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どこからが誹謗中傷となる?過去の事件・事例をもとに対応や対策例を解説

誰もが自分の意見を表明できるインターネット。Webを飛び交う言葉の力は、時に政治を変え、社会を動かしてきた一方、他人を容易に傷つけ、憎悪や対立を引き起こす凶刃ともなります。その原因の一つが誹謗中傷であり、その問題は近年ますます深刻化しています。私たちがいつ遭遇し、巻き込まれてもおかしくない誹謗中傷について、事例や対応、防止策などを解説していきます。

誹謗中傷とは

誹謗中傷とは、根拠のない嘘や悪口によって他人を傷つけ、社会的評価を貶める行為を言います。相手の人格を否定する言動や侮辱、本人以外の家族や所属先への同様の行為に加え、直接・間接に危害を加えることを示唆するのも誹謗中傷です。

誹謗中傷という行為自体は昔からありましたが、近年では特にインターネットやSNSでの問題が深刻化しています。

誹謗と中傷の違い

誹謗中傷という言葉はもともと「誹謗」と「中傷」という別々の言葉でした。それぞれの意味は

  • 誹謗=他人の悪口を言うこと
  • 中傷=根拠のない悪口などを言って他人の名誉を傷つけること

と定義されています。現在では、この2つを合わせて誹謗中傷という一つの言葉として使われることが多くなっています。

誹謗中傷と批判の違い

私たちの日常生活では常にさまざまな議論が飛び交います。そこで見受けられる批判は、誹謗中傷とどのような違いがあるのでしょうか。

批判」の意味としては

  • 批判=物事のいい点については正当に評価・顕彰する一方、成立の基盤に関する欠陥については徹底的に指摘・検討し、本来どうあるべきかを論じること

とあります。つまり「良いものは良い、悪いことは悪い」と認め、悪いと思うことに対してはしっかりと根拠を示し、指摘して改善を求めるのが批判です。

本人の言い分を無視し、事実ではないこと、物事とは無関係な悪口や人格攻撃で相手を貶める誹謗中傷とは全く異なります。

どこからが誹謗中傷となるのか

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こうした違いはあるものの、実際には言葉の使い方や相手の受け止め方、発言の状況などで判断が分かれ、どこからが誹謗中傷かの厳密な線引きは簡単ではありません。

一般社団法人セーファーインターネット協会の調査によると、2022年に誹謗中傷ホットラインに寄せられた相談件数2,152のうち、実際に誹謗中傷に該当するとされたものは約26%で、残りの約74%は誹謗中傷と認定されていません。

問題は「権利侵害」と「個人の特定」

明確に誹謗中傷であるとされるケースとして多いのが、実生活の公表や実名で活動する個人同士のトラブルであり、被害者の氏名・住所・顔写真など個人情報を晒した上で行われる人格攻撃です。

逆に誹謗中傷と認められなかった理由としてあげられたのが

  • (被害者・加害者とも)実在の個人が特定できない
  • 公共・公益目的でないとはいえない
  • 社会的評価が低下する内容や侮辱的な内容とはいえない
  • 被害者本人ではない

などとなっています。ここからわかるおおよその基準としては

  • どういった権利侵害が生じているのか
  • 根拠を伴わない悪口や、嘘、噂によって相手を傷つけたかどうか
  • 客観的に見て人格攻撃をしているか
  • 特定の人や団体を名指ししているか

などの点が誹謗中傷に該当するかしないかの目安とされます。

つまり誹謗中傷であるか否かは「個人の特定」「社会的評価など具体的な権利の侵害」であることが必要だと言えるでしょう。

公益性を伴う批判は?

では、政治家や企業の不正を糾弾するための批判は誹謗中傷になるのでしょうか。

こうした批判は「政治家個人や企業を特定し」「社会的地位・評価を下げる」ために行われる場合がほとんどです。しかし、正当な権力批判を「誹謗中傷」としてしまうと、言論の自由や政治参加の権利に対する侵害となります。

そのため後述する名誉毀損罪では、不正を批判される対象が公選による政治家や公務員で、真実であると証明された場合、批判行為が公益・公共の利益に関するものであれば名誉毀損罪には当たりません。ただし、公益とは無関係な内容に関する人格攻撃などは誹謗中傷となります。

誹謗中傷の現状

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誹謗中傷はインターネット掲示板の登場と共に増加し、SNSの普及でその数は急増します。しかし当時は明確な法整備はなされず、警察や司法も事の重大さを理解していませんでした。

近年は有名人を中心に被害が問題視されてようやく法整備が進むものの、依然として誹謗中傷は高止まり傾向にあります。

総務省の「違法・有害情報相談センターに寄せられた相談件数の推移」への相談件数は2015年には5,200件に達し、2022年には5,745件となっています。ただしこれら全てが誹謗中傷というわけではなく、前述の誹謗中傷ホットラインへの相談件数に限っても、2022年には2,152件となっています。

増加傾向にある背景

誹謗中傷が増加している背景には、いくつかの要因があります。

  • SNSの手軽さ:投稿内容に対するコメントがしやすい反面、誹謗中傷も起こりやすい
  • 若年層の誹謗中傷に対する意識の低さ:SNSの利用が多い若者層は知識やリスク管理が乏しく、誹謗中傷が常態化しやすい
  • SNSの匿名性:ほとんどのSNSは匿名での投稿が可能なため、「バレない」という心理から実名では言えないことを言い、自覚が乏しいまま誹謗中傷をしてしまう

この他の理由としては、SNSの中でも誹謗中傷の割合が高いX(旧Twitter)が、経営方針の変化などで誹謗中傷への対策が弱まっているのではないか、とも言われています。

なぜ誹謗中傷をするのか

こうした誹謗中傷を行う加害者の多くは、ごく普通の人々です。彼らが誹謗中傷をしてしまう心理的背景には

  • 相手の顔が見えないことから来る想像力の欠如
  • 満たされない承認欲求
  • 実生活における不満や困難
  • 正義感や正当な行為をしているという思い込み

などがあります。こうした心理状況の人の中には、誹謗中傷に対する罪悪感が薄く、自分はむしろ被害者であると思っているケースも少なくありません。

誹謗中傷した側の法的責任

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現在、インターネット上での誹謗中傷は明確に刑法で罰せられます。

法的には「誹謗中傷」という犯罪はないため、誹謗中傷行為には以下のような罪状が適用されます。

  • 名誉毀損罪
  • 侮辱罪
  • 脅迫罪
  • 信用毀損・業務妨害罪

また、ネット上で顔写真を無断で晒された場合は、肖像権侵害にあたる可能性もあります。こちらは刑法ではなく民事上の不法行為となり、賠償請求にとどまります。

名誉毀損罪

名誉毀損罪は相手の名誉や社会的地位を傷つける行為を指し、刑法230条で

「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金

となります。

ただし、証拠や根拠があって誹謗中傷ではないからといって法的に正当であるとは言えません。例えば個人名をあげて「不倫をしている」とネット上で発信した場合、それが事実であっても他人の社会的評価を貶める行為となるため、名誉毀損罪に該当します。

侮辱罪

侮辱罪は他者を「公然と」侮辱することを言います。「公然と」というのは、第三者が認識できる環境や誰でも閲覧できるインターネット上への投稿などを指し、他に誰もいない1対1の状況で侮辱をされた場合は侮辱罪にはなりません。

これまで、侮辱罪は名誉毀損罪よりも刑が軽いため、誹謗中傷の抑止効果が低いことが問題視されてきました。後述の事例⑤での女性が自殺した事件を受けて国会で議論となった結果、法定刑の引き上げが行われて2022年7月7日から施行されています。変更点としては

  • 「拘留又は科料」→「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」
  • 公訴時効も1年から3年へ延長

となっています。

また直接誹謗中傷の投稿を行わず、単に再投稿しただけでも、民事上・刑事上の責任を問われることもあります。

脅迫罪

脅迫罪は何らかの形で相手を脅迫する行為であり、被害届なしでも警察が捜査を始めることがあります。誹謗中傷の中でも、殺害予告や企業への爆破予告などの直接的な危害を及ぼすことを明示した場合は、これに該当する可能性があります。

脅迫罪は刑法222条により2年以下の懲役または罰金30万円以下に処されます。

信用毀損・業務妨害罪

信用毀損は、虚偽の情報を流して他人の信用を毀損する行為であり、業務妨害罪は誹謗中傷によって実際の仕事や事業に悪影響をもたらすことです。

誹謗中傷を受けた企業や店舗が商品の販売、サービス停止を余儀なくされる他、最悪の場合廃業に追い込まれるといった問題も出ています。

いずれも刑法233条で3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金となります。

誹謗中傷の具体事例

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インターネットの普及以降、数多くの誹謗中傷によるトラブルが頻発しています。特に注目度も発言力も大きい著名人は標的にされやすく、残念ながら悲劇的な事件につながることもあります。

ここでは特に社会的な影響力の大きい幾つかの事例を紹介していきましょう。

事例①2ちゃんねる/芸人S・Kさん

S・Kさんはお笑い芸人として活躍していましたが、無関係な殺人事件の実行犯という噂を流され、1998年から20年以上もの間2チャンネル上で誹謗中傷を受け続けます。

本人や家族・知人への殺害予告や、スポンサーへの抗議など芸能活動にも支障が出てきたために警察に相談しますが、当時はインターネット上での事件への認識が低く、全く相手にされませんでした。粘り強い活動の末に2008年頃から状況が変わり、特に悪質な17歳から45歳の男女19人が検挙・書類送検されます。

加害者の多くは「殺人事件の実行犯」というデマを信じており、自分たちが悪いという意識は低かったそうです。S・Kさんはこの事件を機に、ネット上での人権啓発活動を続けています。

事例②2ちゃんねる/弁護士T・Kさん

弁護士のT・Kさんは、2012年に依頼人の掲示板の情報を削除するよう要請を行いました。当時は削除要請を掲示板上で行うことになっていたため、自分の名前を記したことで多数の誹謗中傷を受けることになります。T・Kさんは事務所や実家を特定されて実際に嫌がらせをされ、100万回に及ぶ殺害予告を受けたことで精神的にも追い込まれます。

2年後に10人以上が脅迫容疑などで逮捕・書類送検され、その多くが10〜30代の男性でした。

事例③Twitter(現X)/女優H・Hさん

子役として活躍していたH・Hさんは、早い年齢からTwitterを始め、社会的な問題についても積極的に発言していました。しかしそのことが一部での反感を買い、多くの誹謗中傷に遭います。

警察に何度相談してもなかなか取り上げてもらえなかったH・Hさんですが、約10年にわたって特に悪質な誹謗中傷を繰り返してきた男性を特定することに成功し、民事・刑事両面で告訴に踏み切ります。

結果、315万円の慰謝料で示談を勝ち取ったものの、男性は当初は反省の色がなかったそうです。

事例④Twitter(現X)/ジャーナリストS・Iさん

S・Iさんは、元記者の男性から性暴力被害に遭い、実名で告発を行いました。

しかし相手の男性が政府の要人と親しい立場にいたことから、政権を擁護する人々からの執拗な誹謗中傷が相次ぎます。

特に問題視されたのが彼女を揶揄するような投稿を行なった漫画家と、その投稿に対してリツイートを行なった男性2名です。法的措置を取った結果、彼らには名誉毀損や損害賠償が命じられます。また、この投稿に対して「いいね」をした女性議員に対しても法的責任が認められるという、画期的な結果となりました。

事例⑤Twitter(現X)/H・Kさん

女子プロレスラーとして活躍していたH・Kさんは、テレビ番組での言動をめぐって多くの誹謗中傷を受けた末に自ら命を絶ってしまいます。

2020年には大阪府の20代男性、2021年には福井県に住む30代男性が逮捕、起訴されますが、大阪に住む20代男性はわずか9,000円の科料にとどまります。

また誹謗中傷を無くすことを訴えた彼女の母親に対しても誹謗中傷が起こり、40代の男性が書類送検されています。

この事件をきっかけに侮辱罪の厳罰化や制度見直しが検討され、2022年の刑法改正で侮辱罪の法定刑が引き上げられています。

誹謗中傷に対する対応

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SNSなどで実際に誹謗中傷をされてしまった場合には、以下のような対応をとることが求められます。

誹謗中傷の削除依頼・関係機関への相談

自分自身への誹謗中傷を確認した場合最初に行うのは、プロバイダやSNS管理者などへの削除依頼関係機関への相談です。

削除依頼はサイトやSNSにより異なりますが、ヘルプセンターや「通報」「報告機能」などを確認し、悪質な誹謗中傷が利用規約違反であることを明確にして、サイト管理者や運営会社に削除を依頼します。

関係機関への相談は

などが行っています。この時点で、投稿者や証拠となる日時が分かるスクリーンショットやURLなどの情報を記録しておきます。これは発信者の特定や警察への通報の際に必要になるため、日時とURLは完全な形で残してください。

発信者の特定と発信者情報開示請求

損害賠償や慰謝料の請求には投稿者の特定が必要です。

手続きとしては、プロバイダー責任制限法に基づく「発信者情報開示請求」によって誹謗中傷を投稿した人物のIPアドレスを入手し、投稿がなされたプロバイダーを特定。プロバイダーに契約者情報開示の訴訟を起こし、投稿者の氏名や住所などを特定します。

発信者情報開示請求は、裁判所で申立ての正当性を認められる必要があり、権利侵害の内容、誹謗中傷の相手、開示請求目的の合理性などが問われます。

投稿情報は3ヶ月ほどで削除されてしまうので、開示請求は急いで進めなければなりません。

損害賠償請求

投稿者が特定されたら損害賠償請求を行います。最初は内容証明郵便で請求する流れがほとんどですが、自分の素性を明かしたり、加害者と直接話したくない場合は弁護士を代理人にして慰謝料請求の交渉をします。賠償金額も弁護士と相談し、権利侵害の程度や内容に応じて適正な金額を設定します。

被害届・刑事告訴

名誉毀損罪や侮辱罪は親告罪であり、被害者が警察に告訴をしなければ加害者の刑罰を問えません。そのため、加害者の刑罰を望む場合は警察に告訴状を提出し、警察が罪に問えると判断したら捜査の対象になります。

この場合、加害者の特定が不可欠ですので、証拠となるスクリーンショットやURLなどの情報を持参してください。あらかじめ弁護士と具体的な進め方を相談しておくと良いでしょう。

誹謗中傷を受けないための対策

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SNSでは、自分が投稿した何気ない言葉により、見知らぬ誰かに名指しされ誹謗中傷を受けてしまう危険が起こりえます。

こうした事態を防ぐためには、自分がネットを利用するときの意識を変え、以下のような点に注意することが大事です。

言い返したり煽ったりしない

ネット上で不愉快な投稿をされた時には、下手に反論せずにミュートやブロックなどの機能でコメントを制限しましょう。中には相手の反応を面白がる人もいるため、実害を受ける可能性がなければ無視するのが最善です。

過激な言葉遣いを控える

同様に、否定的な意見や不愉快な投稿に対しても、暴言や罵倒などの過激な言葉遣いは避けましょう。相手の受け止め方によっては、自身が加害者と見なされてしまいかねません。

個人を特定できる情報を流さない

自分や家族などの個人情報を載せるのはやめましょう。本名でSNSをしている人でも、住所や電話番号など重要な個人情報や、それらが特定できる情報を載せるのは危険です。

実際に会ったことがない、インターネット上のみで知り合った人に、安易に名前や連絡先を教えることも控えましょう。また他人の個人情報を本人の許諾なく掲載することも絶対にしないでください。

誹謗中傷をしてしまわないために

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一方、自分が誹謗中傷の加害者になってしまう危険性も普段から意識しなければいけません。

誹謗中傷の加害者自身は自分が正しいことをしているという思い込みが強く、誰かが忠告をしても聞き入れられる状態にないことが多いためです。

では誹謗中傷の加害者にならないために、普段どのようなことを心がければよいのでしょうか。

他者への想像力を持つ

ネットの向こうで発言する人も感情や個性がある普通の人間である、ということを常に意識してください。SNSでの他者の発言も、発言内容やその理由、背景にある事情などについて疑問を持ち、想像する習慣を身につければ、不用意に相手を傷つける物言いはある程度抑えられるでしょう。

ネットは実社会と地続きという感覚を持つ

上記と関連して、インターネットの世界は実世界の延長ということを理解しましょう。

特に生まれた時からインターネットが当たり前の若い世代やインターネットを使い始めて間もない人の中には、ネットの構造・仕組みを十分に理解しておらず、現実世界とは関係ないと思っている人も少なくありません。

自分の発言がどのような形で広がり、どのようにリアルな社会と人に影響を与えるかを知るのは、ネットリテラシーの基本中の基本です。このことを誰もが改めて考える必要があるでしょう。

ネットを離れた情報源に触れる

誹謗中傷の加害者に多かったのが、実生活で困難を抱えネットに依存してしまう状態でした。そのため自分と近い考えの人しか受け入れられず、自分の正義や倫理観と異なる人に激しい攻撃を向けていったのです。

こうした状況を乗り越えるため、脳科学者の茂木健一郎さんはネット以外の幅広い情報源に積極的に触れ、自分なりの世界の見取り図を作ることが大切であると述べています。

スマホやネットへの依存がもたらす心身への不調も近年問題視されています。普段から意識的にネットを離れ、本や新聞、雑誌、ラジオや音楽など、多様な娯楽や情報に親しむ習慣を持つことが大事です。

誹謗中傷とSDGs

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誹謗中傷の問題とSDGs(持続可能な開発)との関連性としては、人間の平和や平等、公正というテーマがあげられます。

目標16「平和と公正をすべての人に」

誹謗中傷をなくすために最も関連性の高いのがこの目標です。

誹謗中傷は明らかにネット空間における「暴力」であり、時に人を死に至らしめる現状は放置できません。そしてSNSを含むインターネット空間はもはや「公共空間」と言っても過言ではなく、司法による統制と言論の自由のバランスをとり、すべての人に平等で安心な空間を提供することは不可欠です。

関連ターゲット

16.1 あらゆる場所において、すべての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる

16.3 国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、すべての人々に司法への平等なアクセスを提供する

16.6 あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる

16.10 国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

また、誹謗中傷の問題は目標5「ジェンダー平等を実現しよう」とも関わってきます。

先にあげた事例のように女性が誹謗中傷の被害に遭うケースは多く、彼女たちに特に執拗で悪質な中傷を行うのは多くが男性です。そこにはジェンダーバイアスによる問題も無縁ではありません。

>>各目標に関する詳しい記事はこちらから

まとめ

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SNS上での誹謗中傷は、これからのネット社会を私たちが作り上げていく上で、解決しなければいけない問題です。インターネットは本来、開かれた自由な世界への扉であり、閉じた空間で蓄積された負の感情をぶつける場所ではありません。

私たちは、自分の持つ言葉の価値と、その言葉を伝える人間の存在について、もう一度考え直す時期に来ていると言えるでしょう。

参考文献・資料
SNS暴力 なぜ人は匿名の刃をふるうのか:毎日新聞取材班/毎日新聞出版,2020年
中学校の授業でネット中傷を考えた 指先ひとつで加害者にならないために:宇多川はるか著/講談社,2023年
新明解国語辞典 第三版/三省堂
インターネット上の誹謗中傷等への対応|警察庁Webサイト (npa.go.jp)
【特集】SNS等の誹謗中傷 | 安心・安全なインターネット利用ガイド | 総務省 (soumu.go.jp)
「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」に基づく取組|総務省
誹謗中傷対策|一般社団法人セーファーインターネット協会
ネットで誹謗中傷されたらどんな対応がとれる?法的な解決は弁護士に任せよう (atomfirm.com)
誹謗中傷の意味、どこからが誹謗中傷なのかを解説 | コラム | リリーフサイン (reliefsign.co.jp)
SNSによる誹謗中傷事例|数々の事例から事件になった例まで紹介 – 株式会社ブランドクラウド (brandcloud.co.jp)
どこからが誹謗中傷なのか?法律ではどこから犯罪になるかも解説 – 株式会社ブランドクラウド (brandcloud.co.jp)
刑法第233条 – Wikibooks
侮辱罪厳罰化、改正刑法が成立 「拘禁刑」を創設  2022年06月13日|時事通信
あなたは大丈夫?SNSでの誹謗中傷 加害者にならないための心がけと被害に遭ったときの対処法とは?|政府広報オンライン