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急成長する国々で循環型経済解決策がSDGsに拍車をかける

この記事はIISDの許可を得て翻訳したものです。

Original article: https://sdg.iisd.org/news/circular-economy-solutions-help-achieve-sdgs-in-fast-developing-countries/

2022/08/24

MEMO

研究者と専門家のグループが、新たな戦略、画期的な技術、管理方法、実例をまとめた記事を公表しました。これにより循環型経済の発展を支え、天然資源の持続可能な活用を可能とし、2030年までの到達目標であるSDGsの取り組みに役立つとされています。

第16回ICWMTで開催されたSDGsに関する廃棄物管理の国際協力会議で議論された内容がまとめられています。会議は革新的な循環型経済の解決策に焦点を当て、急成長する国々での3R政策と取り組みを浮き彫りにしました。

専門家たちは、これまでの直線型経済モデルである「一方通行的な取り組み」と、循環型経済モデルである「循環する取り組み」を比較しています。また、「閉鎖環」を生み出すことで、バージン資源の必要性を極力減らしたり、資源とゴミの扱いを見直してコスパのいい製品を再設計し、新たな仕事が生まれて革新を促進するような”絶好の機会”を循環型経済がもたらしてくれると強調しています。

記事には、廃棄物をなくすための循環型経済解決策として以下が挙げられています。

>廃棄物管理の革新的な手段により、製品やサービスの環境への影響を減らす。すなわち、シェアバイクやコンテナを再利用したEco-LooBoxと呼ばれるバイオトイレ、そして「一帯一路構想の持続可能なインフラ計画」により、水や電力不足に悩む地域のSDGsを加速させる「共有経済」構造を含む。

>中国の海洋プラごみへの対策として、内モンゴル自治区のマルチフィルム収集や、海口のオンライン速達便に使用されるプラスチック製梱包資材の再利用、海南省のゴミ釣り案

>経済的利益を除くフードロスへの対策は、食料廃棄予防や削減政策の経済予測不足により限定的となっている。

>「後期衰退」の持続可能な循環型経済への組み込み

>循環型経済への自然に基づく解決策の寄与

記事の表紙には事例研究が特集されています。フィリピンの生物分解性廃棄物の管理システム、バングラデシュによる都市廃棄物管理活動、ギアナの持続可能な廃棄物管理など。

SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」と目標11「住み続けられるまちづくりを」またはその他の目標の達成に向けた戦略に基づき、タイの循環型経済戦略、中国による天然鉱物の都市鉱山などが挙げられています。

循環型経済へ移行することにより、資源や製品の高水準を維持し無駄を削減することが可能となります。また、資源効率を最大限利用し環境汚染や排出を極力削減することで、廃棄物ゼロ社会へ発展を遂げる手助けとなります。

それと同時に、研究者たちは通称POPsと呼ばれる汚染物質を含む廃棄物を、特に懸念すべき問題として訴えかけているのです。それには、より害の少ない化学製品の設計に役立つ「グリーンケミストリー原則」や、環境衛星への容認できないリスクを排除する安全な物質循環が有用だとしています。また、PPPsが提唱する政府の政策である3Rに注目し、天然資源の活用を促しSDGsを成し遂げる手助けとなるのではないかと強調しています。

(掲載元:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2773167722000012?via%3Dihub#!)