#インタビュー

株式会社ネオナチュラル |  女性を美しく幸せにしたい

株式会社ネオナチュラル 高柳さんインタビュー

高柳 昌博

1961年 生まれ(愛知県名古屋市)

1982年 岐阜大学工学部土木工学科 卒業
大手建設会社入社 
青函トンネル関連のトンネルや橋の建設工事の現場監督など行う

1989年 建設コンサルタントの会社に転職
1996年 株式会社高柳設計(現ネオナチュラル)入社

父が癌で急逝したため入社し 代表取締役就任 元は機械の設計の会社だったが、私が入社したのを切っ掛けに宅地開 発やゴルフ場設定などの大規模開発の建設コンサル事業開始

1998年 1才の娘のアトピーを切っ掛けに 石けんを作る それが評判になり個人で 製造販売開始

2000年 会社でオーガニックスキンケア事業開始 
2006年 完全にオーガニック製品の製造販売に事業転換を行い社名(株)ネオナチュラルに変更
2010年 岐阜県郡上市にスキンケアの原料を栽培する母袋有機農場を開場
2018年 有機農場内にはだ恵り工房(食品工場)を作り健康飲料の生産開始
2019年 健康飲料事業にて 経済産業省から 地域資源活用事業認定を取得

introduction

人や環境に優しい自然素材のオーガニック製品の製造・販売や、体験イベントを通して「すこやかな美しさと心豊かな生活」の提供を目指す株式会社ネオナチュラル。

今回、代表である高柳さんに、製品に込められた想いや取り組みについてお話を伺いました。

事業のはじまりは、娘のための石けんづくり

–本日はよろしくお願いします。早速ですが、事業内容をお教えください。

高柳さん:

ネオナチュラルは、自然素材のオーガニックを中心とした製造販売を行なっています。

–純国産馬油を使用した石鹸とは珍しいですね。こちらはどのような商品なのでしょうか?

高柳さん:

馬の皮下脂肪から取れる油を利用して作られた石鹸です。一般的な石鹸は、牛脂や植物性オリーブオイルから作られていますが、肌への刺激が強いと言われています。対して馬油を使った石鹸は、敏感肌の方でも使えるほど刺激が少ないんです。

–なぜ肌への刺激が少ない石鹸を開発されたのでしょうか?

高柳さん:

娘のアトピーの症状を改善したいと思ったことがきっかけです。娘が1歳のころひどいアトピー肌になってしまいました。肌は年中ひび割れて血がでていたので、お風呂に入ると泣きわめいてしまうほどで。病院で処方してもらった薬や市販のスキンケア製品を一通り試したものの、一向に良くならず、「なんとか娘の肌を守りたい」その一心で、自分自身でスキンケアの成分を調べ始めました。

–スキンケアの成分を一からご自分で調べられたんですね。

高柳さん:

はい。もともと私は、父の代から始めた建設コンサルタント会社を本業としており、スキンケア成分の知識は一切ありませんでした。

そのため図書館に通いながら、独学で肌やコスメの成分について学び始めました。するとアトピーや敏感肌には『界面活性剤』が悪影響を及ぼすということが分かり、さらにマクロビオティックや東洋医学・漢方なども学んだことで、最終的に馬油にたどり着いたのです。人間の皮脂とよく似ていて保湿性にも優れます。

–そこから実際の石鹸を作りあげるまで相当大変だったのではないでしょうか?

高柳さん:

そうですね。なにしろ素人ですから、まずは自宅の台所で馬油を使いながらいろいろな石鹸を実際に作ってみるところから始めました。時間はかかりましたが、試行錯誤を重ねて今の商品のベースとなる馬油石鹸が誕生しました。

–その馬油石鹸が娘さんの肌にあったのですね。

高柳さん:

はい。目に見えて症状が改善されていきました。すごくうれしかったですね。

–その後保育園の保護者の方を通して評判が広がったようですね。

高柳さん:

はい。娘の肌がキレイになったことが評判になり、子どものアトピーで悩む保護者から、『馬油石鹸を使わせて欲しい!』と声をかけられ始めたんです。「自分の身近にいる人だけでなく、同じような悩みを持つ多くの人の助けになれば」と考え、その時からネットでの販売を開始しました。

–お話を伺っていると、とんとん拍子で事業が大きくなっていったように感じました。

高柳さん:

その過程で心の葛藤はありましたね。

石鹸づくりはあくまでも個人的な取り組みで、本業は設計コンサルタントでした。でも石鹸づくりと向き合えば向き合うほど、山を切り開いてゴルフ場を作るといった自然に手を加える行為に疑問を持つようになってしまったのです。

石鹸の販売数が増加したことも後押しとなり、その後株式会社ネオナチュラルを立ち上げ、建設コンサルタント事業からオーガニックコスメの製造・販売へ事業転換しました。

本来備わっている力を引き出す成分を厳選

–ここからは製品について教えてください。ネオナチュラルは化学的な成分を一切使わない製品づくりを行っていらっしゃいます。その理由を教えてください。

高柳さん:

化学的な成分を否定しているのではなく、人にも環境にも優しい自然素材を使いたいという我々のポリシーに沿った選択をしているという方が正しいかもしれません。私たちの肌には本来自然に沿った働きがあります。

–それを引き出す必要があると。

高柳さん:

はい。例えば肌の上には、腸内細菌のように『肌を守る菌』があります。我々はこの菌の力を最大化できるような製品を作っています。一方、一般的な化粧品に含まれる合成保存料といった化学成分を塗ってしまうと、その善い菌が死んでしまい、アトピーといった肌のトラブルを引き起こす恐れがあるんです。

–一方でパラベンや防腐剤といった化学成分は、保存期間を長くするために必要な成分であるような気もするのですがいかがでしょうか?

高柳さん:

自然素材でも、防腐作用があるものがあるんです。〇〇のカビには▼▼が効果があるなど、いろいろな成分を組み合わせることで製品の保存期間を長く保つことができています。店頭に出している製品は3年もちますよ。

–自然素材は環境にも良さそうですね。

高柳さん:

そうですね。子どもやその次の世代まで美しい地球を残していくために、これからも自然と共生できる事業を展開していきたいですね。

収穫体験やへちまを使った壁面緑化運動で、SDGsに貢献していく

–事業とSDGsとの関係を教えてください。

高柳さん:

お客様に喜んでいただける製品を追及したところ自然素材にたどり着き、それがまさにSDGsを体現するようなものだったという形です。その流れを製品開発だけにとどめず、様々なイベントを開催するなど啓もう活動にも力を入れています。

–具体的に教えてください。

高柳さん:

製品の原料づくりを行う母袋(もたい)有機農場で、ラベンダーなど、ハーブの収穫体験をしたり、原料を収穫して化粧水づくりをするといった自然体験イベントや、観察指導員の協力のもと、自然の中を歩きながら自然の仕組みを観察する自然観察会を行っています。どちらもお子様にもご参加いただけます。

–SDGs目標12「つくる責任つかう責任」や15「陸の豊かさも守ろう」を子どもから大人まで啓もうするような活動ですね。

高柳さん:

他には、我々の製品の主成分であるへちまを使った壁面緑化運動もおこなっています。沖縄のゴーヤを参考に、へちまをカーテンのようにすれば強い日差しを避けることができ、エアコンの消費量も節約できると考えました。へちまの葉っぱは一つ一つが大きいので、カーテンの役割にはぴったりなんです。

–SDGsのターゲット7『エネルギーをみんなにそしてクリーン』に繋がりますね。

高柳さん:

はい。この活動を広げるためにへちまの種のプレゼントも行っています

社員を巻き込みながら、地域貢献にも力を入れていきたい

–ネオナチュラルのスタッフの方は、年に8回農場に行きへちまの収穫などをしていると伺いました。

高柳さん:

お客様に製品の紹介をするためには、製品がどのようにできているのかを自分の目で見てもらう必要があると考え始めた取り組みです。お米班、ハーブ班など、チーム分けをして、地元の方々と一緒に作業をしてもらっています。地域の課題も見えてくるようで、そういったものを自分ごと化する社員が増えてくれると嬉しいですね。

–自分ごと化はSDGsの肝となる考え方だと思いますので、非常に良い取り組みだと思いました。最後に一言お願いします。

高柳さん:

お客様だけでなく、私たちの製品に関わる全ての方々が、自然で美しく、輝けるような世界になればと思います。今後も、お肌に悩みを持つ方を一人でも多く救えるような製品を作りながら、事業の拡大をしていきたいです。

–ありがとうございました。

インタビュー動画

関連リンク

>>株式会社ネオナチュラル