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オゾン層保護へのグローバルな協力は、私達全員のより良い未来を保証するものだ

オゾン層を保護するためのモントリオール議定書が世界オゾンデーである金曜日に35歳になるにあたり、国連は、この条約の採択と成功につながったレベルの協力を継続することが、地球上の生命を守り、気候危機を終わらせ、我々全員のために明るい未来を確保するためにまさに必要なことであると述べた。

国連環境計画(UNEP)は、モントリオール議定書を環境条約として最も成功したものと評価し、この議定書の採択により、人類が直面する最大の脅威の一つであるオゾン層の破壊に終止符が打たれたと述べた。

「エアロゾルや冷却に使われるオゾン層破壊ガスが空に穴を開けていると分かったとき、世界は団結しました。」と同機関は報道声明で述べ、さらにこう付け加えた。「多国間主義や効果的な国際協力が機能することを示し、これらのガスを段階的に削減したのです。今、オゾン層は回復しつつあり、再び人類を太陽の紫外線から守ることができるようになりました。」

大惨事を回避

この行動によって、それ以来何百万人もの人々が皮膚がんや白内障から守られてきた。また、重要な生態系を存続させ、繁栄させることができた。地球上の生命を守ることができたのだ。そしてそれは温暖化を遅らせた。もし、オゾン層破壊物質が禁止されていなかったら、今世紀末までに地球の気温はさらに2.5℃上昇すると見られていただろう。

UNEPは、「これは破滅的な事態となったでしょう。」と語った。

国連事務総長のアントニオ・グテーレスは、世界オゾンデーに寄せたメッセージの中で、科学が私達全員が直面している脅威を発見したとき、各国政府とそのパートナーが行動を起こしたので、議定書は成功したのだと述べた。

「モントリオール議定書は、多国間主義を実践する強力な例です。紛争から貧困の拡大、不平等の深化、気候の非常事態まで、世界が直面する多くの問題の中で、共通の利益のために協力することで成功できることを思い出させくれます。」と国連事務総長は語った。

議定書にはまだ多くの価値がある

グテーレス氏は、モントリオール議定書はすでに気候危機への取り組みに貢献しており、実際、植物を紫外線から守り、生かし、炭素を蓄えることで、最大で1℃余分に地球温暖化を回避していると述べた。

「議定書のキガリ修正条項により、気候加熱ガスを段階的に削減し、エネルギー効率を向上させることで、気候の崩壊をさらに遅らせることができます。しかし、モントリオール議定書の協力と迅速な行動を他でも真似ることによってのみ、私たちの世界を危険なほど加熱している炭素汚染を止めることができるのです。私達は、集団行動か集団自殺か、という選択を迫られているのです。」と警告した。

UNEPは、モントリオール議定書にはまだ多くの価値があると述べている。キガリ修正条項の下、各国はハイドロフルオロカーボンの段階的削減を約束しており、これにより今世紀末までに最大0.4℃の地球温度上昇を回避することができる。議定書とその修正条項は、世界が気候に優しくエネルギー効率の高い冷却技術を導入するのに役立っている。

これは人類にとってどのような意味を持つのだろうか?UNEPは、国際社会がオゾン層を保護し続けることで、議定書が私達や地球上の全ての生命を守り続けることになると述べた。

「また、より多くの国が修正条項を批准することで、より涼しい地球となります。つまり、地球をこれ以上温暖化させることなく、より多くの人々が重要な冷却技術にアクセスできるようになるのです。また、それは議定書が明確かつ永続的なメッセージを送り続けることを意味します。地球上の生命を守るための世界的な協力こそが、全ての人にとって明るい未来を手に入れる最高のチャンスなのです。」と UNEP は結論付けた。

この記事はUN NEWSの記事を翻訳したものです。

Original article: https://news.un.org/en/story/2022/09/1126841

公開日:2022/09/16