SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」現状と取り組み、私たちにできること

ひとりだけで頑張るより、みんなと協力することで課題を解決するのがパートナシップです。

例えば、地域の美味しい野菜をもっとたくさんの人に食べてもらいたいと思っても、サイトを作ったり、配送の仕組みを考えたりとひとりでは抱えきれない課題がたくさん出てきます!

そのようなときは、皆さんならどのように解決しますか?先輩起業家さんに話を聞きに行ったり、専門家さんに教えてもらったり、人に協力をしてもらいながら課題を解決していくのではないでしょうか。

ひとりの力には限界があります。地域の人や専門家の人、企業、政府などが一体となって協力することで、簡単には実現できない未来へと近づくことができるのです。また、複数のパートナーが協力することで相乗効果が生まれ、さらなる発展も期待できるでしょう!

持続可能な開発目標を実現させるためには、協力が必要不可欠です。目標17では、1〜16の目標を達成するための「実施手段の強化」と「パートナーシップの活性化」に注目した目標を掲げています

目次

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは?

SDGs17の目標は、資金・技術・能力構築・貿易・政策や制度的・パートナーシップ・モニタリングのジャンルに分けられています。

まずは、ジャンル別にどのような目標が立てられているかを見ていきましょう。

資金

資金は、途上国の発展には必要不可欠。そのために十分な資金を確保する必要があります。
新しい税制度などを作り、国内の資金調達を向上させるために、途上国への支援を行うほか、途上国の債務リスクを減らし、長期的な債務を実現すべく目標が立てられています。

技術

技術も同様に途上国の発展には必要なものです。先進国は、その技術を共有し発展に助力しつつ、環境問題にも配慮していかなければなりません。先進国・途上国両方がふりにならないよう考え、協力していくことが必要です。

能力構築

途上国同士で技術をシェアしたり、先進国から教えてもらったり、専門家などの第3者から知恵を借りたりと、発展に必要な技術や能力を築き上げていくために必要な目標です。

貿易

どちらか一方が不利益になる貿易ではなく、公平かつ途上国を支援するような貿易関係を整えていくことを目標にしています。もちろん先進国も有益であるように調整をしていかなければいけません。良い道を探りWin-winな関係を作っていけるよう考えられています。

システム上の課題 政策・制度的整合性

持続可能な開発を進めるためには、政策や制度に一貫性が必要です。世界全体の経済安定を目指し、それぞれの国のリーダーシップを尊重し、進めていくための目標です。

マルチステークホルダー・パートナーシップ

課題解決のために知識や技術を持つ組織や個人を”ステークホルダー”と言います。
「マルチステークホルダー」は、多種多様なステークホルダーが対等な立場で参加し、課題解決を計る枠組みです。持続可能な開発目標に向かってパートナーシップを強めていきます。

データ、モニタリング、説明責任

後発開発途上国や小島嶼開発途上国などに必要なものはなんなのか?それを知るための統計資料などが全くない地域があります。
まずは、各地域の課題を洗い出すためにも、正確なデータを知る必要があるのです。現地の人たちにもデーター収集を担ってもらうための目標です。

世界の協力をより強固なものにするための内容となっています。技術や知識などを途上国に伝え、現地の人々の能力を開発することで、世界では、持続可能な開発を実現しようと試みています。

それでは、具体的な目標を確認してみましょう。

目標17を構成する19個のターゲット

SDGs 目標17のターゲットは、どの課題に対してどういう解決をしていったらいいのか、より具体的な1〜19の達成目標で定義されています。

資金

税金・その他の歳入を徴収する国内の能力を向上させるため、開発途上国への国際支援などを通じて、国内の資金調達を強化する。
“今のままでは、発展途上国へのお金が足らないんだ。だから、資金調達の方法を考える必要があるんだね”

開発途上国に対する政府開発援助(ODA)を GNI(※1)比 0.7%、後発開発途上国に対するODA を GNI 比 0.15~0.20%にするという目標を達成するとした多くの先進国による公約を含め、先進国はODAに関する公約を完全に実施する。

ODA供与国は、少なくともGNI比 0.20%のODAを後発開発途上国に供与するという目標の設定を検討するよう奨励される。

※1GNI:Gross National Income の頭文字を取ったもので、居住者が1年間に国内外から受け取った所得の合計のこと。国民総所得。

“多くの国がこの目標に届いていないのが現実。”

開発途上国のための追加的な資金を複数の財源から調達する。
“不足した資金を補うために、どのような財源から調達するか考える必要があるんだ。”

必要に応じて、負債による資金調達、債務救済、債務再編などの促進を目的とした協調的な政策を通じ、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、債務リスクを軽減するために重債務貧困国(HIPC)の対外債務に対処する。
”世界で最も貧しく、返す見込みが低い重い債務を負っている開発途上国を救おうとする動きなんだよ。”

後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入・実施する。
“経済成長の安定と持続可能な開発をもっといろんな人に支えて欲しいね。”

技術

科学技術イノベーション(STI)に関する南北協力や南南協力、地域的・国際的な三角協力、および科学技術イノベーションへのアクセスを強化する。国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整を改善することや、全世界的な技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件で知識の共有を進める。

”つまり、みんなで協力しようってことだね”

譲許的・特恵的条件を含め、相互に合意した有利な条件のもとで、開発途上国に対し、環境に配慮した技術の開発、移転、普及、拡散を促進する。
“譲許とは、関税を下げて税率をこれ以上高くしないと約束することなんだって。”

”特恵とは、開発途上国の経済発展を促すために、開発途上国から輸入される品物を低い税率にすること!”

”両者が有利になる条件を模索しながら、途上国への技術提供をしているんだね。”

2017年までに、後発開発途上国のための技術バンクや科学技術イノベーション能力構築メカニズムの本格的な運用を開始し、実現技術、特に情報通信技術(ICT)の活用を強化する。
”途上国で情報通信技術(ICT)の活用が進めば、より早く経済発展ができるかも!”

能力構築

「持続可能な開発目標(SDGs)」をすべて実施するための国家計画を支援するために、南北協力、南南協力、三角協力などを通じて、開発途上国における効果的で対象を絞った能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する。
“途上国の人たちに技術や知識を覚えてもらえれば、より発展することができるよね。”

貿易

ドーハ・ラウンド(ドーハ開発アジェンダ=DDA)の交渉結果などを通じ、世界貿易機関(WTO)のもと、普遍的でルールにもとづいた、オープンで差別的でない、公平な多角的貿易体制を推進する。
”公平な貿易になるための交渉を「ドーハ・ラウンド交渉」っていうんだ。”“途上国が正当な利益を得られない状況を解決する必要があるんだね。”

2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍にすることを特に視野に入れて、開発途上国の輸出を大幅に増やす。
”輸出が増えれば、後発開発途上国が利益を得ることができるよね。”

世界貿易機関(WTO)の決定に矛盾しない形で、後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が、透明・簡略的で、市場アクセスの円滑化に寄与するものであると保障することなどにより、すべての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスをタイムリーに導入する。
”経済を促進するために、途上国からの海外市場へのアクセスをしやすいようにする必要があるんだね。”

システム上の課題 政策・制度的整合性

政策協調や首尾一貫した政策などを通じて、世界的なマクロ経済の安定性を高める。
”マクロは巨大なという意味だよ。家計から企業利益も含めた経済を示しているよ。”
”世界全体で物価や消費、金融などの動きを安定させるためにしっかりとした政策が必要になんだ。”

持続可能な開発のための政策の一貫性を強める。
”目標を達成するためには、みんなが同じ方向を向いていないと、うまく協力できないよね。”

貧困解消と持続可能な開発のための政策を確立・実施するために、各国が政策を決定する余地と各国のリーダーシップを尊重する。
”それぞれの国が主体性を持って取り組むことが必要なんだ。”

マルチステークホルダー・パートナーシップ

すべての国々、特に開発途上国において「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を支援するために、知識、専門的知見、技術、資金源を動員・共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完される、「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」を強化する 。
”専門家や企業、個人などさまざまな立場にある世界中の人たちの協力があれば、難しい課題も解決できる!”

さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略にもとづき、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励し、推進する。
”政府間だけでなく、いろんなパートナーシップが実現するといいよね!”

データ、モニタリング、説明責任

2020年までに、所得、ジェンダー、年齢、人種、民族、在留資格、障害、地理的位置、各国事情に関連するその他の特性によって細分類された、質が高くタイムリーで信頼性のあるデータを大幅に入手しやすくするために、後発開発途上国や小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対する能力構築の支援を強化する。
”実際のデータを入手できない地域もあるんだよ。”

2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測る、GDPを補完する尺度の開発に向けた既存の取り組みをさらに強化し、開発途上国における統計に関する能力構築を支援する。
”経済発展の指標となる国内総生産GDPをきちんと数値化することで、途上国の開発目標も決めやすくなるんだよ。”

目標17は、互いに利益を得て発展するための目標です。途上国にとって不利益な貿易や、先進国の目標未達成などに目を向けています。

まずは、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」がなぜ必要となるのか、その理由について考えてみましょう!!

なぜ、目標17が必要なのか?〜現状や課題〜

持続可能な開発目標SDGsでは、貧困をなくし、地球を守りすべての人が平和と豊かさを得る社会を目指しています。途上国の発展なくしては実現できません。

SDGsでは1〜16まで様々な問題を提示しています。それらの課題解決を進めるために、目標17で世界への協力を求めているのです。

SDGs17の目標を確認

SDGsは、「社会」「経済」「環境」の三側面から目標が設定されています。

大まかにわけると、

  • 社会
    目標1〜6
  • 経済
    目標7〜12
  • 環境
    目標13〜15

となり、目標16と17がパートナーシップが主な内容となっています。これだけ多岐に渡る目標内容が掲げられているため、「1つの国だけ」「1つの企業だけ」「1人の個人」だけがそれぞれ頑張ったとしても世界が抱える問題は解決されないでしょう。

そこで、すべての人たちが必要な場面で連携を取り、取り組みを進めていくことが不可欠です。そのための具体的な方針となる目標がこの17「パートナーシップで目標を実現しよう」ということになります。

目標17が必要な理由

もう少し踏み込んで、目標17が必要な理由を見ていきましょう!

途上国への支援資金の不足

SDGsの達成のためには、途上国の発展が欠かせません。そのためにはインフラ整備などに多くの資金が必要となります。

国際連合広報センターの2019年の報告によると、2018年には政府開発援助(ODA)の世界総額が1,490億ドルまでのぼりましたが、前年比では2.7%の減少。主に、難民の受け入れをしているヨーロッパなどからの援助が少なくなったのが原因とされています。国の負担が増え、途上国への資金を賄うことができなかったのです。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響も大きく、国際連合広報センターから、2019年から2020年には1,090億ドルの減少する見込みがあると報告がされています。

引用元:外務省

日本の状況も確認しましょう。図が表す通り、日本の政府開発援助(ODA)予算は、2003年から増加傾向にあるものの、1997年のピーク時の半分以下になっていると外務省が発表しています。

途上国の開発には、資金が欠かせません。国際開発支援などを通じて、国内の資金調達を強化していく必要があるのです

ODA(政府開発援助)とは?取り組み事例やSDGsとの関連も

先進国と途上国の技術格差

世界には、未だにライフラインが整っていない地域もあります。先進国と途上国の格差は大きく、産業と技術革新を進める目標9とも関わりのある問題です。

先進国と途上国の技術格差の例として、国際連合広報センターでは、インターネットの普及率を上げています。

日本では、ほぼ当たり前になってきているインターネットですが、途上国での普及率は低く、開発途上国が45%、後発開発途上国ではわずか20%となります。

さらに、固定ブロードバンドの回線加入者には、約3倍もの差があります。途上国の技術を底上げするためにも、先進国が持つ技術をシェアしていくことを考えていかなければならないのです。

また、現地での能力構築も必要となります。技術を渡すだけでは、使えるようになりません。現地の人たちが新しい技術を学び、運用していけるよう必要な知識・技術を身につける国際的な支援には、各国の協力が重要な鍵となるのです。

とはいえ、先進国の技術が必ずしも途上国にフィットするとは限りません

そこで次の能力構築とも関連する内容になりますが、各国の状況に応じて柔軟に協力体制を構築することが求められています。

能力構築の必要性

能力構築でのキーワードは、以下の3点です。

  • 南北協力
  • 南南協力
  • 三角協力

1つずつ簡単に説明します。

南北協力とは

途上国の発展のために、先進国が持つ技術や資金を提供することです。

南南協力とは

とある分野で成果を出している途上国が、同じような課題を抱える途上国に技術を提供することです。境遇が似ていることにより、先進国の技術よりもフィットする可能性があります。

三角協力とは

南南協力の際、途上国同士であれば資金面で難航するケースがあります。そこで先進国が間に入って資金面での支援を行います。

このように、それぞれの状況を勘案しながら協力体制を整えていくことで、課題解決が加速していくと考えられています。

不平等な貿易

途上国は長い間、不平等な貿易を強いられてきていました。世界では、公平な貿易を試みようと国際フェアトレード基準を見直したり、世界貿易機構(WTO)が問題を解決するために動いたりなどの活動が行われています。

フェアトレードについて、フェアトレード・ジャパンは以下のように定義しています。

”フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。”

フェアトレード・ジャパン

外務省では、フェアトレードを通じた国際協力について研究結果を発表をしています。資料では、ドキュメンタリー映画『おいしいコーヒーの真実』のキャッチコピーを採用したコーヒー1杯を例にあげています。

上記は、1杯300円のコーヒーのうち、一体いくらが割り振られているかを表している図です。コーヒー豆を生産している農家さんに支払われている金額はわずか3〜9円のみ。コーヒーの利益のほとんどが小売業者や輸入業者が得ています。

コーヒー豆を作るためには、豆を育てるだけでなく、発酵や乾燥など多くの手間がかかります。それなのに、たったの数円しか支払われていないのが現実なのです。このように、途上国は、不平等な貿易を強いられており、なかなか貧困から抜け出せずにいます。

上記は、国連開発計画(UNDP)が1992年に発表した先進国と途上国の格差を表した図です。当時ですでに、世界の富の約83%を握るのは、世界の人口のわずか20%のみ。世界の富が集中してしまうことで、多くの人が貧困を強いられていることを表しています。

これらの問題は、目標1の「貧困をなくそう」や、目標10の「人や国の不平等をなくそう」とも関係をする内容です。

先進国と途上国の貿易格差をなくし、途上国の発展を促すためにも世界の協力は欠かせません。

そのため世界では、「多角的貿易体制」や「多角的決済方式」を推進しています。

多角的貿易体制とは

為替の差などで2国間だけでは、貿易収支を均衡させることが難しい場合に3カ国以上での取引で収支バランスをとる体制を言います。

多角的決済方式とは

3カ国以上での取引に利用をして支払いを行う仕組みです。例えば、貿易で得たアメリカのドルを周辺諸国への支払いに利用し、周辺諸国は、そのドルを別の支払いに利用していきます。

このように世界との貿易を広げていくことで、全体の収益を安定させ、1つの国が不利にならないよう調整をしていく体制が必要がなのです。

途上国において、輸出で得る資金は重要です。先進国は自国が不利にならないよう、特定の商品の関税を下げるなどをして、途上国の支援を行っています。途上国の人々の自立と発展を促そうとする貿易が目標に盛り込まれているのです。

このような仕組みを強化するために、パートナーシップは重要となっています。

フェアトレードとは?背景や明日から消費に活かすポイントも

民間・政府の協力体制の強化不足

先進国でさえも、企業や団体同士での協力が取りにくい現状がありました。行政との協力体制が整っていない地域もあります。

引用元:経済産業省

日本では、このような状況に対処しようと経済産業省が、パートナーシップ制度を導入しています。全国の自治体・産業振興機関、地域金融機関、大学・公的研究機関等に「パートナー機関」として登録してもらい、日本企画協会(JSA)を通じて、企業などからの相談をしやすくする仕組みです。

世界でも行政と企業のパートナーシップを強め、貧困や電力問題など多くの課題と向き合う必要があります。地域とのコミュニケーションも重要となってくるでしょう。

また、途上国の発展を支えていくためにも、世界市場「マクロ経済」の安定が必要不可欠だとされています。マクロ経済とは、政府や企業、家計なども含めた経済社会全体の動きのことです。

国全体・世界全体の経済が悪化してしまっては、途上国への支援もままならなくなってしまいますよね。国が一貫した政策や方向性を示し、マクロ経済を安定させることができれば、民間や企業が協力し、さらなる発展が見込めます。

引用元:内閣府

さらに、多くの課題を抱える途上国の問題において、課題解決のために知識や専門的知見、技術を持つ組織や個人が協力する「マルチステークホルダー・パートナーシップ」の強化が期待されています。

専門家や知見者に様々な協力を仰ぎ、たくさんの人が主体的に助けることで、課題解決に取り組んでいくのです。

データがひどく不足している

引用元:ユニセフ協会

ユニセフから、SDGsの達成のためのデータが不足していると発表がされています。途上国などでは子供が生まれても出生登録がされないケースがあります。その場合、国や自治体はその存在を把握することができず、具体的な対策を打てないというのが現状です。

日本においては出生登録はほぼ100%ではあるものの、暴力や搾取、貧困は隠蔽する傾向も見られ、データ収集が十分とは言えないようです。今後、データ収集の方法についても議論を重ねなければなりません。

SDGs達成の度合いを測り、ひとりも取り残さずに発展を続けるためにも、データを収集は重要なのです。

目標17の達成に向けたパートナーシップとは?

世界では、パートナーシップで目標を達成するために、企業同士で手を組んだり、専門家や個人からの有益な情報を得る「マルチステークホルダー」が行われたりと、様々な取り組みが行われています。

ここでは、どのようなパートナーシップがあるのかを見ていきましょう。

SDGsを考慮した輸入

世界最大規模の会計事務所であるデロイトトーマツグループでは、児童労働をなくす国際通商ルールを新たに世界へと呼びかけています。児童労働のない製品の関税を撤廃し、児童労働の需要を生み出さないようにするシステムです。

関税がかからないことは商品を安く販売できることを意味します。つまり、児童労働に加担した製品は高価になり売れなくなります。これにより世界的に児童労働を撲滅できると考えられているのです。

デロイトトーマツグループは、ビジネスのプロフェッショナルチーム。NPO法人ACEなどと協力して、児童労働白書をまとめ問題に取り組んでいます。

児童労働の問題は、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」に関連する事項です。児童労働とは、15歳未満の子供が教育を受けることができずに働くことや、18歳以下の子供が危険で有害な仕事についていることと国際条約で定義されてます。

参考:ユニセフ協会

企業が子供たちを働かせずとも、利益を得るよう試みる働きです。

企業間の連携

引用元:経済産業省

企業間同士では、同業種・異業種同士での連携を強め、新しい技術の開発や続可能な開発目標達成の加速化を行っています。日本でも、経済産業省が企業に「パートナーシップ構築宣言」を呼びかけてきました。上記の図が表すように、発注側の約94%が相手企業の「宣言」を意識して仕入先と取引条件の協議をしています。また、受注側の半数以上が「宣言」の効果を実感しているのです。

企業は、「マルチステークホルダー・パートナーシップ(MSP)」の構築にも力を入れています。

例えば、地域を支える「佐賀銀行」は、SDGs異業種交流会を開催し、アフターコロナへの取り組みを事業者と一緒に考え、改革・改善、事業の見直しなどをディスカッションする場を設けています。地域企業へのSDGsの周知し、新たな事業創設や事業の成長などをサポートしています。

大学、NPO法人との連携

パートナーシップの構築では、大学とNPO法人との連携も多く見られます。

例えば、特定非営利活動法人 長野県NPOセンターでは、SDGs達成を目指し、周知・浸透・啓発・実践活動をつなげるポータルサイト「SDGsコネクト信州」を作成し、SDGs入門のセクションで、大学教授等の研修プログラムイベント・セミナーやワークショップなどを開催しているのです。

多くの人に参加を促し「100年住み続けられるNAGANOを創るために」活動をしています。

政府とユニセフの連携

日本政府はユニセフと協力して、途上国への政府開発援助(ODA)を実施しています。基本社会サービスの回復や治安維持能力の向上、国内産業の活性化などに重点を置いて活動しており、東ティモールの出生登録制度向上への支援や、スリランカで家族追跡・再会プログラムの支援などを多くの支援プロジェクトが進められているのです。

ユニセフは今後も、日本政府からの政府開発援助(ODA)による資金協力を得て、国会議員、国際協力機構(JICA)、非政府組織(NGO)などとの連携を促進していくとしています。

参考:日本ユニセフ協会

国際協力機構(JICA)と民間の連携

国際協力機構(JICA)は、民間との連携を強めるべく、民間連携事業部を設置しています。SDGsを達成する見込みのあるビジネスモデルを行う企業に1件当たり最大5,000万円の支援をする制度もスタート。日本企業の技術やノウハウを活用するための取り組みを進めています。

取り組み事例でもあげた、バヌアツの水産資源を守る事業やインドネシアの泥炭火災など実に様々な取り組みを行っています。

投資家と企業のパートナシップ

次に説明する「ESG投資」とも関連する内容になりますが、近年、SDGsを推進する企業を投資によって支援する働きが進められています。今までは、企業の売り上げや業績のみで判断していた投資ですが、投資する企業が環境問題などにも配慮しているかを見るようになってきているのです。

持続可能な開発を続け、社会の変化を加速させるためにも、重要なパートナーシップです。


それでは、「ESG投資」について詳しく見ていきましょう。

企業と投資家のパートナーシップ「ESG投資」

世界では、SDGsを促進するための「ESG投資」に注目が集まっています。投資家たちが意識をする「EGS投資」とは何かについて、考えていきましょう。

ESGって何の略?

ESGとは、

  • 環境(Environment)
  • 社会(Social)
  • 企業統治(Governance)

の略です。企業は環境に配慮した事業を行っているか、地域コミュニティーや社会に貢献しているか、企業内の働き方や労働環境の改善を行っているかなどの視点を重視しています。

ESG投資とは?

ESG投資とは、企業経営のサステナビリティ、つまり環境・社会・企業統治を評価し、投資を行うことです。年金などの大きな資産を長期的に運用する機関投資家を中心に広まっています。

SDGsを取り組む企業を積極的に支援していこうという動きが活発化しているのです。

なぜ、ESG投資が注目されているのか?

ESG投資が注目を集めている理由は、ESGを視野に入れて行う投資原則「国連責任投資原則(PRI)」が2006年に提唱されたことにあります。

PRI署名機関数の推移

引用元:経済産業省

経済産業省によると、世界では「国連責任投資原則(PRI)」に署名する機関が増加。投資家たちの中は、環境や人権問題に配慮する積極的な企業を応援しようという意識が高まっています。金融機関と企業の協力でよりSDGsが加速していくことが期待されているのです。

パートナーシップと言っても、実に色々な協力・協働があります。このようなパートナーシップを促進し、世界の問題・課題に取り組むことが、SDGsの実現には欠かせません。

目標達成をしなければ、どのような未来が来るのか…。そのような不安を無くし、輝かしい未来を手に入れるっためにも、政府・企業・個人・団体・地域などが手を取っていくことが必要なのです。

それでは、実際にどのような取り組みが行われているのかを見ていきましょう!

私たちにできること①国際NGO団体やSDGsに取り組む企業に募金をする

SDGsに取り組む団体や企業がパートナーシップを強化し、継続的に支援を行うためには、少しでも多くの資金が必要です。そこで個人として募金を行うことで、取り組みをサポートすることができます。

募金を受けつけている団体・企業

SDGsに取り組んでいる企業・団体は多数ありますが、その中でも個人からの募金を受け付けている団体を紹介します。

JICA

引用:JICA

「JICA(Japan International Cooperation Agency)」は、発展途上国の人々がより良い生活を送れるよう、国際協力に取り組む機関です。日本の技術を途上国の人々に伝える「技術協力」や、国づくりに必要な資金を提供する「資金協力」を行ってきました。

支援を続けていくため「世界の人々のためのJICA基金」を募集しており、集まった募金は、途上国での、

  • 教育
  • 貧困削減
  • 生活向上

のための支援に使われます。

ユニセフ協会

引用:unicef

ニューヨークに本部を置く「ユニセフ協会(UNICEF:国連児童基金)」は、一度は耳にしたことがある有名な支援団体ですが、活動資金はすべて個人や企業・団体からの募金や任意拠出金で賄われています。

募金は公式サイトで募集されており、

  • 毎月募金をする「マンスリーサポートプログラム」
  • 遺産を寄付する「遺産寄付プログラム」

など、さまざまな方法で寄付できます。

日本赤十字社

日本赤十字社」は、、災害救護をはじめとし、献血ルームの運営の他、防災活動や人材育成、国際活動など、苦しむ人々を救うために幅広い活動を展開しています。

災害時の救助活動やボランティアの育成などは、個人や団体からの支援によって継続されます。募集している寄付の種類には、

  • 赤十字活動へのご寄付
  • 国内災害義援金
  • 海外救援金
  • 遺贈、相続財産などのご寄付

などがあります。

個人からの募金がパートナーシップをより強くする

「実際にお金がどこでどのように使われているか分からず、不安。」

という思いから、募金をすることに抵抗のある人もいるかもしれません。実際に、日本ファンドレイジング協会「寄付白書」によると、日本の募金は一世帯アメリカやイギリスと比較し、少ないのが現状です。

出典:寄付ナビ

しかし、支援団体は活動内容を明らかにしているケースが多く、募金したお金がどのように使われたかが分かるようになっています。次に、報告書をもとに、実際に募金によって行われた支援の例を紹介します。

JICAは、「世界の人々のためのJICA基金」で集まった基金によって、2019年に7か国で8案件を開始し、4案件が完了しました。

そのなかの1つを取り上げると、ネパール大震災によって被災した地域で、

  • 農地の借り上げ
  • ビニルハウス設置
  • 収穫
  • 販売

を展開。

収穫した野菜は村の学校へ提供され、子どもたちの健やかな成長に繋がっています。さらには、学校の衛生環境改善にも寄付金が使われました。

また、ユニセフは、個人からの募金によって、どのような支援物資を調達できるかを紹介しています。

  • 381円→子ども用の鉛筆10本とノート10冊
  • 1,144円→クレヨン8色入り10箱とスケッチブック10冊
  • 368円→縄跳びの縄10本
  • 1,284円→HIV/エイズ簡易診断キット10回分

このように、私たちにとって小さな額でも、途上国の子ども達の教育や医療に大きく貢献することができます。募金に不安がある方はまずは支援団体のHPを覗いてみてはいかがでしょうか。

私たちにできること②SDGsに関連したイベントに参加する

個人ができることに、SDGsに関連したイベントに参加してみることも挙げられます。

  • そもそもSDGsとはどんなものなのか
  • 目標17達成のために自分たちに何ができるのか

など、イベントの運営者や他の参加者と意見を交わすことで、よりSDGsへの理解が深まります。

また、このようなイベントから輪を広げ、新たなパートナーシップが生まれることも少なくありません。実際に、Spaceship Earthの編集者も、イベントに参加したことで学校関係者とのつながりができ、教員向けの講習会を行うきっかけとなり、SDGsの認知を広げることにつながりました。

おすすめのSDGs関連イベント

個人で参加できるSDGs関連イベントには、下のようなものがあります。

【イマココラボ主催】【10/6午後開催】自分を、そして世界をアップデートする ~SDGsという問い~

社会システムの変革に貢献する「イマココラボ」は、定期的にSDGsに関するイベントを開催しています。2021年10月6日開催のイベントでは、カードゲームを用いて、SDGsを「体験する」ことを目的としました。他の参加者と対話をし、意見を交換し合うことで新たなパートナーシップを築くことができるかもしれません。

直接はちょっと…という人はキャンペーンに参加!

イベントに参加してみたくても、直接足を運ぶのに勇気がいる人もいると思います。そんなときは、支援団体などがオンラインで開催するキャンペーンに参加するのもおすすめです。

おにぎりアクション

おにぎりアクション」は、特定非営利活動法人「TABLE FOR TWO International」が展開するキャンペーンです。SNSで「#OnigiriAction」をつけて投稿すると、賛同企業・団体による費用負担で、アフリカやアジアの子どもたちに給食が届けられます。2021年は10月5日から開始予定です。

私たちにできること③フェアトレード製品の購入

普段の買い物からフェアトレード製品を選ぶことで、途上国の生産者とパートナーシップを結ぶことができます。

私たちがフェアトレードが行われている製品を購入することで、生産者の支援につながります。

とはいえ「フェアトレード製品は身近に売ってないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、最近ではコンビニやスーパーでもみつけられるようになりました。そこで、次ではフェアトレード製品の見分け方を紹介します。

フェアトレード製品の見分け方

引用:FAIRTRADE

フェアトレード製品を探す最も簡単な方法は、上記画像の国際フェアトレード認証マークが貼られたモノをみつけることです。。これは社会的・環境的・経済的基準を満たした商品にのみつけられるマークで、生産者にとってフェアな価格で貿易を行われていることを意味します。

チョコレートやバナナなど、さまざまな商品に貼られているのでぜひ探してみてはいかがでしょうか。

とはいえ認証マークの付いていない物も

とはいえ、なかにはマークのついていないフェアトレード製品もあります。その理由に、認証料が挙げられます。メリットがあると分かっていても、認証料を支払う余裕がなく、登録を諦めてしまう生産者もいるのです。

そのため、フェアトレード製品専門のマルシェやお店でお買い物したり、商品を扱う企業のHPをチェックするのもおすすめです。フェアトレード製品を取り扱うお店を集めたホームページもあるので、興味のある方は目を通してみてください。

私たちにできること④SNSで情報発信しよう!

最後に紹介するのはSNSでの情報発信です

総務省「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書概要」によると、20代でTwitterやInstagramを利用している割合は、全体の半数以上を超えています。これらのSNSを使用し発信することで、多くの人に情報を届けることができるのです。

なぜ情報発信が大切なの?

電通Team SDGs・電通マクロミルインサイトが2021年1月に実施した調査によると、SDGs認知率は54.2%。前回の調査と比べ増加傾向にあるものの、「内容まで含めて知っている」と答えた人は全体のわずか20.5%でした。

この現状を変えるためには、多くの人が利用するSNSで情報を発信することが大切です。また、インターネットを通じて発信をすることで、遠い場所に住んでいても同じ意思を持つパートナーとつながることができ、考えを深めることができるでしょう。

まずフォローしたいおすすめアカウント

SDGsについて発信するためには、最新で有益な情報を知ることが重要です。ぜひフォローしたい、おすすめのアカウントを紹介します。

外務省xSDGs

引用:Twitter

外務省xSDGs」は、外務省地球規模課題総括課の公式アカウントです。SDGsの基礎知識ツイートから、地球規模課題への取り組みについて発信しています。クイズ形式の投稿もあるので、楽しくSDGsについて学べます。

ハフポストSDGs / 仕事に役立つSDGsニュース

引用:Twitter

ハフポストSDGs/仕事に役立つSDGsニュース」は、SDGsに関する記事を投稿しているアカウントです。教育・社会・環境などさまざまな内容をツイートしており、「メディアが出演者の男女比率を気にした方がいいのはなぜ?」など、じっくりと記事まで読みたくなる投稿が見られます。

石野拓弥@SDGs社長【エレビスタ株式会社】

引用:Twitter

石野拓弥@SDGs社長【エレビスタ株式会社】」は、環境問題を中心に、SDGsに関するツイートをしています。また、サステナブルの商品や、ソーシャルグッドな企業の紹介をしており、普段の生活の中でできるSDGsへの取り組みを知ることができます。

友人や家族にどう思われるかが心配で情報発信が苦手!という人は、まずはリツイートやシェアから始めてみましょう。

ちょっとした日常のことでもSDGsへのパートナーシップとなることを忘れずに生活をしていきたいですね。

日本の企業・団体の取り組み事例①岡山ビューホテル

岡山ビューホテルは、滞在期間からチェックアウトまで、きめ細やかなサポートが魅力のホテルです。また、「思いやり(OMOIYARI)」を世界標準語にすることをビジョンに掲げ、岡山県の発展と思いやりのある社会づくりに貢献しています。

パートナーシップを利用した「岡山食活」と「お土産販売」

岡山ビューホテルは、「岡山活性化支援業」を主力事業と考え、SDGsおよび岡山県の魅力向上のために取り組んでいます。

例えば地元生産者と協力し、国内外から訪れるホテル宿泊者にホテル内のレストラン「五感」で、岡山の食材を使ったメニューを提供する「岡山食活」を開催。多くの人に、岡山のおいしい食材を知ってもらうきっかけとりました。

また岡山ビューホテルは公益財団法人YMCAと協力し、「ひだまり~ぬ子ども食堂」をホテル内のレストランにて定期的に開催しています。共働きや単身赴任で1人で食事をすることが多い子ども達に、楽しく食事をする場を提供することが目的です。このホテル主催の子ども食堂は、岡山ビューホテルが初めての試みとなります。

しかし、継続するためには資金が必要です。そこで岡山ビューホテルは子ども食堂の開催費を集めるために、県内の酒蔵と共同でクラウドファンディングを行いました。

お土産にもひと工夫

また別事業では、岡山ビューホテルのオリジナルのお土産品を販売

上記のキーホルダーは岡山市の表町商店街の中にある、「就労継続支援A型事業所」の利用者が作りました。このように土産品の開発は、県内の社会福祉法人や就労継続支援施設と協力して行っています。この売り上げの一部も、子ども食堂の運営資金として利用しています。

日本の企業・団体の取り組み事例②株式会社マーケットエンタープライス

マーケットエンタープライスは、2015年に日本初のネット型リユース事業を行う企業として上場しました。

ネット型リユース事業とは

実際の店舗を持たずに、ネット上で商材の買い取りや販売を行うサービス。

その後、メディアプラットフォーム事業やモバイル通信事業も展開しています。「リユース」という言葉が少しずつ浸透してきた現代で、循環型社会への発展に向けて挑戦し続けている企業です。

自治体と連携し行った休眠楽器寄付ふるさと納税

現在、教育機関では楽器不足が問題となっています。この問題を解決するためにマーケットエンタープライスは、使われなくなった楽器「休眠楽器」に注目。国内初となる「休眠楽器」の受け入れを行ったのです。

さらに三重県いなべ市と連携し、「楽器寄付ふるさと納税」の事業を構築。休眠楽器を寄付すると、楽器が不足している教育機関へ寄付される仕組みです。この時マーケットエンタープライスは、楽器の査定を担当しました。

この取り組みは、ふるさと納税制度を利用しているため、寄付した人は楽器の査定額分の税金が控除されます。楽器寄付ふるさと納税事業は、開始2ヶ月で150個の楽器が集まり、教育機関や生徒へ届けられました。現在では、いなべ市を含め約15以上の自治体がこの制度を導入しています。

ふるさとづくり大賞を受賞

マーケットエンタープライスの頑張りもあり、いなべ市は令和2年度のふるさとづくり大賞を受賞しました。ふるさとづくり大賞は、地域の活性化に向けて頑張る団体や個人を表彰し、更なる地域社会の発展を促す目的で開催されています。

受賞理由は下記の通りです。

  • ふるさと納税と寄付を組み合わせた新しい方法
  • いなべ市の次世代を育む取り組みとして、無理なく導入できる点

いなべ市が事業の受け口となり全国に呼びかけ、リユース事業を行うマーケットエンタープライスが楽器の査定を担当する。互いに協力しなければ、成功することのなかった事業です。

日本の企業・団体の取り組み事例③GANON FLORIST

GANON FLORISTは、企業理念に「世界一花を愛せる国を作る」を掲げ、誰もが自然を大切にできる社会づくりを目指しています。2013年に北海道で設立し、現在は世界10ヵ国以上で活動している企業です。

現在は、

  • フラワーギフトの製作
  • 撮影
  • 作品展示
  • 装花
  • ショープロデュース
  • バルセロナやバンコクの大学で花の専門家として指導

など、幅広く手がけています。

地産地消を基盤としたロスフラワー救済プロジェクト

現在、新型コロナウイルスの影響により花の需要が減少しています。そのため生花店では店頭に並ぶ、30~40%の花を廃棄処分しているそうです。また、これ以上の価格低下を防ぐために自ら廃棄処分をする生産者もいます。

生産者にとって一生懸命育てた花を、自らの手で処分することは精神的負担も相当なものでしょう。この現状を改善するために、GANON FLORISTでは「生産者」「生花店」「消費者」と連携し、地産地消を基盤としたロスフラワー救済取り組みを行っています!

クラウドファンディングで約70,000本の花を消費者へ

GANON FLORISTでは、ロスフラワー減少のためにクラウドファンディングを実施。

このクラウドファンディングでは、花の生産者から多くの花を購入するための資金を集めることが目的です。そして、生産者から購入した花を利用して、下記のような取り組みを予定しています。

  • フローリストによって全身を花で装飾された人が街中を歩き、道行く人々に「一輪の花」をプレゼント(ロスフラワーの減少につながる)
  • 花の市場や生産者の存続のための売り上げを生み出す
  • 花の衣装で街を歩き、エンターテインメントで人々に驚きと感動を提供
  • 多くの人に花を配ることによって、緊急事態のなかでも北海道に笑顔を増やす
  • プロジェクト内容は動画や写真で拡散し、日本中のSNSを花だらけにする

そして、クラウドファンディングの支援者には、

  • ドライフラワーのインテリア雑貨
  • 生花を使用した撮影
  • 定期フラワーアレンジメントのサービス

などのリターンを用意。

集められた資金は、廃棄予定だった約70,000本の花を消費者へ還元することに使われました。この取り組みによってロスフラワーは減少し、多くの生花を消費者へ届けることに成功しています。さらに、生産者と消費者を繋ぐ目的も果たしました。

地球に森を増やす花の定期便

引用元:FORESTY  | 植林もできる花のサブスク

売れ残りが原因で廃棄になる生花を減らすためには、継続的な仕組みが必要です。

そこでGANON FLORISTは、地域で生産された生花を定期的に消費者へ届ける「生花のサブスク」を考案。5種類の中から自分にあったプランを選択すると、フローリストが厳選した北海道産の花が届きます。受け取り方法も、毎月500円の店舗受け取りや定期配送など、ライフスタイルに合った方法を選ぶことが可能です。

そして、このサブスクは、売り上げの一部を植林活動に利用。例えば、毎週3本の花がポスト投函で届くサブスクの場合は、8ヶ月で1本の木を植林できます。

この活動によって、毎月約3,000本のロスフラワーの削減に成功しました。同時に、生花店や生産者の収入の向上にもつながっています。

植林家とパートナーシップを結び、目標15「陸の豊かさも守ろう」などの他の目標にも貢献しました。

続いては世界に向けた取り組み事例を紹介します。

世界の企業・団体の取り組み事例①国連と漁業のパートナーシップ 「海のエコラベル/MSC認証」

MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)とは、1997年に設立された持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際非営利団体です。

水産資源を守る活動

MSCでは、認証制度と水産エコラベルを通じて、限りある水産資源を守る活動を行っています。この活動に企業やNGO、政府が協働することで、国際的に認められ世界へと広がってきているのです。

まさに世界が協力して海を守っているパートナーシップと言えますね。

世界の企業・団体の取り組み事例②シャボン玉グループ

「健康な体ときれいな水を守る」という企業理念のもと、無添加石けんの製造・販売を行っているシャボン玉グループ。生態系保全活動や学術的な石けんの研究にも取り組み、環境に配慮した石けんを提供しています。また、少量の水量で早く消火でき、環境への負荷も非常に少ない、石けん系泡消火剤の研究・開発も行っています。

自然にやさしい石鹸を使った「泥炭火災」への取り組み

JICAと協力してプロジェクトを立ち上げ、CO2発生量が問題となっているインドネシアの泥炭火災に使用できる泡消火剤の研究・開発を進めてきました。そして2015年にはインドネシアへの提供を実現しています。

JICAとパートナーシップを結び自社の研究開発を活かしているのです。このような企業がたくさん増えてくると良いですね。

世界の企業・団体の取り組み事例③株式会社オリエンタル

ものを大事にする日本の中古品は品質がよく、世界でも信頼をされているリユース市場。オリエンタルは活動の場を海外へと広げ、現地の生活向上を支援しています!

私たちと海外を繋ぐパートナーシップ「リユースで世界に平和と笑顔を」

私たちが大切にとっておいた幼い頃の通学バッグや学習教材などがカンボジアの子供たちへと寄付され、利用されています!

私たちの大切な思い出は、このような形で新たな未来へとつないでくれるものへと変わるのです!

世界の企業・団体の取り組み事例④会宝産業株式会社

ブラジルの国立大学CEFET-MG(ミナスジェライス州国立工業技術大学)内に、自動車リサイクル教育センターが設立されています。

途上国と企業のパートナーシップ

会宝産業の国際リサイクル教育センター(IREC)で行った自動車リサイクル研修のメンバーとして来日した、ブラジルの国立大学CEFET-MGの教授。研修を通してリサイクルの必要性を感じ、多くの人に働きかけ、会宝産業と国際協力機構(JICA)の協力のもと実現しました

また、マレーシアでも自動車リサイクルシステムの整備を試みています。途上国では、捨てられた車が山積みになっていることも多く、環境改善が不可欠です。この技術が定着することで、解決への糸口になることが期待されています。

自動車産業が進む日本だからこそできる海外への支援ですね。

世界の企業・団体の取り組み事例⑤日本アジアグループ

日本アジアグループは、世界に先駆け、超低落差型の流水式マイクロ水力発電システムを開発。途上国の発展に貢献しています。

企業と国際連合によるパートナーシップ「無電化地域に電気を届ける」

このシステムを使った発電機「ストリーム」は、開水路に設置するだけのシンプルな水力発電装置です。大規模な工事が不要で簡単に設置できることは途上国にとっても大きな前リットとなっています。

※発電機「ストリーム」は、国際連合工業開発機関(UNIDO)が実施するプロジェクトで、インド、エチオピア、ケニアの無電化地域などに届けられています。

企業の新しい開発に国際機関が協力して、途上国への支援につながっている例です。

ここまでは、日本の中でのパートナーシップや日本から海外へ向けてのパートナーシップなどをご紹介しました。各企業や団体が自分たちにできることを探し、協力しているのが分かりますね。

では、私たち個人はどうなのでしょう?SDGs達成に向けて協力することはできるのでしょうか?次の項目では、私たちができるパートナーシップについて考えていきましょう。

まとめ

SDGs「持続可能な開発目標」には、貧困や飢餓、教育、ライフラインの確保、途上国の発展、環境問題など多くの課題があります。さらに途上国の発展とともに環境問題への意識など、世界が発展していく中で毎年多くの課題も出現します。

目標17が必要な理由としては、資金不足や技術不足など、途上国が発展するために必要な事例や先進国と途上国の不平等問題などが挙げられます。

このような問題を解決し、目標を達成するためにパートナーシップは重要なポイントとなっているのです。

パートナーシップを結ぶことで、以下のようなメリットが考えられます。

  • 問題の早期解決
  • 才能と強みを最大限に活用
  • 新たな視点での技術開発
  • 目標達成へ向けての加速
  • 個人や1企業でできないことへの挑戦

「1人ではできないことは、みんなで協力をしよう」と誰かが言うだけでは、なかなか協力する関係は出来上がりません。まさに政府や国際団体、企業が一丸となって取り組むことが必要なのです。

SDGsの目標達成に向けて、世界では様々なパートナーシップが結ばれています。

民間企業や大学、NPO法人、政府、国連、NGO団体、投資家、個人それぞれが力を合わせることで、途上国の支援環境問題の解決に向かっているのです。

私たちにできることももちろんあります。まずはSDGsについて学び、関心を持つことやそれを広めることが大事なのではないでしょうか?

環境問題に配慮した商品を購入したり、マイボトル・マイバックを持つことから初めてみるのも良いでしょう。クラウドファンディングなどの支援もパトナーシップのひとつの形です。

パートナーシップとは、誰かを応援することでもあります。SDGsの実現に向けて、気になる活動を支援してみませんか?

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)