入社。社内結婚をし、仕事に対してのスタンスの変化とともに、学生時代にアルバイトで行っていた、ナレーターコンパニオンのお仕事の楽しさを何か形を変えてやっていけないかと考え、会社に通いながら、アナウンスの専門学校で学び、後にフリーアナウンサーとして、各種パーティーや学会、ウエデイングの司会者として、仕事をスタート。その後、母となり、二人の娘を出産、義理の両親との同居など、さまざまに変化する環境の中も、仕事を続け、コミュニティーFMでの、パーソナリティーやお料理教室の先生など、興味のあるもには、何でもチャレンジしてきました!!2016年、ウエディングサポートの仕事に関連する、婚活のサポートに興味を持ち、IBJ(日本結婚相談所連盟)の正規加盟店に登録。翌年、法人化をして、今年で、7年目を迎えます。弊社のモットーである、”結婚とは、なりたい自分になるということ!!”この想いをこれからも、大切に、皆様のサポートに携わっていきたいと考えております。
Introduction
神奈川県相模原市で結婚相談所を運営している株式会社ドゥ―マリ。婚活サポートやウェディングの相談・司会業など幅広く展開されています。一見SDGsやサステナブルと結びつきにくい印象がある業界ですが、どのような取り組みが行われているのでしょうか。
今回、婚活業界とSDGsの連携や今後の展望について、代表の小室美知子さんにお話を伺いました!
結婚相談所が取り組むSDGsのアクション
–まずは事業内容について教えてください。
小室さん:
当サロンは主に、結婚相談所として会員様の婚活サポートを行っています。私自身が元々ウェディング業界にいましたので、お付き合いから結婚式までフルサポートさせていただけるのが特徴です。
–御社は『さがみはらSDGsパートナー』に登録されていますよね。結婚相談所とSDGsはどのように関わっているのでしょうか。(さがみはらSDGsパートナー制度)
小室さん:
結婚相談所がSDGsに寄与できる部分は、目標5「 ジェンダー平等を実現しよう」です。
これまでの結婚相談所というと、男女を引き合わせるのが主流でした。しかし、多様性が認められつつある今、性別にとらわれない感覚を持つことが、今後この業界ではマストになってくると思っています。
–つまり男性と男性、女性と女性といった新しい結婚の形に私たちも対応できるようにする必要があるということですね。
小室さん:
そうですね。そのためにもまずは私たちの中で多様性やジェンダーに関する知識を深め、受け皿となれるよう準備を進めています。
他にも、婚活に来たお客様とコミュニケーションを重ね、「本当に結婚がしたいのか」「結婚によって自分が輝ける生き方ができるか」など、結婚に対する価値観の確認作業も行うようにしています。
–それはなぜでしょう?
小室さん:
ここ数年、婚活に来てみたものの、話をするうちに「あれ、私、結婚がしたいんじゃなくて、仕事がしたいのかも。」というように、結婚よりも社会でもっと輝きたい自分に気づく方が増えたこともあります。この時代、結婚だけが幸せなのではなく、それぞれの「幸せの形」をみつけ、それをサポートするのも私たちの仕事だと思っています。
–単に婚活をサポートするだけでなく、女性を社会で輝かせる機会が増えてきたのは今の時代を象徴している気がします。
一企業ができる小さなことは、地域で集まればSDGsの大きな力になる
–では、御社がSDGsを意識されるようになったきっかけを教えていただけますか。
小室さん:
きっかけの1つとしては、娘の就職活動があります。
私たちの時代は、「ネームバリューがある」「給与が高い」といった側面で就職活動をしている人がほとんどでした。でも娘によると、最近は「SDGsに取り組んでいるか」「環境に悪影響を及ぼす事業を行っていないか」「働きがいのある会社か」というところも見ている人が多いと言うんです。この話を聞いて、持続可能な社会にするための事業を展開していない会社は、いずれ置いていかれると感じました。
–それでSDGsに取り組み、企業価値を高めようと考えられたんですね。
小室さん:
そうですね。とはいえ最初は知識もなく、事業とSDGsを結びつけるのが難しくて。そんな時に、相模原市が開催するSDGs講座に参加したんです。
そこで相模原市役所の方に「SDGsは企業ができること一つでもいいんです。一つでもSDGsに取り組んでいたら声を大にしていい。」と仰っていただき、「さがみはらSDGsパートナー」に登録しました。
意外なところからSDGsとの関わり方を発見することも
–実際にSDGsに取り組んでみていかがですか?
小室さん:
SDGsと事業を照らし合わせる作業を進めてみると、婚活サポートも案外関係が深いことに気付きましたね。目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の取り組みを深めることに加えて、今は相模原市が抱える課題の解決に向けて、パートナーシップの重要性も感じ始めています。
どこの地域にも共通する課題ですが、相模原市は少子高齢化や人口流出が顕著にあらわれています。このまちを持続可能にするためには、地域の活性化について考えていかなければなりません。
その中で、今の私の仕事は地域活性化の面でも意味があるものだと思っています。地元に住む方同士のご成婚をサポートできれば、人の流出を防ぐことにもつながりますし。ただ、私たちだけの力では限界があるので、地元企業との連携が不可欠です。
–どのように連携を取っているのでしょうか?
小室さん:
例えば、市内の建設会社と連携し、そこで働く社員向けの婚活サポートを実施しています。
これによりご成婚はもちろん、先方の会社にとっても、社員の方々が、「相手に与える印象を変える身だしなみが分かる」「他者と円滑なコミュニケーションが取れる」といったスキルを身につけられるメリットがあります。
–まさに御社、建設会社、社員の三方よしの取り組みですね。
小室さん:
他にも小さなところからつながりをみつけています。
私たちのお客様は、プロフィール用の写真撮影を、市内にある「Kaimanaボディジュエリー&フォトスタジオ」という写真スタジオに長年お願いしています。
そこのオーナーである小松さんは、子どもたちはSDGsに対して学校で勉強するのに、その親世代にはまだまだ浸透していないと感じていたそうです。そこで子どもと大人が一緒に遊びながらSDGsを学べる「SDGsカルタ」をつくったんです。
私もこのカルタを広めていきたいと考えていたので、当サロンの会員さんに紹介するようにしました。というのも、私たちのお客様には保育園や幼稚園の先生が多く、子どもと接する機会が多いんです。
–確かに効果的に広まりそうですね!
小室さん:
写真撮影の合間にカルタの話をすると「それ良いですね!」と写真と一緒に持って帰られます(笑)SDGsでこんな関わり方もあるのかと自分でも新しい発見でした。
–小さなSDGsのアイデアをきっかけに、身近な人の繋がりが広がっていった面白い体験ですね。こうして地域の人や地元企業とのつながりが自然と持てるのは、結婚相談所の魅力でもあるように思います。
小室さん:
単純に人と人とを繋ぎ合わせるお仕事ではなくて、地域や企業と関わりを持ちながらサポートしていくことがとても大事なんですよ。
結婚相談所業界は地域創生に繋がる可能性を秘めている
–今後の展望について教えてください。
小室さん:
私たちにできることを1つずつ丁寧に行い、お客さまの幸せをサポートするとともに、地元相模原を良くしていきたいという思いがあります。ここでご縁を繋いで、住み続けてもらうことで町が賑やかになれば嬉しいです。
ただ、まだまだ結婚相談所を利用するのを躊躇してしまう人が多いのも事実です。その理由の一つに、価格が高いことがあります。この課題を解決するためにも今後は市と連携を図って、誰もが利用しやすく、より出会える場をつくっていきたいですね。
–最近では手軽なマッチングアプリでの婚活も主流になってきていますよね。
小室さん:
確かにアプリは手軽で簡単に出会うことができます。でも、自分でこの人とは合う合わないを判断をしなければいけなかったりするので、意外とアプリで婚活をするのは孤独だったりもしませんか。婚活もSDGsと一緒で一人だと心が折れてしまったり、最悪病んでしまったりする人もいます。
–その点、結婚相談所は周りの人たちに支えられながら婚活ができますね。
小室さん:
私だったり、業務提携先の方であったり、地域だったり、多くの周りの支援を受けながら婚活することができます。自分のことはなかなか自分ではわからないので、客観的な視点から自分を見つめ直すこともできます。多くの方と関わりながらやる婚活は、自分の経験になって楽しいと思いますよ。
–人との繋がりを感じながらパートナーを探せる、そしてそれが地域の発展につながる、そんなお手伝いができる素晴らしいお仕事ですね。
小室さん:
これからの時代は、私だけが得をする「一方よし」じゃ絶対に続かないんです。自分よし、相手よし、世間よしの「三方よし」が持続可能な社会に繋がっていくと思います。これからも小さな私にできるSDGsを自然とやっていきたいですね。
–今日はありがとうございました!