難民とは?筆者がインド滞在時に見たリアルな状況も紹介

世界には、多くの難民がいることはご存じの方も多いと思います。しかし、具体的にどこの国で、どのくらいの難民がいて、どんな生活をしているのかまでは知らないのではないでしょうか。

そこで今回は、世界の難民について、日本での受け入れ状況などについて詳しくお伝えします。

とはいえ日本ではなかなか実感を持ちにくい問題であるため、後半ではインドに滞在経験のある筆者が実際に見た難民の現状を交えて紹介することで、少しでも身近に感じていただければ幸いです。

また、難民とSDGsがどのように関係するのか。そのような視点も交えながら一緒に考えていきましょう!

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)

難民とは

まずは、難民の基本的な部分を抑えていきましょう。

難民の定義

難民は、1951年の「難民の地位に関する条約」では、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」人々と定義されています。※1

今日の難民は、紛争や内戦、経済状況の悪化などの理由で、国境を越えて他国に逃れ、庇護を求める人々が増えています。

また、国境は越えなくても、国内で自宅を離れ、避難せざるを得ない状況に追いやられた人々のことを「国内避難民」といいます。

難民

国境を越えて他国に庇護を求めた人々

国内避難民

国内に留まる、または国境を越えずに避難生活を送っている人々

難民と移民は違う?

では、難民と移民は何か違うのでしょうか?移民の定義を確認しましょう。

移民の定義

国際移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで区別するのが一般的です。

引用:国際連合広報センター

つまり、

難民

自国での生活に困難があり、他の選択肢がなく国外に逃れることを余儀なくされた人々

移民

ある場所から別の場所に、一時的、または長期的に居住国を変更する人々

と言えます。

難民は他に選択肢がなく、国外に逃れているのに対して、移民は自ら選択して国を移っている点で明確に異なります。

なんとなく難民について理解したとことで、主にどこの地域で発生しているのかを見ていきましょう。

難民の発生が多い地域は?

UNHCRのデータによると、2020年時点で世界の難民は約8,240万人おり、そのうち42%にあたる3,500万人は18歳未満の子どもです。 子どもの中には、難民として逃れる際に親とはぐれたり、死別したりして、孤児となる子どももいます。

また、新型コロナウイルスのパンデミックで移動に制限があったにもかかわらず、世界中で難民の数は増えています。世界の人口の1%以上が、強制的に避難させられている現状があるのです。※2

では、2020年に国外へ逃れた難民の出身国上位10か国を確認しましょう。

国外へ逃れた難民の出身国上位10か国(2020年)

以下の上位5か国だけで、世界全難民の68%を占めています。

  1. シリア 680万人
  2. ベネズエラ 490万人
  3. アフガニスタン 280万人
  4. 南スーダン 220万人
  5. ミャンマー 110万人

では、なぜこの地域で難民が多いのか、1つずつ見ていきましょう。

1、シリア 680万人

シリアは、世界で一番難民の多い国で、全体の3分の1を占めます。2011年の内戦勃発以来、数千万人の命が奪われ、680万人が難民となり国外へ避難しました。それに加えて、国内避難民600万人以上いると言われ、多くのシリア難民が人道支援を必要としています。※3

人道支援とは

人道支援とは、主要な国際機関等により「緊急事態またはその直後における、人命救助、苦痛の軽減、人間の尊厳の維持及び保護のための支援」と定義されており、我が国の外交の柱の一つである「人間の安全保障」の確保のための具体的な取組の一つです。

また、緊急事態への対応だけでなく、災害予防・救援、復旧・復興支援等も含まれています。

外務省

長期化するシリア内戦は21世紀最大の人道危機とも呼ばれ、現在も終わりが見えません。

2、ベネズエラ 490万人

2014年以降、ベネズエラでは急激な政情不安と社会経済の混乱が起こり、深刻なインフレや食糧難、医薬品不足などに陥っています。飢えや病気に苦しむベネズエラ人が後を絶たず、安全を求めて隣国へ逃れています。

約10年間紛争が続くシリアに続き、世界で2番目に多くの難民が発生しており、南米最大の難民危機となりました。※4

3、アフガニスタン 280万人

1979年のソ連侵攻以来続く国内状況の混乱や治安悪化、また2001年のアメリカ同時多発テロなど、紛争が原因で多くの難民が発生しており、世界でも類を見ないほどに長期化しています※5

また、2021年8月に再びタリバンが復権し、国外に逃れようとする人々の姿が報道されました。これに伴い、今後ますますアフガニスタン難民が増えることが懸念されます。

4、南スーダン 220万人

南スーダン共和国は、長い戦闘を経て独立し、2011年に世界で一番新しい国となりました。しかし、2013年に再び民族対立が激化し、内戦状態に。2016年には政府と反政府勢力との間で衝突があり、緊張状態が続いています。南スーダンの難民はアフリカ最大であり、世界有数の難民発生国となっています。※6

5、ミャンマー 110万人

以前より、軍事政権下にあったミャンマー内の民族紛争が原因で、国外に逃れた難民が多くいました。しかし、2021年の政変により状況はさらに悪化。武力紛争や暴力により、多くの人々が難民となっています。※7

また、ミャンマー西部のイスラム系少数民族のロヒンギャ族は、1990年代から長きにわたり差別と迫害に苦しめられてきました。彼らは国籍を持たず、国外に逃れられなかった者は国内避難民として、今も苦しい生活を強いられています。

難民への対応

このように、世界では今も多くの難民が発生しています。増え続ける難民に対して、世界はどのように対応しているのでしょうか?難民を解決するための世界の取り組みを紹介します。

難民条約

第二次世界大戦後、難民の急増によって彼らの緊急保護の必要性があるにもかかわらず、十分に保護する国際協定などは存在しませんでした。

世界的に大きな課題となった難民問題を解決するためには、国際的な協調と団結が大切であるという認識が生まれ、1951年に開催された外交会議で「難民の地域に関する条約」が採択されました。続いて、1967年には「難民の地位に関する議定書」が採択され、この2つを併せて「難民条約」といいます。※8

第三国定住

第三国定住とは、難民キャンプ等で一時的な庇護を受けた難民を、当初庇護を求めた国から新たに受け入れに合意した第三国へ移動させることで、難民は移動先の第三国において庇護あるいはその他の長期的な滞在権利を与えられる枠組み。

引用:JICA
難民キャンプとは

難民が集中して避難、居住する場所のこと。避難国の政府や国際機関によって、難民キャンプは安全が保障され、住む場所や食べ物、水、衣類、医薬品、生理用品などが提供されます。テントが立ち並んでいる場合もあれば、木や竹、ビニールで覆うだけといった簡易的なものの場合もあります。

難民の中には、出身国に戻ると引き続き迫害を受けるおそれがあるため帰国できなかったり、一時的に避難した国でも、なお危険な状況を強いられていたりする場合があります。

これは避難先で、最低限の衣食住や医療サービスが受けられなかったり、長期的なホームレス状態となり貧困に陥ったりするためです。また、難民申請をしても支援金を受け取るまでにまでに数か月以上かかり、その間の生活が困窮してしまいます。さらには就労が認められなければ、慢性的な貧困状態に陥ります。

そのため、国際機関では最初に避難した国から、受け入れに同意した第三国へと移る支援をしています。

2019年には、107,800人が第三国へ定住しましたが、2020年は新型コロナウイルスの影響で、34,400人に留まっています。※9

難民の受け入れ国


では、世界の難民受け入れ国と、それぞれの国の様子を見ていきましょう。

国外へ逃れた難民の受け入れ国上位10か国(2020年)

  1. トルコ 400万人
  2. コロンビア 170万人
  3. ドイツ 150万人
  4. パキスタン 140万人
  5. ウガンダ 140万人

トルコは主にシリア難民を、コロンビアは主にベネズエラ難民を受け入れており、難民の73%が近隣諸国で受け入れられています。近隣国のほとんどは開発途上国であり、難民支援の負担が重くのしかかっている現実があります。

開発途上国とは

経済成長の途上にある国々の総称

では、それぞれの受け入れ国ごとにどのような課題があるか、見ていきましょう。

1、トルコ

難民受け入れ400万人のうち、92%がシリア難民です。難民キャンプには収容しきれない人が集まっており、95%キャンプ外で生活しています。シリア難民のトルコでの生活が長期にわたっており、教育や就職などの課題を抱えていました。※10

そこで、トルコ政府は、難民を社会に受け入れる支援を行いつつ、シリア北部で社会と生活基盤を復元する取り組みも行っており、難民が自国へ帰還できるよう促しています。

2、コロンビア

コロンビア自身も近年まで、長く続く内戦に苦しんできました。その中で大量のベネズエラ難民が押し寄せてきたことで、インフラや公的サービスに大きな負担がかかっています。

ベネズエラ難民のうち、医療にアクセスできているのはわずか20%であり、社会的にも経済的にも弱い立場の難民の生活は、依然苦しいままです。※11

3、ドイツ

ヨーロッパに位置するドイツですが、シリア難民をはじめ、中東国からの難民を受け入れています。ドイツが多くの難民を受け入れる理由として「少子高齢化による人口減少」や「労働力の確保」が挙げられています。

しかし、難民は労働許可が降りないと安定した収入を得られないため、ドイツにおいても貧困に苦しむ難民は少なくありません。また、難民受け入れに対して反発するドイツ国民も一定数おり、難民支援の難しさが現れています。※12

日本での受け入れ状況は?

これまでは、世界の難民の様子を見てきました。では、日本での難民受け入れはどのような状況になっているのでしょうか?

日本における難民の歴史と現状を紹介します。

日本における難民の変遷

日本では、1970年代後半、インドシナ難民(ベトナム・ラオス・カンボジア)の大量流出を受け、1981年に難民条約に加入。1万人以上のインドシナ難民を受け入れました。※13

1982年には難民認定制度を導入し、日本において正式に難民受け入れが始まりました。難民として認定されると、国民年金、児童扶養手当、福祉手当などの受給資格が得られ、日本国民と同じ待遇を受けられます。また、永住許可を受けるための要件の緩和も受けられるようになります。※14

日本における難民の状況

世界と比較して、日本の難民認定は非常に厳しいと言われています。日本での難民認定申請者数は、2018年と2019年は共に1万人以上でしたが、2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、3,936人まで減少しています。

一方、難民として認定した外国人は、2019年で44人、2020年で47人と非常に少なく、2020年の認定率はわずか1.2%に留まります。

2019年時点で、他国の難民認定率はカナダ51.18%、イギリス39.80%、アメリカ22.73%であり、いかに日本の認定率が低いかがわかります。※15

なぜ日本はこれほど難民受け入れが厳しいのか、さまざまな理由が推測されます。国民の難民への関心が低いこと、そして就業目的で不正に難民申請をする「偽装難民」対策のための厳しい制度などが挙げられるでしょう。

しかし、日本の少なすぎる難民認定は世界からも批判されており、私たち一人一人が声をあげ、状況を改善していく必要があるでしょう。

【コラム】筆者がインドで見たチベット難民の現状

山肌に家が建ち並ぶダラムサラ(筆者撮影)

これまでに、世界と日本の難民について解説しましたが、実際の難民がどんな生活を送っているか、想像しにくいかもしれません。ここからは、筆者がインドで実際に見たチベット難民の現状についてお伝えします。

筆者は、2013年にインド北部ヒマーチャル・プラデーシュ州のダラムサラをはじめて訪れました。チベット仏教やダライ・ラマ法王に興味があり、この地を訪れましたが、そこではじめて「チベット難民」について知ったのです。

インドのチベット難民

チベット仏教のマニ車をまわすお坊さん(筆者撮影)

インドは難民条約に加入していないものの、チベット難民をはじめ、アフガニスタン、スリランカ、ミャンマー、ブータン、バングラデシュなどから難民を受け入れています。※16

1959年、チベットは中国からの弾圧を逃れ、ダライ・ラマ14世がインドへ亡命。その後、約10万人のチベット人があとに続いたと言われています。亡命したチベット人は、インド政府からインド北部のダラムサラに土地を与えられ、チベット亡命政府(中央チベット政権)を樹立しました。

中国によるチベットの占領は現在も続いています。ダライ・ラマ法王はチベットの独立ではなく自治を訴え続けていますが、今も中国側はこれを受け入れていません。中国の強硬な同化政策により、チベット人の言語や文化の弾圧は今も続いており、中国政府に講義するチベット人の焼身自殺が問題となっています。

現在、世界中に約13万4,000人の亡命チベット人がおり、インドが最多で10万人以上が暮らしています。※17

そして、現在も多くのチベット人が命の危険を冒して、ヒマラヤを歩いて亡命しています。ヒマラヤを越える途中で命を落としたり、ひどい凍傷にかかって体の一部を切断しなければならなかったりする危険を冒してまで、インドへ亡命してくるのです。

チベット人の教育

インド側はチベット難民を受け入れてはいるものの、居住の土地を貸しているだけの状況で、チベット人はインド国籍を取得することはできません。チベット人は外国人登録をして、インド政府が発行する証明書を所持しているだけで、政府からの支援は手厚いとは言えない状況です。

しかし、チベット人は自分たちで学校を建設し、インド国内でチベットの教育を行う環境を整えてきました。

1960年、亡命チベット人の子ども達の保護と教育を目的とした学校「TCV(チベット子供村)が設立されました。インドに数十か所あり、チベット人の子ども達が寮生活をしています。TCVは小学校~高校までに相当し、卒業した後インドの大学に進学する優秀な学生も一部います。

ラダックで訪れたTCVの学生たち(筆者撮影)

しかし、金銭面で苦しい状況の彼らの大学進学率は低く、奨学金を得たり、親戚からのサポートが得られたりする、ごく一部のチベット人しか大学まで進学することができません。

また、ダラムサラには、TCV以外にもチベット人支援を行う現地のNGOがいくつか存在しています。

筆者がよく見かけたのは、チベット人に無料で英語を教える団体です。インドはヒンディー語と英語が公用語ですが、チベットから亡命してきたばかりのチベット人はそのどちらも話すことができません。英語が話せるようになると、インドで得られる仕事の幅が広がるため、多くの団体が無料の英会話教室を開いていました。

無料の英会話学校。先生はボランティア(筆者撮影)

ダラムサラでの生活

チベット人のまち「ダラムサラ」は割と大きく、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王が暮らしていることもあり、世界中から観光客が訪れる場所です。観光客向けのお店やレストラン、ヨガ教室などもたくさんあり、一見して「難民のまち」とは思えないほどでした。

人々の生活にはチベット仏教が根づき、お寺に行くと多くのチベット人が「五体投地」と言われる全身を地面に這わせるお祈りをしていました。街中にはチベット仏教の経典が書かれた「タルチョ」というカラフルな旗が飾られ、道行くチベット人はみな数珠を身につけています。国を追われ、過酷な生活を強いられている人々にとって、宗教は心の拠り所なのでしょう。

タルチョ(筆者撮影)

しかし、ダラムサラでは、チベット人の若者が仕事もなく昼間からぶらぶらしているのが印象的でした。筆者が出会った若者達は、口を揃えて「ここには仕事がない」と話していました。TCVを卒業しても良い仕事に就けなかったり、大学進学までできなかったりして、職の機会がなく、あったとしても低賃金を強いられています。そんな中で、彼らは同じ民族同士、助け合って生活をしていました。

また、中には亡命してきたものの、さまざまな理由からチベットへ帰る者もいました。若くして1人だけで亡命してきて、やはり家族に会いたいからチベットに帰る選択をした人もいました。

一方、長く続くインドでの亡命生活で、インドで生まれた2世3世も増えてきています。彼らはチベットを知りませんが、インドで生まれたにもかかわらず国籍はないままです。

チベット問題は根深く、今も解決の兆しが見えていません。ダライ・ラマ14世も高齢となり、一刻も早い問題解決が望まれます。

難民とSDGs

これまで難民について筆者自身の体験も交えてお伝えしましたが、難民とSDGsはどのように関係するのか考えていきましょう。

SDGsとは

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称。2030年までに達成すべき17の目標として、2015年に国連サミットで採択された、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。

難民に関わるSDGsのターゲット

難民は、以下のターゲットに関わります。

  • 1 貧困をなくそう
  • 2 飢餓をゼロに
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 16 平和と公正をすべての人に

目標1「貧困をなくそう」
目標2「飢餓をゼロに」

この2つは、まさに難民に直接関わるターゲットでしょう。難民は、着の身着のままで何も持たずに逃げる場合がほとんどです。家も財産もすべて失い、時には命を落とすことさえあります。無事に国外に逃れたとしても、難民キャンプで満足な食事が取れず、飢餓に陥ることもあるのです。貧困や飢餓に陥る難民への長期的な支援が求められます。

目標3「すべての人に健康と福祉を」
国外に逃れた難民は、必要とする医療サービスを受けられない場合が多くあります。食べ物が十分になく、飢餓に陥ってしまえば、健康を保つこともできません。

目標4「質の高い教育をみんなに」
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

難民として国外に逃れると、教育の機会を失ってしまいます。特に、子どもや女性といった弱い立場にいる人々は、教育の機会が得られない場合が多いのです。

目標6「安全な水とトイレを世界中に」
難民キャンプでは、医・食・住が不十分である場合が多く、特に衛生面は後回しになりがちです。不衛生な水やトイレ伝染病が発生するおそれもあります。

目標10「人や国の不平等をなくそう」
現状、生まれた国によって、難民になるかどうかが決まってしまいます。私たちは日本で裕福な暮らしができる一方、紛争地域で生まれた人は難民となり苦しい生活を強いられてしまいます。生まれた国や人種によって、不平等が発生しない社会の実現を目指しましょう。

目標11「住み続けられるまちづくりを」
難民になるとは、ある日突然住んでいた場所を奪われることです。紛争や暴力によって住み慣れたまちを離れなければならないことは、心身のストレスが大きいでしょう。どんな国、地域でも安心して住み続けられる社会の実現が求められます。

目標16「平和と公正をすべての人に」
難民の多くは紛争や暴力、経済不安が原因で発生しています。平和と公正とは真逆の位置にあるのが難民であり、世界はこれを許していいはずがありません。誰もが安全に暮らせる社会を築くためにも、難民問題の解決は急務です。

難民問題1つとっても、これほど多くのSDGsの目標に関係します。難民になってしまった人をサポートするのはもちろん大事ですが、最も重要なのは、そもそも難民が発生しないような社会を築くことではないでしょうか。

そのためにも、私たち国民一人一人が高い意識を持ち、国や政府をしっかりと監視することが抑止力になるはずです。

私たちにできること

ここまでお読みいただき、難民問題は大きすぎて私たちにできることなど何もないように感じてしまうかもしれません。特に、日本という安全で紛争とはかけ離れた場所にいると、実感を持つのも難しいでしょう。

しかし、安全な日本にいるからこそできる支援もあります。その1つが「寄付」です。

日本には難民支援を行っている団体がいくつもあり、そのほとんどが寄付を求めています。ここでは3つの団体をピックアップしました。どこに寄付をしていいかわからないという人も、ぜひ参考にしてください。

認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン

約100カ国で開発援助や緊急人道支援を通して、困難な状況で生きる子どもたちのために活動している国際NGOです。

子どもの成長がわかる寄付「チャイルドスポンサーシップ」

・支援している子どもの成長報告書が届く
・子どもと手紙のやり取りができる
・子どもたちに会いに行ける

「1人の子どもを支援している」様子がわかるので「私の寄付が、遠い国に住むこの子の支えになっている」と実感できるでしょう。

認定NPO法人 難民支援協会(JAR)

日本に逃れてきた難民が適切に保護されるために、さまざまな支援をしており、20年以上の活動実績がある団体です。

JARの活動

・ホームレスに陥った難民にシェルターを提供
・日本語がわからない難民にとって非常に難しい難民認定を、法的に支援
・就労などの経済的な自立をサポート

JARでは、月1,500円から寄付できる「難民スペシャルサポーター」を募集しています。

NPO法人 レインボーチルドレンジャパン

インド・チベットの若者へ奨学金支援を行う団体です。レインボーチルドレンの奨学金によって、これまでに120人以上のチベット人が、インドの大学に進学しています。

レインボーチルドレンへの寄付

・「マンスリーサポーター」 月1,000円からの継続支援(6人で1人の奨学生を支援できる)
・「ワンスマイルサポーター」 1回の寄付

ボランティア活動に参加する

寄付を受けつけている団体を紹介しましたが、こういった団体は慢性的に人手が足りていない場合も多くあります。

例えば、単純な事務作業を手伝ってくれる人を求めていたり、啓蒙活動のためのイベント運営スタッフが必要になったりすることもあるでしょう。ボランティアとして、活動をサポートすることも、立派な難民支援になります。

紹介した団体以外にも、支援を求める団体はたくさんあります。ぜひお近くの団体を探して、活動のサポートを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

難民問題はとても大きく、「世界の遠いところで起きていること」と感じてしまい、日本で実感を持つことは難しいでしょう。筆者も、実際にインドでチベット難民と触れ合ったことで、はじめて難民についてじっくり考える機会を得ました。

しかし、SDGsの掲げる「持続可能でよりよい世界を目指す」ことを実現するためにも、難民問題に取り組むことは必須です。

特に、難民受け入れが厳しい日本において、私たち一人一人が意識を持つことは大事です。国民の意識が高まれば、状況が変わるかもしれません。そのためにも、私たちは世界の状況を知り学び続ける必要があります。

私たちと一緒に学びましょう。そのためにも、当サイトでは今後も最新の情報を発信し続けます。

参考文献:
※1 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※2 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※3 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※4 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※5 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※6 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※7 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※8 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※9 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
※10 JICA
※11 特定非営利活動法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン
※12 認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン
※13 JICA
※14 出入国在留管理庁
※15 認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン
※16 公益財団法人 アジア福祉教育財団 難民事業本部
※17 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所