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紛争とは?戦争との違いと現在起こっている争い・原因、問題解決のためにできること

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2022年初頭から盛んに報じられているロシアのウクライナ侵攻。これをきっかけに紛争についての関心が高まっています。とはいえ、紛争と戦争の違いや現状などについて、詳しく知らない方も多いと思います。

そこで本記事では、紛争の意味や原因、影響をまとめています。

現在の紛争の実例の紹介も行なっているので、私たちができることまで考えていきましょう。

紛争とは

紛争とは、2者以上が争うこと(揉め事)を指します。

紛争というと、一般的に武力や暴力が発生する争いをイメージすると思いますが、家庭内紛争などのようにそれらがない場合にも使われます。

この意味での紛争は広義であり、本記事では武力や暴力が発生する紛争に焦点を当てて解説していきます。

紛争の定義は、団体や研究者によってさまざまです。

例えばJICAでは、以下のように紛争を主体は国に限定せず、手段も武力に限らず広く定義しています。

少なくとも2つ以上の主体が、希少な資源(富や権力など)を同時に獲得しようとして相争う社会状況

引用:JICA

また、セーブ・ザ・チルドレンでは、以下のように紛争を広く定義しています。

政府軍や武装勢力などの2つ以上の勢力が、武力を用いて争い、戦闘により年間25人以上の犠牲者が出た場合を紛争と定義しています。

引用:セーブ・ザ・チルドレン

2者以上の争いであることは理解できますが、紛争と戦争の違いについてわからない人もいると思います。次で確認しましょう。

紛争と戦争の違い|内戦との違いは?

結論から言うと、「戦争」は「紛争」の中のひとつと言えます。

戦争は国際法上、一方の宣戦布告によって戦争状態となり、どちらかが負けを認めるまで続きます。戦争には「戦時国際法」が適用され、民間人への攻撃禁止、捕虜虐待の禁止、対人地雷使用制限などが定められています。しかし戦時国際法に強制力はないので、もし違反する国があっても国際的に罰することができません。

宣戦布告がなくても国家間の争いが大規模になる場合や、1国内でも大きな勢力であったり代理戦争のような側面がある場合は、戦争という用語を使うこともあります。朝鮮戦争やベトナム戦争がその例です。

ニュースなどでは、争いの主体や死者数により戦争と区別するため、比較的小規模の武力衝突のことを紛争とするケースがみられます。

内戦は1国内での争いのことで、これも紛争の中に含まれています。

紛争が起こる5つの原因

では、紛争はなぜ起こるのでしょうか。ここでは、主に考えられる5つの原因を挙げています。

原因①宗教の違い

宗教や宗派の違いによって紛争が起こることがあります。世界には、イスラム教やキリスト教などのさまざまな宗教があります。一般的にはそれぞれを尊重し合っていますが、過激な考えを持つ宗教や宗派の場合、争いが勃発する原因になります。

例えば、イスラム教のスンニ派とシーア派の対立が挙げられます。もともとは教祖ムハンマドの後継者をめぐる考えの違いから発生した宗派で、全世界のイスラム教の中でスンニ派が8割・シーア派が1割を占めています。(※2派の対立は中東の多くの国で問題となっていますが、皆が対立しあっているわけではなく異なる宗派同士が結婚することもよくあります。)

1980年からのイラン・イラク戦争では、イランのシーア派による革命の影響を恐れて、周辺国が当時スンニ派政権だったイラクを後押しする構図となっていました。スンニ派とシーア派の紛争には宗派以外にも政治的・経済的利権が関わることも多く、根深い問題になっています。

原因②民族の違い

民族の違いによっても紛争が起こります。世界には多くの民族がありますが、

  • 1国内に複数の民族がいる
  • 1つの民族が複数の国にまたがっている

などの場合に、紛争が起こる傾向にあります。第二次世界大戦後、植民地が解放され民族の独立や対立が起こりました。そして冷戦後は大国の圧力がなくなり、特に民族の紛争が加熱しました。

例えばルワンダでは1994年、多数派のフツ族と少数派のツチ族の対立により大虐殺が起こり、100日間で100万人もの犠牲者が出ました。「ホテル・ルワンダ」(2004年)という映画にもなっています。

大きな紛争には発展していないものの、最近では中国の新疆ウイグル自治区への迫害も問題となっています。

原因③政権不安定

政権が不安定であることは、内部の対立を招きやすく紛争の原因となります。政権が腐敗していたり独裁政権だったりする場合、それに対して国民が立ち上がろうという動きが生じます。政権が弱体化している場合は軍部によるクーデターを招くこともあります。

例えば、ミャンマーでは政権をめぐって長い間争いが起こっています。近年では民主化の途中の2021年に軍部によるクーデターがあり、それに対して民主化勢力が抗議しています。

原因④大国の介入

アメリカや中国、ロシア(旧ソ連)のような大国が介入することをきっかけに紛争になるケースもあります。冷戦時代の「代理戦争」と呼ばれる紛争もそのひとつです。これはベトナム戦争や朝鮮戦争のような、旧ソ連とアメリカの支援を受けつつ争われた紛争です。このような形で現在も、旧ソ連・アメリカの介入により起こされた混乱が続いている地域もあります。

また、アメリカは「対テロ戦争」と銘打って2001年以降アフガニスタン・イラクへの侵攻を決めました。多くの民間人がテロリストと同様に扱われるなど人道的な問題もあり、本当に必要な争いだったのかという議論は現在も行われています。

原因⑤紛争鉱物などの資源の奪い合い

資源が多くある土地も原因になります。レアメタルなどの鉱物や水資源などを奪い合う紛争が見られます。

ダイヤモンドも紛争とかかわりが深い鉱物のひとつです。アフリカでは、武装勢力の資金源になっていたことから「紛争ダイヤモンド」「血塗られたダイヤモンド」等と呼ばれていました。こうした紛争ダイヤモンドを世界的に規制するため、2003年に「キンバリー・プロセス」が採択され、紛争に関わりのあるダイヤモンドを買わないようにする取り組みが進んでいます。

紛争が人々に与える影響

紛争が人々に与える影響は多岐にわたります。ここではその一部を紹介します。

影響①貧困問題が加速

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出典:国連WFP

長引く紛争によって、国内では武器や弾薬などが優先的に生産されます。市民が生産した食料も軍隊に優先的に配布され、民間人への対応は後回しにされてしまいます。

また、空襲や地雷などで農地が壊滅的なダメージを受ければ、食料の生産自体がしにくくなります。作物が収穫できなければ、それを売って生活している人々の収入源もなくなってしまうため、貧しい暮らしを強いられてしまうのです。

また、被災した子ども達は、

  • 通っていた学校がなくなってしまう
  • 住む場所を離れる(難民)

といった理由で教育を受けられなくなり、教育格差を広めることになります。

教育を受けられずに大人になれば、安定した収入を得られる職に就くことができずに、より貧しい暮らしを送ることとなります。

影響②食糧不足

食糧不足は、紛争が発生している国の人々だけでなく、世界的にも影響が見られます。

例えば、現在起きているウクライナ紛争が原因で、アフリカ諸国で食糧不足が問題となっています。これは、ロシアとウクライナが世界の穀物生産の1/4を担っている一方で、アフリカでは85%を輸入に頼っているためです。例えばソマリアでは小、麦の9割以上をロシアとウクライナから調達しています。

国連WFPにおいても、飢餓・飢饉の原因として「4つのC」を挙げており、ウクライナ紛争後、急速に食糧不安が拡大したと示しています。

「4つのC」とは

  • Conflict(紛争)
  • Climate shocks(気候変動)
  • COVID-19(パンデミック)
  • Rising Costs(価格の高騰)

影響③衛生問題|病気・感染症など

紛争地域では戦闘による負傷者が増え、一般市民への医療が追いつかないこともあります。さらには爆撃などで機能しなくなる病院もあり、医療従事者・薬も不足します。

また、インフラが壊滅的なダメージを受けることで、

  • 十分な食料が届かない
  • 清潔な水を確保できない

などの問題が起き、栄養が不足してしまう傾向も見られます。

これらが影響して、紛争地域や難民キャンプで暮らす人々は、本来であれば治療可能である病気(下痢など)で命を落とすことが多くあるのです。

医療体制や衛生環境が整っていないことで感染症も蔓延します。近年では新型コロナウイルスも拡大し、紛争と合わせて「二重の危機」とも呼ばれています。「先進国でさえCOVID-19の対応に苦慮しているというのに、武装集団が病院を襲撃する国でどうやって良質な医療を提供できるでしょうか。」と赤十字国際委員会アフガニスタン代表部ファン・ペドロ・シェーラー首席代表は語っています。

世界の現在の紛争の現状|紛争地域一覧

紛争の概要についてわかったところで、現状を確認しましょう。次では、紛争が今なお続く国や地域一覧をまとめています。

紛争が今なお続く国や地域一覧

開始年紛争地域累計死亡者数対立要因
アフガニスタン紛争1978年アフガニスタン約200万人アメリカタリバン勢力
ミャンマー内戦1948年ミャンマー約20万人軍部少数民族組織民主化勢力NLD
イエメン危機(内戦)2011年イエメン約37万人ハーディー政権フーシ派アンサール・アル・シャリーア
ウクライナ紛争2014年ウクライナ約2万人ロシアウクライナ
ティグレ紛争2020年エチオピアエルトリア約10万人エチオピア政府ティグレ州組織同盟
ソマリア内戦1981年ソマリア約50万人ソマリランド共和国プントランド共和国南西ソマリアエチオピア軍
シリア内戦2021年シリア約50万人政府軍反体制派
南スーダン2012年南スーダン約40万人ディンカ族ヌエル族
出典:「詳説世界史図説」山川出版社 国・地域|外務省

アフリカ、中東、南アジア、中央アメリカの地域で紛争が起こっていることが分かります。

2023年時点で続いている現在の紛争事例

ここでは上記の中から、3つの事例を取り上げ、詳しく紹介します。

アフガニスタン紛争

アフガニスタンでは1979年にソ連軍が侵攻して以来、現在に至るまで混乱が続いています。当時、侵攻してきたソ連軍に対抗するため、ムジャヒディン(「イスラム聖戦士達」の意)という複数の民兵組織が、アメリカ・パキスタン・イラン・サウジアラビア等による援助でゲリラ戦を展開しました。

88年、ムジャヒディンはソ連軍の撤退合意を勝ち取り、92年にはアフガニスタンの首都カブールにおいて、ナジブラ政権を倒しました。しかしその後はムジャヒディン各派が覇権を巡って抗争を繰り返し、アフガニスタン全土が内戦状態に陥ります。

その中で、94年に「イスラム原理主義」を理想とするタリバンが新たな勢力として台頭し、ムジャヒディン各派に代わる主流になっていきます。タリバンは96年9月には首都カブールを制圧しました。

こうした状況の中、2001年には世界貿易センタービルにハイジャックされた旅客機による自爆テロ「9.11事件」が起こります。アメリカは国際テロ組織アルカイダを主犯とし、彼らを擁護するタリバンに対して軍事行動を起こしました。タリバン政権は崩壊し、2004年にカルザイ移行政権大統領が当選し「アフガニスタン・イスラム共和国」が発足しました。

しかしタリバン側も巻き返しをはかり、2021年、米軍が撤退を進める中、首都カブールを制圧。タリバンは全土を制圧したとして国際社会に承認を求めていますが、現在彼らを正式な政権として認めているのは、パキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の3国のみです。タリバンはバーミヤン等の仏教遺跡を破壊したことでも国際的に非難を浴びています。

この紛争では対人地雷も大量に使用され、現在も立ち入り禁止となっている地域が多くあり、問題となっています。

ウクライナ紛争

2023年にロシア軍が侵攻したことで注目を集めたウクライナ紛争は、2014年から続く紛争です。

かつてウクライナはソ連の一部で、ソ連崩壊とともに独立しました。「兄弟国」とも表現されるものの、ウクライナの中には親欧米派が多く、ロシアとしては従えておきたい意図がうかがえます。

2022年の侵攻理由として、プーチン大統領は親ロシア派組織があるウクライナ東部でNATOの脅威からロシア系の住民を守るという「正当防衛」を主張しました。ウクライナのゼレンスキー大統領はもともと親欧米派でNATO加盟を目指しており、NATOでも「将来の加盟国」とされています。ソ連崩壊後NATOは加盟国を増やしており、ロシアはたびたび抗議していました。

ロシアの行為は国際的に非難を浴びていますが、欧米諸国も大きな戦争は避けたいため、ウクライナとともに軍事行動に出ることには慎重になっています。

ロシアは天然ガスの産出が多く、EUではその4割をロシア産に頼っています。日本でも天然ガスの8%をロシアから輸入しています。経済制裁でロシアからの輸入を絶とうとすれば、私たちの生活にも大きな影響があるでしょう。

【関連記事】ウクライナ難民の最新状況|受け入れ国一覧や日本の現状、私たちにできること

ミャンマー内戦

ミャンマーでは、1948年の独立時より長期にわたって内戦が続いています。ビルマ族を中心とする政府側と辺境地域の少数民族による争いを軸に、さまざまな勢力が関わっています。

独立時は3派による合同政権でしたが、そのうち共産党を排除しようとする動きに反発して共産党が蜂起。同時に辺境カレン族が政府の仏教化政策に対抗して参戦し、内戦に発展しました。

混乱ののち、88年に国軍がクーデターで社会主義政権を崩壊させて軍事政権を樹立。同年アウンサンスーチー氏も国民民主連盟(NLD)を結成しました。90年の総選挙では、NLDが圧勝するものの政府は政権移譲を拒否し、民主化勢力は激しい弾圧を受けます。アウンサンスーチー氏は2010年までの間に3回(計15年間)自宅軟禁されました。

その後2011年に、テイン・セイン大統領率いる政権が発足し民主化を推進するものの、少数民族との軍事衝突は絶えませんでした。しかし、2015年に8つの少数民族武装組織との間で全国規模の停戦合意に至りました。

また、同年アウンサンスーチー氏率いるNLDが総選挙で大勝。民主化の定着、国民和解、経済発展のための諸施策を行い、2020年の総選挙でも再び大勝をおさめました。しかし2021年2月、軍部がクーデターを起こしアウンサンスーチー氏含むNLD政権幹部を拘束。軍部が政権を掌握し、ミャンマーは再び混迷しています。

紛争で苦しむ人々に私たちができること

ここまで見てきたように、紛争は様々な思惑が交錯しているため、私たち個人は解決に向けたアクションを起こしにくいのは事実です。しかし、直接的な解決に関わることはできないものの、小さなところからでも、私たちにできることはあります。

定期的な募金

1つ目が、紛争地域への支援活動を行っている国連機関やNGOへの募金です。募金で大切なことは、一時的ではなく継続的に支援することです。一度紛争が起きれば、生活を立て直すには時間がかかります。自分のできる範囲で少しずつ募金していきましょう。

注意したいのが、募金を騙った詐欺も見られることです。この場合、現地には届けられないことがほとんどであるため、国連機関や信頼の置ける団体へ正式なルートで募金するようにしましょう。マンスリー会員などを設けている団体もありますので、利用してみるといいでしょう。具体的に募金先をいくつかご紹介しますので、気になったものから覗いて見てみてください。

国連UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)

国際連合の中の難民問題に関する機関です。紛争によって祖国を追われた難民のサポートをしており、一般的な募金の他「国際難民サポーター」という毎月の寄付も受け付けています。

公益社団法人 日本ユニセフ協会

ユニセフは子どもへの支援を主に行っており、教育や食糧、保健関係の支援などを幅広く行っています。マンスリー・サポートプログラムもあります。

NPO法人ピースウィンズジャパン

紛争や災害、貧困の脅威に対して支援を行う日本発のNGOです。国内ではピースワンコジャパンという犬猫の殺処分を減らす活動も行っています。

ジョイセフ

日本で使い終わったランドセルをアフガニスタンなどの就学率が低い地域へ送る活動をしています。ランドセルを送る他、お金による寄付も受け付けています。

事実を知ること

事実を知ることも私たちにできることのひとつです。

我々が無関心でいることは、世界で起こっている紛争を黙認してしまうということです。まず事実を知り、周囲へ伝えることで平和への意識の高まりにもつながります。

ニュースや新聞、SNSでも一次情報を仕入れることができます。ウクライナ紛争の戦闘の様子が投稿されている現地アカウントもあります。とはいえ残虐な行為もありますので、苦手な方はそうした情報を無理して見る必要はありません。関心を持つということが大切です。

また、SNSではデマも横行しやすいので、真実かどうか確かめるなどし、安易な拡散はしないようにしましょう。メディアも大げさに表現しすぎる部分がありますので注意が必要です。

ボランティアに参加

日本にいながらでもNGOの事務作業などにボランティアとして参加することができます。直接、紛争地域の支援に当たっている方々の後方支援となります。以下にボランティアを募集している団体をご紹介します。

国境なき医師団

紛争や自然災害により危機に瀕する人々の元へ中立・公平な医療を届ける活動をしているNGOです。医師でなくても、国内でのイベントのサポートなどのボランティアを募集しています。

セーブ・ザ・チルドレン

「子どもの権利のパイオニア」として、世界各地の子どもの保健・栄養・教育などの支援や、紛争・自然災害による緊急支援も行っています。事務サポートの他、オンラインでのボランティアも募集しています。

NPO法人アクセプト・インターナショナル

平和的なアプローチで紛争やテロを解決しようとする団体です。現地ではテロ組織に人々が加入しないようにすることや、脱過激化、テロ組織の投降促進や社会復帰を行っています。日本国内でのボランティアの他、不用品を送って売り上げを寄付する方法もあります。

難民の受け入れ

紛争地域の人々は戦地から逃れ、難民として他の国に居住するケースもあります。しかし、日本は難民希望者が多いものの、受け入れは極端に少ないのが現状です。

難民の受け入れを政治に訴えていくこと、また、受け入れられた難民との協力体制を構築することも私たちにできる大切な役割です。

みなさんはこのほかにどのような施策ができると思いますか?
一人一人が紛争に対して遠いことだと思わずに、できることを考え行動に移すことも大切な第一歩です。

紛争とSDGs16「平和と公正をすべての人に」との関係

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最後に紛争とSDGsの関係を見ていきましょう。まずはSDGsについて確認します。

SDGsは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の頭文字をとったもので、2030年までに達成すべき17の目標を掲げています。これは、地球や私たちの世界を将来にわたって持続させるための目標です。

SDGsの冒頭では「我々はこの共同の旅路に乗り出すにあたり、誰一人取り残さないことを誓う」と述べられています。この目標は途上国の問題だけではなく、環境を保護するためだけでもなく、すべての人のための目標であり、すべての人が意識するべきことであると訴えています。

【関連記事】SDGsとは|1〜17の目標一覧と意味や達成状況、世界・日本の取り組み事例を紹介

SDGsの目標の中で、紛争と特に関わりが深いのがSDGs16「平和と公正をすべての人に」です。この目標は、紛争のような武力による衝突はもちろん家庭内での虐待やDVなどの暴力まで、あらゆる暴力とそれによる死を大きく減らすことを目指しています。そして各国で法律による政治を浸透させ、すべての人が平等に司法にアクセスできるようにすることもこの目標の目指すところです。

紛争は多くの死者が出ます。司法が機能しなくなる時点で公正さもありません。このような明らかな暴力を減らす努力をすることで、大きくSDGsの達成に繋がっていくでしょう。

まとめ

紛争とはすべての武力衝突であり、SDGsに逆行する動きです。その原因には宗教や民族など様々な要因が絡み合っており、住んでいる人々に対して戦闘による直接的な影響の他、長期に渡って貧困や衛生環境の悪化も招きます。

現在においても紛争は多数あり、代表的なものとして、アフガニスタン、ウクライナ、ミャンマーの例を詳しく解説しました。

こうした紛争に対して、私たちにできることもあります。定期的な募金、事実を知ること、ボランティアへの参加、難民の受け入れ推進など、自身のライフスタイルに合わせた取り組みにチャレンジしましょう。世界平和への第一歩、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考文献/参考資料>
国・地域|外務省
UNHCR Japan
国境なき医師団
国連WFP
JICA
赤十字国際委員会
日本経済新聞:
スンニ派とシーア派、なぜ対立(Q&A)
外務省:
ルワンダ基礎データ
日本平和学会:
100の論点:19. 対テロ戦争とは何でしょうか。
経済産業省:
ダイヤモンド原石の輸出入管理
責任ある鉱物調達JEITA:
よくわかる責任ある鉱物調達
赤十字国際委員会
紛争とCOVID-19、二重の危機に直面する人々
外務省:
アフガニスタンの現状と問題
外務省:
アフガニスタン紛争のダイナミズム
国境なき医師団:
顧みられないアフガニスタンの保健医療危機
公安調査庁:
アフガニスタン | 国際テロリズム要覧について
公安調査庁:
対テロ戦争の20年~米国同時多発テロ事件から「タリバン」復権に至るまでの国際テロ情勢と今後の注目動向
東京大学:
ロシアのウクライナ侵略と国際秩序 ―― 分離紛争と軍事同盟
NHK特設サイト:
ウクライナ情勢 ロシアによる軍事侵攻 最新情報・解説
朝日新聞デジタル:
【そもそも解説】ロシアはなぜ侵攻したのか? ウクライナ危機の背景
外務省:
ミャンマー基礎データ
NHKスペシャル:
忘れられゆく戦場 ~ミャンマー 泥沼の内戦~
朝日学情ナビ:
今さら聞けない!ミャンマーで何が起きてるの?【イチ押しニュース】
ユニセフ:
16.平和と公正をすべての人に | SDGsクラブ