アグロフォレストリーとは?メリットや課題・SDGsとの関係も

近年、気候変動の影響や、世界中で森林が急激に失われていることで、農業も大きな被害を受けています。私たちの暮らしと食糧危機が本格的に危ぶまれる中、森づくりと食糧の確保を同時に実現できる方法として注目を浴びているのが「アグロフォレストリー」です。

本記事では、そんな一石二鳥の注目ワードについて、

  • アグロフォレストリーとは何か?
  • メリットや課題
  • 実際の例

などを見ていきます!

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)

アグロフォレストリーとは?

アグロフォレストリー(Agroforestry)とは、森林農法のことで、Agriculture(農業)とForestory(森林)を掛け合わせた言葉です。

ひとつの土地に樹木と農作物を一緒に植え、植物同士や生態系の相互作用によって、農業と林業・畜産業を同時に行うことを指します。従来の農業のように、森林を切り開いて畑を作る必要がないので土地が荒廃する心配もありません。

また、他の植物が土壌のバランスを整えてくれるため、基本的に農薬・肥料は不要なのも特徴です。

3つのタイプに分けられる

アグロフォレストリーは、植える植物の種類や気候条件によって、3つのタイプに分けられます。

  1. 農林複合システム:樹木及び農作物を同時に生産。
  2. 林畜複合システム:樹木と飼料用作物又は林間での家畜の放牧を組み合わせた生産。
  3. 農林畜複合システム:樹木生産下で、農作物と飼料用作物を交互に生産し、農業と畜産を維持。

いずれのタイプも、共通点としては以下の通りです。

  • その土地の環境・気候条件に合わせて、背の低い草から高い樹木まで、食べられる種類を中心に、さまざまな植物を共存させて森のような環境を作る
  • 森の中で生態系を形成した動植物の相互作用によって、農業ができる環境の持続性を高める
  • 自然が作り出した生態系や環境によって、手をかけなくてもある程度の生産活動ができるような状態を目指す

このようにアグロフォレストリーは、農作物や林業・畜産業といった複数の生産をバランスよく行えるシステムです。

では、アグロフォレストリーがどのように発展してきたのか歴史を簡単に見ていきましょう。

歴史

アグロフォレストリーという言葉は、1970年中期に、カナダの国際開発研究センター(IDRC)の研究者ジョン・ベネ(John Bene)氏によって提唱されたのが始まりです。

1978年、彼の研究が元となる国際アグロフォレストリー研究センター(ICRAF)が発足し、主に開発途上国でアグロフォレストリーの実践が行われました。

その後、アフリカを中心にアグロフォレストリーの成果が見られたことで、次第に南米や西南アジアなど各地域へ広まります。

アグロフォレストリーという言葉自体は新しいものですが、森林の中で農業・家畜の放牧を行う方法は、実は古くから一部の国・地域で親しまれてきました。特に、熱帯性気候地帯やロシア・カナダでは長年続いている農法になります。

このようにアグロフォレストリーは資源を有効に使いながら、コミュニティを豊かにする伝統的なツールなのです。

他の農法との違い

ここからは、アグロフォレストリーと他の農法との違いについて確認していきましょう。

結論から言うと、アグロフォレストリーと他の農法との最大の違いは、果樹や農作物・ハーブなどを組み合わせて「森林」を作る点です。

それでは、特徴を押さえた所で、それぞれの農法との比較をしていきます。

慣行農法

一般的に「慣行農法」とは、農薬や肥料・大規模な機械を使用し、広い面積で単一の品目を栽培する近代農法です。一度に同じ作物をたくさん収穫できるため、私たちが普段スーパーで年中にんじんやキャベツを手に入れられるようになったのも、慣行農法が発達したおかげといえます。

産業革命以降、化学農薬や肥料が開発されるようになり、世界中に広まっていきました。今では日本をはじめ、多くの国・地域で最もメジャーな農法の1つです。

対するアグロフォレストリーは、複数の品目を植えるのが特徴です。そのため、時期によって収穫できる作物は異なります。

アグロフォレストリー・他の植物が土壌のバランスを整えてくれるため、基本的に農薬・肥料は不要・一度にたくさんの作物を採ることは難しい
慣行農法・農薬や肥料・大規模な機械を使用し、広い面積で単一の品目を栽培・都市部や大人数の食料を確保するために開発された農法

有機栽培

有機栽培とは、オーガニック栽培(農法)とも呼ばれる農業形態です。化学的な農薬は使用せず、限られた肥料だけを与えて育てることで、より自然や人々の健康に配慮した作物が収穫できます

アグロフォレストリー農作物だけでなく他の樹木を植えることで生態系を形成・保持する役割
有機農法あくまでも農業を主体としつつ、化学農薬や肥料を使わないことで、周囲の自然環境に配慮する

自然農法

自然農法(自然栽培)では、基本的に雑草や虫との共生を選び、農薬・肥料は使いません。農家の中には、種を植える際に土を耕さない「不耕起(ふこうき)」を行う人もいます。

この農法によって、作物と他の雑草がお互いに助け合う環境を、長い時間をかけて作ることが可能です。自然の法則に従い、出来るだけ人の手を加えないことで、虫や病気に強く、栄養やエネルギーをたっぷり含んだ作物が収穫できます。

アグロフォレストリー森林と類似した環境を作り、生態系の相互作用・恩恵を作物収穫に利用する
自然農法あくまでも農業を主体としつつ、他の動植物との共生によって土壌バランスを整え、病気・害虫から作物を守る

また自然農法と少し異なりますが、自然の恩恵を受けるという意味でよく似た「パーマカルチャー」という形態があります。

ヤギや牛・鶏のような家畜を飼い「虫や雑草を食べてもらう」「フンが土の栄養となって作物を育てやすくする」といった恩恵を受けられる点が特徴です。パーマカルチャーは農業だけが主目的ではないため、自然栽培よりもさらにアグロフォレストリーと似ているかもしれません。

このように、アグロフォレストリーは他の農法とは異なり、森林の中で農法を行う点が最大の特徴ということがわかりました。

では次に、なぜこのような農法が注目されたのか、その背景を探っていきましょう

アグロフォレストリーが注目された背景

アグロフォレストリーが注目された背景には、以下のポイントが考えられます。

  • 環境破壊
  • 貧困・飢餓の増加

では、1つずつ見ていきましょう。

環境破壊

19世紀のイギリスで産業革命が起きて以降、近代農法の普及によって広い農耕地が必要になりました。そこで、世界各地で行われたのが「森林伐採」です。

以下は、Our World In Dataによる、森林面積の変化を示す世界地図(2015年)です。オレンジや赤色は森林の減少傾向が強く、緑色は森林面積が増加傾向にあります。

農業を主な収入とする人口の割合が多く、自然豊かなブラジルやインドネシア・南アフリカでは、森林の減少が特に深刻であることがわかります。

特に近年は、

  • 気候変動による森林火災
  • 畜産業拡大のため、飼料(とうもろこし・大豆など)を育てるための土地確保
  • 都市開発のため

といった理由が原因で、急速に森林が失われています。

森林伐採が進むと、二酸化炭素を吸収する樹木が減少し、地球温暖化が加速してしまいます。また、森林に生息する多くの生き物が住処を失い、種の絶滅はもちろん、周囲の生態系にも悪影響を及ぼす恐れがあるのです。周囲へ移動した生物によって、例えば蚊が原因となるマラリアのような感染症の拡大も懸念されています。

さらに、地下に深く根を張っていた樹木を失った土地は、地力が低下し水を蓄えられなくなります。その結果、大雨による土砂崩れや浸水被害を引き起こす恐れがあります。

こうした背景から、自然豊かな森林を作り出すアグロフォレストリーに注目が集まっているのです。

貧困・飢餓の増加

次に、アグロフォレストリーが注目された背景には「貧困・飢餓の増加」が挙げられます。先ほどお伝えした環境破壊による被害を多く受けるのは、主に開発途上国に住む人々です。地球温暖化による異常気象・気候変動の影響で、住まいを失う人・食べ物を得られない人が増加しています。

世界銀行の試算によると、気候変動に加えて2020年初頭から猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、2021年末までに世界7億2,900万もの人々が貧困に陥ると予測されているのです。

そこで、植林と農畜産業を合わせたアグロフォレストリーは、環境保全と同時にその地で暮らす人々の収入源と食料を得られる手段としても注目を集めています。

アグロフォレストリーのメリット

なんとなくアグロフォレストリーの全体像が掴めてきたところで、ここではアグロフォレストリーを行うメリットをご紹介します。

森林の恩恵を受けた農産物の生産

アグロフォレストリー最大の特徴といえば「森林の中で農畜産業を行うこと」です。

植物は、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収し、酸素(O)を空気中に排出。残った炭素〔C)は樹木や土壌に蓄積され、植物の成長や土壌の栄養バランス保持に活用されます。そのため、多くの農薬には炭素が含まれており、いかに大切な栄養素であるかがわかります。

アグロフォレストリーでは、森林が蓄えた炭素やその他の栄養素を上手に使用し、農薬に頼らずに作物の生産ができるようになります。また、森林には鶏や牛といった家畜動物が食べられる植物があり、小規模な畜産業を営むことも可能です。

さらには、定期メンテナンスを兼ねた樹木の間伐を行った際、間伐材も資源として建物・家具のような用途に使うこともできます。他にもアグロフォレストリーでは、さまざまな植物を植えるため、1年を通して複数の作物を収穫できる点は、農家にとって収入源が増えるうれしいポイントでしょう。

万が一、売れるほどの量が採れなくても、農家自身や家族の食料をある程度確保できるのは大きなメリットです。そして、地域の気候や環境によっては、森林内で蜂が巣を作り、蜂蜜のような意外な副産物を得られることもあるようです。

このように、森林の恩恵を受けながら農産物を作ることができるため、アグロフォレストリーを通じて農家の収入源や食料を確保することが可能です。

自然災害に強い土地づくり

アグロフォレストリーでは、根を深く張る樹木を植える点が特徴です。

木の根っこが地面の深いところまで張ると、地力が強くなります。その結果、土壌の保水力も向上し、豪雨や台風に耐えられるように。土砂崩れ・洪水のような自然災害から作物・周囲の家々を守ってくれるのです。

また、背の高い樹木は風よけになり、作物や家畜を安全に育てる環境づくりに貢献してくれます。

地球温暖化の進行を抑える可能性

アグロフォレストリーによる森林づくりは、自然災害から人や農作物を守るだけでなく、気候変動の進行を抑える可能性を秘めています。樹木は小さな草木に比べてCO2の吸収量が高く、温暖化で排出される二酸化炭素をたくさん吸収してくれます。

1ヘクタールにおける樹木の二酸化炭素吸収量(1年)は、スギのような針葉樹林なら3.6〜11トン広葉樹なら3.6トンであるのに対して、自然に自生した草原の場合、1平方メートルでおよそ半分です。

また、草原は樹木よりも生命サイクルが短いため、吸収したCO2を固定する持続力がないことを考慮に入れる必要があります。

※ちなみに日本で一人あたりが年間に排出する二酸化炭素の量は、およそ2.3トン。1ヘクタールに樹木が植わっていれば、ゆうに吸収できる計算になります。

つまり食べられる森であるアグロフォレストリーが増えれば二酸化炭素を吸収でき、食料確保に加えて気候変動対策にも活用できるのです。

アグロフォレストリーのデメリット・課題

メリットばかりのように見えるアグロフォレストリーですが、デメリットや課題も抱えています。ここでは、適切な定期メンテナンスが必要と植える種類にも注意の2つをピックアップしました。

時間と広さが必要

アグロフォレストリーは森林づくりが1つの目的となるため、ある程度の面積と時間がかかります。さらに樹木から実を収穫するには、数年の歳月が必要です。

安定した収穫数を得られるようになるまでは、別途の農耕地や食料確保の手段があったほうがいいでしょう。このように、どうやって従来の農作からアグロフォレストリーへ移行するのかは、綿密にプランを練ってから挑まなくてはなりません。

適切な定期メンテナンスが必要

背の高さや特性が異なる種類の植物を複数植える分、全体のバランスを整えるために定期メンテナンスが必要です。他の植物の成長度合いによっては農産物の収穫量が減り、作業がしにくくなる可能性もあります。

特に樹木は、適切なタイミングと本数を伐採しなくてはなりません。やみくもに切りすぎてしまうと、地力の低下にも繋がり、生態系バランスを崩す恐れもあるので気をつけたいところです。そのため、知識がない状態でのアグロフォレストリーの管理は難しく、はじめのうちはプロフェッショナルの監修・指示を必要とします。

植える種類にも注意

アグロフォレストリーは、その土地の気候条件や周辺環境との調和が大切です。好きなものばかりを植えればいいというわけではありません。

どんな植物も、暮らしやすい環境や他の種類との相性があります。きちんとバランス・配置を考えて植えなければ、持続可能な状態を保つことは難しいでしょう。

またメインの目的は農業なので、森林内で効率よく作物を収穫するためにも、ある程度の知識や技術を要します

他にも、育てやすいからといって外来種を植え過ぎてしまうと、周りの生態系を壊しかねません。在来種を中心に選び、周辺の環境や生態系とのバランスをとることが重要です。

アグロフォレストリーの実践例

ここまでアグロフォレストリーの基礎知識についてお伝えしてきました。では実際に世界では、どのようなアグロフォレストリーの実践例があるのか見ていきましょう。

フロムファーイースト株式会社「森の叡智プロジェクト」(日本・カンボジア)

2003年に「みんなでみらいを」を理念に掲げているフロムファーイースト株式会社では、カンボジアの土地を使ったアグロフォレストリーの活動「森の叡智プロジェクト」を行なっています。

「森の叡智プロジェクト」では、まずカンボジアで自生する植物の中から、コスメの原料になる種類を調査。20種類ほどの植物の種を蒔き、時間をかけて森づくりを行なってきました。

今では森で育った植物を原料に化粧品を製造し、オンラインストアや大型店舗を中心に広く展開しています。近年は同時に、オーガニックコットンの栽培もはじめ、アパレル商品の販売も開始しました。

このように「森の叡智プロジェクト」は、貧困の差が激しいカンボジアで活動をすることによって自然災害リスクの減少だけでなく、雇用の機会も生まれ、貧困解決にも大きく貢献しているのです。

AGRICULTURA PARA O FUTURO(ポルトガル)

ポルトガルの中南部・アレンテージョは、ヨーロッパの中で最も温暖な場所の1つです。コルクの原料となるコルクガシを多く生産し、その量は世界全体の50%にも及びます。そんなアレンテージョは気候変動の影響を受け、生産地域の生態系が崩れつつありました。

加えて隣国スペインでは、生産コストも安いオリーブ栽培が盛んに行われていました。オリーブを生産することによって、報酬も出るようになっています。さらに企業やコルク生産の現状に押され、コルク生産者はオリーブ生産へ乗り換えるようになりました。オリーブの生産へ人々が流れていくことによって、コルク生産者と農地は減少気候変動とオリーブ生産が、コルク生産を圧迫する結果となったのです。

当プロジェクトでは、農園の中や周辺にさまざまな背の高い樹木を植え、土壌の強化によって干ばつ・高音からの影響を抑制する効果を期待しています。これにより異常気象からコルクガシを守ることができ、収穫量の確保が見込めるのです。

また、同地域の水資源があるエリアにも植林し、水質改善を試みています。植物や周りに集まる生物たちの相互作用によって、豊かな水を農家も活用できるようにすることを目指しています。

PUR Project(西アフリカ)

引用元:PUR Project

PUR Project(ピュア・プロジェクト)は、コートジボワールとガーナのカカオ農家を救うプロジェクトとして、2018年に実施されました。

1950年以降、気候変動の影響で雨季の強風に悩まされてきた現地の農家たちは、収穫量が減り、深刻な貧困に陥っていました。また、カカオのみの単一栽培を続けてきたことから土壌栄養バランスが偏っており、農家自身の食料確保も困難な状況です。

そこで当プロジェクトでは、2,573ヘクタールの土地に、カカオを中心とした樹木を25万本以上植えることに。さらに、長期的に持続可能な知識を持った農家の教育にも力を入れました。アグロフォレストリーを通し、カカオ以外の作物が収穫できるよう設計したことで、農家自身の生活環境向上にも配慮したプロジェクトになっています。

このように、アグロフォレストリーは世界中で活用され、農業の生産や環境の向上にとどまらず、雇用機会の増加・生態系の形成にまで貢献しているのです。

アグロフォレストリーとSDGs

ここまでアグロフォレストリーについて見てきました。最後に、SDGsとの関係について確認しましょう。

SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)とは「持続可能な開発目標」のことです。

これは、2015年に国連で採択された国際目標であり、2030年までを達成期限とし、世界中の国々が協力して取り組むことが求められています。

SDGsのメインとなる軸は

  • 環境
  • 社会
  • 経済

の3つ。

この軸を基に、貧困や気候変動・雇用促進といった17項目の目標が設定されました。「誰一人取り残さない」をスローガンに掲げ、世界共通でみんなが公正かつ平和に生きられる社会づくりを目指しています。

では、そんなSDGsがアグロフォレストリーとどのような関わりがあるのかについて、具体的な目標と共に見ていきましょう。

目標2「飢餓をゼロに」

目標2「飢餓をゼロに」は、すべての人が安全で栄養価の高い食糧にアクセスできることを掲げた目標です。

特にグローバル化によって、世界中どこからでもアクセスできる食糧供給の仕組みが、かえって貧困の差を招くと問題になっています。そこで今の食料システムのあり方を根本的に見直し、気候変動や経済的な影響を受けている農業を持続可能な方法で改善していこうと取り組んでいます。

そこで活躍するのが、アグロフォレストリーです。

アグロフォレストリーでは複数の作物を収穫できるため、農家の収入源を増やせます。加えて農家自身やその家族・小規模コミュニティの食糧生産を目的にした実践も可能です。

遠くから食料を輸入しなくても、万が一収入がなくなっても、自分たちの食糧が確保できることは大きな安心感につながります。

目標15「陸の豊かさも守ろう」

もうひとつ大きな関連性を持っているのは、目標15「陸の豊かさも守ろう」です。

この目標では、地球の3割を超える森林を適切に管理することで砂漠化・土地の劣化から守り、豊かな生態系を保持する取り組みを推進しています。また、違法伐採や火災による森林の激減を危惧し、植林活動などを通して新たな森林づくりにも力を入れています。

森は、すべての生き物が暮らすうえで欠かせない場所です。国連のデータによると、陸に住む動植物と昆虫の8割以上が森に棲み、16億人ほどの人々が森に依存して生活しています。しかし近年は、農地拡大や都市化を理由に違法な森林伐採が進むうえ、気候変動の影響で森林火災の発生が多発しています。

そのため、すでにある森林を守るだけでなく、植林活動などを通じて新たな森林を作ることも必要なのです。

アグロフォレストリーでは、農業を行なうと同時に森林を形成します。それにより、樹木の生長と共に土壌が健康になり、地力が向上。天候の変化が激しい地域や、自然災害のリスクが大きな場所にも適しています。

森林には自然と生物が集まり、多様な生態系をつくるでしょう。人間を含む生き物にとって、アグロフォレストリーは大切な暮らしの場となり、食糧の宝庫となっていくはずです。

アグロフォレストリーを通じたSDGs目標15の達成は、時間はかかるものの、未来の地球環境をを守るための大切な活動の1つと言えるでしょう。

まとめ

今回はアグロフォレストリーについて、基本的な知識から実践例・SDGsとの関連性までご紹介しました。

まだあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、気候変動の影響が日々深刻化していく中、私たちの暮らしを守るために今すぐ取り組みたい農法です。

特に日本は自然災害の多い環境だからこそ、アグロフォレストリーの実践は食糧の確保と同時に災害から命を守ることにも繋がります。

まずは

  • アグロフォレストリーを実践している企業を調べ、商品を買って企業を支える
  • 住んでいる自治体に働きかける

といったところからはじめてみてはいかがでしょうか。

<参考文献>
What is Agroforestry? | World Agroforestry | Transforming Lives and Landscapes with Trees
パラグアイにおけるクリーン開発メカニズムの仕組みを活用した農村開発手法の開発|国際農林水産業研究センター
History of World Agroforestry (ICRAF) | World Agroforestry | Transforming Lives and Landscapes with Trees
慣行農法、自然農法、有機栽培、炭素循環農法の比較|ナチュラル農法実践研究会
Deforestation and Forest Loss|Our World in Data
Global Deforestation Rates & Statistics by Country | GFW
「極貧」人口 年内に7.3億人/来年も想定より1億5000万人増/世銀報告|しんぶん赤旗
よくある質問|林野庁
Q2)炭素トン(t-C)と二酸化炭素トン(t-CO2)の違いは何ですか?|水産林務部林務局森林計画課
草類の二酸化炭素の吸収量について | みんなのひろば | 日本植物生理学会
CO2 1トン・1キロはどのくらい? | C-CONET 中部カーボン・オフセット
6 Advantages and Disadvantages of Agroforestry|ConnectUS

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