#インタビュー

釣りバカ甲子園 | 釣りを愛する人のため、釣り場の環境保全にも取り組んでいく

釣りバカ甲子園 山本剛さん インタビュー

山本

1978年6月9日大阪府生まれ、2002年関西大学工学部卒。2003年12月より、青年海外協力隊として、ドミニカ共和国にて数学教師として2年間活動を行う。帰国後、大阪府の高等学校講師として1年間勤務。その後教諭となり6年間勤める。2013年4月より中古車輸出業を開業。2014年より輸出用の中古車買い取り専門店、車両輸出代行センターを開始。2019年株式会社Direct Stock Japanを創業。事業をメディア事業に拡大し、2020年より、釣果投稿サイト「釣りバカ甲子園(https://tsuribaka-kousien.com)」の運営を開始した。また、同年中古車買い取り事業をハイエースの買取専門に集約し、屋号を「ボロボロエースカウカウ(https://directstock.co.jp/)」とし、現在に至る

introduction

釣果情報投稿メディア「釣りバカ甲子園」は、自身の釣果情報を投稿し、ユーザー同士で情報を共有できる釣り人専用メディアです。釣りバカ甲子園では、釣り人がよりよい釣り環境を維持するため、海の豊かさを守るために「釣り場のゴミを持ち帰ろう」キャンペーンを実施しています。

運営会社である株式会社Direct Stock Japanの代表取締役でもあり、釣り人でもある山本さんに、釣りバカ甲子園についてお話を伺いました。

釣りバカ甲子園の仕組み「釣りを愛する人が、ますます釣りを楽しめるように」

ー本日は、よろしくお願いします。早速、釣りバカ甲子園とはどんなものか教えてください。

山本さん:

釣りバカ甲子園は、2020年からスタートした釣果投稿メディアです。日本全国の釣りを愛するユーザーが自身の釣果を投稿することで、情報共有にもなり、釣り人同士のコミュニケーションにもなります。

会員登録は無料で、1いいねごとに5ポイントが貯まる仕組みです。1000ポイント以上貯まったら、Amazonギフト券と交換できるようになっています。たくさんアクセスを集めた人は、各都道府県の代表になることができ、サイトの目立つ位置に記事が掲載されるような仕組みにしています。

釣りを愛する人々が、釣りの情報交換ができて、交流することでさらに釣りを楽しんでいただきたいと思い、始めました。

私自身がもともと釣りが趣味だったので、このサイトを始めたのですが、釣り人にとって「情報」は命なんです。釣りとは、釣り場に行けば必ず釣れるものではありません。「昨日この釣り場で、あの魚がよく釣れた」「こっちの釣り場はあの魚が釣れるらしい」という情報を頼りに、釣り場に出かけるんです。

他にも釣果投稿サイトはあるのですが、多くは釣り具屋さんが現場に行って、そこにいる人たちにインタビューして情報を載せています。でも、それだと情報を提供した釣り人は、情報をあげる一方向のコミュニケーションで終わってしまいます。

情報を提供した釣り人にもメリットがあり、活発に情報共有できる場が実現できたらいいなと思い、始めたのが釣りバカ甲子園です。

釣りバカ甲子園を2020年から始めて、現在登録者数は約2000人です(2022年7月現在)。サイトのアクセス数は、月間10万PVほど。釣りのシーズンは6〜12月頃までです。この時期以外のオフシーズンは、釣果投稿もPV数も減ります。もっと周知して、多くの人に利用されるサイトに育てていきたいですね。

釣りバカ甲子園のSDGs活動 目標14「海の豊かさを守ろう」に貢献する

ー「釣り場のゴミを持ち帰ろう」キャンペーンについて教えてください。

山本さん:

釣り場にあるごみを持ち帰り、そのビフォーアフターの写真を撮って釣果投稿と同じようにサイトに投稿することで、釣り場の環境整備を目指すキャンペーンです。「#SDGs」をつけて投稿していただき、通常の釣果投稿と同じように、いいね数にポイントがつきます。

このキャンペーンはSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」に貢献する取り組みです。私自身もともとSDGsに関心はあり、何か貢献をしたいと考えていました。

自分自身や会社の従業員たちで海のごみ拾いをすることはできますが、それだと限定的な効果しかありません。そこで、全国にユーザーがいる釣りバカ甲子園を活用すれば、より影響力のある活動ができると考え、このキャンペーンを始めました。

キャンペーンを始めた当初は、なかなか利用者がおらず苦戦しました。しかし、最近になって少しずつ投稿が増えてきているので、もっと周知の努力を継続していきたいと思っています。

背景にあるごみ問題と釣り場の減少

ー釣り場にごみを放置する人が増えているのでしょうか?

山本さん:

近年、コロナ禍の影響で「釣りは三密を回避できる」ことも理由の一つとして、釣りブームになっています。実際、釣り具メーカーの売り上げも伸びているんです。

釣りを趣味にする人が増えたこと自体は喜ばしいことなのですが、釣り人口が増えるに伴ってマナーの悪い人も一定数いるのが現状です。

釣り糸は、魚がかかったときに簡単に切れると困るので、とても頑丈で切れにくい素材です。プラスチック素材の釣り糸もあり、釣り糸を放置してごみとして海に流れてしまうと、海や海洋生物へのダメージが深刻になります。釣り糸がウミガメに巻きつくと簡単には取れないですからね。

ごみ問題が原因で、釣り場が閉鎖されてしまうケースもあります。釣り糸の放置も問題ですが、エサを放置すると悪臭がひどいんです。ごみが放置されていると、人は心理的に「ここはごみを捨てていいんだ」と考えてしまい、悪循環になってしまいます。

もともと都市部は地方に比べて釣り場が少ないのですが、一部の人のマナーが原因で釣りができる場所がなくなってしまうのは悲しいことです。

ごみ問題が大きくなれば、釣りや釣り人そのものへの印象も悪くなります。今後も、釣りを愛する人が釣りを楽しむためにも、地球環境を守るためにも、ごみを持ち帰りきれいに保つことは、釣り人の責任だと考えています。

そのため、釣りバカ甲子園の「釣り場のゴミを持ち帰ろう」キャンペーンに参加してくれる人が増えることを願っています。

持続可能に、釣りを楽しむ人のために活動していく

ー今後の展望について教えてください。

山本さん:

前述したように、釣果投稿サイトは他にもあります。その中でも「釣りバカ甲子園」が一番知られているサイトになることが目標です。

現在、釣りバカ甲子園は本業の収益を使って運営しています。今後はメディアとして力をつけて、釣り業界の宣伝の媒体となることを目指しています。釣り関係の事業者から月額費用をいただくような形で、釣りバカ甲子園単体できちんと収益化して、継続していきたいですね。

また、SDGsやゴミ問題にも継続して取り組んでいきます。今は釣りという趣味自体がピンチなんです。釣りができる場所がなくなってしまったら、継続できないですからね。単純に釣りはすごくおもしろいから、釣りを楽しむ人が増えてほしい。そのためにも、釣り場や海の環境を守り、持続可能な釣り環境を維持していきたいです。

ー釣り自体を守るためにも、一人ひとりの環境意識が大事ですね!本日は、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!

関連リンク

釣りバカ甲子園公式サイト:https://tsuribaka-kousien.com/