国連貿易総局長のレベッカ・グリンスパン氏は、7月22日の穀物取引以来食料価格が着実に下がり、ウクライナとロシアからの輸出が増加し、「生活費の上昇、特に食料価格の上昇に直面していた世界の16億人の…痛みを緩和しています 。」と報告した。
世界中の弱い立場にいる人々への恩恵
ジュネーブで記者会見したグリンスパン氏は、ロシアからの食糧と肥料の自由なアクセスを促進する国連チームのリーダーとして、国際連合食糧農業機関(FAO)が8月に世界の食糧価格が5ヶ月連続で下落していると報告した、と述べた。「穀物と肥料を世界市場に再統合し、世界の食料価格を下げることで、世界中の弱い立場の人々が手頃な価格の食料を入手できるようにすることが、我々の主な目的でした。」
しかし同時に、この国際的な価格低下が国内市場に反映されず、特に発展途上国は依然として食料価格の高騰やインフレ、通貨切り下げに悩まされていることに懸念を示した。「多くの発展途上国にとって、私たちが望んでいるほど価格が下がっていないため、まだ問題が残っているのです。だから、もっとやるべきことがたくさんあります。」
肥料出荷が取引の鍵
ロシアの肥料の出荷が遅れているという報道に関する質問に対して、グリンスパン氏は、肥料とアンモニアもトルコで締結された最初の協定に含まれていると述べた。
「国連はロシアの国際市場へのアンモニア輸出について、前向きな結果を可能にするためのあらゆる努力を追求し続けます。」と述べ、肥料は「この取引において非常に重要な部分です。」と強調した。肥料は現在、COVID-19の大流行前の3倍の価格になっているので、「肥料の問題を解決しなければ、今ある値ごろ感の危機は破滅的な危機となるでしょう。」と述べた。
例えば、国連貿易開発会議(UNCTAD)の責任者でもあるグリンスパン氏は、西アフリカでは新しい作物の種まき時期が終わり、肥料代のために作付けが非常に減少しているとした。
アンカラからビデオ会見に参加した黒海穀物イニシアティブの国連コーディネーター、アミール・アブデュラ氏は、280万トン以上の穀物を積んだ満船129隻が、ウクライナの黒海指定3港から各国に向けて出港したと述べた。
出荷数の増加に向けて
「300万台まであと少しです。うまくいけば、翌日かあるいはそのくらいに達成できるででしょうし、このペースでは、ほぼ3週間以上かかってしまいました。」と述べた。また、「本当はもう少し増やしたいのですが。ですので可能であれば恐らく導入してみる必要のある効率性があります。しかし、もしこのレベルを維持すれば、この契約の部分については、ほぼ予想通りの結果となります。」とも述べた。
グリンスパン氏の指摘を受け、「現地の価格に問題がある場合もあるが、価格が下がったことで興味深い現象が起きています。ある国やある国では、この下落でこれまで穀物を買いだめして高値で売りたいと思っていた人が、市場に多く出しています…。」「その結果、現地の価格が下がればいいのですが。」と発言した。
The Black Sea Grain Initiative aims to improve global food supply and calm markets. So far 2.7 million metric tons of grains & foodstuffs have been exported through this unique operation. The Food Price Index has decreased by nearly 14% from its peak in March this year. pic.twitter.com/DreyY68ZtE
— UN Geneva (@UNGeneva) September 13, 2022
この記事はUN NEWSの記事を翻訳したものです。
Original article:https://news.un.org/en/story/2022/09/1126571
公開日:2022/09/08