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グリーンインフラとは?デメリットと課題に対する企業事例をわかりやすく解説

グリーンインフラとは?デメリット・課題と企業の取り組み事例やSDGsとの関係を紹介

この数年で地球温暖化が加速し、日本でも異常気象による自然災害が増えています。そこで、持続可能なインフラ整備として注目を浴びているのが「グリーンインフラ」です。

自然が持つ機能を上手に利用することで、災害のダメージを最小限に抑えたり、万が一被害を受けてもスピーディかつリーズナブルな復興を助けてくれる可能性があります。また環境保全や地域の活性化にも繋がり、これからの持続可能な社会を築くために有効な手段のひとつです。

この記事では、グリーンインフラとは?からはじまり、メリットとデメリット、世界や日本での実践例まで幅広くお伝えします!

グリーンインフラとは

グリーンインフラとは、自然が持つさまざまな機能を活かし、町づくりを通して地域・社会の課題解決に利用する設備や取り組みを指します。

グリーン・インフラストラクチャー(Green Infrastructure)」の略語で、緑を意味する「Green」と、水道や道路・医療サービスといった、社会を支えるために必要なあらゆる資本を示す「Infrastructure」を合わせた言葉です。

ここでいうインフラとは、単に橋やダム・病院のような人口構造物だけではなく、教育や事業まで、社会と国にとって有益な取り組みも含まれます。

グリーンインフラの重要ポイント

グリーンインフラにおいて最も大切なポイントは「自然を活かしたまちづくり」です。

現代社会の町づくりでは、街路樹や公園といった緑に対し、特別な機能を期待していませんでした。特に都市部のインフラ整備においては、道路や建物のようなコンクリートが街全体を覆う「グレーインフラ」が先行しています。

しかし、グレーインフラ中心の街が形成されることによって、以下のような事態が引き起こされるのです。

  • 自然災害による被害の拡大
  • 災害からの復興の遅れと膨大な費用負担
  • 従来の土地に暮らしていた生態系の崩壊
  • 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを吸収する森林の減少

グレーインフラからグリーンインフラへ移行し、自然が持つさまざまな機能を町の整備に活かすと、こうした課題を解決できる可能性があるのです。

具体的な例は、以下の横浜市がまとめた図をご覧ください。

純粋に緑を増やせばいいというわけではなく、自然の特性を活かして景観を保持しつつ、緑豊かで災害に強いまちづくりを目指すのがグリーンインフラです。

次では、グリーンインフラの特徴についてもう少し詳しく説明します。

グリーンインフラを構成する3つの要素

日本では、国土交通省がグリーンインフラの構成要素として、「防災・減災」「地域復興」「環境」の3つを示しています。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

防災・減災

日本をはじめ世界では、近年の急速な気候変動によって引き起こされる台風や洪水などの自然災害が大きな問題となっています。グリーンインフラには、こうした自然災害から町全体を守る効果が期待されるのです。

自然には、さまざまな機能があります。例えば樹木は地下に深く根を張るため、地盤の強化貯水の役割を果たします。また建物の屋上・周辺に植えられた植物は、水分を蒸発させて熱を逃がすので、コンクリートに覆われた都市エリアが高温になるヒートアイランド現象を防ぐのです。

このような、防災・減災を期待した生態系の活用を、eco-DRR(Ecosystem-based disaster risk reduction)と呼びます。実際の例として、タイでは絶滅危惧種のマングローブを河川沿岸に植えて台風・津波から町を守っています。

こうしたグリーンインフラの整備によって、豪雨時の浸水・火災時の延焼を防いだり、万が一大きな地震や台風が来ても被害を最小限に抑えたりと、自然のパワーを借りた強靭な地域と国を形成できます。

地域復興

イメージ画像

グリーンインフラの概念を持って緑や水のある景色が整備されると、地域の人々にレクリエーション癒しの場を提供できます。

例えば公園・学校の校庭を砂地から芝生に変えると、景観がよくなるだけでなく、子どもの怪我と熱中症を防止する効果が生まれます。さらに、学校の授業やイベントでの活用ができれば、その地域に住む人々にとってコミュニケーションの場にもなるでしょう。

また札幌市では、公園の広場などに雨水浸透型花壇を設置しています。姉妹都市のアメリカ・ポートランド市を参考にしたこの取り組みは、花壇の下部に敷き詰めた砕石を入れ、流れ込んだ雨水を花壇の中で一時的に貯水できます。

これにより急な大雨による浸水を防ぎ、花壇の中にため込んだ水をゆっくりと循環させることが可能なのです。

加えて花壇は場所によってさまざまな植物・形の違いがあるため、人々の目を楽しませてくれます。つまりグリーンインフラは、新たな公園づくりにも役立てられ、コミュニケーションの場や生活の質の向上にも繋がるのです。

人間活動への効果も!

グリーンインフラによって整備された地域は、人間の暮らし経済活動にもポジティブな効果をもたらします。

例えば、兵庫県の六甲山エリアは、以前から水害の絶えない地域であり、1995年に発生した阪神・淡路大震災でも広大な被害が出ました。地盤が緩み、将来の地震による震災リスクも高かったため、同年から「グリーンベルト整備事業」を開始。緑豊かで強靭な都市づくりをすすめてきました。

整備の段階で、事業として雇用を創出したこの活動では、植林やすでにある樹木の保全を中心に、自然環境を利用した整備を続けています。現在は土壌に樹木が深く根を張って土砂崩れ・水害の予防を果たし、多様な生物が住まうエリアとなりました。

近年はアートの町として、また夜景が美しいスポットとして、県外の観光客が集うほどにまで成長しています。

このように、自然の機能を上手に活かした町づくりを行うと、その地に住む人々が活発に活動できる場が生まれ、結果として魅力的な地域の復興・創生に貢献できます。

環境

グリーンインフラは、単に緑や水を増やせばよい、というわけではありません。自然の持つ機能を活かした町づくりを行うと同時に、生態系の保全も考える必要があります。特に自然の多い地域での整備は、すでにある生態系を崩さないよう、綿密な計画を立てることが大切です。

地域の中ですでにある森林や河川・海周辺の環境を大幅に変えてしまうと、それぞれの場所で暮らす生物の住処を奪い、生態系の崩壊が起きてしまいます。

生態系は、お互いの果たす役割が複雑に絡み合ってできているもので、ひとつでも欠けてしまえば、環境そのものを壊す事態になりかねません。すると周辺の地域で豪雨や地震が発生した際に、従来よりも被害が拡大する恐れが出てきます。

グリーンインフラを通して生態系の保全を意識することは、私たち人間の住むエリアを守ることにも繋がります。互いに共生しあえる環境を保持し、すべての生き物に配慮した町づくりこそ、持続可能な社会の形成に貢献できるのです。

グリーンインフラが注目される理由・背景

ここまでグリーンインフラの特徴を見てきましたが、特に日本で注目を集めています。次ではその理由を、3つに分けて説明します。

理由①地球温暖化・気候変動への対応策

近年、日本をはじめ世界では、喫緊の課題として「地球温暖化による気候変動」への対策が求められています。

今、気候変動によって大雨や台風のような災害が増えています。コンクリートで埋め立てたグレーインフラが大きな面積を占めるようになったことで、より被害が拡大しているのです。

例えば横浜市の報告によると、森林と水田が住宅・道路に置き換わったことで、土壌に浸透した雨水を貯水する機能を失い、川の水位が上がって低地が浸水したり、高地からの土砂崩れが発生したりといった被害が見られました。

こうした事態は、無理な都市開発による地域の軟弱化と、地球温暖化が原因で異常気象の発生回数が上がった結果と言えるでしょう。

これらの被害を最小限に食い止めるためにも、地盤の強化や貯水・防風防炎といった機能を持つ植物や動物によって形成された豊かな自然が効果的だと考えられるようになりました。

また欧州では、グリーンインフラは生態系の維持・形成が、気候の緩和水質浄化といった効果を生み出すとし、2013年から本格的な取り組みを開始しています。

このように、自然・生態系の持つ役割と機能を生かしたインフラ整備は、年々深刻化する気候変動に対応できる可能性を持つ手段として、世界中で注目されているのです。

▶︎関連記事:「カーボンオフセットとは?仕組みや目的、問題点、個人にできることまで

理由②持続可能な地域・国土づくりの実現

次に挙げられる理由は「持続可能性」を重視した地域・国土の形成です。

国土交通省がまとめた以下の図では、「現在のインフラ整備費と今後の推移(2018年時点)」を表しています。

(その他6分野=空港、航路標識、公園、公営住宅、官庁施設、観測施設)

2018年時点で、インフラ整備費はすでに5兆円を超えています。このまま同じペースで整備・修繕を続ければ、年によっては7兆円を超える可能性もあるほど、メンテナンス代は高額なのです。

一方のグリーンインフラでは、植物や水といった自然の資源を活用するため、長い期間インフラとして利用できる可能性を持っています。

例えばアメリカでは「グリーンインフラは下水道管の再整備コストを削減でき、長期的な水質浄化を見込める」として、2007年にはEPA(環境保護庁)がグリーンインフラの主旨書を公表し、整備を始めました。

水道管のサビや劣化を何度も修繕するのではなく、植物が成長するごとに効果が増大するグリーンインフラは、長い目で見ればむしろコストパフォーマンスを抑えられると判断したのです。

道路や架橋のように、グレーインフラは私たちの生活を便利にしてくれます。しかし持続可能性を考えた際、設備や場所によってはグリーンインフラの方が向いている場合もあるのです。

【理由③】政策課題への対応

最後に挙げる理由は「グリーンインフラが政策課題の解決につながる可能性」です。

日本で初めて「グリーンインフラ」という言葉が用いられたのは、2015年(平成27年)の「国土形成計画」「第4次社会資本整備重点計画」の中でした。

そこでは以下の問題に対応するために、グリーンインフラが解決策として期待できるとしています。

  • 国土の適切な管理、安全安心で持続可能な社会の形成
  • 防災・減災、地域づくり、生物生息空間の場の提供
  • 人口減少・高齢化等に対応した持続可能な地域社会の形成

また、2021年に発表された「国土強靭化年次計画」には、近年増加している自然災害のリスクを抑えるための対策として、グリーンインフラの推進を掲げています。

グリーンインフラは個人でできる敷地・建物の緑化もありますが、行政で取り組む場合、河川や公園を単体で設置するのではなく、山から川、そして海へ流れる水の循環を促すよう、地域全体の立地や気候条件をもとに設計する必要があります。

国土の2/3を占める森林と周辺の河川・島を囲む海のように、日本には豊富な自然があり、適切な管理が求められます。それぞれの地域だけでなく、国全体で自然環境をインフラへ活用できれば、この先の災害や人口減少が起きたとき、整備・メンテナンスの手間を省きつつ、快適で持続可能な暮らし方を実現できる可能性があるのです。

このように、従来のインフラ整備に加え、環境を保持しつつ自然災害に強い土地づくりをバランスよく兼ね備えているのが、グリーンインフラです。

次では、さらに踏み込んでグリーンインフラの課題や問題点を紹介していきます。

グリーンインフラの課題・問題点

グリーンインフラはメリットが多い反面、いくつか課題も見られます。

ここでは「コスト」と「メンテナンス」についてフォーカスしてみましょう。

初期コストがかかる

グリーンインフラを整備するには、設計をはじめ、地域全体を見て整備する必要があります。そのため、どうしても初期のコストがかかってしまう点がデメリットです。

一方、従来のグレーインフラの多くは、安価に建設ができるためコストパフォーマンスがよいとされてきました。しかしその後のメンテナンス・修繕を考えると、それほど安価でもないことも分かってきています。

また日本は温暖湿潤な気候のため、国外で成功しているグリーンインフラの事例通りに進めると、予想以上に植物の成長が早く進み、その後のメンテナンスも前倒しになるケースもあります。土地環境目的にあわせて、グレーとグリーンの両方をバランスよく取り入れるのがよいでしょう。

ただし、先ほどご紹介したアメリカの例のように、整備したあとは下水道のメンテナンス・修繕コストを抑えられる場合もあり、長期間で見れば費用の節約にもなり得ます。

長期的なメンテナンスが必要な場合も

もうひとつは、整備後のメンテナンスについてです。

こちらも設置したインフラの種類や気候条件にもよりますが、例えば公園の芝生は定期的にメンテナンスを要します。そのためどうしても維持費がかかってしまうのです。

このような現状から、グリーンインフラの概念が登場した当初は、「グレーインフラに比べてコストがかかるのでは」との声もありました。

しかし、インフラ整備の目的や運用・管理方法といったポイントをクリアすれば、グリーンインフラは短期間での老朽化の心配が少なく、持続可能な手段だといえるのです。

世界・日本のグリーンインフラの導入・取り組み事例

これまで、グリーンインフラの基本的な知識を説明していきました。グリーンインフラは、すでに世界のあらゆる国・地域で取り入れられています。

今回は、世界と日本の事例について、それぞれピックアップしてみました。

【世界】Maysbrook Park(イギリス・ロンドン市)

メイズブルック公園
引用元:国土交通省

1930年代に整備され市民に親しまれてきたメイズブルック公園は、公園の西側に沿ってコンクリート製の水路が整備されメイズブルック川が流れています。

また公園には2つの湖が整備されていますが、河川の水を洪水管理をする度に転用したことにより汚染が進み、住宅地沿いに流れているメイズブルック川は地域住民の悩みの種となっていました。

そこで、メイズブルック川の一部区間を公園敷地内を通るようにし、住宅地から遠ざけるプロジェクトが遂行されます。

元の河川の導線部分は埋め戻し、公園内には自然環境に近い形で蛇行した新導線部分が誕生。1.5ha氾濫原も設け洪水の水を自然の仕組みで蓄え、河川に放流することを実現させました。

単なる都市部の洪水対策にとどまらず、整備により生物多様性も育むことや公園周辺の自然環境コミュニティ形成にもつながりました。

【世界】Netherlands Amsterdam(オランダ・アムステルダム市)

オランダアムステルダム
引用元:INAS

オランダ最大の首都として知られるアムステルダムは、運河のある風景が魅力の観光都市としても名高い街。

水と親しむことで発展を遂げた美しい海運都市には文化・自然遺産も多く存在しますが、元から海抜が低いこと、近年の人口・観光客の増加などの要因より自然破壊や水災害リスクが高まる問題に直面しています。

そこで2010年より開始されたグリーンアジェンダにより、アムステルダムが持続可能な都市であり続けるための様々なアクションプランが開始。

特に都市部に50,000平方メートルの屋上緑化施設を新設するなど緑を増やす政策に注力することで、都市の貯水機能を高めることに成功。

また、今後の気候変動の影響緩和を見越して洪水リスクの高いとされる地域の建築を禁止する、街ぐるみの土木工事を行い河川の流れをコントロールするなどの「都市と自然環境が共存」していくためのグリーンインフラ政策は今も継続されています。

【世界】Ekostaden Augustenborg(スウェーデン・マルモ市)

1950年代に建設された公共団地・Ekostanden Augustenborg(エコースタンデン・アウグステンボリ)は、もっとも持続可能性から遠いエリアでした。1,800棟におよぶアパートの部屋は狭く、住人たちはすぐに新しい場所へ引っ越してしまうほど不評だったのです。

さらに問題だったのは、この地域で毎年のように襲われる浸水被害。土壌の水はけが悪く、前年までに溜まった泥水が汚染の原因になることもありました。

そこで1998年に発足したリニューアルプロジェクトでは、1万平方メートルにわたる敷地で、屋上の緑化を実施。また豪雨による洪水・浸水被害を防ぐために、貯水システムを搭載しました。

屋上ガーデンに雨が降れば、植物の成長に使用されます、樹木が植えられたた土には貯水機能が備わり、アパート周辺の浸水を防げるのです。ガーデンは誰もが気軽に利用できるので、住人をはじめ地域人々にとって癒しの場としても楽しまれています。

また、かつてこのエリアは失業率の高さが社会問題になる時代もありましたが、このプロジェクトを通して雇用を創出することにも成功。失業率が30から6%まで低下し、地域の活性化にもつながっています。

【日本】ホタル護岸(山口県・一の坂川)

山口県山口市に佇む一の坂川には、貴重な天然記念物・ゲンジボタルが多数生息しています。

京都の鴨川を模して作られた歴史あるエリアでしたが、戦後の汚水・環境破壊によってホタルが絶滅の危機に。さらに1971年には台風による甚大な被害が見られ、地域に暮らす人々も大きな影響を受けました。

そこで防災と生物の保全を目的とし、景観にも気を配った護岸工事を実施。住宅と河川の間には深い溝を掘り、上部には柳・桜などの樹木、河川敷にはヨモギやせりといった草を植えて景観と生態系・住宅街の浸水防止に配慮した設計です。

1987年からは地域の小中学校と連携し、ホタルを川に放流しました。今では毎夏ゲンジボタルの舞う幻想的な景色を楽しめるスポットとして、現地の人はもちろん遠方からの観光客にも人気を集めています。

このように、グリーンインフラの整備によって、地域の人々の暮らしと生態系どちらにもメリットを生み出し、持続可能な社会を築くケースが多数見られます

グリーンインフラはSDGsの目標達成のメリットもある

最後に、グリーンインフラとSDGsの関わりについて紹介します。

SDGs(Sustainable Development Goals)とは「持続可能な開発目標」のことです。

国連に加盟するすべての国・地域を対象に、環境・社会・経済の3つを軸にした17の目標と169のターゲットを定めました。SDGsは2015年の国連サミットで採択され、2030年を目標達成の期限としています。

各国の政府・公的機関だけでなく、企業から個人まであらゆる人々が、国境や立場を超えて協力していくことを求めているのが特徴です。

グリーンインフラは、以下の目標貢献に繋がります。

  • 目標3「すべての人に健康と福祉を」
  • 目標6「安全な水とトイレを世界中に」
  • 目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
  • 目標11「住み続けられるまちづくりを」
  • 目標13「気候変動に具体的な対策を」
  • 目標14「海の豊かさを守ろう」
  • 目標15「陸の豊かさも守ろう」
  • 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

今回では、その中のひとつ・SDGs11について詳しく見ていきましょう。

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」に貢献!

sdgs11

17つあるSDGs目標の中で、もっとも深い関わりを持つのが、SDGs11「住み続けられるまちづくりを」です。

現在、世界には77億もの人が住んでいますが、国連の報告によると2050年までには97億人にまで達するといわれています。今後も仕事・教育の機会を求めて都市へ人口が集中すると見込まれる中、誰にとっても住みやすい、持続可能な町づくりは大きな課題です。

自然環境と人々の暮らしの両方に配慮したグリーンインフラは、自然豊かで過ごしやすく、同時に災害にも強い町づくりを目指すために有効な手段で、目標の達成に大きく貢献すると言えるでしょう。

まとめ

今回は、グリーンインフラについて基本的な知識やメリット・実際の例について見ていきました。

すでにある自然資源を活かしつつ、人間を含むすべての生き物にとって暮らしやすい環境整備は、時間をかけて強靭かつ快適な町づくりに貢献できます。

まずは、みなさんが今住んでいる地域の課題を見つけ出し、周りの豊かな自然とどのように繋げられるかを考えてみると良いでしょう。自然との距離が近い町での暮らしは、私たちの生活の質を上げてくれるはずです。

<参考リスト>
グリーンインフラストラクチャー ~人と自然環境のより良い関係を目指して~|国土交通省
What is Green Infrastructure? | US EPA
国土交通省所管分野における社会資本の将来の維持管理・更新費の推計|国土交通省
Green Infrastructure – Environment|European Commission
気候変動に適応したグリーンインフラの活用【浸水対策の強化と良好な水循環】|横浜市環境創造局
環境:【導入編】なぜ、今グリーンインフラなのか|国土交通省
神戸・六甲山 公式おでかけサイト
グリーンインフラの事例|国土交通省
グリーンベルトって何?|六甲砂防 – 事業概要
雨水浸透型花壇|札幌市
人口減少時代におけるグリーンインフラの活用方策について|名古屋都市センター
ヒートアイランド現象ってなに?|東京都環境局
気候変動に適応したグリーンインフラの活用|横浜市
社会資本とは|コトバンク
グリーンインフラ推進戦略|国土交通省
山口県一の坂川におけるホタル護岸の整備と地域振興|国土交通省
Ekostaden Augustenborg|World Habitat

国土交通省:グリーンインフラの事例
気候スマートシティのグレーからグリーンオランダアムステルダム
アムステルダム – 都市の緑化と回復力の向上を目的とした NBS
水のための空間をつくる 〜オランダに学ぶ気候変動適応2〜
日本の森林面積とその割合(わりあい)をおしえてください。また、森林の割合の多い県と少ない県をおしえてください|農林水産省
世界人口の増大が鈍化、2050年に97億人に達した後、 2100年頃に110億人で頭打ちか:国連報告書(プレスリリース日本語訳)*世界人口推計2019年版データブックレット(日本語訳)をアップしました! | 国連広報センター
 

この記事の監修者
阪口 竜也 監修者:フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)