【沿 革】
1961年1月:伊藤忠燃料設立(伊藤忠商事株式会社の子会社である伊藤忠石油株式会社を分割し、日本鉱業株式会社の製品を販売するために設立)
1970年3月:宇島酸水素株式会社(現、連結子会社伊藤忠工業ガス株式会社)の株式取得
1979年3月:大阪証券取引所及び東京証券取引所の市場第1部銘柄に指定される
1996年2月:本社を大阪から東京都目黒区へ移転
2001年7月:社名を「伊藤忠燃料株式会社」から「伊藤忠エネクス株式会社」へ変更、ならびに連結子会社18社の社名を変更
2010年10月:電力小売事業スタート
2011年3月:工場向けの電熱供給事業へ参入
2012年1月:パラオ共和国において石油製品輸入卸売事業への参画
2012年5月:熱供給事業へ参入
2014年5月:カーディーラー事業へ参入
2015年10月:インドネシアでの工業ガス事業会社を設立
2016年4月:家庭向け電力小売事業へ参入(家庭向け電力販売サービス『eコトでんき!』販売開始)フィリピンにおけるLPガス販売事業へ出資・参画
2019年2月:本社を東京都千代田区へ移転
2019年6月:日産自動車株式会社との電気販売の協業を開始
2021年1月:設立60周年
2020年4月:タイでの初期投資不要自家消費太陽光サービスを提供開始
目次
introduction
1961年の設立以来、全国各地の地域に根差し、石油製品・LPガス・電力を中心とした私達の生活に欠かせないエネルギーをお届けしている伊藤忠エネクス株式会社。エネルギー専門商社であるとともに、環境対応型商品の提供にも注力し、さらなるエネルギービジネスを開拓しています。
今回、自家消費型太陽光発電システム「TERASEL SOLAR テラセルソーラー」を中心に、「地域の生活を支えるエネルギー商社」としての想いを伺いました。
経営理念「社会とくらしのパートナー」として支え続けるエネルギー事業
–はじめに、伊藤忠エネクスがどのような会社かご紹介をお願いします。
ミヤモトさん:
弊社は伊藤忠商事のグループ会社で、エネルギー全般を扱う専門商社です。
主な事業は、LPガス、電力、生活関連機器など快適なライフスタイルをご提案する「ホームライフ部門」、自動車と共に快適に暮らせる社会を目指す「カーライフ部門」、産業や流通を支えるエネルギーや様々な環境商材を扱う「産業ビジネス部門」、電力、蒸気、地域熱などの供給サービスをはじめ、総合エネルギーサービスを行う「電力・ユーティリティ部門」の4部門で構成されております。
現在のエネルギー事業では、いかにカーボンニュートラルを実現するかが重要な鍵です。そのためCO2排出量が多く、使用比率の高い石油や石炭などのエネルギーから環境にやさしい再生可能エネルギーの使用比率を上げていく流れになっています。その流れの中で弊社でも太陽光発電システムをはじめ、低炭素・脱炭素型の環境商材の拡充を進めております。
初期投資不要で環境対策ができる!自家消費型太陽光発電システム「TERASEL SOLAR テラセルソーラー」
–実に多彩な事業展開ですね。
ではここからは、現在力を入れていらっしゃる太陽光発電事業について詳しく教えてください。
ミヤモトさん:
いま弊社が注力している商材に「TERASEL SOLAR テラセルソーラー」があります。このサービスは、企業向けの初期投資不要で導入できる自家消費型太陽光発電システムです。
一般的に太陽光発電設備を設置するには、お客様自身で太陽光パネルや設置費用などの初期投資が必要です。対してTERASELソーラーは、弊社が初期投資をし、お客様の倉庫や工場の屋根、空いている土地にソーラーパネルを設置いたします。
10年から最長20年のご契約期間で発電した電気をご使用いただき、月々一定の定額エネルギーサービス料をお支払いいただく、というビジネスモデルです。メンテナンス費用も定額エネルギーサービス料に含まれます。
太陽光により発電した電気はお客様の施設で使用するため、電力会社から購入する電力量を削減することができ、電気料金の削減にもつながります。
–とても魅力的なサービスで、たくさんのメリットがありますね。
ミヤモトさん:
そうですね。
近年、企業にはCO2削減などの環境対策が求められるようになりました。また、サプライチェーン全体を含む脱炭素推進が加速している状況のなか、取引先や株主などのステークホルダーとの関係維持のためにも、環境対策はこれからますます重要になります。しかし、多額のコストを投じて太陽光発電システムを導入することはハードルが高いです。
そこでTERASELソーラーをご利用いただくことで、手軽に太陽光発電設備を使用することができ、CO2排出量の低減などの環境対策に取り組めます。また、環境対策に取り組んでいることを外部にもアピールできるのも大きなメリットですね。
さらには、RE100を目指しているような企業様向けのオプションサービスもあるので簡単に説明します。
太陽光発電は、晴れた日中の発電に関しては期待できますが、夜間や雨天は供給が著しく下がるので、不足した分の電気はこれまで通り電力会社様からの購入が必要です。そこで弊社が扱っている再生可能エネルギー由来の電気で、不足している電力を供給させていただき、お客様のRE100達成をサポートするプランもございます。
弊社は太陽光発電だけでなく、電力に携わる発電から需給調整、小売りまで一貫して取り扱っているのが大きな強みとなりますので、RE100達成に限らずお客様のニーズに合った太陽光や電力プランのご提案をさせていただいています。
太陽光発電の設置で脱炭素経営し、カーボンニュートラルの実現に貢献できる
–メリットが多いTERASELソーラーですが、導入するにあたって何かリスクはありますか。
ミヤモトさん:
もちろん自然を相手にする発電方法なのでリスクはあります。
太陽光発電は天候に左右されます。近年の気候変動で長雨や台風の頻発など、イレギュラーなケースが増えています。そのため、当初想定していたよりも発電量が少なく、その分購入する電力量が多くなる、というケースも考えられます。
加えて今後、電気料金の大きな変動により、太陽光を使用するよりも、購入する電気料金のほうが安くなる可能性もあります。こうなると太陽光発電設備を導入したメリットを感じないお客様もいるかもしれません。
また、太陽光発電はエリアによっても効果が違ってきます。例えば北海道は、雪の多い地域、比較的少ない地域、冬以外は日照効率が良い地域など、それぞれのエリアの特徴によって発電効率が異なります。
このようなリスクはあるものの、太陽光発電の導入を諦めなければならないわけではありません。
私たちは様々なリスクを考えて、過去何十年の日射実績データから、一年を通して太陽光発電の動向を分析し、効果があるかないかを検討することはもちろん、これからの傾向の予測をしっかり立てる、メンテナンスをきちんと行うことなどでサポートをしていきます。弊社の知見・経験で長期にわたり高効率運用を目指していただけます。
また、弊社は電気だけではなく他のエネルギーも取り扱っておりますので、トータルエネルギーのサービスをご提案するなど、長期に渡りお付き合いをさせていただく以上は責任を持って取り組んでいきます。
–長期の契約だからこそ、顧客に寄り添ったサービスなのですね。
では、契約が終了した後の太陽光パネルの扱いや廃棄はどのようになるのでしょうか。
ミヤモトさん:
基本的に現在の太陽光パネルは、25年の出力保証がついているものがほとんどです。
契約期間は最長20年になりますので、きちんとメンテナンスすれば、契約終了後もご使用頂けることが前提になっています。
契約終了後は時価で譲渡し、引き続きご使用頂けるのがメインのプランです。契約終了後、継続利用の意向がないと確定している場合は、弊社が太陽光発電設備を撤去・廃棄するプランも選択可能です。契約時にいずれかを選択して頂けます。
–実際に導入された顧客の反応はいかがでしょうか。
イシモトさん:
太陽光設置に手間とお金を掛けずに、環境対策が可能な本サービスはお客様にとってとても魅力的であるとご好評いただいています。
工事期間中は都度工事進捗・工事検査結果をお客様にご報告している点を評価いただき、「安心して工事をお任せできる」という嬉しいお言葉もいただいております。
導入後のご反応については、まだサービスが開始して間もないため、導入後のレビューができていませんが、昨今の情勢により電気料金が年間数百万円単位で値上がりしているケースもあるため、経済効果は目に見えて確実に実感できるはずです。
太陽光発電を導入したことで、実際に電気料金を削減できているものの、お客様にて毎月電気料金をチェックできていないことが多く、直接的な効果が見えにくいのが現状です。そのため、毎月発電量をお客様へご通知し、効果を確認できるように対応しております。
実際に導入してメリットを感じやすい最適な条件としては、屋根の面積 1,000㎡以上、現在契約している電力が100kW以上などです。それ以下の条件の場合はメリットが感じにくいこともあり、TERASELソーラーの設置ではなく、別の商材をご提案します。設置面積などが広ければお客様の初期投資費用も高くなるので、ぜひTERASELソーラーをご検討いただければと思います。
–-2022年10月に株式会社サンヨ様にTERASERLソーラーを導入されましたが、この事例について教えて頂けますか。
ミヤモトさん:
愛媛県の株式会社サンヨ本社工場様にTERASERLソーラーを導入いただきました。
具体的な数値としては、導入太陽光パネルは183.12kwです。本サービスの導入前と比較し、本工場の使用電力は約28%削減。これは、太陽光で自家発電した電気の自家消費が全体使用電力の約28%になる見込みであるということですね。また、CO2排出量は年平均約54t削減となる見込みです。
このCO2約54tというのはあまり実感のない数字だと思います。想像しやすい数字に置き換えてみると、25mプール約1杯分のCO2は約1,000㎏(1t)であるので、54tとなると、25mプール約54杯分にもなります。
お客様の目指す未来へ共にあゆみ、環境問題解決の一助になりたい
–では、最後に今後の展望をお聞かせください。
ミヤモトさん:
弊社では、2021年11月に策定したサステナビリティ方針に基づき、サステナビリティ課題を特定しています。
その中の一つの課題である「気候変動への対応〜カーボンニュートラル社会実現への貢献〜」では、自家消費型太陽光発電事業を積極展開することにより、太陽光発電の普及を促進することが目標の一つになっています。
この気候変動への対応課題を達成することにより、SDGsの目標、7(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)・9(産業と技術革新の基盤をつくろう)・13(気候変動に具体的な対策を)・14(海の豊かさを守ろう)・15(海の豊かさも守ろう)・17(パートナーシップで目標を達成しよう)の達成にも貢献できると考えています。
太陽光発電を取り入れることにより、電力をすべて外部調達するリスクを回避し、専門的な知識がなくても環境問題の解決に貢献することができます。ぜひそのお手伝いを弊社にさせていただきたいと思います。
現地調査までは無料対応なので、少しでもご興味があれば是非お気軽にご連絡ください。
もちろん、太陽光だけではお客様の目指す脱炭素目標や、国全体の目標にも届きません。
お客様の目標に共に寄り添って、環境にやさしい商材などをコツコツ提案し、目標達成のお手伝いができれば嬉しく思います。
–本日はお忙しい中、お話をお聞かせいただきありがとうございました。
伊藤忠エネクス株式会社:https://www.itcenex.com/ja/