#SDGsを知る

持続可能な漁業とは?水産資源の現状や取組事例、私たちにできること

イメージ画像

島国である日本は、古くから海との関わりが深く、水産資源の恩恵を受けてきました。しかし、近年は世界的に、水産物をとりすぎたり違法なやり方で漁を行ったりする人が増え、さまざまな問題が起きています。この状態が続くと、水産資源が減少してしまう恐れがあります。そのため、この問題の解決策として、「持続可能な漁業の推進」が必要だと言われているのです。

本記事では、

  • 世界や日本の水産資源の現状
  • 持続可能な漁業にむけた取組事例
  • 個人にもできるアクション
  • 持続可能な漁業とSDGsとの関係性

などを紹介します。

まずは、持続可能な漁業がどのようなものかを知りましょう。

持続可能な漁業とは

持続可能な漁業とは、水産資源と環境に配慮し、漁獲量や漁業の規模などに関して定められたルールを守り、実践している漁業や養殖業のことです。

持続可能な漁業を推進することによって、

  • 海洋資源の急激な減少や枯渇を防ぐ
  • 海洋環境や生態系の回復が期待できる
  • 海洋生物の生息域や絶滅危惧種の保護につながる
  • 漁業関係者の生活の安定化につながる
  • 強制労働の防止

などのメリットがあります。

持続可能な漁業のための3つの原則

現代には、持続可能な漁業を推進するさまざまな団体が存在します。その中でも、特に有名な団体が、「Marine Stewardship Council(MSC)」です。この団体は、漁業の持続可能性について、下記の3つの原則を考慮しなければならないと考えています。

1つ目は「資源の持続可能性」です。水産資源を獲りすぎない、枯渇させないことは勿論ですが、それ以外にも、枯渇した水産資源に対して、回復できると立証できる方法で漁業を行うことを目指しています。2つ目の「漁業が生態系に与える影響」は、漁業が依存している生態系の構造を考え、多様性や生産力などを維持できる方法で漁業を行うことを指します。

3つ目の「漁業管理システム」は、保有する管理システムは原則1と2を満たし、国内や地域、国際的なルールを尊重したものにする、ということです。そして、持続可能な資源利用を実現するための制度や体制も整えることを目指しています。

世界の水産資源の現状

持続可能な漁業について理解を深めるためには、世界の水産資源の現状を確認する必要があります。詳しく見ていきましょう。

2020年、水産資源の生産量と消費量が過去最高に

国連食糧農業機関(以下:FAO)が、2022年6月に発表した「漁業と水産養殖の現状に関する主力報告書」によると、2020年の世界の水産物生産量は2億1,400万トン、消費量が1億5,700万トン過去最高であったとしています。

水産物の1人あたりの消費量も、1961年の9.0㎏から2019年には20.5㎏まで増えており、今後も人口増加が予想されることから、需要はますます高まるでしょう。2030年には、健康や栄養に気をつけた食事への関心や流通の変化などを理由に、1人あたりの供給量が21.4㎏になると予想されています。

しかし世界では、水産資源の35.4%が持続可能な水準を超えています。(つまり獲りすぎている状態。親魚や産卵期の親魚などを獲りすぎれば、子孫を残すこともできない。)このままでは水産資源が枯渇し、将来食べられなくなってしまう可能性も考えられます。

【養殖】水産養殖の拡大とブルー・トランスフォーメーション

このような背景から、近年、水産養殖の拡大が進められています。

2020年の外海での漁獲量は9,030万トンと、過去3年間の平均漁獲量より4%減少していますが、水産養殖生産量(藻類などを除く)は、8,750万トンであり2018年よりも6%増加しました。

資源効率が高いうえに、適正な価格で安定的に水産物を生産できる養殖は、需要と供給のバランスをとるために重要な役割を担う存在といえます。

しかし養殖は、環境と社会に配慮した方法で行わなければ、

  • 食べ残した餌や糞尿による水質汚染
  • 養殖場を建設した際に起こる環境破壊
  • 病気や寄生虫の発生を防ぐための医薬品や化学薬品の使用
  • 労働者に長時間過酷な労働を強いる強制労働
  • 児童労働

など、海洋環境や生態系、労働者への負荷を増大させてしまいます。

そのため、労働者にも配慮し、水産物を持続可能な方法で生産から管理、取り引き、消費をする構造に変化を起こす「ブルー・トランスフォーメーション(※)」が注目されています。ブルー・トランスフォーメーションとは、水産物の食料システムの可能性を高め、世界的な人口増加に対応しながら、持続的に食料を供給するための取り組みです。持続可能な水産養殖の拡大と強化、すべての漁業の効果的な管理、バリューチェーンのアップグレード、と3つの目的があります。

このブルー・トランスフォーメーションは、FAOが「漁業と水産養殖の現状に関する主力報告書」でも触れられており、取り組むことによって、

・環境的、社会的、経済的に持続可能な方法で、増加する人口に十分な水生食料の供給を支援する。

・すべての人々、特に弱い立場にある人々にとって、安全で栄養価の高い水生食品の入手可能性と入手しやすさを確保し、食品ロスと廃棄物を削減する。

・水生食料システムが依存地域社会の権利と収入の向上に貢献し、公平な生計を達成できるようにする。

・気候変動などの人間と環境の動的なプロセスに大きく影響される水生食料システムの回復力をサポートします。

引用元:2022 年の世界の漁業と水産養殖の現状|国連食糧農業機関

などが可能になるとしています。

【乱獲】過剰漁業による水産資源の減少

先述した通り、過剰に漁獲利用した(獲りすぎた)状態の海洋資源の割合は、1974年の10%から2019年時点で35.4%まで増加しています。

漁獲されている海洋資源の種類を確認すると、

  • ヨーロッパマイワシ
  • 大西洋ダラ
  • 大西洋ニシン

などの魚は、過剰に漁獲利用されている割合が平均よりも高いことがわかります。

1970年代〜1990年代にはスケトウダラが、1980年代〜1990年代にはマイワシが大量に漁獲され、1980年代後半には、それぞれ500万トン以上の漁獲量が記録されています。

その後、スケトウダラは減少し2020年の漁獲量は210万トン、マイワシは110万トンまで下がりました。マサバに関しては、1990年代の初期に60万トンまで落ちこみましたが、2020年には100万トンまで回復しています。

しかし回復したとしても、再び過剰漁業を行う人々が現れると、同じことを繰り返してしまう可能性があります。

日本の水産資源の現状

私たちが暮らす日本の水産資源は、現在どのような状況なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

日本の現状

「令和3年度水産白書」によると、令和2年の日本の漁業・養殖業の生産量は前年より4万トン増加し、423万トンでした。海面漁業の漁獲量は321万トンと、前年より2万トンの減少が見られ、一方で海面養殖業での収穫量は、5万トン増加し97万トンでした。また日本の食用水産資源の自給率は、全盛期であった1964年の113%から減少と微増を繰り返し、令和2年は57%となっています。

そして、日本周辺水域の資源水準の状況を表す資源評価では、下図の通りになります。

資源評価とは、「資源を枯渇させない、無駄なく使用するために、水産資源が現在どのくらいあるのか。そして、どのくらい利用してよいのか」を把握するための評価です。

この資源評価では、水産資源の水準と動向を「高位、中位、低位」の3つで評価しており、「高位=増加傾向」「中位=横ばい」「低位=減少傾向」を意味します。例えば、マダラ(北海道太平洋など)は、

  • 青色の高位に分類されているため増加傾向
  • 赤色の低位に分類されたマアナゴ(伊勢・三河湾)は減少傾向

にあるといえるでしょう。

3区分の割合については、さまざまな意見があり、「これが1番よい割合です」と断定できませんが、低位は、人間が資源管理を徹底することによって改善する可能性もあると考えられています。

【IUU漁業】アサリの産地偽装問題

近年、日本を含め世界的にIUU漁業が問題になっています。IUU漁業とは、「Illegal(違法)」「Unreported(無報告) 」「 Unregulated(無規制)」で行われる漁業のことです。

主に、下記のような漁業を指します。

違法漁業・国や漁業機関の許可を得ずに漁を行う
・国内外の法律を無視して漁を行う
無報告漁業・法律や規則を違反し報告をしない
・嘘の報告をする
無規制漁業・無国籍、当事国以外の船が、規則や海洋資源の保全管理措置に従わずに漁を行う

日本では、無報告漁業にあたる「産地偽装」がおきており、ニュースになりました。熊本県の業者が、外国産のアサリを「熊本県産」と偽ったり、産地を表示せずに販売したりしたのです。さらに、熊本県産と偽った業者は、別の業者にアサリの転売も行っていたとのことです。

この事件は、「業者が産地偽装をしている可能性がある」と情報提供があり、熊本県が調査をしたところ発覚しました。県は業者に対して、法律に基づいた表示の是正や再発防止策などの実施を指示しています。

このような産地偽装が行われる背景には、「国産の水産物の減少」が関係しています。地球温暖化や環境変動などによって国産のアサリが獲れなくなり、足りない分を輸入に頼るため、今回のような事件が発生する確率も高くなっていると考えられています。

持続可能な漁業の実現に向けた取組事例

続いては、持続可能な漁業を推進するために、実際に行われている取り組みを見ていきましょう。

【青森県五所川原市】資源管理によるシジミの漁獲量安定化

青森県五所川原市にある十三湖では、地域の特産物である「ヤマトシジミ」の漁が行われています。この漁は資源保護の観点から、

  • 漁の時期
  • 1日の漁獲量
  • 漁具と漁法の制限
  • 資源保護・ 稚貝発生促進を目的とした、禁漁期や休、 禁漁区の設定

などが細かく決められていることでも有名です。

例えば漁獲の方法は、ジョレンと呼ばれる道具を船や人力で曳く方法を採用。また、禁漁期間や冬季は、畜養シジミを人力で採取しています。

畜養シジミは、春に漁獲したシジミをさらに育てたことにより、栄養と旨味を蓄え、アサリほどの大きさに成長します。値段も、通常より高値で取り引きされるようです。昔の漁業関係者は、暖かい季節にシジミ漁を行い、獲れない冬は出稼ぎにでかけることが一般的でした。しかし、畜養シジミのおかげで、漁のみで生計を立てられています。

このように、十三湖のシジミ漁では、持続可能な水産資源を確保すると同時に、漁業関係者の収入の安定化にも努めているのです。

【ノルウェー】枯渇寸前であった水産資源が回復

漁業や養殖産業が盛んなことで知られるノルウェーですが、かつては乱獲により、水産資源が枯渇寸前になるという危機を体験しています。漁具の進化によって1950年代頃になると漁獲量が増加し、1960年代にはニシンが消えてしまいました。

そのため、ノルウェー政府は1970年代にニシンの漁獲規制を開始。その後、カラフトシシャモやタイセイヨウダラなどの枯渇も起こったため、漁船別漁獲割当(IVQ)や漁具の規制、漁業管理制度の導入、補助金の廃止などが行われました。その結果、水産資源は回復したのです。

当初は漁師たちの反発もありましたが、短期的な利益は失うことになるが、長期的に見ると水産資源は回復し獲り続けられるため、収益も得られると気づき政策を受け入れたそうです。

とくにニシンはIVQを導入したことによって、漁獲量が1990年代半ばから回復しました。これは、漁期の間に漁業者が市場の動向を見ながら漁獲し販売できるため、高価格での販売を可能にし、経費削減と収入増加が見込めることが理由だと考えられています。

【静岡県榛南地域】消失した藻場が復活

藻場は、水質の浄化や生物多様性の維持、海岸線の保全、地球温暖化の抑制などが期待できるため、持続可能な漁業の推進になくてはならない存在です。

そんな大切な役割を担う藻場ですが、静岡県榛南海域では1990年頃から磯焼け(※)が起こり、約8,000ヘクタールあった藻場は、2000年頃にほぼ消失してしまいました。その影響もあり、貝類やアオリイカなどの水産資源も減少、アワビ漁も途絶えてしまいました。

藻場を回復するために、漁業関係者や自治体によって藻場再生プロジェクトが始動。海藻の一種であるカジメをコンクリートブロックに自然着生させ、榛南海域に移植する実験を行い、その他にも、母藻の設置や種苗投入、藻場回復状況のモニタリング、藻を食べてしまう生物の除去作業などを行いました。その結果、2023年時点で870ヘクタールの藻場が回復しました。

(※)磯焼け

藻場が著しく衰退または消失し、貧植生状態になる減少

持続可能な漁業の実現に向けて私たちができること

続いては、持続可能な漁業を実現するために、私たちにできるアクションを見ていきましょう。

海洋資源の現状や問題について調べる

まずは国内外で、どのような海洋資源や漁業に関する問題が起きているのかを知りましょう。持続可能な漁業を推進するためには、「なぜ、持続可能な漁業が推進されているのか」「必要になった原因は何か」など、問題の根元部分を理解しなければいけません。詳細を知らずに、ただ「持続可能な漁業が推進されているから何かする」では、継続した活動につながりにくくなります。

現状を把握し原因を調べることによって、自然と自分に何ができるのかも見えてきます。新聞やニュースで掲載される機会も増えているため、確認してみると良いかもしれません。調べ方がわからない人は、海洋資源や漁業に関する団体や研究所のサイトも覗いてみましょう。

例えば、持続可能な漁業やMSC認証ラベルの推進活動を行う団体「Marine Stewardship Council(MSC)」や、IUU漁業について紹介しているWWFのサイトのページなどがあります。

スペースシップアースにも様々な内容をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

自分が暮らす地域の漁業関係者や専門家について知る

海を職場にしている漁業関係者や、海について研究をしている専門家は、地域の海や生物に詳しい人物であり、どのような課題があるか理解しているはずです。なかには、持続可能な漁業の推進を専門に研究や取り組みを行っている人もいるでしょう。

そういった人たちと接点をもち、現状や課題、取り組みを聞くことによって、地域の海や漁業を守るために、自分は何をすれば良いのか知るきっかけになります。漁業組合や研究所、大学などが開催するイベントやセミナーに足を運んでみましょう。

海のエコラベルがついた製品を選ぶ

海のエコラベルとは、正式名称を「MSC認証ラベル」といい、海洋資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた水産物の証であり、青色の魚のマークが目印です。

海のエコラベルには、養殖に関する「ASC認証ラベル」と呼ばれているものもあります。

ASC認証ラベルは、環境と社会への影響を最小限に抑えた養殖場で育てられた水産物についており、水色の魚のマークが特徴です。

近年、養殖事業は増加傾向にありますが、それに伴い水質汚染や労働環境の悪化など、さまざまな問題が発生しています。このような問題を解決し、養殖場の適正管理を推進するためにもASC認証は必要なのです。

MSC認証ラベルやASC認証ラベルは、第三者機関で審査し厳しい基準を満たした、

  • 天然の海産物
  • 認証を受けた海産物を使用した加工品
  • 缶詰
  • 冷凍食品
  • おにぎり
  • フィッシュバーガー

などについています。

コープイオントップバリュセブン&アイ・ホールディングス、イケアなどが取り扱っているため、買い物をする際は探してみましょう。また大手ハンバーガーチェーンである、マクドナルドのフィレオフィッシュにも、MSC認証を受けたスケソウダラ(白身魚)が使用されています。

関連記事:MSCが推進するMSC認証ラベルとは?商品一覧と日本で普及しない理由

街や海で開催されるごみ拾いに参加する

持続可能な漁業を推進するためには、ごみ拾いも有効なアクションの1つです。近年は、サステナブルやSDGsが広まったことにより、ごみ拾いを行う人も増えてきました。ごみ拾い専用アプリやイベントなども登場しています。

なかには、「持続可能な漁業を推進するために、ビーチクリーンに参加しよう」と行動に移す人もいるでしょう。たしかに、ビーチクリーンも持続可能な漁業のために欠かせないアクションですが、じつは海洋ごみの8割は街(陸)から来ていると言われています。

街中で捨てられたごみは、雨や風などによって排水溝に入り、流され川を通り、やがて海にたどり着くのです。そのため、ごみ拾いをするのであれば海だけではなく、街中(陸)も選択肢にいれましょう。最近は、ゲーム感覚でごみ拾いを行える「スポGOMI」や「清掃中」など、ユニークなイベントも多数開催されています。職場の人や友人などを誘い、参加すると面白いかもしれません。

持続可能な漁業とSDGs

イメージ画像

最後に、SDGsと持続可能な漁業との関係性を確認していきます。

SDGsとは、2015年9月に開催された国連総会にて、193カ国が賛同した国際目標のことです。日本では、「持続可能な開発目標」とも呼ばれており、地球上で起きている、環境・社会・経済の問題を解決するために、17の目標と169のターゲットが設定されています。

そして、持続可能な漁業の割合が増えることにより、

SDGsの

などの達成に貢献できると期待されています。

今回は、そのなかでも特に関わりの深い、目標14について見ていきましょう。

目標14「海の豊かさを守ろう」

目標14は、キャッチコピーの通り、海に関する問題の解決を目指す内容が盛り込まれています。

例えば、

  • 海洋汚染の防止と大幅な削減
  • 海洋酸性化の最小化
  • 海域と沿岸域の保全
  • 海洋や沿岸に暮らす生態系の保全と持続的な管理
  • 海洋資源の生産量を持続可能なレベルまで回復させる
  • 海洋や海洋資源の保全と持続可能な利用の強化
  • 過剰漁業やIUU漁業、破壊的な漁業活動の撲滅

などが挙げられます。

そして目標14のターゲットには、【14.4】【14.6】のように、持続可能な漁業に関するものも含まれているのです。

【14.4】

水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

【14.6】

開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

どちらも「2020年までに」となっていますが、改善されていないため引き続き取り組まなければいけません。改善した際は、持続可能な漁業の実現に近づき、SDGs目標14の達成にもつながると言えるでしょう。

まとめ

水産資源と環境に配慮し、漁獲量や漁業の規模など定められたルールを守り行う「持続可能な漁業」。これから先も水産資源を利用するためには、持続可能な漁業を推進していく必要があります。その他にも、漁業関係者は違法なやり方で漁業を行わないこと、企業は違法な漁業を行う業者と取り引きをしないことなども大切です。

そして私たち個人も、世界や日本の漁業の現状に興味を持ち調べたり、買い物の際は海のエコラベルがついた製品を選択したりするなど、できることをやりましょう。持続可能な漁業の推進は、私たちにも関係があります。政府や漁業関係者、企業のみに任せるのではなく、個人もアクションを起こすことが大切です。小さなアクションを積み重ね、次世代に豊かな海を残しましょう。

〈参考文献〉
SDGs(持続可能な開発目標)|蟹江憲史 著|中央新書
JAPAN SDGs Action Platform|外務省
持続可能な漁業とは|Marine Stewardship Council
今、知っておきたい 海洋ごみの事情|日本財団
「サステナブル・シーフード」とは?|水産養殖管理協議会
MSC「海のエコラベル」とは|Marine Stewardship Council
わたしたちにできること|環境省
藻場の働きと現状|水産庁
静岡県榛南地域:一度は消滅した藻場が復活! 藻場再生の取り組みがJブルークレジットを取得|特定非営利活動法人ブルーカーボン・ネットワーク/未来創造部
ノルウェー型漁業管理は日本漁業の救世主となりえるのか‐出口管理に依存する資源管理の問題点-|東北大学大学院農学研究科東和食品研究振興会
MELジャパン 生産段階取得漁業 概要(十三湖産しじみ漁業)|一般社団法人 マリン・エコラベル・ジャパン協議会
IUU漁業について|WWFジャパン
日本の水産資源・漁業の未来 ―国際的議論と国内の課題―|東京大学大気海洋研究所 牧野 光琢教授
令和3年度 水産白書|水産庁
令和 4 年度 国際漁業資源の現況|水産庁
2022 年の世界の漁業と水産養殖の現状|国連食糧農業機関
「世界漁業・水産養殖白書」(SOFIA)に対するASCの見解|水産養殖管理協議会
危機に直面している海|Marine Stewardship Council
持続可能な漁業とは|Marine Stewardship Council
違法な漁業活動の解決に向けた多国間協力と課題|海洋政策研究所
震災復興から生まれた持続可能な養殖~南三陸戸倉の挑戦~|WWFジャパン