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スーダンへの帰国成功|移民と難民

母国に戻る移民は、生活を立て直す際に、しばしば重大な困難に直面する。エジプトでファティーマを取り巻く環境がかなり厳しくなった時、彼女は母国であるスーダンに帰ることにした。国連の支援のおかげで、小さいながらも仕事を始められ、今は家族を養うことができている。

49歳のファティーマを置いて、主人が去った後、4人の娘たちにとって、彼女が大黒柱となりました。彼女たちのより良い将来のために、特に幼い2人だけを連れて、2017年にエジプトへ移住した。

当時、私は移住にふみきったが、子どもたちの為に成功しようといつも思っていた。だからこそ、2人の子どもたちを残して移住することは苦渋の決断だった。

ファティーマはエジプトでは、ほとんどの雇用主が年齢を理由に彼女を雇わないような短期の仕事でなんとか暮らしていた。

「雇用主は私に歳を取りすぎているので、仕事にふさわしくないと言ったけれど、17歳の私の娘が求人に応募した時には若すぎると言った。」とファテーマは語った。

コロナウィルス感染症が発症する以前から、エジプトや他の場所に移住した人々はすでに苦しかった。

感染爆発後、事態はさらに悪くなり、ファティーマと娘たちはなんとかやりくりしていた。「私たちはさらに苦しくなったし、誰も手を貸してくれる人はいなかった。」と当時を思い出しながら話した。

<スーダン、ハルツーム>

国連は社会復帰を支援した

エジプトにあるスーダン人のコミュニティーを通して、国際移住機関(IOM)による帰国志願者の支援や社会復帰プログラムについて知り、スーダンへ戻ることがひとつの選択になるとファティーマは考えた。

2021年6月、IOMはエジプトで行き詰まって苦しんでいるファティーマや他のスーダン人の帰国を手配し、帰国後も経済的・社会的に復帰する為に必要な金額を支援した。

スーダンでは、紛争による国民の移動、気候、社会文化的要因、食糧不安の悪化などの複雑な課題に直面しており、コロナウイルス感染症の社会経済的影響は、すでに高騰した食品価格、医薬品や他の商品までもより悪化させている。さらに、失業率の上昇、輸出額の低下をもたらしている状態だ。

成功した起業家

ファティーマは受け取った支援金を利用し、小さな商売を始めることができた。IOMは国民健康保険の登録も支援しており、それはファティーマだけでなく、プログラムを通して教育支援を受けた2人の娘も対象となっている。

IOMの現金支援によって、ファティーマのスーダンでの社会復帰を早く柔軟に対応できた。そして彼女だけでなく、同じ状況であった他の人々も、彼らが始めたい仕事を選ぶことができた。

ファティーマは家庭道具を売る仕事を始めた。

「1ヶ月足らずで支援を受けられたからこそ、自分の仕事を始められた。」と彼女は語っている。

もっと大きなビジネスにするために、患者やお見舞いに来た人ためのカフェテリアがない近所の医療機関に、調理済食品を売り始めた。「私の仕事は順調よ。今は子どもたちを養うことが出来る。スーダンに戻ったことは、私が経験した中で最も良いものだ」とファティーマは話した。

この記事はUN NEWSの記事を翻訳したものです。

Original article: https://news.un.org/en/story/2022/09/1125732

公開日:2022/09/05