#SDGsを知る

SDGコンパスとは?5つのステップや企業の活用事例も

SDGコンパス

SDGsへの取り組みを経営戦略にする行動方針が「SDGコンパス」です。より積極的に自社の事業にSDGsを活用し、経営に役立てるための手順や方法がまとめられています。

この記事では、SDGコンパスとは何か、5つのステップ、企業の活用事例、中小企業の例を紹介します。

SDGコンパスとは

SDGコンパスとは、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)の3組織が開発したSDGsの行動方針です。企業がSDGsを経営戦略に取り入れるための手順や方法をステップ1から5の段階に分けて説明しています。

SDGコンパスの5つのステップ

ステップ1 SDGsを理解する
ステップ2 優先課題を決定する
ステップ3 目標を設定する
ステップ4 経営へ統合する
ステップ5 報告とコミュニケーションを行う

SDGコンパスはもともと大きな多国籍企業に向けて作成されましたが、中小企業やその他の組織においても、必要に応じて内容を変更して利用することが期待されています。英語から日本語に翻訳された「SDGコンパスガイド」は、以下のリンクから入手可能です。

SDG Compass「SDG Compass SDGsの企業行動指針—SDGsを企業はどう活用するか—

グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)とは

持続可能性(サステナビリティ)に関する事柄を報告書に掲載する国際的な基準を策定している独立した国際組織。持続可能な世界と経済を推進することを目的に活動している。

国連グローバル・コンパクト(UNGC)とは

国連と民間企業・団体が主導して持続可能な成長を実現するための取り組みを自発的に行う組織。参加する企業・団体は、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗の防止に取り組む。

持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)

世界をリードする200社以上の企業が参加する共同体。地球資源や気候変動などの課題に取り組み、経営を支援するツールを開発している。

そもそもSDGsに取り組むメリットとは?

sdgsロゴ

そもそもSDGsに取り組むことでどのようなメリットがあるのでしょうか。「SDGコンパス」の中では、SDGsを実践するメリットとして次の5つを挙げています。

将来のビジネスチャンスを生む

SDGsに取り組むことで自社が投資の対象となります。そして革新的なソリューションや抜本的な変革を進める企業がより成長できるでしょう。

企業価値が向上する

企業が資源を効率的に利用するなどの持続可能性を高める活動をすることで、企業価値を向上させることができます。

ステークホルダーとの関係を強化する

ステークホルダーが国際、国家、地域レベルでSDGsに期待する今、企業経営に取り入れることで、顧客をはじめ従業員などとの関係を強化できます。

社会と市場が安定する

ルールに基づく市場や透明な金融システムなどに関するSDGsに投資することで社会が機能し、企業の成功につながります。

目的を共有できる

企業はSDGsという世界共通の目的を共有することで、ステークホルダーと効果的に意見交換を行えるほか、相互に協力できるパートナーを見つけることができます。

これらのメリットを受けるためには、企業経営の中でSDGsを実践するためのガイドであるSDGコンパスを利用するのが一つの有効な方法です。

SDGs活用ガイドとは違う?

「SDGコンパス」は、SDGsへの貢献度を測定して管理することを目的としています。一方「SDGs活用ガイド」は、これまでSDGsに関する取り組みを行っていなかった企業に向けて、どのように取り入れたら良いのかを解説しています。前者が大きな多国籍企業をはじめとした中小企業、その他の組織に向けたものであるのに対して、後者は中小規模の企業・事業者です

またSDGコンパスでは、測定可能な期限付きの持続可能な目標を設定しますが、SDGs活用ガイドでは、取り組み実施前と後の変化をモニタリングするというように評価方法に違いがあります。SDGコンパスの方がより明確に結果を提示できることが特徴です。

「SDGs活用ガイド」はこちらから

なせSDGコンパスが注目されている?

SDGコンパスが注目されている理由は、SDGsへの取り組みや貢献をより経営戦略的な視点から実践する手引きだからです。事業経営において持続可能性を保つには、SDGsに貢献できる経営方針を立てなければなりません。そのためには、自社の中核事業の持続可能性を踏まえ、SDGsへの貢献度を測定して管理することが必要です。SDGコンパスにはこれらの手順や方法などが示されており、SDGsに最大限貢献しながら事業を成功させる指針が示されています。

SDGコンパスの5つのステップ

先述の通り、SDGコンパスは5つのステップがあります。これらを順番に進めていくことで、SDGsへの取り組みを始めるところから結果報告までの一連の流れを確認することが可能です。詳しくは「SDG Compass SDGsの企業行動指針—SDGsを企業はどう活用するか—」の中で説明されていますが、ここではポイントのみを簡単に解説します。

ステップ1:SDGsを理解する

ステップ1は「SDGsを理解する」です。まず①SDGsとは何か、②企業はSDGsをどのように活用できるのか、③SDGsが企業の責任の上に成り立っている、という点を中心に理解を深めていきます。

①SDGsとは何か

SDGsは、健康と福祉、産業と技術革新、貧困を撲滅するなどの経済・社会・環境に広く関わる国際的な開発目標です。全部で17の目標があり、それぞれに具体的なターゲットが定められています。

■SDGsの17の目標

目標1あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
目標2飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標3あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標4すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する 
目標5ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワメントを行う
目標6すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標7すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標8包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標9強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
目標10各国内及び各国間の不平等を是正する
目標11包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標12持続可能な生産消費形態を確保する
目標13気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標14持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標16持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法への アクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標17持続可能な開発実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
>>それぞれの目標についてはこちらから

※各目標の具体的なターゲットは、外務省「SDGグローバル指標(SDG Indicators)」にて確認できます。

これらを知った上で、自社に関わる経済・社会・環境の項目や課題を洗い出しておくと良いでしょう。

②企業がSDGsを利用する意味とは

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そもそもSDGsに取り組むメリットとは?」で紹介したように、企業がSDGsに取り組むことでさまざまな利点があります。例えばどのような事業活動がSDGsに当たるのか、具体的な事例をいくつか確認しましょう。

・ 省エネルギーや再生可能エネルギーなどを利用した持続可能な輸送技術を開発する(将来のビジネスチャンスを生む)

・ 40憶人に上る貧困層の生活改善につながるような保健、教育、エネルギー、金融、ICTを用いて製品・サービスを供給する(将来のビジネスチャンスを生む)

  • 企業活動に持続可能性を取り入れることで、消費者に商品を購入してもらいやすくなる(企業価値が向上する)
  • 法的リスクや自社に対するネガティブな評判などを軽減する(ステークホルダーとの関係を強化する)
  • 従業員を教育することで、熟練した人材を育成する(社会と市場が安定する)

SDGsに取り組むことは、事業を成長させる機会になるほか、リスクを下げることにもつながります。

③企業の基本的責任とは

SDGコンパスは、企業の規模やセクター、地域にかかわらず、すべての企業が(1)関連法を遵守する、(2)国際的に定められた最低基準を維持する、(3)普遍的な権利を尊重する責任がある、という認識の上に成り立っています。

国際的に認められている「国連グローバル・コンパクト10の原則」では、企業が自社活動において人権を侵害しないことを基本的な責任としています。SDGsに取り組む際には、この責任を負うことを頭に入れておかなければなりません。

これらを理解した上で、次のステップ2に進みます。

ステップ2:優先課題を決定する

ステップ2は「優先課題を決定する」です。SDGs17の目標のうち、自社が貢献できる項目や程度を明確にします。具体的には、次の3つの事項を中心に進めていきます。

①バリューチェーンをマッピングし、影響領域を特定する

企業は、調達物流から製品の生産、販売、使用、廃棄までのバリューチェーン全体において、社会的・環境的な影響を考慮することが推奨されています。次の実例のように、環境に与える正と負の影響をマッピングします。

マッピングを作る際には、内部や外部のステークホルダーと協働して行います。自社の活動がSDGsにどのような影響を与える可能性があるかを確認します。

②指標を選択し、データを収集する

①で作成したマッピングから、大きな影響をもたらすと考えられる領域について、最も関連性の高い指標を設定します。

例えば、ある企業が製品を製造する際に、水を使うとします。その工場は、貧困率が高く乾燥した地域にあるので、水への依存率や影響を検討します。この場合、「水不足の地域における総取水量」を一つの指標にします。これにより、自社工場が地域の水資源にどれだけ依存しているか、また影響を与えているかを知ることが可能です。設定した指標を基に、データを収集していきます。

③優先課題を決定する

①②を経て自社の正と負の影響が把握できたところで、優先課題を決めます。次の基準を参考にして、影響が大きいと考えられる事項にすると良いでしょう。

  • 主要なステークホルダーに与える負の影響の規模や強度、可能性の影響について重要性が高いか
  • 資源効率化を進めることで、競争力が強化できる機会があるか
  • 正の影響により成長する可能性や利益を得る機会(新製品やソリューション開発、新しい市場を開拓する機会など)があるかなど

①~③は文書化して残しておき、定期的に見直すことが推奨されています。

ステップ3:目標を設定する

ステップ3は「目標を設定する」です。ステップ2で決めた優先課題を具体的にかつ測定可能な期限付きの目標にして、情報発信をします。次の①~④の項目を設定していきます。

①目標範囲を設定し、KPIを選択する

ステップ2で決めた優先課題の指標に対して、具体的かつ測定可能な目標範囲を設定します。先に紹介した水を使用する企業の場合は、「水不足の地域における総取水量」をどれくらいにするかの数値目標を立てます。

さらに、目標に取り組む過程において達成度や進捗状況を把握する指標であるKPI(主要業績評価指標)を選択するのも良いでしょう。このとき、例えば「カーボンニュートラルを達成する」という大きな目標ではなく、期限を区切った計測できるKPIであることが望ましいとされています。

②ベースラインを設定し、目標のタイプを選択する

各目標にベースラインを設定します。ベースラインは、「特定の時点」と「特定の期間」を軸に考えると良いでしょう。

■ベースラインの例

特定の時点」…女性役員の数を2020年までに2013年末と比較して40%増加させる

特定の期間」…2018年から2020年までの3年間の平均水使用量を、2006年から2008年までと比較して50%削減する

次に目標のタイプを決めます。目標の種類は一般的に、「絶対目標」(KPIのみを考慮)と「相対目標」(原単位目標、KPIを産出の単位と比較する)があります。

■目標のタイプの例

絶対目標」…安全衛生事象の発生率を2015年から2020年までに30%削減する

相対目標」…単位売上高に対するスコープ1の温室効果ガス排出量を2014年から2018年までに25%削減する

以上を終えたら次に進みます。

③意欲度を設定する

目標に対してどのくらい意欲があるのかを検討します。これは、目標を達成する時間にも大きく関わってくる問題です。例えば、自社のエネルギーを「75%再生可能エネルギーで賄う」とするか、「100%再生可能エネルギーで賄う」とするかではインパクトが違います。「100%」の方がメッセージ性は強く高い意欲を示すことができると言えるでしょう。

ただし、「100%」を達成できるのは、75%よりも先になるはずです。時間が長くなればなるほど、目標としての現実性が失われる可能性があることも考慮する必要があります。

④SDGsへのコミットメントを公表する

①~③までの目標やベースライン、意欲のすべてまたは一部を公表します。この情報発信を行うことで、従業員や取引先の士気が上がるほか、外部のステークホルダーへのアピールにもなります。

ステップ4:経営へ統合する

ステップ4は「経営へ統合する」です。ステップ3まで終えたら、持続可能な目標を達成するための取り組みを各部門に組み込みます。本ステップでは、次の3つの項目を行います。

①持続可能な目標を企業に定着させる

ここまでに立てた目標を企業に定着させることは重要です。経営トップや取締役会が主導して、目標を事業に組み込んでいきます。その際、(1)事業として取り組む理由を明確にする、(2)持続可能な目標に取り組むことで企業価値を創造する、(3)目標は、売上高、生産性、財務、戦略、業務などの目標の達成にも必要であることを示します。持続可能性への意欲や企業のビジョン、使命や目的を文章にするとより伝わるでしょう。

②すべての部門に持続可能性を組み込む

目標を達成するためには、専門チームはもちろんのこと、研究開発部門や事業展開部、供給管理部、事業部、人事部などの各部門の取り組みが重要です。部門の垣根を超えた協議会や委員会、プロジェクトチームを発足するなども一つの手段です。

③パートナーシップに取り組む

企業単独では、持続可能性の課題への取り組みは難しいといわれています。そのため、共通の目標に向かって、明確なガバナンス体制や単一のモニタリング体制を構築できるパートナーを見つけることが有効です。例えば、バリューチェーン・業界のリーダー・ステークホルダーなどとパートナーシップを結ぶことを検討するのも良いでしょう。

ステップ5:報告とコミュニケーションを行う

ステップ5は「報告とコミュニケーションを行う」です。SDGsへの取り組みの進捗状況や達成度、影響について情報開示します。こうした報告とコミュニケーションが、企業の信頼や価値につながります。

①効果的な報告とコミュニケーションを行う

効果的な報告を行うためには、正確であること、網羅していること、明瞭であることなどが基本です。また、(1)企業が基本的責任をどう果たしているのか、(2)SDGsへの負の影響へどう対処しているのか、(3)SDGsの達成に向けて技術やソリューションをどう活用しているのかを報告書にまとめます。

②SDGs達成度についてコミュニケーションを行う

SDGs達成度は、次の項目に関する情報を開示します。

(1)達成しようとしているSDGsを選定した理由とその過程

(2)上記のSDGsに関する正や負の影響

(3)目標と進捗状況

(4)目標達成への戦略と実践方法

ステップ3で設定したKPIなどの指標を活用して、報告書を作成します。報告書は主に、(1)全体の報告書の一部にSDGsや持続可能性について掲載した「統合報告書」、(2)SDGsや持続可能性について単独で作成した「SDGs報告書」がありますが、SDGコンパスはいずれの書式も選択可能です。

以上のステップ1~5を経てSDGsへの貢献度を社内外に示し、自社の経営戦略として活用できます。

企業のSDGコンパス活用事例

SDGコンパスで示されている指標の選択や目標の設定、報告書の作成などを実践している企業の報告書の事例を取り上げます。企業がどのようにSDGsを経営戦略に取り入れているかの参考にしてください。

大和証券グループ本社SDGsレポート2022

大和証券グループは、証券業を中核とする投資・金融サービス業です。『大和証券グループ本社SDGsレポート2022』では、主に次の事項がまとめられています。

  • 2023年度に女性取締役比率30%以上、2030年までに女性管理職比率25%以上などのサステナビリティに関するKPIを設定(p.10)
  • SDGs責任者やSDGsビジネスワーキンググループを設置し、KPIのモニタリングや進捗状況を管理(p.17)
  • ステークホルダーとの関係強化を宣言(p.21)

さらに、「コーポレート・ガバナンス」(p.77)の項目では、「信頼の構築」「人材の重視」「社会への貢献」などの企業理念などを伝えています。

JFE GROUP REPORT 2022 統合報告書

JFEグループは、鉄の製造を中心に、エンジニアリング事業や商社事業を展開する企業グループです。『JFE GROUP REPORT 2022 統合報告書』では、主に次の事項がまとめられています。

  • 世界中に広がるバリューチェーンにおいて事業を展開する中で、リスクや課題に対処するプロセスを提示(p.17)
  • 事業活動の課題と関連するSDGsを整理(p.22)
  • 2024年度末にCO2排出量2013年度比で18%以上削減という目標の50%を2022年度に達成(p.24)

その他に、コンプライアンスの徹底(p.82)や人権の尊重(p.85)、法令順守などを事業活動の基本と位置付けています。

NTT Communications Corporation Sustainability Report 2022

NTT Communications Corporation Sustainability Report 2022
引用元:『NTT Communications Corporation Sustainability Report 2022

NTTコミュニケーションズは、国内電気通信事業の県間通話サービスや国際通信事業などを展開する企業です。『NTT Communications Corporation Sustainability Report 2022』では、主に次の事項がまとめられています。

  • サステナビリティを進めていく中で基本方針を作成し、重点項目とKPIの設定プロセスを紹介(p.019)
  • 2022年度の地域社会貢献活動への参加回数を対前年比で増やす(p.022)
  • バリューチェーン・パートナーシップを充実させる重点活動項目では、2022年度に重要なサプライヤとの直接対話実施率を100%にする(p.027)

その他、コーポレート・ガバナンス体制や(p.095)やコンプライアンスの徹底(p.096)を明示しています。

SDGコンパスは中小企業でも使える?

SDGコンパスは冒頭に述べたように、もともと大きな多国籍企業に向けて作成されたガイドです。しかし、中小企業やその他の組織でも必要に応じて内容を変更して利用することが期待されています。

活用のポイント

中小企業がSDGsに関する報告書を作成している例として、長野県のひかり味噌株式会社※資本金1億円、従業員数289名(2022年9月現在/グループ計)の『SDGsレポート2022年度』をご紹介します。

HIKARI MISO  SDGsレポート2022年度』』では、SDGsへの取り組みの進捗状況や活動予定に期日を設けて公表しています。また、環境目標に対しては、環境マネジメントシステム(EMS)や内部環境監査員による監査を実施して活動を推進しています。

ポイントは、SDGコンパスの「指標を選択する」「目標範囲を設定する」などの要点を拾ってまとめているところです。関連するSDGsの課題を取り上げ、活動と進捗状況、目標を提示することで、積極的な取り組みを行っていることがうかがえます。中小企業においても十分に活用できるでしょう。

著作権で気を付けるポイントはある?

SDGコンパスは誰でも参照できますが、商用での利用はできません。「こんなときの著作権はどうなる?」という疑問を次にまとめたので、参考にしてください。

  • 印刷して社内に配布したい→問題ありません
  • イトにSDGコンパスのページの一部を載せたい→参照元のサイト名とURLを掲載します
  • 自社のSDGsに対する取り組み紹介資料にSDGコンパスのページの一部を載せたい→参照元のサイト名とURLを掲載します

まとめ

SDGコンパスとは、企業がSDGsを経営戦略に取り入れるための行動方針です。ステップ1から5の段階を踏むことで、SDGsをより事業活動と結び付けることができます。もともとは大きな多国籍企業に向けて作成されましたが、中小企業やその他の組織でも活用できます。SDGコンパスを利用すれば、SDGsへの取り組みをより効果的に報告書にまとめて、事業経営を有利に進めていくことが可能です。