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待機児童の現状をわかりやすく解説!原因や対策には何がある?保留児童との違いも解説

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日本が抱える社会問題として、多くの人が認知するようになった「待機児童」。働く親にとっては死活問題でしたが、最新のデータによると待機児童は2,944人と、直近で最多となった2017年と比べると約9分の1にまで減少しています。

なぜここまで待機児童が減っているのでしょうか?また、なぜ今までは減らなかったのでしょうか?

本記事では、日本における待機児童の現状と原因、解消に向けた取り組みを解説していきます。

目次

待機児童とは?簡単にわかりやすく説明

待機児童とは、保育が必要であるものの保育園に入所できない子どものことです。もう少し踏み込んで、待機児童の定義をおさえていきましょう。

待機児童の定義

待機児童の定義は限定的な概念で、

“調査日時点において、保育の必要性の認定( 2号又は3号) がされ、特定教育・保育施設
(認定こども園の幼稚園機能部分及び幼稚園を除く。 以下同じ。 ) 又は特定地域型保育
事業の利用の申込がされているが、利用していないものを把握すること。”

引用:厚生労働省

とされています。これを読むと少し難しい印象を受けてしまいますが、噛み砕くと「認可保育園を申し込んだけど審査に落ちてしまい、認可保育園に入れなかった子ども」を丸ごと含めるのではなく、そのうち、

  1. 希望の保育園に入れず、やむを得ず希望順位の低い保育園や認可外保育園などに入所しながら、希望している保育園の空きを待っている
  2. 入園をあきらめて求職活動を中断した
  3. 保育園以外の保育サービスを利用している

を抜いた子どもの数が待機児童としてカウントされます。

【捕捉】保育の形態

③の保育園以外の保育サービスについて補足すると、子どもを保育する場は、保育園の他にいくつかの形態に分かれています。ここで一通りご紹介します。

【認可保育事業(施設型保育)】

  • 認可保育園(公立、私立)
  • 認定こども園

【認可保育事業(地域型保育)】

  • 小規模保育
  • 家庭的保育(保育ママ)
  • 事業所内保育
  • 居宅訪問型保育(ベビーシッター)

【認可外保育事業】

  • 地方独自の保育事業(東京都認証保育所、横浜保育室など)
  • その他の認可外
  • ベビーホテル

待機児童で最も多いのは0~2歳

待機児童を年齢別に見てみると、3歳未満が全体の約9割を占めており、その中でも1、2歳児が特に多いことがわかります。つまり、待機児童問題とは低年齢児を中心として保育園に入れないこと、と捉えることができます。

待機児童と隠れ待機児童・見えない待機児童・保留児童との違い

先ほど待機児童は限定的な概念であると述べましたが、それ以外にも「隠れ待機児童」「見えない待機児童」「保留児童」などが関係するキーワードとして挙げられます。1つずつ見ていきましょう。

隠れ待機児童とは

待機児童の数には含まれないものの、「待機児童の定義」の章で挙げた①②③に該当する家庭は保育園の利用を必要としているため、「隠れ待機児童」と呼ばれています。

見えない待機児童とは

保育園に申し込みをしておらず、自宅保育している場合でも

  • 審査に通らないからと入園をあきらめ、そもそも申し込みをしない
  • 働きたいが求職活動を始めていない、始められない

などの家庭は、新しい保育園が近所にできれば申し込みをすることも多いため、「見えない待機児童」とも言われています。

【捕捉】潜在的待機児童とは

隠れ待機児童と見えない待機児童を合わせて「潜在的待機児童」と呼び、日本の待機児童がなかなか減らない原因の一つでした。これについては、後に詳述します。

保留児童とは

昨今、待機児童と並び話題になっているのが「保留児童」ですが、意味合いとしては隠れ待機児童とほぼ同じと考えてよいでしょう。

  • 保育園へ申し込みをしたが入れない
  • 希望の保育園へ入るため定員の空きを待ちつつ他の保育サービスを利用する

という状態で、待機児童の数には入らないものの、保育園を必要としている家庭の子どもが保留児童となります。
希望度の高い保育園でなくても、保育園に入れるならそれでいいじゃないか、と思う方もいるかもしれません。
しかし、

  • 家や職場から遠い場所だと通うのが難しい
  • 兄弟とそれぞれ違う保育園になると送り迎えが大変

という事情から、入れるならどこでもいいというわけにはいかないのが現状です。

待機児童問題の変遷について

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2016年に匿名ブログで「保育園落ちた日本死ね!!!」という投稿が話題になり、記憶に残る方も多いのではないでしょうか。その年の流行語大賞にもノミネートされ、待機児童が社会問題として注目される一つのきっかけにもなりました。

しかし、待機児童はそれよりも前から日本社会が抱えていた問題です。ここでは、待機児童の変遷について見ていきましょう。

「ポストの数ほど保育所を」

高度経済成長時代の1967年に「ポストの数ほど保育所を」という街頭デモが巻き起こるほど、当時は極端な保育園不足に陥りました。地方から都市への人口流入と共働きの増加を背景とする保育園不足は、50年以上前から起きているのです。

それから約20年後の1990年、「1.57ショック」※をきっかけに、政府は出生率の低下と子どもの数が減少傾向にあることを、社会問題として強く認識しました。

1.57ショックとは

前年(1989年)の合計特殊出生率が1.57と、「ひのえうま」という特殊要因(「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく、夫の命を縮める」という迷信)により過去最低であった1966年の合計特殊出生率1.58を下回ったことが判明したときの衝撃を指している。

少子化対策の現状(内閣府)

そして1994年、子どもを生み、育てやすい環境づくりに向けた「エンゼルプラン」が策定されます。

エンゼルプランとは、社会全体で子育て支援体制を構築することを狙いとして、その後10年間に取り組むべき基本的方向と重点施策を定めた計画のことです。エンゼルプランの実施にあたって、保育料負担の適正化や入所手続きの簡便化、低年齢児保育や延長保育の拡大など、具体的な数値目標が決められていきました。

参考:みんなでつくる子ども・子育て支援新制度 前田正子

これにより、日本の待機児童対策は大きなターニングポイントを迎えることとなり、次々と待機児童対策が打ち出されるようになりました。

次々と打ち出される待機児童対策

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2001年に小泉内閣が打ち出した「待機児童ゼロ作戦」は、

  1. 保育園施設の拡充
  2. 保育園定員の拡大
  3. 保育園定員の弾力化(基準をクリアしていれば、定員以上の受け入れを認める)

という保育園の増加など、ハード面の強化を推し進めました。

待機児童対策はその後、2005年「子ども・子育て応援プラン」、2008年「新待機児童ゼロ作戦」、2013年「待機児童解消加速化プラン」など継続的に取り組まれています。さらには育休取得率の促進など、親の働き方を変える「ワーク・ライフ・バランス」を促進する内容も盛り込まれていきました。

2015年に施行された「子ども・子育て支援新制度」では、さまざまな保育サービスに公費を投入することに加え、「子育て支援策の実施は自治体の役割である」ことが明確化されました。しかし、これらの政策は、関係省庁が分かれたり自治体に任せたりする部分も多く、複雑化していきました。

これにより、「子ども」に関することでも、保育園の管轄は厚生労働省、幼稚園は文部科学省、子ども手当は内閣府など、省庁がまたぐことで制度設計や支援が遅れ、また保護者の相談窓口や手続き自体も次第に煩雑になってしまいました。

※子どもに関する政策を一本化するため、2023年4月に「こども家庭庁」が創設されます。

【関連記事】こども家庭庁とは?目的や組織概要、最新情報、メリット・デメリットも

待機児童が減らない原因

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ここまで見てきて、「少子高齢化が進み、生まれる子どもの数は減っているのになぜ保育園に入れないの?」と疑問に思いますよね。ここからは待機児童が生まれる大きな原因を3つ解説します。

待機児童の原因①:保育ニーズの掘り起こしによる超過需要

政府はこれまで、保育施設を増やし、受け皿を拡大することを中心に待機児童対策を進めてきました。それでも待機児童数が減らなかったのは、潜在的待機児童という保育ニーズの掘り起こしによる超過需要が大きな原因のひとつといわれています。そもそも待機児童としてカウントされているのは限定的な数字のため、正確な需要として捉えることができません。氷山の一角として把握されている待機児童の対策が進むと同時に、その水面下にある潜在的待機児童が浮かび上がったことが、全体の数字が減らない原因となっていたのです。

待機児童の原因②:フルタイム共働き世帯と女性就業率の上昇

現在、日本における専業主婦の割合は全体の3割ほどで、ほとんどの世帯はパートタイムもしくはフルタイムで働いています。これにより、保育需要が大きくなっていることがわかります。

【女性就業率(25~44歳)と保育所等の利用率の推移】

また、25~44歳の女性の就業率が年々上昇しており、2019年時点で77.7%となっています。それに伴い、1・2歳児の保育利用率も上がっていますが、施設の供給や保育サービスの整備が追いつかず、待機児童になってしまうケースが増えてきました。女性の社会進出は今後も進んでいくと見込まれ、同時に保育需要も上がっていくでしょう。

待機児童の原因③:行政による参入規制

2000年代にNPO法人や株式会社による保育参入が緩和されましたが、それ以前は保育園の開設や経営はすべて行政による規制がされていました。「この地域に保育園が足りないから新しく作ろう」としても、行政の参入規制によって阻まれてしまうことがあり、保育制度に市場メカニズムが介入できなかったのです。

待機児童の原因③:保育士不足

保育園を作ったら、今度はそこで働く保育士も確保しなければいけません。上図のとおり、年々保育士の求人数も上がっています。しかし、なかなか人が集まらないために子どもを少人数しか預かれないという施設もあるほど、深刻な保育士不足に陥っています。

保育士への就業を希望しない理由

保育士資格を持ちながらも保育士にならない人の理由として、拘束時間の厳しさ、低賃金、過重労働などが挙げられ、保育現場の実情を表しているといえます。

日本の待機児童の現状は?推移も

このような中で、政府による取り組みも進み、近年待機児童は減少傾向にあります。

最新データによると、2022年4月時点の待機児童数は2,944人で、調査開始以来4年連続で減少しました。これは、直近で最多となる2017年の待機児童数26,081人と比べると約9分の1です。全国の市町村のうち、約8割で待機児童は解消し、今でも50人以上抱えているのは10自治体にまで減っています。

都市別では、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)、近畿圏(京都・大阪・兵庫)の7都府県とその他の指定都市、中核市における待機児童が約6割となっています。もう少し詳しい図表で確認していきましょう。

都道府県別の待機児童マップ

これは、2017年時点の待機児童数を表した図です。

1都3県が圧倒的に多く、特に東京は全国の待機児童数の約3分の1を占めています。

待機児童は日本全国の問題ですが、とりわけ人口過密都市の低年齢児(0~2歳)に集中しているといえるでしょう。

待機児童は全国的に解消されつつある

こちらは、最新版(2022年時点)の都道府県別の待機児童数を表した図です。

先ほどの図と比べてみても、全国的に待機児童は解消されつつあることがわかります。特に注目すべきは、圧倒的な待機児童数であった東京都がこの5年間で8,586人から300人にまで減少していることです。

待機児童が減ったのはなぜ?

直近では2017年をピークに、待機児童は減り続けています。これまで、潜在的待機児童の存在やフルタイム共働き世帯の増加、女性の社会進出などにともなう保育ニーズの拡大により、なかなか待機児童問題が解決できませんでした。しかし、なぜこの数年で急激に待機児童が減少したのでしょうか?理由を大きく3つに分けて解説します。

待機児童が減った理由①:新型コロナウイスル感染防止による利用控え

コロナ禍により、感染防止を背景とした育休の延長、保育園の利用控えが考えられます。しかし、フルタイム共働き世帯や女性就業率は上昇傾向のため、今後の保育ニーズは増えていくと見込まれています。

待機児童が減った理由②:小規模保育施設など保育受け皿の拡大

このグラフのとおり、保育施設数は2013年と比べて約1.5倍となっており、特に特定地域型保育事業と幼保連携型認定こども園が増えています。

先ほども触れましたが、特定域型保育事業とは小規模保育・家庭的保育(保育ママ)・居宅訪問型保育(ベビーシッター)、事業所内保育を指します。

小規模保育とは定員19人以下で0~2歳の子どもを預かる施設を指し、深刻だった低年齢児の待機児童解消の受け皿として大きな役割を果たしています。

待機児童が減った理由③:幼稚園による預かり保育の拡大

【預かり保育実施状況】

一般的に幼稚園の預かり時間は14時までですが、18~19時まで預かり保育を実施している園もあります。家や勤務地に近い場所であれば、フルタイムで働いていても時間内の送迎が可能となります。これにより、保育園ではなく預かり保育を実施している幼稚園に子どもを通わせることができるようになりました。

待機児童解消のための取り組み

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このように、政府主導による待機児童対策が着実な成果を遂げつつあります。続いては、保育施設の増加や支援制度の整備のほか、自治体や企業の取り組みをご紹介します。

国の取り組み①:2歳までの育休延長

これまでの育児休業は、子どもが1歳6か月までが最長でしたが、2017年から最大で2歳まで延長できるようになりました。これにより、競争率の高い0~2歳での入所申込みの緩和につながりました。

国の取り組み②:産後パパ育休の創設、育休の分割取得が可能に

2022年10月から、育児・介護休業法が改正されました。その中で、「産後パパ育休」の制度が創設され、女性は育休を分割して取得できるなど、家庭保育における育児分担の後押しが期待されます。仕事と育児の両立を支援することで、親の希望や条件に合った保育を選択しやすくなるでしょう。

参考:育児・介護休業法改正のポイント

自治体の取り組み①:東京都

日本で一番待機児童の多かった東京都ですが、現在は300人にまで減っています。東京都独自の取り組みを見ていきましょう。

東京都の取り組み①:既得権益にとらわれない補助金制度の拡大

株式会社やNPO法人が事業者となる保育園をはじめ、認証保育所や小規模保育、事業所内保育の推進に向けて補助金を創出しました。施設整備費にかかる規制緩和、保育料の差額を補填する「バウチャー」制度を拡大するなど、大規模な予算を組んで保育の供給を増やしました。

東京都の取り組み②:都市公園内に保育所設置

人口密集で土地の確保が難しい東京都では、公園内に保育所を設置しました。公園を活用しながら地域住民との交流も図ります。これまで都市インフラとして一定の整備がされてきた都市公園のストック効果を高めるという意味でも、緑とオープンスペースの多機能性を生かす街づくりが進められています。

参考:都市公園法改正のポイント

自治体の取り組み②:厚木市(神奈川県)

「共働き子育てしやすい街ランキング」で上位の厚木市は、ファミリー層が多く、保育の需要が高い地域でもあります。そのため、待機児童対策として市内に小規模保育施設を増やしたほか、保護者の相談に個別で応じる「保育コンシェルジュ」の存在も注目されています。個々のニーズや働き方に合った保育サービスの情報提供や福祉サービスの紹介など、保護者の不安を解消するきめ細かい取り組みです。県内でも最大となる38か所の児童館が各地域に点在し、子育てサロンとして活発な情報交換の場となっています。子育てガイド「おおきくなぁーれ」は、これ一冊で子どもや子育て支援のことが分かるようになっており、保育園や幼稚園情報のほか、子どもの年齢に合ったサービスも紹介しています。

企業の取り組み:ケーズ&リリーナーサリー(茨城県水戸市)

茨城県にある、家電量販店チェーンを展開する株式会社ケーズホールディングスと学校法人リリー文化学園が連携した企業主導型保育所「ケーズ&リリーナーサリー」は、それぞれの専門性を活かした新しい保育園です。施設には最新のハイテク機器を整備し、育脳教育や感動体験に力を入れており、地域の子どもも積極的に受け入れています。さらに、雇用の創出による人材の確保と安定化にもつなげています。

団体の取り組み:認定NPO法人フローレンス

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認定NPO法人フローレンスは、都心の空き物件を活用し、0~2歳を対象とした小規模保育「おうち保育園」を2010年にスタートさせました。この取り組みが注目を集めたことで、小規模保育が認可保育事業へと制度化され、その後一気に小規模保育が拡大するきっかけにもなりました。フローレンスは、待機児童問題だけでなく、病児保育や障害児保育などにも力を入れています。

世界にも待機児童問題はある?

ここまで日本の待機児童問題について見てきましたが、世界には待機児童はいるのでしょうか。ここからは世界の待機児童問題と保育への考え方をおさえていきましょう。

待機児童ゼロの国:スウェーデン

スウェーデンには0歳児保育がありません。子どもの保育は、親の就労のためではなく、健全な発達のためと位置づけられています。親が育児休業を取って育てることが定められており、子育てと就労の両立支援に重点を置いた政策を進めています。投入する家族予算のGDP比は3.6%と高く、反対に保育費用が家計の収入における割合は4.4%と低いのが特徴です。子育てのコストを社会的に支えるべき、という考えのもと手厚い社会保障を維持しています。

(日本の家族予算に投入する予算のGDP比は1.5%、保育費用が家計の収入における割合は15.3%と、家庭における育児負担が大きいといえます)

子だくさんに有利な国:フランス

フランスでは、3歳以上の保育と教育が義務化されています。最大で3年間育児休業を取得でき、第一子の育児休業手当は半年分のみの支給であるものの、第二子以降は3年間支給されます。都市部では保育園が足りないため、ベビーシッターや保育ママの利用が普及しており、利用する際も補助金が出ます。また、子どもの数によって所得税が課税されるなど、多子家族に有利な制度設計が構築されています。フランスでは、昔から人口維持が国の重要な施策と考えられ、さまざまな多子出産奨励策を進めているのです。

保育も市場主義の国:アメリカ

アメリカは、家族のことに国は介入しないという考え方が徹底しており、育児休業などもそれぞれの州や企業が定めています。基本的に保育に公費負担が入らないため、保育料は高くなりがちです。一方で労働市場の流動性が非常に高いため、子育て期間は退職して、個人の希望するタイミングで復職する、ということが諸外国と比べて容易です。しかし現在、コロナ禍による人手不足で、保育園入園に半年から2年待ちをする地域もあり、待機児童問題が徐々に深刻な事態となっています。

待機児童とSDGsの関係

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最後に、待機児童とSDGsの関係を確認していきましょう。

待機児童解消に向けた取り組みは、SDGsの17の目標のうち以下の2つに貢献します。

目標4「質の高い教育をみんなに」

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SDGs4 「質の高い教育をみんなに」では、「すべての人々に対し、国や家庭・性別に関係なく平等に、教育を受けられる機会を提供すること」を目指しています。

保育園の需要が高まっていても、受け皿や人手不足により待機児童となってしまうことは、養育や教育の機会の損失につながります。

目標⑤「ジェンダー平等を実現しよう」

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SDGs5「ジェンダー平等を実現しよう」では、ジェンダーによる差別をなくし、誰もが平等な機会を得ながら自分の能力を発揮できる社会を作ることを目指しています。「女性は仕事をせずに家のことをやるべき」「男性は働いて家族を養うのが当たり前」というジェンダー(社会的・文化的に作られる性別)による差別は日本でも根強く、待機児童問題には女性が働けない、働きづらい社会であることが根本にあるといえます。待機児童の解消は、男女による性別にとらわれることなく、ジェンダー平等社会の実現のきっかけといえるでしょう。

まとめ:きめ細やかな支援で待機児童ゼロへ

待機児童や保育園の問題は、いま子育てをしている家庭だけでなく、今後若い世代が希望を持ちながら働き、子どもを育てられる社会になれるかどうかにも関わる重要な課題です。さまざまな施策が功を奏し、減少を続ける待機児童ですが、今後は地域の特性に応じたきめ細やかな支援がより一層重要となってくるでしょう。

<参考文献・資料>
保育園問題 – 待機児童、保育士不足、建設反対運動 前田正子
経済学者、待機児童ゼロに挑む 鈴木亘
待機児童対策—保育の充実と女性活躍の両立のために 八田 達夫
待機児童ゼロ―保育利用の権利 田村 和之ほか
子どもの「今」を護れるか―待機児童問題から見える社会の姿―前原 寛
みんなでつくる子ども・子育て支援新制度 前田正子
スウェーデンの保育園に待機児童はいない 移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし 久山 葉子
少子化対策の現状(内閣府)
保育所等関連状況取りまとめ(厚生労働省)
保育分野の現状と取組について(厚生労働省)
令和4年4月の待機児童数調査のポイント
保育所等利用待機児童の定義
保育士の現状と主な取組
令和元年度 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究事業報告書(厚生労働省)
保育サービス利用児童数の状況、保育所等の設置状況(東京都福祉保健局)
保育所等利用待機児童等の状況(東京都福祉保健局)
保育を取り巻く状況について
幼稚園における預かり保育の促進について
都市公園を活用した保育所整備の先行事例
保育士確保集中取組キャンペーン
保育を支える保育士の確保に向けた総合的取組
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の概要
都市公園法改正のポイント