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【県別特集】埼玉県のSDGsの取り組みを紹介 

「SDGs」という言葉を耳にしたことがあっても、「何をすればいいの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

実は、私たちの身近な企業が、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。

そこで、この連載では県ごとに企業の事例を特集。今回は埼玉県を取り上げます。

地域に根ざした企業の取り組みが、あなたの行動のヒントになるかもしれません。ぜひご一読ください!

埼玉県のSDGs

埼玉県では、地域全体で持続可能な社会の実現を目指し、さまざまな取り組みが進められています。

その象徴的な取り組みの一つが「彩の国埼玉環境大賞」です。

この賞は、環境保全やSDGsに積極的に取り組む個人、団体、事業者を表彰し、その功績を称えるものです。

主催は埼玉県、テレビ埼玉、埼玉県地球温暖化防止活動推進センターで、地域の環境意識を高め、行動を促進することを目的としています。

こうした取り組みは、地域社会におけるSDGs達成への大きな一歩となっています。

埼玉県で行われている具体的な取り組みを紹介

では、実際に埼玉県で行われているSDGsの取り組みについてみていきましょう。

うらわ自然観察会

うらわ自然観察会は、植物や鳥、昆虫などの自然観察を通じて、自然への理解と共感を広めることを目的とした団体です。

1996年4月に設立された浦和自然観察会を引き継ぎ、2024年4月から新たな形で活動をスタートしました。

主な活動拠点はさいたま市桜区の荒川河川敷にある秋ヶ瀬公園ピクニックの森で、ここは関東最大級の規模のハンノキ林を有する貴重な自然環境です。

会では定期的な自然観察会を開催し、地域住民や会員が自然と触れ合う場を提供しています。

具体的な取り組み内容

うらわ自然観察会では、自然観察会を開催するほか、秋ヶ瀬公園管理事務所や他団体との協力のもと、県蝶のミドリシジミの食草となるハンノキ林を再生するプロジェクトや、荒川の後背湿地に生育する希少植物の保全活動などを行っています。

  1. ハンノキ林再生プロジェクト
    ハンノキ実生苗の植樹や萌芽再生を行い、ミドリシジミが食草として利用しやすいハンノキ林の保全に努めています。
  2. 秋ヶ瀬フローラプロジェクト
    公園内の一角に生物多様性エリアを設定し、年数回の刈り払いを行い、荒川河川敷でかつて普通に観察することができた植物種を保全する活動を行っています。
  3. 外来種の除去
    在来種の生態系を脅かすオオブタクサ、アレチウリ、セイタカアワダチソウなどの外来種を取り除く作業を定期的に実施。これにより、貴重な生態系を守るための環境整備を行っています。

これらの取り組みは、地域住民や参加者が自然への理解を深めるだけでなく、次世代へ豊かな自然環境を継承するための重要な活動です。

また、埼玉県生物多様性保全活動登録団体としても認知されており、他団体とも協力し会員以外の方々も巻き込みながら、活動の広がりを見せています。。

浦和自然観察会の基本情報

名称うらわ自然観察会
代表者名会長 加藤 紀夫
住所さいたま市浦和区
URLhttps://urawa-nature.jimdosite.com/

特定非営利活動法人小川町風土活用センター

特定非営利活動法人小川町風土活用センター(NPOふうど)は、地域の自然エネルギーを活用し、持続可能な地域社会の実現を目指す団体です。

1996年に有志によって「小川町自然エネルギー研究会」として設立され、2002年に法人化されました。

その活動は、太陽光、風力、水力などの自然エネルギーの利用推進や、生ごみ資源化事業を中心とした地域の資源循環システムの構築に重点を置いています。

特に、小川町環境基本計画に基づくバイオガスプラント事業では、地域の農業と密接に連携し、環境保全と地域活性化を両立する取り組みを展開しています。

第6回彩の国埼玉環境大賞を受賞した実績を持ち、地域に根ざした独自の活動が評価されています。

 具体的な取り組み内容

小川町風土活用センターは、地域資源を活用した「生ごみ循環資源化事業」を中心に、地域社会と環境に貢献する活動を展開しています。主な取り組みは以下の通りです:

  1. 生ごみ循環資源化事業の推進
    平成13年より小川町と連携して、町内100世帯の一般家庭から集めた生ごみをバイオガスプラントで発酵させ、バイオガスと液体肥料を生成しています。この液体肥料は地域の農家で有機野菜栽培に活用され、収穫された野菜は家庭で再利用されることで、地域内での資源循環を実現しています。また、協力世帯には地域通貨「FOODO」を提供し、地元産の有機野菜の購入に利用されています。
  2. 資源循環の拡大計画
    現在の対象世帯を300世帯まで拡大し、地域全体での資源循環をより強化する計画を進めています。これにより、生ごみ処理費用の削減や、持続可能な農業の促進を目指しています。
  3. 地域資源を活用した啓発活動
    「里山ぐるぐるツアー」などの体験型イベントを通じて、液体肥料の活用現場やバイオガスプラントを見学できる機会を提供。参加者に資源循環の重要性を実感してもらうことで、地域全体の環境意識を向上させています。
  4. 持続可能なシステムの維持と改善
    現在使用中のバイオガスプラントの老朽化対策として、新設備の導入を検討しています。また、過去に行っていた家庭からの生ごみ回収を再開し、地域住民の参加を促す取り組みも模索しています。

これらの活動を通じて、小川町風土活用センターは地域社会と自然が調和した持続可能な未来の実現を目指しています。

特定非営利活動法人小川町風土活用センターの基本情報

名称特定非営利活動法人小川町風土活用センター(NPOふうど)
代表者名代表 桑原 衛
URLhttps://foodogawa.jimdofree.com/

まとめ

今回は、埼玉県のSDGsに貢献する企業の一例として、浦和自然観察会と小川町風土活用センターの取り組みを紹介しました。

それぞれが地域に根ざし、自然保護や資源循環を通じて持続可能な社会の実現を目指しています。

これらの活動は、SDGsの目標が地域レベルでどのように具体化されているかを示す良い例です。

私たち一人ひとりの行動が未来を形作ります。

身近なところからできることを見つけ、持続可能な社会への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。