#インタビュー

株式会社ベクトル|アジアNO.1のPR会社の強みを活かしたSDGs/ESG戦略とは

株式会社ベクトル|インタビュー

企業支援を通して事業展開する ベクトルグループ

–はじめに、事業・サービス内容・特徴について教えてください。

ベクトルグループ:

私たちベクトルグループは、アジアNO.1のPR総合PR会社*で、モノをヒロメル支援を図る「PR COMPANY」、人事・採用面での支援を図る「HR COMPANY」、新規事業の創出を図る「COMPANY FACTORY」、投資事業の成長を図る「INVESTMENT」の4つの事業領域により顧客企業の成長を支援する事業を展開しています。

*グローバルのPRメディア「PRWEEK」によるトップコンサルタント企業アジアパシフィックランキング(2020)で1位

–それぞれの事業が支援を軸に置かれているのですね。それぞれどのような支援を行っているのでしょうか。

ベクトルグループ:

「PR COMPANY」領域においては、戦略PR施策のみならず、Webマーケティングやクリエイティブ、動画、アドテクノロジー、さらにはタレント・インフルエンサーキャスティングなど、様々なソリューションを活用し、コスト10分の1で一瞬で”いいモノ”を話題化させる支援を行っています。

また、「HR COMPANY」領域においては、昨年11月に、会社動画が見放題の採用マッチングプラットフォーム「JOBTV」をローンチし、現在では1,000社以上の企業にお使いいただいています。

「INVESTMENT」事業では、これまで27社のIPO実績があり、投資とPR・IRで企業の成長をバックアップしています。

ESGの観点からの企業・団体支援も

–ベクトルグループではESG※にも注力されていると伺っております。具体的なサービス内容を教えてください。

ESGとは

環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を合わせた言葉。企業が長期的に成長を続けるためには、ESGの3つの観点が必要だという考え方に基づいています。ESG経営をすることでSDGs達成につながるほか、より良い経営をしている企業として評価されやすくなります。

ベクトルグループ:

海外では、英語のAI解析によるESGスコアリングツールが多用されている一方、日本でスタンダートとなるスコア指標が存在しない中、ベクトルでは、産学連携で日本語処理能力を持つESGスコアリングサービスを開発しました。そして、企業が社会との持続的な関係構築をおこなっていくために、スコア分析のうえ、マテリアリティ策定、施策の実行、報告を通じ、プロジェクトのPDCAサイクルを設計しています。

–ESGスコアリングサービスとはどのようなものでしょうか。

ベクトルグループ:

2020年4月より、企業のESG投資分野における先進的な研究と活動をされている九州大学の馬奈木俊介教授と連携し、サービスを共同開発する産学連携プロジェクトを開始しております。共同開発したスコアリングツールを用いて、企業の開示情報をESG各項目に分類し、それらの重要度に応じて設定した変数を掛け合わせることで企業のESGスコア算出が可能になり、現在はESGスコアの内訳や詳細情報を記したスコアリングレポートを提供しています。

–スコアリングレポートはどのように活用されていますか。

ベクトルグループ:

SDGs/ESG PRコンサルティングとして活用しています。ESG Scoring Serviceおよびこれまで培ってきたPRの知見を掛け合わせ、企業の取り組みをより多くのステークホルダーに届けるための活動をします。

本質的な社会課題解決に向けて発足した支援型のプロジェクト

–ベクトルグループがESGや企業支援を軸に事業展開をするようになったのは、どのような背景があったのでしょう。

ベクトルグループ:

私たちベクトルグループは、これまでESG分野に関わるコンサルティングのご依頼を多くいただき、適切な分析を通じ、社会課題に向けた本質的な取り組みの提案を実施してきました。

多数の企業・国・団体の方を本質的にご支援させていただく立場にある私たちだからこそできることがあるのではないかと再認識し、2021年10月、これまでのSDGsに関する取り組みや提供サービスを公開するとともに、今後の目標を再度具体的に設定する「Vector SDGs PROJECT」を発足しました。

Vector SDGs PROJECT

画像提供:ベクトル・グループ

–Vector SDGs PROJECTについて伺います。プロジェクトの特徴と、SDGsを達成するための具体的なゴールとして、どのような目標を設定されているのか教えていただけますか。

ベクトルグループ:

自社で達成すべきマテリアルを設定し、企業・団体のESG/SDGsの取り組みに伴走するプロジェクトです。ここからは、プロジェクト内で展開するサービスをSDGsに関連付けてご説明しますね。

SDGs/ESG PRコンサルティング (SDGs目標17)

上記で説明した、他社へのサービス提供を通じた取り組みです。SDGs/ESGコンサルティングは2025年までに500社、ESGスコアリングサービスは300社導入を目指します。

ベンチャー支援によるイノベーションの創出(SDGs目標8,17)

SDGs/ESGへの取り組みに積極的なベンチャー企業を支援し、企業のイノベーションを創出します。これにより、課題解決や社会貢献の促進を目指します。

先進性や創造性を発揮する人材育成(SDGs目標3,8)

PRのプロフェッショナル人材育成や柔軟なキャリアステップの実現を目的とした、ベクトルグループ独自の「プロフェッショナル研修」を実施しています。切れ目の無い研修フォローにより、キャリア形成を支援し、先進性や創造性を発揮する人材を育成しています。

また、ベンチャー教育や起業家支援により今後の未来を担う人材の成長を支援するアントレプレナー制度を設置しています。

D&Iの推進(SDGs目標5,10)

あらゆる声が受け止められ、皆がありのままでいられる居場所がある「Belonging」信頼の文化を醸成し、ダイバーシティ推進と関連させ「Diversity & Inclusion & Belonging 」の実現を目指しています。女性活躍推進、海外展開、多国籍なバックグラウンドの社員登用を推進。現時点ですでに男女比45:55、女性管理職比率38%、障害者雇用率2.6%、11か国の国籍を持つ社員雇用を達成しています。

また、民間発の家族関係証明書(パートナーシップ証明書)Famieeを導入しており、グループ社員は、公的機関の証明がなくとも、福利厚生におけるお祝い金や扶養手当や補助、育児休暇などの各種社内制度が受けられる対象となることができます。

平等な社会の構築 (SDGs目標8,10,17)

出資先企業である障害者雇用バンクとともに、障害者雇用の推進を啓蒙。グループとして持続可能な成長と、平等に機会が与えられる社会の実現を目指しています。

環境への貢献(SDGs目標12,13,15)

気候変動リスクに対する開示・努力宣言や、環境負担を軽減する事業展開、社員の意識改革により、持続可能な社会を目指しています。

日本の企業が抱える課題も明白になってきた

–Vector SDGs PROJECTの取り組みを展開される中で、見えてきた課題などはありますか?

ベクトルグループ:

ESG /SDGs経営に取り組んでいるにも関わらず、PR不足により、社内外のステークホルダーに認知されていない企業が多いこと、目標を掲げても本質的な課題設定がなされておらず形骸化してしまっているケースが多いことが、日本の企業に多いことがに課題であると認識しています。

アジアNO.1のPR会社として、社会課題解決に取り組み続ける

–最後に、今後の展望について教えてください。

ベクトルグループ:

ESG/SDGs PR を正しく理解し、自社の現状を正確に分析したうえで課題を抽出するために、クライアント企業様とパートナーシップを構築し、ESG/SDGsの観点から独自のKPIスコアを活用し、 現状理解と理想のゴール設定、社会環境の調査、ステークホルダーのインサイト分析、メディア論調分析等をおこない、 将来を見据えた企業の社会的価値を創造するためのコアバリューを立案しています。

また、それぞれの経営戦略に基づきコミュニケーション戦略設計への落とし込みを行い、最適なPR施策(コミュニケーション)を実行します。

さらにはアジアNo.1のPR会社として、ベクトルグループがこれまで培ってきたPRのノウハウを生かし、多くの企業のESG /SDGsの取り組みを促進させ、SDGs/ESGを世の中に広く啓蒙・浸透さることで、社会課題解決に寄与することを目指します。

–さらなるご活躍を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

関連リンク

ベクトルグループ:https://vectorinc.co.jp/sdgs

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000332.000000204.html