公害と気候変動による「気候ペナルティ」のリスク増加

青空のための国際クリーンエアデーである水曜日に発表された世界気象機関(WMO)の新たな報告書によると、熱波の頻度、強さ、持続時間の増加は、今世紀中に山火事を増加させるだけでなく、大気質を悪化させ、人間の健康や生態系に害を与えるだろう。とのことである。

WMOのペッテリ・タアラス事務総長は、「地球温暖化に伴い、低排出量シナリオであっても山火事やそれに伴う大気汚染は増加すると予想されています」と述べた。「人間の健康への影響に加え、これは大気汚染物質が大気から地表に沈降することで生態系にも影響を与えます。」とのことだ。

「未来への予兆」

WMOが毎年発行する大気質と気候年報は、公害と気候変動の相互作用により、何億人もの人々に「気候ペナルティ」が課されると警告している。

大気質の現状と気候変動との密接な関連性を報告する他、その年報は温室効果ガス排出量の多いシナリオと少ないシナリオのもとで大気質がどのような結果になる可能性があるのかを探っている。

昨年の山火事による煙の影響が今年の熱波の増加に貢献した。

タアラス氏は、ヨーロッパや中国での2022年の熱波を指摘し、安定した高い大気状態、日照、低い風速が「高い汚染レベルを助長している」と説明した。

「これは未来への予兆です、なぜならこれは『気候ペナルティ』として知られる現象である、大気環境が更に悪化することにも繋がる熱波の頻度、強度、期間がさらに増加が予想されるからです。」

「気候ペナルティ」は、特に人々が呼吸する空気に影響を与える気候変動の増加を指す。

大気汚染物質

気候変動によるペナルティが最も強いと予想される地域は主にアジアで、世界人口のおよそ4分の1が住んでいる。

気候変動はオゾン汚染を悪化させ、何億人もの人々の健康に有害な影響を与える可能性がある。

大気質と気候は相互に関連しているため、一方が変化すれば、必然的に他方も変化する。

年報は化石燃料の燃焼により窒素酸化物が排出され、これが太陽光と反応してオゾンや硝酸塩エアロゾルを形成することがあると説明している。

同様に、これらの大気汚染物質はきれいな水、生物多様性、炭素貯蔵を含む生態系の健全性に悪影響を及ぼす可能性がある。

今後の展望

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書では、今世紀中の気温上昇に伴う大気質の変化についてシナリオが示されている。

温室効果ガスの排出量が多いまま、21世紀後半に地球の気温が産業革命前より3℃上昇した場合、地表のオゾン濃度はアジアを中心とした汚染度の高い地域で上昇すると予想されている。

これには、パキスタン、インド北部、バングラデシュで20%、中国東部で10%の急増が含まれる。

化石燃料の排出は、オゾンの増加を引き起こし、熱波を誘発する可能性が高く、それが大気汚染を増幅させることになる。

従って、気候変動によってますます一般的になっている熱波は、大気質を悪化させ続ける可能性が高い。

低炭素シナリオ

これを避けるために、IPCCは気温の低下に先立ち、短期的に小さな温暖化を引き起こす低炭素排出シナリオを提案している。

このシナリオに沿った未来の世界では、生態系にダメージを与える窒素や硫黄の化合物が大気から地表に出るのを抑えられるというメリットもある。

世界中のWMOの観測所は、提出された将来の排出量削減に対する大気質と生態系の健全性の反応を監視する。

これが気候変動を抑制し、大気の質を改善するために考案された政策の効果の定量的な評価を可能にする。

この記事はUN NEWSの記事を翻訳したものです。

Original article: https://news.un.org/en/story/2022/09/1126141

公開日:2022/09/07